『ジャングルジム』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ジャングルジム
それは檻だった。幾人も仲間が囚われ、助けを求めて外へと手を伸ばしている。サツ共は周囲を警戒し、定期的に巡回している。
がサリと後ろの植え込みが鳴った。
「三谷」
「莉乃がやられた」
「くそ、これで何人だ?」
「4人だ。見張りは2人」
「俺が囮になる。その間にお前は莉乃たちを」
「……わかった」
島崎が走り出し、"警察"が動いた。
その隙にすばやく檻へ向かい、"泥棒"に次々とタッチする。
これでゲームは振り出しだ。
声が聞こえる
歌だ。
かすかに聞こえるメロディーに耳を澄ませる。窓の外、上方から聞こえてくるようだった。
聞いたことのない歌だった。明るい調子なのに、どこか切なくなるような。歌詞は異国の言葉のようだった。
窓から身を乗り出しても歌声の主は見つからなかった。扉から外へと回り、建物の上へ上へと視線を巡らす。
一際高い時計台の窓に人影が見えた。長い髪が風に嬲られている。
声が一段と高くなり、やがて空に吸い込まれ消えた。
枠登り
手掛け足掛け
天辺に
天道虫なら
羽ばたけるのに
/お題「ジャングルジム」より
【ジャングルジム】
幼女の相手は疲れる
この初対面の幼女は強引に私をジャングルジムに誘う
幼女は、とうかと名乗った
「お姉ちゃん早く!あはははは!」
とうかは子供らしく大笑いしていて微笑ましくなった
ジャングルジム、懐かしいな
昔はよく妹と遊んだ
あ、とうか早いなぁ 追い付いてやるぞ
私はいつの間にか、とうかと夢中で遊んでいた
子供の頃のように…
「お姉ちゃん、ありがとう!また遊んでくれて」
とうかはそう言うとスキップしながら帰って行った
また?前にとうかと会ったこと、あったかな?
私は記憶を思い返した。
思い当たるとしたら…彼女は透花なのか?
あの無邪気な笑い声、私のお下がりのワンピース
有り得ないが、思い返せば返す程、彼女は透花だ
12年前、ジャングルジムから落ちて亡くなった妹だ
透花は、ただ私と遊びたくて戻ってきたのだ
でも、透花は知ってたのかな
「私が透花を落としたって知ったら殺されてたかな」
知らなかったんだろうな
キーーーッ
「そこのあんた!危ない!!」
___あ、
子供のころ、みんなで高鬼して登ったときの記憶が蘇ってきた。
1番年下でまだチビだったし足も遅かったから、高い所まで登りきれなくてすぐ諦めてばっかりの私を見て先に上に登ってた皆が、
またすぐ諦める〜!なんですぐ諦めるん?!
って言われた。
多分、自分の人生を表してるなって何となくだけどずっと頭の片隅に残ってた言葉。
今もそう。
好きな人が出来ても、コレ面白そうだなって思って始めることも、上手く行かないとすぐ諦めたくなる。
それをどうにかしたいって考えも、今はなくなってきてる。
いつか全てを諦めたとき、
そのとき自分は何を思い浮かべるんだろうって今はよくそれを思う。
― ジャングルジム ―
薄暗くて蒸し暑い
誰もいない公園でジャングルジムに登る
小さく見えていたけど意外と高い
涼しい風が吹いて
ふと空を見ると
醜い私を
肯定するかのように
三日月が光っている
【ジャングルジム】
右側から登る
左側から登る
手前側から登る
向こう側から登る
好きなところから登る
そして天辺で
笑い合おう
〜ジャングルジム〜
小さい頃は、憧れだった。
てっぺんまで上るのが、一種のステータスで。
何度も危ない目にもあった。
怪我をしたことだって、一度や二度じゃなかった。
でも、どうしてか止められなかった。
”ジャングルジム”は、きっと大人への憧れと、厳しさだったんだろうな。
ジャングルジム
#ジャングルジム
夕暮れ
ひとり
家路に向かう友達を見送って
いちばん星を待ってた
ジャングルジムのてっぺんは
僕の夢見る世界の一部
暮れてゆく街並みに
帰るはずもない人影を待っては
寂しくない…寂しくなんかないと
自分に言い聞かせてた
あれから何故だろう
待つことを諦めてしまう…
あの日見上げた空も星も
さして変わりはないはずなのに
自分だけが変わってく
もう上がることもないジャングルジムも
街の風景の一つになってしまった
小学生の頃は外で遊ぶのが大好きで、休み時間にはよくグラウンドに行ってた。ジャングルジムに登ったりしてたっけ。嫌なこともたくさんあったけど、こうして振り返ってみると本当に楽しかったな、小学校。あの時と比べたら、結構成長できたかな。きっとできたよね。
ジャングルジム……。
ジャングルジム。まるで、自分の人生のようだ。
中は透け透け、入口も出口も決まっていない。
そんな面白味の無い人生にしたのは、あのゲス女だ。
人のおもいを躊躇いもなく踏みにじった売女……犯罪者・今井貞夫の娘、人でなしの今井裕子。
ジャングルジム……。
草も木も無いジャングル。迂闊に入ると、他所の子の蹴りが頭に炸裂する。
ルール無用の悪党(ママ友)が、「うちの子の邪魔をしないで!」と言ってくる。
それが、ジャングルジム。
小さい頃
外に行くのが
嫌だったなあ
だって
人がいるんだもん
気の強い子
いじわる言う子
だから黙ってた
そしたら
何もしゃべらない子って
言われた
ジャングルジムも
うえまで登ってみたよ
でも
楽しさが
分からなかった
そうだったんだね
今はどう?
今?
とっても楽しいよ!
