『セーター』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
寒い冬の朝、セーターを手に取った。
猫のアップリケが目立つそのセーターは、亡き母が編んだものだった。
最初はダサいだとか言っていたし、大人になったら着なくなってしまったが、未だそのセーターだけは捨てられない。
痺れる寒さに身を震わせながら、自宅用なら、と私はそのセーターを纏う。
次の冬の訪れを待ちながら、またこのセーターと冬を越すのだ。
#セーター
私は冷え性である。
いわゆる末端冷え性というやつで、常に手足の先が冷たい。
冷え性とはずいぶんと長い付き合いのため、対処方法などは講じているが、年を経るごとにひどくなっていく気がする。
特に寝る時が大変だ。
まず、電子レンジで温めて使うタイプの湯たんぽと、電源に差し込んで温めて使うタイプの湯たんぽの2つの湯たんぽを肩のあたりと足の先の方に仕込む。
パジャマの下には長袖のカットソー。ふくらはぎを守るためにレッグウォーマー。足首丈の靴下(足先だけ寝ている間に脱げている)。ネックウォーマーも必須。敷布団には敷布団カバーではなく毛布をかけ、かけ布団はもふもふの羽毛布団。重い布団をかけて寝ていると悪夢を見るため、こうして寝ている。
部屋着も、色々と重ねまくって最大だと全裸になるまで8枚くらい衣服を脱ぐ必要がある。
そんな自他ともに認める冷え性の私はもちろんセーターが好きだ。いや、だった。過去形。
そう、セーターはさ。
重いんだよ。
昔はセーターくらいしか防寒に適した洋服がなかったから冬はよく着たもんだけど。
おばさんね、もう重い服は着られないの。
ヒートテックとかフリースの軽さを知ってしまった後では、セーターなんて重たいもの着てるだけで疲れちゃう。
スフレヤーンみたいな軽いセーターもあるにはあるけれど、やっぱり温かいのはウールだし。
ヒートテックとダウンに慣れた体は、ウールのセーターとウールのコートなんて組み合わせ、一日中着てるのは苦行でしかない。
若い方は服で疲れるなんてことないのでしょうね。
でも、貧弱おばさんは本当にしんどいの。
カバンもそう。バックも重いバックは入れる前から重いんじゃ、中身を入れたら持ち歩けないわよ。
バックに至っては、重さの感覚がわからないから通販で買えないし(本当に持ち歩けるか、持ってみなくてはわからないのだ)、作ってる。
最近は自作したかばんしか使ってないよ。
デニムも重さを感じるようになったわ。スキニーなんてちょっとキュっとするから嫌になってしまう。ゆるいのがいい。何も束縛しない軽い衣服とかばん。
そうやってゆるゆるでないと形を保てないのがおばさんという生き物なのよ。
あ、言い過ぎですね。
ハイパー体力お化けの元気なおばさんも存在しています。
おばさんという生き物はパワーの具現化と言っても過言じゃないってくらいの人もおりましょう。
私がとんだ貧弱もやしおばさんなだけです。
「セーター」というお題から、自分が貧弱もやしおばさんだと暴露するに至ってしまった。おかしいなぁ。
中身もないので、今回はここまでに。また来週。
2023.11.25 猫田こぎん
【セーター】
最初に教わったのはマフラー。
考え過ぎてしまう僕にとっては良い気分転換になる。決められた手順をずっと繰り返すこと。黙々と手を動かせば良いから、頭をぼーっと真っ白にして編み続けることは向いているのかもしれない。
だから、というか、この日も延々と編み続けた。
「……遊木さん? 何を編んでるんですか?」
不意に届いた声にハッと意識がクリアになる。視線を声のした方へと向ければ、口元に苦い笑いを浮かべた漣くんがいた。
「あ、ええと、セーター?」
「何で編んでるんですか当人が疑問系なんすか」
笑いながら僕の隣に腰を下ろす。その際に編み物を踏まないように避けてくれたけど。……あれ? 何で?
