『ススキ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ススキ……。
うっそうと茂っていると邪魔。
草刈りのように、人生を台無しにしたあのゲス女の首も刎ねたい。
人のおもいを躊躇いもなく踏みにじった売女……犯罪者・今井貞夫の娘、人でなしの今井裕子。
ススキ……。
告白するなら、ススキをプレゼント。
「ボクは、君のことが、ス……、スキだ!」
失礼……。
「…え、ほんま?」
「なんで疑問系やねん。」
ススキがなびく季節になった。
いつも通り幼馴染と帰路を歩いていると、
幼馴染が唐突に歩を止め真面目な顔して好きだと伝えてきた。
なにがこいつの中の告白スイッチを押したんだ?
そんな疑問はあれど、
自分も同じ気持ちだったから同意を返したらこれだ。
阿呆面晒してぽかんとしていた表情から一気に頬に朱が入る。
…夕焼けってことにしておいてあげよう。
きっと同じく朱が入っているであろう自分への言い訳も兼ねて心の中で呟いた。
ススキの花言葉「心が通じる」
231110 ススキ
『ススキ』
車にぶつけられたんだろうなと見て取れるフェンスに寄り添うようにススキが生えている。
久しぶりに歩く実家への道。今住んでいるところなら、こんな砂利の駐車場は無いし、ススキなんて背の高い草は見ないな。
たった3年なのに、こんなにも懐かしいんだっけ。学校帰りにさっきの自販機でカルピスを買って、あそこで真っ暗になるまで話をしていたな。わたし、まだ若いのに、こんなに懐かしい気持ちになるんだ。なんか、とても、愛おしい。
そうだ、今日はお月見だから、1本貰っていこうかな。お土産になるかは分からないけど。
2023/11/10
「ねえ」
「んー?」
「ススキ、風通しのいい頂とか原っぱでしか見なくなったね」
「そうだね、もうほとんどが黄色い花に侵食されちゃった」
「たしか外来種なんだっけ?」
「そうそう。名前は……セイタカアワダチソウっていうんだっけな」
「あーあ、私、ススキが風になびくときの音、すっごい好きだったんだけどなあ」
「もう家の近くで聞けないと思うと寂しいね……」
「まあお陰でこうしてあんたとドライブできるから結果オーライなんだけどさ」
「あれまあ、そんなお世辞言ったってお昼代奢るくらいしかしませんよ~?」
「いよっ、太っ腹! 素敵! 大好きだよお財布ちゃん!」
「じゃあ私の財布と結婚する?」
「ほんの冗談ですってば、ごめんよ。私が愛してるのは千代さんただ一人です」
「ほんとに?」
「ほんとだって。あんたがなにも言わずに友人とドライブに行った日のこと忘れた?」
「……………よし、それじゃなに食べたい?」
「塩ラーメン!」
「これまたド定番な。んー、近場に一軒あったはずだから、とりあえず行きましょうぜ」
「やったー!」
▶ススキ #38
『朝露』
さらさらと
少し冷たい風に押されて
細く長い尾を風に靡かせる
ススキの群れ
ゆらゆらと
揺れるくすんだ金色は
いつまでも変わらない
秋の景色
ぽろぽろと
項垂れた姿に伝う雫が
小さく朝焼けの渦をうつしては
静かに、落ちた。
エチゾラム0.5mgの人生
僕が生きていける理由は、この小さな、白い錠剤だけなんだ。
これがあるから、安心して生きていけるんだ。
こんなに小さいのに、何よりも心強い味方は君だけなんだ。
死ぬほど怖い思いをした。
死にたくなるほど辛い思いをした。
だけど、いつでも君が僕を救ってくれる。
救うのは神様じゃない。
白い小さな、僕の味方。
少し肌寒さを感じて上着を取りに砂利道を駆ける。
途中、化け狐の噂があるススキのトンネルを抜け、家についた。
上着を羽織り、友の元へ引き返そうと玄関の戸を開く。
少し小腹が空いたからお握りでも作って持っていこう。
上着を羽織り、お握り片手に玄関の戸に手をかけた。
少し暗くなってきた。蝋燭に火をつけて帰り道の目印にしよう。
いくつかの蝋燭とマッチとお握りを手に玄関へ向かう。
少し眠くなってきた。膝掛けを持っていこうか。
蝋燭とマッチ、お握りと膝掛けを持って廊下を渡る。
―少し…少……し…。もう………少………し…。
「お、狐がいる。気をつけな」
婆ちゃんが言った。
ススキ。
ススキを見ると
更に
寒さが増す。
綺麗なお月様の前で
ゆうと一緒に
ススキを愛でよう。
#ススキ
寒風の中
生命を繋ぐ枯れ尾花
負けない強さ
そのしなやかさ
あえて逆らわず
あえて飾らずに生きて生きて
季節の風を見送りながら
時代の風を受け止めながら
すすきが揺れる学校終わりの帰り道。
空は真っ暗で街灯が光っている。
親友。一緒に帰っていた親友。
君の家の前で話して18時に家に着くはずだったのに
21時に帰って親に怒られたっけ。
もう1回君と帰りたい。
なんで君と喋れなくなったのかな。
「ススキの森をぬけた先では猫の集会が開かれているらしい。」
そんな噂が小学校で拡がったのはもう何年前だっただろう。当時、僕はそんなこと信じていなかったがまさか本当だったとはな。
ただの猫たちが集まってニャーニャーと合唱している分には微笑ましい。でも、
「☆☆さんのおうちは喧嘩して離婚したんだって〜」とか
「♡♡ちゃん家は子ども生まれたらしいよ!お祝い行かなきゃ!」みたいに内容が分かるとちょっとどうかと思う。特に前者!どこから嗅ぎ付けた?
