『スリル』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私の周りに来る人間はスリルを求めているようだ。私は、普通の人間に比べたら、感情の起伏があまりない。普通なら、怒るような事を笑って許してしまう。
だから、変な人間に好かれる。リストカットをしているのだと明かしてきた高校時代の知り合いが、どんな言葉を求めていたのかは知らないが、私は消毒だけは忘れずにしなよと行為そのものを否定する事はしなかった。
次の日から、その知り合いに付き纏われる事が増えた。他の人間と話していると割り込んで、私に話しかけるなとその口で吠えていた。
私は、心の中でうるさいなと思うばかりだったが、現実では急用でもあったのと、気付かないふりを装う言葉を口にした。知り合いは嬉しそうに、私の手を握り外で2人っきりで話をしようと持ちかけてきた。私が、返事をするより先に知り合いは私の体を引き摺っていたが、私は何も言わず流れるままに身を任せた。
知り合いは、私の許容範囲にスリルを感じている。
お終い
「スリルはたまに味わうから楽しいんだよ」
そう彼女は一歩も動かなくなった。
行楽日和の遊園地。それぞれがそれぞれの楽しんでいるのがわかる。
「そうだね。ところで今日はどんな目的でここに来たんだっけ」
「人って変わってくものだから」
「今日は絶対ジェットコースター乗るって言ったよね」
彼女の両手を掴んだ。少し手が汗ばんでいた。
「言ったっけ……」
「言ったね」
そのまま力を込めれば足をふんじばっている。
正直ジェットコースターはどうでも良かった。だがこんな反応が見れるのはなかなか愉快だ。もう少し楽しんでから乗り込んでもいいかもしれない。
ネットで知り合った人と会うのがスリルになった。
親や友達にバレないかというハラハラ感。
相手の人がどんな人かというワクワク感。
それっぽい人が現れたときのドキドキ感。
ネットの人と話してはいけない。会ってはいけない。
という約束を破った罪悪感。
すべてが重なってスリルになっている。
このスリルを楽しんでるわたしってちょーさいこう!
「スリル」
私はジェットコースターに
彼氏と一緒に乗った。私は絶叫系がとても苦手だ。
なのに、なぜ乗ったのか、
それは彼氏の前で強がったからだ。後悔しかない。
今、私は安全ベルトを付け終わった。
怖い。怖すぎる。子供用でも恐怖なのに。
彼氏は横から「楽しみだね」と話しかけてきた。
うるさい。話しかけるな。そう思いながら彼氏の方に目をやった。
ドンッ!!ガラガラ〜
ついに、、動き出した。
上に上がっていく。頭が重い。
空が見えてきた。私はどうなるんだ。
そして、、、下に、、落ちた。
私は一瞬意識が飛び、走馬灯が蘇ってきた。
しかも、その走馬灯はいい思い出ではなかった。
3代目の彼氏に浮気をされ、(現在は5代目)階段に八つ当たりをしたところ、小指をおもっいきりぶつけたという悲劇だ。なぜ今思い出す。
そして、私は地上に下りてきた。
横に居るであろう彼氏の方向に目を向けた。
彼氏は気絶していた。痩せ我慢だったんだな。
私の今の感情は複雑だ。元彼へのさらなる恨み。
小指の苦痛。その中でも良い感情が一つある。
一番は、スリルを味わったことだ。
浮気の修羅場やバイト先で皿を5枚割ったときですら
スリルを味わなかったのに、
今日初めて味わうことができた。悪くないな。
(走馬灯は嫌だけど)
胸のときめき、いやドキドキ、手汗を握りテストを開始。
その後はイキイキ、頭を使った分つぎは体を使う。さぁ、次へ行こう。
#スリル
孤独を抱えて駅のホームに立ってはいけない。
一歩と言わず充分に後ろに下がりなさい。
踏切も同様。
ひいては全ての線から充分に距離を取りなさい。
それはしっかり手綱を握るべき物。
楽しめる内は良いのです。
空想であると言い切れる様になるまで待ちなさい。
スリルとは決して
冷や汗と命で味わう物では無いのです。
不安
恐怖
緊張感
罪悪感
それを上回る
刺激
快楽
背徳感
優越感
すべてが混ざって
あなたと私の
左薬指に焼きついてる
【スリル】
【スリル】
命はふたつあれば足りる。
僕はそう思う。
生きていくための1つと、1度死ぬための1つ。
理由は簡単。
1度死ねば怖さ、痛さが分かる。
どれだけ自分が愛されているか分かる。
だからふたつ。
1つだから足りないわけじゃない。
1つだからいいことがある。
1つだから死が怖いんだ。
でも、1度死んでみたくないか?