「オレもちょっと編み物やってみたりしたんですけど、セーターってこんなにでっかいの編む必要あるんですか?」
「……いや、ないよね」
「型に合わせて編むんだったと思うんですけど、オレの勘違いだったかなーなんて思っちまいましたよ」
改めて編んだものを手に取って広げてみる。……うん。でかい。これはセーターにするには難しいだろうな。
……解いて編み直すのもありかもしれないけど。
「セーター改め膝掛けで使ってくれる?」
「……え、オレが貰って良いんですか?」
元々は漣くんにセーターを編みたかっただけだから。なんて直接言うのも照れくさい。
「僕の気分転換の副産物で良かったら貰って欲しいなって思ってるよ」
「いやぁ……嬉しいですよぉ。大事に使わせて貰いますね」
言葉通りに嬉しそうな顔をされると、僕が素直に言えなかった気持ちがするりと表に出てきてしまう。
「次はちゃんとセーター編むから。……だからそれまでその失敗した膝掛け使いながら待ってて」
きょとんと丸くなった目が直ぐに笑みに綻んでいく。
「いつまでも待ってますよぉ! 遊木さんがオレに編んでくれるんですからねぇ」
今日もまた頭を空っぽにしてセーターを編む。空っぽにしたはずなのに、漣くんの嬉しそうな顔で埋め尽くされちゃうけど。それもまあ、悪くはないかな、って僕は思う。
その日は、突然やってきた。
14歳の誕生日だった。
彼がこの世からいなくなった。
交通事故だった。
その日の運気は絶好調だった。
友達がサプライズパーティを開いて、私の誕生日を祝ってくれた。
なのに…。
その知らせが耳に入ってきたとき、すぐには信じられなかった。
私の誕生日プレゼントを買いに行った帰りだったらしい。
彼のお母さんは泣きながらプレゼントを渡しに授けた。
薄いピンク色のセーターだった。
前に二人で遊びに行ったとき、近くのアパレルショップで見かけて、私がほしいと思っていたセーターだ。
たしかにあのときこのセーターを見つめていたかもしれないけど、彼はそれを覚えいたのだろうか。
彼が去ってから、その時初めて涙を流した。
あの涙を、私は一生忘れないだろう。
「お誕生日おめでとう!」
「ありがとう!嬉しい!
10年前の誕生日パーティーとは違う顔ぶれが、誕生日を祝ってくれる。
私は今年、24歳になる。
みんなが帰ったあと、自分のタンスの奥を覗いた。
そこには小さくなった薄いピンク色のセーターが大切にしまってあった。
あれ以来、新しいセーターは一度も身に着けていない。
つらいよ
会いたいよ
呼んでも
呼んでも
あなたには届かない
「セーター」
首回りがイガイガする
なんかモッタリ太って見える
とかなんとか言いながら
彼女の編んだセーターを着ている友よ
…手編みのセーターって…最近のDKに
対するプレゼントにしては…なんか重くねぇ?
彼女も今時のJKなのに。
え?羨ましいだけだろって?……(無言)
「セーターは、うん、ぶっちゃけ静電気が恐ろしくてここ数十年着てねぇのよ……」
ところでその、セーターを脱ぐ際の静電気、ネット情報によると数千から数万ボルトらしいな。
そもそもクローゼットに今回の題目に合致する衣類を入れていない某所在住物書きである。
仕方がないので、ネット検索から、物語のネタを引っ張ってこようと画策したは良いものの、そもそも何の検索語句と合わせようか想像ができぬ。
「サジェスト検索も、おしゃれとか干し方とか、洗濯とかくらいしか出てこねぇ。……クソダサセーターの物語でも書きゃ良いのか?」
多分俺には少々難しいが?己の提案に己自身でツッコミを入れて、ため息。
今日も相変わらず物書きは途方に暮れる。
――――――
昨日、最高24℃で微妙に溶けてた職場の先輩が、今日はケロッと復活して、
だけどなんだか、夢見が悪かったらしくて、朝からすごく不思議そうな、寂しそうな、なんかエモそうな顔をしてた。
「どしたの?」
本日、先輩の部屋でいただく食費&調理費節約のシェアランチは、私が買ってきた半額豚こま肉と先輩が用意してた半額サラダを使った、コンソメ鍋。
タマネギは勿論だけど、意外とパプリカとかレタスとかからも出汁が出てて、おいしい。
シメはオートミールをブチ込んで、低糖質チーズリゾット風の予定だ。
「言っただろう。夢見が悪かった」
諸事情で今月最初に買い替えた冷蔵庫の鎮座するキッチンから、おいしそうなリンゴと柿と梨と、それからクリームチーズを持ってきた先輩。
夢の内容を聞く私に、ため息ひとつ吐いて言うには、
「セーター脱いでバッチバチの状態で、金属製のドアノブを掴まなければならない夢を見た、とかどうだ」
