キャンドル』の作文集

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キャンドル』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

11/24/2023, 7:37:57 PM

ふ、と蝋燭の火が揺れた。
 閉め切った部屋の中、どこから隙間風が入り込んだのか。
 マルスは目を閉じると、集中して風の流れを探る。せっかくストーブを焚いているというのに、暖気が逃げていってしまうのでは甲斐がない。
 左後方から寒気を感じる。彼は椅子から立ち上がると、その方向へと歩き出した。どうやら窓が少し開いていたらしい。おそらく換気のために開けたとき、きちんと閉め切れてなかったのだろう。
 彼は踵を返すと再び座った。目の前にうずたかく書類が積まれている。見るだに嫌になる量だが、誰かがやらねば終わらない。幸いにも、自分は仕事をこなしていくスピードが早い。
 冷めたコーヒーを一口啜ると、彼はペンを手に取って、仕事を始めた。ガリガリとペンが紙を削る音が響く。書類の文字を追って、サイン。不要なものは破り捨てる。書類に文字を書きつけて、サイン。必要なものを封する。
 いつの間にかそれらは一定のリズムを刻んでいて、さくさくさくと気づけば書類の山は半分くらいになっている。この調子で片付けてしまおう。何事も波を逃してはならない。立ち止まってしまえば、一歩も動けなくなってしまうように。
 コンコンと扉がノックされた。彼は自分の刻むリズムに集中しているうちに、周りの音が耳に入らなくなってしまっているのだ。もう一度、ノックされる。彼は気づかない。
 ノックの主は痺れを切らしたらしい。外で開けますよと言っているのが朧気に聞こえくる。彼は一向に返事をしない。ゆっくりとノブが回されて、扉が開いた。
 その音でようやく気づいたらしい彼は、顔を上げた。そのときランニングハイならぬワーキングハイが切れてしまった。ずっと同じ姿勢で書類を見続けていたせいか、あちこちバキバキだ。彼はむっとして言った。
「誰だ?」
「わたしです。ノックは何度もしましたからね」
 間髪容れずに返したのは、マーシャだった。彼女は部屋に入るや否や、マルスの机上に書類がうず高く積まれているのを見て、深々と溜息をついた。
「全く……あなたって人は……。もう真夜中ですよ。お仕事が忙しいのはわかりますけど、もう寝るべきです」
 ガタンと何かが落ちる音がした。マーシャがその方向へと目線を向けると、彼が椅子から落ちていた。驚きに目を丸くして、彼女は彼の元へと駆け寄った。
「ど、どうしたの? だ……大丈夫?」
 彼は地面に尻餅をつくような形になっていた。マーシャを見上げながら口を開く。
「……マーシャ? どうして君が、こんなところに……」
「そんなの決まってるじゃないですか」
 彼を助け起こしながらマーシャは微笑んだ。
「あなたに会いたかったから会いに来たんです。たまたま今はドナの街にお邪魔してますから」
 そうか、とマルスは嬉しそうに微笑んだ。

11/20/2023, 1:47:55 PM

あかりが消えそう
でも照らし続けなきゃ
この手の中であかりを

明かりを

灯りを

蝋燭を

照らし続けなきゃ
やめたら死んじゃうから

水飲むだけで吐いて
食もまともに摂れなくて
それでも照らし続けなきゃ

やめたら死んじゃうから

11/20/2023, 12:30:07 PM

キャンドル


(お題更新のため本稿を下書きとして保管)


2023.11.20 藍

11/20/2023, 12:06:12 PM

蝋燭の灯りで周りより一際明るいテーブルにエスコートされ

ウエイターが去る前に
手慣れたように料理やドリンクを頼む

ここは料理出てくるの、おそいから
とニコニコしながらあなたはわたしに話す

間接照明やネオンサインで彩られたホールは
グランドピアノがごく自然に配置され

今まで何千、何万人も迎え入れたであろう
品の良い木製のテーブルや椅子、ステージは

ジャズやR&Bを染み込ませたようで
年季の入ったホールによく似合った

演奏が始まるまで、
平日だというのに活気のある店内は
ウエイターも客も往来が激しい

となりのテーブルの若い男衆3人組が
話しながら店内をキョロキョロしている

わたしと同じで初めてくるのかなと
横目で眺めているとあなたが

いつも持ってるトランプカードを取り出して
ゲームをしようと言ってきた

絵柄のあるカードをシャッフルして
1枚をテーブルに置いて
そのカードに手をかざして
赤か黒か 色を当てるというもの

ハートやダイヤは、かざした手が
温かく感じると言って
あなたはテーブルに置かれたカードの色を
見事に当てた

わたしもそれに続いて次のカードに
手をかざすのだけれど
わかるような、わかんないような

わたしたちはドリンクがきた後も
くすくす笑いながら

演奏が始まるまで お互いの手を触って
赤か黒か どうしたらわかるのか

テーブルの灯りに照らされながら
指南してもらっていた



◇キャンドル◇

11/20/2023, 11:00:25 AM

命の蝋燭が二つ
貴方と私のものだとしたら、どうする?