やっぱり私って狂ってるのかな。
―――――――――スリルを味わうためでは無い。
スリルを求めて殺人をした二人の男がいたらしい。
初めて聞いたときは理解に苦しんだ。そこまでのスリルを渇望することなど、あるだろうか。少なくとも、自分の人生にはなかった。スリルなんて必要ない。平穏であれば平穏であるだけ良い。
しかし、それを壊す存在が現れてしまった。彗星の如く現れたその人は恐ろしいほどに美しく、狂おしいほどに眩しかった。まるで神の最高傑作。目の前にいるはずなのに、どこか次元がズレているような気すら感じさせる。あの体には内臓なんてなくて、宇宙が秘められているのだと言われても納得してしまいそうだ。
信じ難い衝動を呼び起こされたことを自覚するのに時間はかからなかった。あの輝く姿をひと目見ただけで気がおかしくなる。平静を装うので精一杯だった。
壊したい。壊されたい。あの人を天界から引きずり下ろして、自分と同じ存在に落としてしまいたい。
いつか自制が効かなくなるとわかっている。わかっているのに離れたくなくて、なあなあに日々をやり過ごしている。この醜い本性を知られたくないと思いつつ、胸の底では暴かれたいとも願っていた。そのスリルが堪らなかった。
更なるスリルを求めたら、どうなってしまうのだろうか。
『スリル』
[スリル]
はぁはぁ、ここまでくれば大丈夫だろう
戸棚の下に隠れ、息をひそめる
遠くの方から小さな音で
コツ、コツ
靴の音が静かに響く
その足音は徐々に大きく聞こえ
だんだんと近づく
更に呼吸音をひそめ、ぐっと息を止めた
そのとき
「みぃつけた」
「うゎ、もう見つかっちゃった!次はパパが隠れてね!」
明日仕事そんなにだから有休つかおかなー
体キツいし
アナタたまにこれ言うけどね?
いいよね?
自分が休みたいから休む人は?
こっちは毎月いち子供の病院と
来月からの懇談会✖️2
年明けの進路相談✖️2
感染症なった時の連続休み想定
卒業式✖️2
入学準備✖️2
自分のための有休なんかいっこも入れられないんだよ!
いや、給料わたしはアナタの半分だし?
仕方ないかなとも思うよ?
いないより全然いいよ?
でもなんかさぁ…もちょっとさぁ…!
修学旅行の夜に見張り居ないか緊張しながらドアの外覗いて友達の部屋に移動したのたのしかったなー
欄干に身を乗り出して
底のない暗闇を見つめてみる
黄色い線の外側で
横切る車体を眺めてみる
割れたガラスを拾って
血管を刺してみる
ネクタイを巻きつけて
両手で横に引っ張ってみる
そうやって
ああ、生きている
なんて安心してみせる
『スリル』2023/11/1316
『スリル』
...送信っと。
遂に送ってしまった。このたかが十数文字を送るのに、僕は何分、いや、何時間かけたのだろう。あの人と出かけたいなんて思うのは簡単だが、行動するのはなかなかハードルが高い。この単語はどうとか、文末の形がどうとか、そんな普段は気にならないような、どうでもいい事まで気になって仕方がない。
返信が来ないか気になって仕方がない。そのくせ、もし今返信が来ても、少し時間が経ってから返すなんていうまねをする。いかにも落ち着いてる、こちらの方が一枚上手だとでも言わんばかりに。自分から誘っているのにも関わらず、だ。
聞き慣れた音がなる。画面が淡く光る。待ってましたと言わんばかりにスマホに飛びつく。が、開かない。というより開けないの方が正しい。今すぐ開いたら、鬱陶しいやつと思われてしまうかもしれない。そんなことが、頭を巡る。自分で自分を混乱の渦へといざなう。
何件かメッセージが来ているようだった。中身が知りたいが、何となく開けない。この時ほど、既読をつけずに内容を確認できる機能をアンドロイドにも搭載しとけと思ったことはない。深くため息をつく。無情に回り続ける時計の針を、ただ眺めていた。
ある人は、恋愛は付き合うまでのドキドキが一番楽しいという。相手との駆け引きなんかが醍醐味なのであろうか。当時の僕にそんなことを考える余裕など、微塵もなかった。が、確かに、あの時のスリルに近い感覚は、決して悪いものではなかった。
スリル
若い頃は、刺激的な日常に憬れていた…毎日、変化に飛んだ非日常生活を思っていた…それが何時からか、平穏な日常に、安らぎを感じるようになった…齢をとってきたからかも知れない…たまの冒険はいいけれど、ゆっくり過ぎてく、時間もいい…
あなたに隠れて 私は致す
バレてはいけない
私の秘密
貴方は知らない 私の秘密
あなたは知らない 私の秘密