いろんな人いるな〜
と、眺めては
自分の気持ちに
素直に生きているよ
え?
心境の変化のきっかけ?
君だよ
ありのままの僕を
引き出してくれて
“ありがとう”
ワンダラウンド オレンジ色の猫の物語
オレンジ・キャットを知ってるかい?
知らない?
そりゃそうだろう。オレンジ・キャットは夢の世界に住む死神なんだから。
オレンジ・キャットは、身体が名前の通りオレンジ色なのさ。だけど、身体は普通のサイズの猫なんだけど、顔は恐ろしいほど醜い。これはオレンジ・キャットを見た人の心の穢れを写し出しているからなんだってさ。
死神というのはだな、その猫を見た者は夢の世界に永住したくなるんだな。だけど夢って覚めるから夢だろう? だから二度と目が覚めないように現実世界で死のうとするんだ。
オレンジ・キャットは現実世界で死んだ人間の魂を夢の世界へ連れて行くんだって。
そこで、永遠に覚めない夢の世界の住人になるんだ。最近となり町の女子高生が自殺したニュースは知ってるだろ? 遺書に『オレンジ・キャットが呼んでる』って一言だけあったらしい。
オレンジ・キャットは心を病んだ人間の夢に現れるそうだぜ。
お前もメンタルヘルスにはご用心。
じゃ、俺バイト行くからさ。
バイト先?
ピザ屋だよ。俺ピザ生地をクルクル回転させるのが特技なんだぜ?
今度店に来いよ、オレンジジュースも用意してるからさ。
夜。あなたは彼と連れ立ってこの夜を歩く。手を引いて歩き、手を引かれて歩いている。あなたか彼が公園へ行こうと言う。あなたか彼がブランコに乗ろうと言う。あなたか彼がジャングルジムに登ろうと言う。あの日あなた方は分かたれてしまって、真ん中は消え去ってしまって、愛だけがその役割を引き受けている。懐かしさや思い出と呼ばれるものたちのいくらかは、冷たく硬い手触りと錆びた鉄の匂いをしている。
見下ろしてくるてくるあいつが嫌いだった。
赤い帽子に白のTシャツ。活動的な少年ぽさまで輪にかけて嫌な気分を増長させた。
『お前、いっつも暗いのな。明るいこと考えね〜と早く歳とるぜ』
お前に関係ないだろって何度思ったことか。
『下ばかり見てると危ないから上見て歩けよ』
友達の多い人気者のお前とは違うんだ!!
こんなことが多かった。
だから、今。
何が起きているのだろう?
どういうことなのだろう?
赤く回る赤色灯。
鉄の強い香りと散った赤い桜の花弁と君の帽子。
突き飛ばされた方向からでも見える君の白い顔。
止まる世界と停まる車。
誰かが近くで喋ってる。
君に手を伸ばす。
ジャングルジムの上から聞こえていた。
君の声はもう聞こえない。
ジャングルジム
危険?
公園の遊具はなくなってる
危険が、先にくるのがなんだかねぇ
経験を奪って、文句だけ言うだから
たいへんやなぁ
子供の頃幼なじみの子と
ジャングルジムに登った
あの時はたくさん笑ったな.......
今何してるだろうか....?
久しぶりに会いたいな。
幼なじみに
いつだって、キミは私の先を行く。
小さい頃からそうだった。
補助輪なしの自転車も、逆上がりも、平仮名を覚えるのも、レギュラーに選ばれるのも。
全部全部、私より先に達成してしまう。
ジャングルジムもそうだった。
2段目に足をかけて半べそになる私を置いて、キミはスルスルと1番上まで登っていく。
「良い眺め!」と笑うキミが羨ましくて、妬ましかった。
あれから何年もたったけれど、私は今だにキミと同じ所まで行けないようで。
懐かしのジャングルジム。
老朽化だの、子どもが落ちると危ないだのと、今度撤去されるらしい。
3段目に足をかける。手汗が止まらない。怖い。
うん、一生無理だな。
それでもいいと思えるくらいに、私は大人になっていた。
子供の頃、一緒に登ったジャングルジム。
君は早く登るなり
「早く来てみろよぉ〜!」と言うので
「待ってぇ〜!」と
私はそれを追いかけるよぉに登った。
すると空一面が夕陽が綺麗で
私は「うわぁぁぁ〜!綺麗っ」と
上から見る景色に感動して
一緒に見るから余計に綺麗なんだなと
あぁ、私はこの子が好きなんだな
ってドヤ顔をする君を
ドキドキしながら見つめていた♡
それから10年が経ち…
私たちは20歳。
今でも相変わらず仲が良い。
無意識にドキドキさせられる…
ずるいなぁ〜もぉっ♡///
なんて思いながらも幸せ。
君を見ながら微笑む私が居る。
ジャングルジム。
幼い頃はあって遊んだ記憶があるけれど
今では見かけなくなった遊具だ。
自分の手足をめいっぱい使って
自分の力で空に近づけるのが嬉しかった。
幼いながらに許される高さは
大した高さではないはずなのに
当時の私にとっては随分高く感じた。
あの感覚はきっと子供だけの感覚なのかもしれない。
本当にそうなのか試してみたいところだけど
近所の公園にジャングルジムはない。
それに、大人がジャングルジムにいるのもなかなかシュールというか異常な光景だ。
結局、ジャングルジムがあったところで試す勇気もない。
幼い時の思い出としておくのが良いのかもしれない。
…あぁ、だから子供だけ(許された)感覚となるのか。
電話
それは
便利で
淋しいもの
それは
不便で
頼りないもの
そしてそれは
あなたと
わたしを結ぶ
細くて脆い
ひとすじの糸
声だけですか
逢えないのですか
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