『ススキ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「ススキ」
ススキが風でなびかれているときの音が好き。
サササーッ
私にとっては心地よい。秋を感じさせてくれるし、何より音の快適さが最高。でも自分の行動範囲にススキはない。自分がいつも歩く方向とは反対方向に行くとあるのはあるが、そこまでして音を聞きたいとは思わない。面倒なのもそうだけど、言ってしまえば、ススキなんて…といった感じだ。
コロナの時はお散歩がてらにその道を歩き草木の音を感じていた。そこは山風(?)がよく通る場所で、感動的な音楽がかかりそうな雰囲気がした笑
ああー、書いていたら行きたくなった!
早く歩きに行ってストレス発散しよう
「ススキ」
そろそろススキの季節。
ススキは9月から11月くらいになると見れる。
別に綺麗でも、なにかすごいものでもない。
でも、僕はススキが好きだった。
ごく普通のススキが。
僕は普通になりたかった。
生まれつきの金髪も青い目も。
全部嫌いだった。
なんでこんな見た目なんだ。
いつもそう思ってる。
でも、ススキは普通だ。
それに植物は僕のことを珍しがらないから。
僕もススキのようになりたいな。
コトバは都に流るる人波に呑まれている
彼らはコトバを鋭利な刃物の如く使っている
コトバは美しく舞いヒトになると云っている
嘲笑の餌食と化したコトバは嘆き悲しむ
「生きる意味を教えてくれ」と叫ぶコトバ
都に訪れ言魂と戯れる吟遊詩人
コトバに麗しい装飾を纏わせ共に踊り狂う
都に流るる人波は吟遊詩人とコトバの意味を知る
生きる意味の片鱗を知った人波は忘れゆく
ストレングスと歌姫を擁する歌劇場
言魂とコトバは天空を貫き星となる
永遠の星々となった高貴なるものは
生の意味を絶え間なく彷徨う人波を照らしている
「この世は踊り狂うが勝ちさ」
と陳腐な歌を唄う吟遊詩人と歌姫
星々は人波を照らしつつ微笑みを浮かべている
単純極まりなく複雑な世界
リズミカルに変幻する世俗
嘆き苦しむ青年と淑女は救いを求める
憐憫を浮かべる聖女は只々祈っている
皆の幸せが降りかかるように
淡々と…真摯に…瞳を閉じて
『散文的雑踏』
ススキが ザーッ と風に吹かれて鳴いている
ススキといえば秋 秋といえば 寒い
秋って伝言ゲームが1番やりやすい季節なんだな...
2024/11/10『ススキ』
「ススキ」
なんとなく家に帰りたくなくて、いつもとは違う道を歩く。
丘の上の学校から麓の家への道は二つあって、普段は急な下り坂を一直線に下って帰るけど 、今日は緩やかな下り坂。
最近まではジリジリと身を焦がすような暑さだったのに、急に寒くなって長袖が欲しくなった。
まったく秋はどこへ行ってしまったのか。
人通りのほとんどない枯れた道。
私を追い越して伸びる影。
静けさに虫の声が沁みる。
―世界に私だけが取り残されたかのような。
ふと、何かが耐えられなくなったかのように涙が堰を切って溢れ出す。
そんな時だった。
金色の絨毯。
一面のススキはそう呼ぶに相応しい。
ススキの穂が風に倣って皆同じ方向を見つめている。
いつの間にか全く知らない場所に来ていたけど、どこか安心している自分がいて。
涙は自然と止まっていた。
夕日がススキを照らす。
シルエットが浮き彫りになる。
金色だったススキに影を落とす。
夕焼けが暗闇に呑まれていく。
今日が終わる。
今日が終わってもまた明日、明後日と続いていく。でもそれでもいいと今なら思えた。
「また、来ます」
ススキが手を振るかのように風が吹いた。
ゆらゆら、と風で揺れる。
季節は巡り
風が冷たくなってきた
冷たい風が頬を撫でる
あぁ、すっかり冬だなぁと
空を見上げる。
男心と秋の空、なんて言うけど
案外当たってるかもな、