二つ隣に並べるか
一つを犠牲にしてもう一方を長くするか
それとも二つくっつけてしまおうか

無理矢理あわせた灯芯の火はきっと消えてしまうけど


『キャンドル』

11/20/2023, 10:07:14 AM

キャンドル

退職する先輩から頂いたキャンドルセット
癒されるよーリフレッシュに使って。
リビングも寝室でもいいし、バスタブ周りに並べてもいいよ。
人に気を遣ってばかりだと参っちゃうよ。自分へのご褒美にね。

もったいながりの私
ここぞというときに使いたい
そんなこんなで数ヶ月

役に立ったのはあの地震
懐中電灯は一人一つ、電池も買い置きしていたけど、いつまで停電が続くかわからない
使いどきは今だ
太くて、置いても安定してる
香り付きのものがあったり
リビングの明かりとして、復旧までの3日間お世話になりました

先輩の思惑とは違ったかもですが
本当に感謝です

11/20/2023, 9:58:48 AM

「キャンドル」#12

今夜もまたキャンドルを灯す。あの人が好きだったアロマの香りで部屋中を満たす。
私にとってキャンドルは後悔の象徴で愚の骨頂。
私はまだ未練を引きずってる。自分から手放した縁なのに、もう結び直しできないのに。
私のわがままと傲慢さでお別れをした最高の友人
あの時の自分がなにを考えていたのか思い出せない。あの日の夜この部屋で起こったことは忘れることはできないだろうなと思う。
自分のことを主に考えすぎた罰が巡ってきたのだろうなと思う。
私は何人大切な人のことを裏切れば気が済むんだろうか。
涙を流す資格なんてないけれど今夜もまた瞳から溢れたものを飲み込み眠りにつく。

