見下ろしてくるてくるあいつが嫌いだった。
赤い帽子に白のTシャツ。活動的な少年ぽさまで輪にかけて嫌な気分を増長させた。
『お前、いっつも暗いのな。明るいこと考えね〜と早く歳とるぜ』
お前に関係ないだろって何度思ったことか。
『下ばかり見てると危ないから上見て歩けよ』
友達の多い人気者のお前とは違うんだ!!
こんなことが多かった。
だから、今。
何が起きているのだろう?
どういうことなのだろう?
赤く回る赤色灯。
鉄の強い香りと散った赤い桜の花弁と君の帽子。
突き飛ばされた方向からでも見える君の白い顔。
止まる世界と停まる車。
誰かが近くで喋ってる。
君に手を伸ばす。
ジャングルジムの上から聞こえていた。
君の声はもう聞こえない。
9/23/2023, 10:48:35 AM