ポケットに手を突っ込み、思いを馳せる
ススキ/夜凪
ススキ
秋を知らせるススキ
なんとなく冷たい風と悲しさを感じさせる
私の心にも風が吹いて心いっしん
大事なのはきっと秋を感じて自分の気持ちを感じて
一歩前に進むためには何をしたいのかを
問うてみる心
ススキが風に揺れるのを見つめ
心をスッキリさせる為に風を吹かせて
新しい年まであと2ヶ月
自分を好きと堂々と言える自分になる為の
風をたくさん吹かせて生きていきたい
そう思った
【ススキ】
秋の植物、月と共に愛でるもの。それ以外の感想なくない?花言葉調べたけど生命力が強い所が由来のものが多かったね。ちなみに幽霊の正体見たり枯れ尾花の枯れ尾花ってのは枯れたススキの事だとさ。へー、また一つ知識が増えたね。もうこれ以上の情報はないよ。
─── ススキ ───
今年も呑気に満月を見ながら
ボーッと食べるお団子は格別で
隣の呑兵衛は団子より酒だと
清酒をちびちびやっている
萩、薄、女郎花、桔梗、撫子、葛、藤袴
ふんわり香る
秋の夜
さやさやと靡く白髪 秋の風
/お題「ススキ」より
ススキ
人は月見の季節に飾られ
虫にとってススキは食べ物
ススキは人と虫を繋ぐ植物
ススキ
海の光が
反射されて見えた
ススキ
周りでホタルが
踊ってる
それに釣られて
チョウやバッタか
目を覚まし、
踊りだす
あれ…、なんだか私も
踊りだす
月明かりがぼんやりと明るい。
吹き荒れる強風で、ススキの群生が波のように揺れている。立ち尽くすのは女の子の背中――。
……そんな夢を見た。
なんだったんだろう。眠たい目をこすりながら思う。
日本人にとってススキは、馴染み深さと同時に郷愁を誘う。
だから自分の脳みそが無意識に女の子を棒立ちさせたり、設定を嵐にしたり、夜にしたり……勝手なイメージを作り出したのはあると思う。それこそがススキがススキたるゆえんなので。
夢に出てきた女の子は、愁いの象徴のような植物であるススキに囲まれたていた。顔は見えない。まるで何かを決意しているようだった。
思い出した。
この匂い。
私の育った環境は畑が広がる地域だった。
月見の時期になると祖母がススキをどこからか飾り、
団子を用意してくれた。
誰もいない周り廊下から、月明かりの庭を眺める。
静かだ。
ススキと団子のこの匂いが、
いつでも私をあの頃に導いてくれる。
24. ススキ
月曜日、文化の日の振替休日に山とも呼べない森を不慣れながらも歩いてきた。眺望の良い場所に出たときに、ふと、見渡せる景色よりも目の前で揺れるすすきへ注意が移った。今年は秋という秋を感じなかったものだから、感激してしまったのだ。やってみないと気づかない豊かさがあるのだなと思いながら、深みを目指して再び歩き出した。
今日は観光地になった秋の風物詩を見に来た。
広大な土地にゆらゆらと動く、すすきの群生。その銀の穂は、太陽の光を浴びて金色に見える。
「綺麗ですねえ」
「そうだねぇ」
近くまで行こうかなと思ったけれど、想像しているより広過ぎるわ、葉が鋭そうだわと思ってやめておいた。
勇敢な観光客は、中に入って行っていた。背の高いすすきなんて自分たちと変わらないくらいの大きさだから、束になっていると少し迫力もある。
「晴れてよかったです」
「そうだね」
彼女は俺に身体を預けてくれる。彼女の重みはずっしりとして、大切な重みだ。
「来年は忙しくて見にこられないかな?」
「わかんないです」
彼女は大きくなったお腹をさする。その表情は慈しみを含んだ優しい微笑み。もう、ちゃんと〝おかあさん〟をしていた。
「意外と、元気過ぎて大暴れしているかもですよ」
「だったら、また来ようね。今度は三人で!」
来月の初旬に、俺は〝おとうさん〟になります。
すでに三人だけれど、彼女……奥さんをひとりじめできる、最後のデート……かな?