…今朝、母親に捨てられた。寝るとこを求めていたところ警察に怪しまれ逃げ込んだススキの森。そこで僕は
「猫の子供になった。」
都会のコンクリートジャングルに身をうずめ
ヒトと文明に包まれていると、
どうしても自然を忘れがちだ。
都会の自然は造られたものだ。
どれだけ大きくて古い公園だとしても、
「あえて手つかずで残して遣っている」という
ニンゲンのエゴが見え隠れして、
自然そのものに触れた気にもなれはしない。
今日は手つかずの自然の話をしよう。
小学生高学年の頃の話だ。
近場のスキー場ではオフシーズンのゲレンデで、
毎年コスモスを育てて、見頃になると祭りを開いた。
田舎なので、近場と言っても車で一時間かかる。
例年の如く祭りの会場で友達と出会い、
何を思ったか、ゲレンデの頂上まで行くことになった。
100mもないなだらかなコースにコスモスが咲いていたが、
その先の急勾配な上級者コースには何もなかった。
正確には、草が生い茂っていた。
軽い気持ちで上級者コースまで来たところ、
1mを超える雑草が立ちふさがった。
もはや冒険である。戻ろうとは誰も言わない。
ザクザクと草をかき分けて進むうちに、
満開のコスモスも、麓の祭りの会場も見えなくなった。
山の日暮れは早い、まして自分の背を隠すほどの草の中。
想像よりも暗くなった坂の途中で、
少しだけ母を思い浮かべた。絶対に心配している。
心細さと一握りの思いやりには気付かず、
友達は先へと進む。私も続く。
頂上につく頃には草の壁はなくなり、同じくらい高い
ススキが生えつつも、開けた場所があった。
振り向くと、市内も海も見渡せる絶景であった。
いたずらっぽく、麓に向かって手を振ったものだ。
汗もからりと乾く秋の思い出であった。
無論、下り終えて散々叱られたことも付け加えておく。
お題「ススキ」
"ここのを撮ればよかったね''
15夜の翌日
祖母が僕に話した。
あと何年共に15夜を過ごせることか
"来年は僕が取りに来るよ''
【ススキ】
✂ーーー⚠ーーーー✂
あと何年共に過ごせるか
お酒は一緒に飲めるかな
従兄弟とさ皆でお酒飲んで
ワイワイ話して
酔いつぶれちゃったりしてさ
うっかり
"僕恋人できたんだー''
とか言っちゃったりして、
皆がおどろいてんのみたいなぁ、
まだ、置いてかないで、、
【共に過ごす時間】
お月見団子とススキを持って俺の家に押しかけるあなたの事うるさいなんて言ってすみませんでした。あの頃はあなたからもらえる優しさを素直に受け取るのが怖かったんです。
何年目かのお月見で、空を見上げた君はぽつりと呟いた。白い光に照らされた端正な横顔に、大きくなったなぁと感慨深い気持ちで縁台に置かれた手と手をちょっと重ねたらこちらを向かないままの頬が赤く染まった。
ススキの花言葉、知ってる?
(心が通じる)
『ススキ』
まだ父のことを純粋に大好きだった子供の頃の話。
十五夜で、原っぱからススキを取ってきて花瓶に活けていた。
お月見なのに雲で月が出ず、がっかりした私たちのため、父が折り紙で黄色くてまんまるなお月さまを作り、ススキに貼り付けてくれた。
娘たちに優しくて茶目っ気があり、アイデアマンな父。
今でもススキを見掛けると100%の確率で、あの折り紙お月さまを思い出す。
そんな父だから、女性の心をとらえることも頻繁で。
後に母と私たちは苦しむことになるのですが。
「まんまるは平和の象徴
幸せなこともあったと証してくれる」
〜ススキ〜
植物研究者の彼女に、一番好きな植物は何?と聞いてみた。
「うーん、ススキ」
意外な返答に、私はぶっきらぼうな返事をしてしまった。
「なんでススキなの?」
「なんでかぁ……なんだか、貴方みたいだから?」
馬鹿にしてる?と冗談交じりで言う。彼女は、ごめんごめんとふわふわ笑う。
「でもね、ホントだよ。出会った時からずっと思ってたの」
「だから、意味がわからないって」
「うーん、じゃあ今はススキっぽくないかも」
えぇ?と私は間抜けな声を出す。もっと詳しく聞きたかったが、彼女が別の話題について話し始めてしまった。
後でこっそり調べたら、ススキの花言葉は、
『心が通じ合う』
[ススキ]
ススキの群れの中で兎たちは餅を突き
真ん丸な団子をこねこねして
ふたりでお月見をした時に思ったんだ。
おまえが月なら、オレは、その下で爽やかな秋の夜風に揺れる植物になろうと。静かでいられるようになったオレは、月下で佇むんだ。
だから、ずっと共にいてほしい。
それだけが、オレの願いだ。
ススキがゆれる。
その奥に覗く君の笑顔。
あの日の思い出が遠ざかってもう。
見えない。
ススキ
もうこんな季節
あなたとは1回疎遠になったけど
ススキが揺れるころ
また出逢えた