寒い冬の朝、セーターを手に取った。猫のアップリケが目立つそのセーターは、亡き母が編んだものだった。最初はダサいだとか言っていたし、大人になったら着なくなってしまったが、未だそのセーターだけは捨てられない。痺れる寒さに身を震わせながら、自宅用なら、と私はそのセーターを纏う。次の冬の訪れを待ちながら、またこのセーターと冬を越すのだ。
11/25/2023, 4:57:18 AM