柳絮

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ジャングルジム


それは檻だった。幾人も仲間が囚われ、助けを求めて外へと手を伸ばしている。サツ共は周囲を警戒し、定期的に巡回している。
がサリと後ろの植え込みが鳴った。
「三谷」
「莉乃がやられた」
「くそ、これで何人だ?」
「4人だ。見張りは2人」
「俺が囮になる。その間にお前は莉乃たちを」
「……わかった」
島崎が走り出し、"警察"が動いた。
その隙にすばやく檻へ向かい、"泥棒"に次々とタッチする。
これでゲームは振り出しだ。





声が聞こえる


歌だ。
かすかに聞こえるメロディーに耳を澄ませる。窓の外、上方から聞こえてくるようだった。
聞いたことのない歌だった。明るい調子なのに、どこか切なくなるような。歌詞は異国の言葉のようだった。
窓から身を乗り出しても歌声の主は見つからなかった。扉から外へと回り、建物の上へ上へと視線を巡らす。
一際高い時計台の窓に人影が見えた。長い髪が風に嬲られている。
声が一段と高くなり、やがて空に吸い込まれ消えた。

9/23/2023, 11:24:45 AM