おわり
一七八、ススキ
夕時の風に涼しさを感じるようになると、外でふと見かけるススキの花に、未だ幼かった頃の記憶をぶわり、と思い起こさせる事がある。
其れは極めて断片的な記憶だ。
実家近くの河川敷、友人と共に、辺り一面に生い茂るススキの花を掻き分け歩いている。ただそれだけである。
その時感じた風の肌寒さと、ザーザーという川の鳴り止まぬ音。それらの得も言われぬ寂しさが、目も眩むような夕陽に照らされ黄金に染まるススキ畑の儚く幻想的な美しさと対比され、その一瞬だけが切り取られたフィルムのように、記憶の残渣として留まり続けている。
秋の黄昏の寂しさが、あの日幼いながらに感じた「嗚呼、この瞬間はもう二度と戻っては来ないのだな」という事実を、その後も何度も思い起こさせた。
瞬時に過ぎ去る秋の季節と人生の一瞬一瞬は似ている。
閃光の如く一瞬で過ぎ去り、儚い。
だからこそ其の時々は例えようもなく美しい、と秋風に揺れるススキの花を見る度思うのである。
すすき
霜月
夕暮れ
木枯らし
ススキの原
何気ない約束
まんまるの月
照らされたふたり
小指が絡まる
初恋だった
ススキ。
ススキ。
ゆーやくんに
買った月に
ススキを
飾ろう。
しばらく
逢えなくても
月を見れば大丈夫。
すすき
「団子はねぇの?」
「お月見は先々月に終わりましたわよ」
「…………いやススキあるなら団子がセットだろ?」
「お花見はお弁当がないとできないと思ってる人ですわね」
「だって花瓶にススキ飾るんだろ」
「行事がなくても花瓶に植物飾りますわよ」
「団子は」
「お腹減りましたか」
「いやだって団子があると思ってたから……」
「あると思っていたものがどこにも無いと分かった時の虚無感って大きいですよね……」
ぐう、と腹の虫が2人分。
夕日が差し込む廊下に伸びる影も2人分。
「台所になんか無いか…?」
「つまみ食いは減点30ですわよ!!」
「それたまったらどうなんの?飯抜き?」
「明日の朝のココアがなくなります」
「思ったよりしょぼい罰だった」
「マシュマロ入りですのよ!!」
「じゃあ俺だけで行くからいいよ」
「ずるいですわ尾上君だけ!!私もお腹が減りました!というか貴方のせいですわよ!お団子お団子って言いましたもの!」
「どっちを取るんだよ、今日のつまみ食いか明日のココア」
「諦めませんわ、両方です!」
「嫌いじゃ無いぜその強欲」
台所を目指して廊下を進む。笹本さんはまだ買い出しに出てるからつまみ食いなら今のうちだ。バレなければバレない。
玄関に差し掛かったところでガラリと戸が引かれた。
帰ってくるの早すぎだろ!?血の気が引いたが、そこに立っていたのは意外な人物だった。
特徴的なうねりの赤い髪、首に墨色のヘアバンド。
「何悪巧みしとんねん……」
「あ、蛸嶋君だ」
「蛸嶋君こんにちは」
「挨拶できて偉いなァ、ちゃうねん、俺は石蕗さんに頼まれて来たんやけど…おらんの?」
「呼んだら来ますわよ」
「柳谷女史だけやろそれ」
「何持ってんの蛸嶋君、団子?」
「よう分かったな!?エスパーか自分」
「マジ!?!?」
「あ、LINEきた…『お疲れ様です、お嬢様と尾上君と分けてください』……いやなんやのあの人急に団子買って来て欲しいて…」
「え、俺ら食べていい団子?」
「巧妙な罠かも知れませんわよ尾上君、油断大敵ですわ」
「自分なんやとおもてんねん…あ?ススキなんに使うん、月見?団子ってこれか?」
「ここにも月見にススキ派が」
「石蕗がOKだしたなら減点なしですわね」
「団子やるから場所貸してえな。月見すんやろ、縁側行こうや」
「月見過激派だ」
「文句言うなら団子無しやぞ」
「蛸嶋君万歳!」
「よッ、月見奉行!」
「初めて聞いたわその呼称」
その後、縁側にブランケットを広げ花瓶と団子を並べ、月が出るのを待った。新月の日だったのでススキを見ながら団子を食べて終わった。
「俺ら何するって話してたんだっけ」
「ススキを見る会では?」
「寒い」
「お嬢様、カロリーオーバーですので明日のココアは無しです」
「さ、笹本ぉ!?そんな殺生な!!」
「無しです」