密かな楽しみ あなたの致し
鼓動を抑えて
楽しむ私
貴女は知らない 私の秘密
バレてはいけない
気付かれてはいけない
今宵も致す 私の秘密
スリル
刺激は脳内麻薬にもなるよね。
一時の快感だけになるってことは、きちんと覚えておいたほうがいい。
スリル
彼をスリルジャンキーだと言ったことは嘘ではないが全くの真実というわけでもない。それは彼の一側面に過ぎず、彼は実際には死線を掻い潜るスリルなどとは無縁な、平穏でありふれた幸福な人生を問題なく受け入れることができることを僕は確信している。しかしそれを口にすることは決してない。このような、彼が僕のそばを離れない理由を一つでも失うまいとする僕の卑しい策略は数えきれないほどあり、さらに日々更新を続けている。
僕が僕である限り彼を繋ぎ留めるために策略は不可欠だ。或いは、僕がありふれた幸福を愛せる人間であったなら策略など不要だったかもしれない。実際には、何もなしで彼が僕のそばに居続けることは全く非現実的にしか思われない。彼にそのことについて尋ねたことは一度もないが、彼が僕の元から去る理由はいくらでもあるのだから、聞くまでもない。
だから僕は今日も彼に言うだろう。「君にはスリルが必要だろう?」そうであってほしいと祈るように。
美しい人は、皆、好きだ。
綺麗な人は多いが、美しい人は少ないと思う。
美しい人は、皆、心の礎がある。
苦しみに翻弄されても、未来を、生き抜くことを、諦めない。
苦しみを、乗り越えた人は、皆、本当に美しい。
私が思う…美しい人は、皆、過去に苦しみを乗り越えた先の人だった。
誰よりも、美しい。
いつか、そう言われてみたいし、言いたい言葉だ。
まぁ、こう思う…うちは、言われないだろうけど。
もう、苦しみなんて御免だ。
私は、今、苦しみを乗り越える、最中だ。
きっと、大抵の人は、そうなのだろう。
大抵、皆、何かと戦っている。
そう思うと、何だか、嫌な気持ちになった。
まるで、私は特別で無いと言われたみたいに…。
いつか、その言葉を受け入れられたらな。
きっと、その言葉を受け入れられる時には、
その苦しみを越えられているのだろうか。
深夜の樹海を一人の男が走っていた。
時々、背後を気にしながら全力で枯れ木を踏みつけて走る。
【ソレ】から逃れないと、死ぬのだから……。
「うわっ」
何かにつまずいて男性が倒れる。何につまずいたのか足元へ目を向ける。そこにはーー人の頭蓋骨が転がっていた。
男性は絶叫した。恐怖と混乱でうまく体を起こすことができず、赤子のようにハイハイしながらその場から離れた。
「ピギャアア!」
樹海の奥から悲鳴のような叫び声が響いた。樹海に棲む動物や鳥が慌ただしく逃げていく。
男性は、木の影に隠れた。
声が出ないように両手で口を押さえつける。
バサバサ、バサバサッ
羽の音が近づいてくる。普通の鳥が鳴らすような音ではない。大きく重量のあるような重たい音だ。
「ピギャアア」
また甲高い悲鳴が上がった。静かな樹海に不快な風が吹いた。【ソレ】が起こした風だ。
カサッ、【ソレ】が地面に降りた。男性は木の影から【ソレ】を覗き見する。
胴体は鷹のような体。首から頭は人の顔だ。だけど、口は鋭い黄色い嘴(くちばし)をしていた。
なんとも面妖な不気味な怪物だ。
【ソレ】は嘴で羽を繕っていた。鳥のような動きに男性は吐き気を催す。しかし、ここで吐けば確実に自分の存在を知らせるようなものだ。男性は、喉から上がってくる液体を無理やり飲み込んだ。
【ソレ】が男性の隠れている木へ視線を向けた。
男性はすぐに顔を引っ込め、息を殺す。
【ソレ】がゆっくりと歩いて来た。
カサ、カサと枯れ葉を踏みつける音がする。
一歩、また一歩と、男性を弄ぶかのように時間をかけて近づいて来る。
そして、【ソレ】が木の前に来た。鼻息が真後ろで聞こえる。
男性は、神に祈った。
『この化け物がどこかへ行って欲しい』
切実に願ったのも束の間。男性の真横に顔がきた。
黄色い嘴、人の顔をした化け物がいた。
「あ、あぁ……」
男性は絶叫する力もなく、目の前にいる【ソレ】をただ見るしか出来なかった。
【ソレ】の口が開き、細い舌が出てきた。男性の頬をベロリと舐めた。
そして、【ソレ】は歓喜の声を上げた。
そこで、男性の意識が遠のいた。
* * *
『次のニュースです。○月○日に行方不明の男性が樹海で発見されました。男性はすでに死亡しており、警察の話によりますと、何かの動物に食われた痕跡があるとのことで、詳しく捜査をしていく方針です』