11/20/2023, 9:58:46 AM

【お題:キャンドル】

今日も世界のどこかで
鎮魂のため

人々の痛みや嘆きに
寄り添うため

キャンドルに灯が
ともされているのだろう

ある年の1月
テレビから
トランペットの音が
聞こえてきた

目を向けると
阪神淡路大震災の
追悼集会の様子が
報じられていた

耳も心も 釘付けに
せずにはおかない
そんなトランペットの
音色だった

どこかで聴いたことのある
メロディだが
何という 歌なのか
わからない

その旋律を頭の中で
繰り返すうち

歌詞の一片が
記憶の中から
浮かび上がってきた

〈歌詞の引用ここから〉

輪になって  輪になって

かけて行ったよ

〈歌詞の引用ここまで〉

それを頼りに
調べてみると

團伊玖磨 作曲
江間章子 作詞
「花の街」

という歌だった

この歌詞が書かれたのは
終戦 間もない頃で

あたりは見渡す限り
一面の焼け野原
だったという

その 色のない街で
作詞者は
平和を思い
花に彩られた
美しい街を夢見て
詩を書いたのだという

そして 時は移り
その旋律は 鎮魂のため
トランペットで奏でられた

奏者は 
阪神淡路震災の前日
神戸で演奏会を
開いていたというが

すんでのところで
被災を免れたのだそうだ

彼は犠牲になった人々を
追悼したいと
毎年 演奏しているという

そして ある年の
インタビュー記事には

地震の発生時刻に合わせ
童謡「冬の夜」が
演奏されたことが
書かれていた

凍てつく寒さの夜明け前
地震に遭い
こわさに身を
震わせていたであろう
子どもたちを思い

あのような
かなしいことが
子どもたちに
二度と起こらないよう
願いをこめトランペットを
演奏したという

その記事を読み

「花の街」が聞こえた
翌年の1月

あのトランペットの
音色が忘れられず
ニュースを気にかけていた
私の耳に

童謡「春が来た」
が飛び込んできたことを
思い出した

童謡を演奏していたのには
鎮魂のため
また 子どもたちに
心と祈りを寄せる
そんな思いが あったのだ

けれど
いま世界はどうだろう

この今も
医療設備が破壊され
十分なケアを受けられない
子どもたちが

国外へ移送される
というニュースが
乾いた声で 流れている

11/20/2023, 9:55:33 AM

ちりり、と蠟燭の炎が揺れる。彼女に合わせてキャンドルとでも言おうかと思ったが、どうせ胸の中だ、誰が気にするでもないと思いそのままにする。

今、この世界には私と言葉の通じぬ異国の少女しかいない。地球は、我らが愛すべき地球はどうしようもなくなってしまった。

何故人が消えたのか。生憎私は知識人ではないので語ることはできないのだが、ただ一つ事実を伝えるとしたら、朝起きたら妻が、娘が、隣人が、友人が、周りの人々が皆砂のようになっていただけだ。
長い間彷徨い続け、出会えたのは今蠟燭の小さな揺れる火の前で寝ている少女だけ。それも言葉が通じぬというのだから困ったものだ。

「Good evening. Is it still the same fucking world?」

グッドイブニングだけはわかるが、私は英語が堪能というわけではない。むしろ不得手なものだ。勉強をサボったツケが回ってきたとも言える。

「Nice scented candle, where did you scavenge it from?」

蝋燭が褒められている、というのはわかったが、それだけだ。私に言葉を返せるような能力は無く、日本の社会で三十年間培ってきた曖昧な笑みで濁すのだった。彼女は何か言いたそうにしていたが、どうせ伝わらないと知っているのだろう、どこか責めるような目でこちらを見るだけだった。その目になんだか気不味くなり、逃げ出そうと珈琲を淹れに席を立った。私と彼女の間の、一本のキャンドルだけが私達を照らしていた。

11/20/2023, 9:51:12 AM

ユラユラ






風に吹かれて

火が
揺れる。






風が止んだら






火がジワッと
強くなる。






強い風が
吹いたら

スッと
消えてしまう。







儚くて



でも、
綺麗で。




わたしたちの

【いのち】

みたい。


#キャンドル

11/20/2023, 9:49:41 AM

キャンドル プロット

何もない部屋に4人の挑戦者
5本のキャンドル🕯と少量の食料(おかゆと梅干)
最後の火を消した者が賞金

1-4まで一瞬で消える
5本目で心理戦

それぞれが火にまつわる🔥トラウマが
1人目
小学生の時に火傷
2人目
火事
3人目
大事な書類を焼いた
4人目
消防士


このキャンドルが

11/20/2023, 9:48:13 AM

クリスマス当日に時間を作れないからとお詫びに連れてきてくれた雑貨店。
オーナメントやリースなどの可愛らしい小物が並ぶ中、私が選んだのは一対のキャンドル。
天使が二人、見つめ合うように並べられたそれは、フレグランス付きの一点ものの手作りアロマキャンドルだった。

「いいね。これを分けてお揃いにしよう」
「嬉しい。火を灯すのが今から楽しみだわ」

クリスマスの埋め合わせに彼がプレゼントしてくれたのは、ダイヤモンドのネックレスとアロマキャンドル。

彼の恋人とお揃いの、素敵な素敵なクリスマスプレゼント。

11/20/2023, 9:42:56 AM

〈アロマ・キャンドル〉

キャンドルに火をつければ、どんな夢でも思いのまま。
キャンドルの火が消えるまで、見たい夢が見られます。
夜の妖精たちが心を込めて、ひとつひとつ手作りしているよ。

さあ、扉をあけて。
お代は、ほんのお気持ち程度。君の大事なものを、少しだけ。



















夜の妖精1「ああ、これね。蝋に植物を混ぜてるんです。え?◯麻?いやいや、そんな危ないもんじゃないですよ(笑)ええ、法律で規制されてないヤツです。あ、でも、大◯よりずっとイイんですよ、本当に見たい夢見れる感じで。あくまでも感じ、なんですけどね(笑)ええ。いや、それはちょっと。何か教えちゃったら、ちょっとややこしいことになっちゃうんで(笑)う~ん、まあ言えるのは、違法にならないのをいくつか掛け合わせてる、ってことですね。いや、そこは(笑)秘密です。」

夜の妖精2「お客さんは大半が女性です。若い女性。基本、若い女性にしか売らないですね。いや、お金じゃないんですよ、お取引の条件。え?いやいや、察してくださいよ(笑)ま、あれです、中にベッドがあるんで、そこでしばらく過ごしてもらいます。ええ。そこでもアロマ焚いてるんで、お客さんの苦痛も全然ないはずですよ?気持ち良くなってる間に全部終わるんで(笑)で、その間にぼくたちも気持ち良くなれるっていう(笑)ある意味Win-Winですね。まあ、こっそり撮影はさせてもらいますけど。お取引の記録のためと、あとはまあ、ね(笑)たま~に、男性のお客さんにも売ります。いい女の子、見つけて連れてきてくれればですね。そこんとこは結構厳しいですよ(笑)」