「顔に『この夢を実際に見たワケではありません』って書いてる」
「コレはコレで、悪い夢見ではあるだろう」
「なんかバチクソ変な夢とか?」
「変といえば、たしかに、変だった」
「怖い怪獣に襲われた?今の歳で?」
「デザートは、私の実家から来た果物に少しチーズを載せるやつで、構わないか」
「出た先輩の伝家の宝刀、話題チェンジ」
さくり、さくり、さくり。
リンゴと柿と梨が、半分の半分の半分の、そのまた半分、8等分のウサギさんか半月みたいに切られて、その上に白いクリームチーズが、ちょこん。
さわやかな、甘い果物の新鮮な香りが、鼻先で咲く。
ランチのお鍋食べてる途中だけど、どうにも待てなくて、勝手に梨チーと柿チーのひと切れをつまんだ。
「あっ。こら。つまみ食い」
甘くて、しょっぱい。
濃ゆいフルーツヨーグルトみたいな清涼感が、豚こま肉とコンソメで幸福だった口の中を、一気にデザートコースに模様替えした。
「分かった」
「ん?」
「先輩の実家から、果物と一緒にセーターも送られてきたけど、クソダサセーターだったって夢だ」
「……それもそれで嫌だな?」
セーターも怪獣も、変な夢も、どうでも良くなってきた私は、しょっぱい豚こま食べてサッパリな果物食べて、ちょっと野菜挟んでまた豚こま食べて。
バチクソに優勝な余韻に、じっくり浸った。
「ミカンもいけるかな。冬はミカンじゃん」
「ミカンは……私はクリームチーズより、カマンベールを合わせたいな。試食の店員がジャムを付けていて、美味かったんだ」
「かまんべーるに、じゃむ……?」
お肉と、野菜と、チーズと果物。それからジャム。
その日のシェアランチは、ワインか甘口ビールあたりが有っても良さそうなメニューと話題で、
だけど真面目な先輩の部屋にお酒のストックなんて無いから、
最終的にノンアルコール、強炭酸水で我慢になった。
『セーター』
「セーター」より「ニット」のほうが聞き馴染みがあり、「セーターとニットの違い」を調べたところ、ニットは素材で、セーターはニット素材から作られたトップスとのことでした。
黒のタートルネックは、1枚あると便利ですよね。
「手編みのセーターを作ってみたい」という願望は長年持ち続けていますが、編み物が苦手なため、マフラーしか作ったことがなく、願望は願望のままです。
「なんか似合わない」
「部屋にある服でいちばんあったかそうだった」
「でも似合わない」
「お前の口はそれしか言えねーの? なら黙ってろ」
わかった。黙るよ。
黙って背中から抱きしめた。家のクローゼットの匂いかな。嗅いだことがありそうな匂い。ずっと押し込められてたんだろうな。
「おい、じゃま。はなれろ」
「……」
「おーい…くそっ…はなれろ…」
「…」
「あーもう…なんか言えよ」
黙ってろって言われたし。
2023/11/24 セーター
作りたかったけど、ダメだった。
それが最後になるなんて、思わなかった。
セーター
セーター
セーターを買う時の条件がある。
・薄生地で軽いこと
・首まで詰まりがあること
・アウターが白なので、色味ある生地であること
・予算4000円以内であること
秋になると新しいセーターを購入し、
寒くなるとガンガン着倒す。
暖かくて軽くて機能的。身近な存在。
私にとってセーターは『冬のTシャツ』である。
セーター。暖冬と言われてるだけあって昼間ならセーターでも十分だな。
ただ俺が外出するのは基本深夜と早朝だからセーターじゃ寒くて死ぬ。
しかしセーターか。俺セーターというか上からかぶる上着が好きじゃないんだよな。
Tシャツはいいんだけどその上に着るのは基本パーカーだ。だからセーターって一枚も持ってない。
考えてみれば自分のことだけどよくわからないな。Tシャツは着るのにセーターとかは嫌ってのは。
多分服の厚さの違いなのかな。Tシャツは薄いから頭を通してもいいけどセーターは厚いから頭を通したくないとか。
まぁ服の話はこれで終わりにするとして今日からは寒くなりそうだ。
前も同じようなことを思った気がするけど今日からは本格的な冬がきそう。
私が1番好きな服はセーター。
冬にならないと着られないけど、デザインがかわいくて大好きだ。
セーター
去年、天然ウール100%を自分で洗ったら、黄ばむ(と言うより焦茶ばんだ)は、縮むは、延びるは、着れなくなった。ウール羊さん御免なさい!
カシミヤ山羊のセーターを、美人で可愛いくて性格の良い女子高生と、お揃いで着て、素手でお手々を繫いで、
黄葉する街路樹の路を歩きたいな!
セーター服を脱がせないで!