(キャンドル)

11/20/2023, 9:34:30 AM

私は会社から出るとどっとため息をついた。
 繰り返される上司からの叱責。
断れない性格のせいで増える終わりのない仕事。
 このままどこかへ行ってしまいたい。
そう思ったとき新しく通りにオープンした雑貨屋さんを見つけた。
 そのときなぜかわからない。
 まるで吸い寄せられるように扉を開いた。
 雑貨屋さんには何も商品が置いていなかった。
 壁にはいろんな絵がかかっていた。
 独特の雰囲気にうっとりしていると奥の方から澄んだ声がかかった「何かお探しですか?」レジの方からだ。
 レジには不釣り合いな大きい水晶玉が鎮座している。
 視線を水晶玉から上にスライドさせるとメガネをかけたいかにもな店員さんがいた。
 特徴のない普通の顔だ。

「あの、ここ商品ってどこにあります?」「当店はお客様のオーダーするものをお出しするシステムになっております。お客様が欲しいものはなんですか?」私の憂鬱に耽っていた心に、新しい光が差し込んでいるような気がした。
 そしてこれをなぜ自分が欲しいのかわからなかったが腹は決まっていた。

「キャンドルが欲しいんだ。何か特別なキャンドルがあれば教えてくれないか?」店員は微笑みながら頷き、奥から引き出しを取り出した。


 その引き出しから、美しく装飾されたキャンドルが次々と現れた。
 花の形をしたものや、星座の模様が施されたもの、どれもが他では見たことのないような独創的なデザインだった。
 店員は手際よくキャンドルを並べながら言った。

「お好きなものが見つかりましたら、お気軽におっしゃってください。一つ一つに特別な意味が込められていますよ。」

 私は一つ、また一つとキャンドルを手に取りながら、その背後にあるストーリーを知りたくなった。
 店員の話に耳を傾けると、それぞれのキャンドルには願い事や感動的なエピソードが込められていた。
 驚くべきことに、そのキャンドルたちが本当に奇跡を起こしてきたというのだ。


「これらのキャンドルは、ただの灯りではなく、心の奥底に秘めた思いをかなえる力があるとされています。」店員は優雅に手招きし、奥の席に案内してくれた。

「どれかお好みのキャンドルがありますでしょうか?」

 私は心のなかで何かが騒ぎ始めているのを感じた。
 これが私が求めていたものだと確信し、一つのキャンドルに手を伸ばした。
 それは深紅の色調で、表面には小さな金箔が散りばめられていた。
 店員は微笑みながら言った。

「素晴らしい選択です。このキャンドルは『運命の紅』と呼ばれています。」

「運命の紅?」私はその名前に興味津々で尋ねた。


 店員は微笑みを浮かべながら語り始めた。

「このキャンドルは、運命を変える力を秘めています。その火を灯すことで、あなたの人生に大きな変化が訪れるでしょう。ただし、その力は慎重に扱わなければなりません。」

 私はキャンドルを手に、その言葉に耳を傾けた。
 話の間、店内には神秘的な雰囲気が漂っており、まるで他の次元に足を踏み入れたような錯覚に陥った。


「このキャンドルには願いを込めることができます。そして、願いが叶ったときには、灯りが特別な輝きを放ちます。」店員は続けた。

「ただし、その代償もまた払う必要があります。何か特別なものをお持ちでしょうか?」

 私は少し戸惑いながらも、あるものを提案した。
 店員は静かに頷き、キャンドルに火を灯した。
 その瞬間、部屋は幻想的な輝きに包まれた。


 それからというもの、私の人生は次第に変わり始めた。
 仕事では思わぬチャンスが巡ってきて、孤独もまた新しい友情に変わった。
 キャンドルの力が奏功しているのか、それとも偶然か。しかし、私は運命の紅に救われたと信じていた。
その不思議なキャンドルを通じて、私の人生は喜びと希望に満ちたものとなった。と

 ある日、封筒が届いた。
 件名は「同窓会のご案内。」誰が送ってきたのだろうか。
 送り主は知らない人の名前だった。
 手紙には送り主が自分の高校の友達であったこと、自分との思い出らしきこと、良ければまた同窓会で会いたいことが書かれていた。
 なぜか鼻がツンとした気がしたがすぐに治った。