徳博🤭
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ありがとう号 67作目
7.セーター
寒いな。白い息がでるくらい寒い季節になってきた。
いつもパーカーしか着ない僕に
君はセーターをくれた。お揃いのパーカーらしい。
すごく嬉しかった。
だから僕は毎日そのセーターを着た。
クリスマスの日。
僕は君とデートをすることになっていた。
集合場所10分前に来て君を待っていた。寒いと身体を震わせながら君の姿が見えるまで胸を弾ませていた。
君が遠くから走ってくる姿が見えた。
僕は「可愛いなぁ」って思いながら君が来るまで待っていた。だが君は、僕のところまで来なかった。
交通事故だった。僕は涙が止まらなった。
セーターを見る度に君を思い出す。
君のすぐ顔にでてしまう可愛いところ、少し低いけど優しい声。全部愛おしかった。
「君とずっと一緒にいたかったなぁ…」
今でも冬になったら
君からもらったセーターを着ている。
君を思い出すように。
[あー!このお洋服かわいい!]
[真夏が好きなワッペンついてるわね。いいよ。カゴにいれて]
[やった~!ありがとうママ!]
遠い昔の記憶が、夢によって思い出される。
あの時はセーターを買ってもらったんだっけ。確か6歳ぐらいのとき。
懐かしい気持ちに浸っていると、
[ママー!このお洋服スッゴク可愛い!]
私の娘が、そのセーターを着て駆けつけてきた。
なんだか暖かい気持ちになり、涙が滲んできた。
[ママ大丈夫?]
[大丈夫よ。心配ありがとね]
すると娘が私の引き出しを漁り、1枚のセーターを渡してきた。
[ママとお揃い!あったかいよ!]
[……ありがとう]
私を娘を抱き締めたのだった。
お題[セーター]
アグリーセーターとは、欧米で母親や祖母が子どものために編むクリスマスモチーフのセーターを指す。赤や緑のどぎつい配色、鎮座するサンタやトナカイたち。
プレゼントされて着ざるをえない子どもたちの悲哀を込めて、アグリー(ダサい)セーターと呼ばれる。
日本でいう「おかんアート」を彷彿するが、こちらは一応実用品である。
欧米ではもはやジョークのネタになっており、ホリデーシーズンには大人もあえて身につけて楽しむ。
現代では手編みをする人が少ないので、アパレルメーカーがわざわざセンスの悪いセーターを作って売り出している。イケてるアグリーセーターを考えているデザイナーがどこかにいるのだ。
最近、その文化は日本にも入りつつあるらしい。しかし、まだまだ浸透していないうえ、日本人の性質上「お洒落のつもりだったら突っ込むのは失礼」と気を遣われて、ただそこにいる派手なセーターの人になる可能性がある。
ちなみに12月の第3金曜日はアグリーセーターの日となっており、今年は12月15日である。
『セーター』
#111 セーター
私は寒かった。
しかし同じ部屋にいる人は平気そうに見えた。
暖かくして欲しいと思ったが、何と言えば良いのか分からなかった。
ふと外を見ると、
セーターを持った人がいた。
その人は私に気づくと話しかけてきて、着せて欲しいと頼めば着せてやると言った。
少し迷ったが、私は言う通りにした。
そして今までいた部屋を出た。
初めて着たセーターは暖かい。
置いてきた人の顔は、見なかった。
新しい部屋は、なんとなく狭かったけど、寒くないのが良かった。
私は言われるままに過ごした。人肌の温かさを知った。
そのうち、セーターがくたびれてきたので、新しいのが欲しいと言ったがくれなかった。
セーターを返し、私は部屋を出ていくことにした。
外は、これまでになく寒かった。
だけど部屋が寒いのも、
草臥れたセーターを着るのも嫌だった。
仕方ないので行くあてもなく歩き続けた。
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セーターをセーターとして書けない件。
セーターのメンテナンスは欠かさずにしましょう。
穴があいたって、毛糸を使えば繕うこともできます。
過去の交際相手が学生時代に着ていたセーターを、くれると言うのでもらって着た経験が元ネタ。
セーターを着ると
より冬を感じることが出来る
セーターは冬には外せない代物だ。
セーターについて考えてみた。
けど防寒具、ファッション、経済、見栄え位の要素しか思いつかなかった。
下2つは、どうでもいいけど、
上2つは、あったほうがいいと思う。
毛糸で作られた防寒具兼ファッション。
素材は3種類植物繊維か動物繊維、化学繊維のどれか。
一概にどれがいいとか決まってないけど、それぞれの使用状況とお財布の中身と相談の上で決めたほうがいい。
そうしなくては、洗濯の時に後悔すると思うから。