「怪しい手紙だな。何の冗談なのだろうか」私はその手紙を封筒ごとそっとゴミ箱に投げ入れた。

11/20/2023, 9:31:35 AM

キャンドルの火は、いつか消えてしまうの。
恋も、きっと同じ。
いつか必ず終わりが来るはずなのに、何が辛いんだろう。

11/20/2023, 9:25:38 AM

#58 キャンドル


一生消えなきゃ尊い灯火は
ただのライトになってしまう

一生消えなきゃ尊い命は
尊さを失ってしまう
     2023/11/20

11/20/2023, 9:22:48 AM

「この燃え尽きかけている蝋燭見ろ。
 これは貴様の寿命だ。
 燃え尽きるとお前は死ぬ」
 死神は衝撃の事実を告げる。
 だが俺は動揺しながらも、疑問に思うことがあった。

 思い切って死神に聞いてみる
「あの、これ蝋燭って言うよりキャンドルでは。
 アロマキャンドル」
 蝋燭からすごくいい匂いがするのだ。
 気になって仕方がない。

 すると今まで無表情だった死神は、バツが悪そうに答える。
「閻魔のやつがな。
 今どき蝋燭は古臭い。
 もっと現代的なオシャレな物を、と言ってこれに変わったのだ」
 ああ、上司の無茶振りか。
 死神も大変だな
 しかし雰囲気が台なしである

「理由はわかったな。
 お前も死にたくないだろう。
 お前の蝋燭の火を、他の蝋燭に付け替えるといい」
 飽くまでも蝋燭と言い張る死神。
「ここにフローラルや柑橘系など色々ある。
 好きなものを選ぶといい」
「なんで種類あるんだ」
「一種類だと飽きると、閻魔のやつがな」
「そっか」
 そう言うしか無かった。
 下手な慰めは彼のプライドを傷つけるだろう

「じゃあ、フローラルで」
「これだ。自分でつけろ」
 そう言って死神はアロマキャンドルを俺に手渡す。

 緊張するかと思ったが、アロマキャンドルの香りのおかげなのか、リラックスして火を付け替えることはできた。
「ほう、うまいものだな」
「俺もびっくりしています」
 俺は正直に言う。
「ところで、このアロマ、なんの花ですか。
 鼻がムズムズするんすけど」

 死神が考える素振りをする。
「さて何だったか。
 部下に命令して取りに行かせたものでな。
 部下が言うには、春にたくさん咲く黄色い花だそうだ」
「ちょっと待て。
 まさかスギじゃないよな。
 俺、花粉症―
 ぶえっくしょん」

 俺が最後に見た光景は、蝋燭の火がクシャミで消えるところだった。

11/20/2023, 9:14:22 AM

定期テストと実力テストが終わった週末に、

友達と くら寿司へ 行くことになりました!

楽しみᐡ. ̫ .ᐡ🤍

私、お小遣い制(お母さんいつもありがとう)なので
貯めることを頑張ります(ง •̀_•́)ง

⚠︎︎(今日話すことないな)と思った日は、
自己紹介をggってそのうちの1つをお題(?)にしたり
たまーーーーにみなさんがやっているような小説
をしてみようと考えています🙇🏻‍♂️

11/20/2023, 9:11:07 AM

Theme:キャンドル

キャンドルと言えば、私にはずっと不思議に思っていることがある。

誕生日にはケーキに年の数だけキャンドルを立てて、火をつける。
そして、灯された火を誕生日を祝われる本人が吹き消す。
よく見かける光景だが、私はこれが実に不思議だった。

キャンドル…というより蝋燭に灯された火は「命」の象徴というイメージがある。
実際、日本の昔話に『寿命のロウソク』という話があるそうだ。
蝋燭の長さは人間の寿命を表し、燃える炎は人間の命を象徴する。

では、自分がこの世に生を受けた記念日に、なぜ自ら炎を吹き消すのだろうか

調べてみると、誕生日にケーキに立てたキャンドルを吹き消す風習は、13世紀頃のドイツの発祥らしい。
火を吹き消す理由は魔除けのため。当時は『誕生日には悪魔が取りつきやすい』と考えられていたかららしい。
その後、19世紀頃にアメリカで「ケーキにキャンドルを立てて吹き消す」という風習が始まったそうだ。ただ、火を吹き消す意味は『願いを込める』というものに変わっている。
日本の誕生日は、こちらを参考にしているらしい。
キャンドルを立てる風習の最古のものは古代のギリシャにあり、これは月の女神アルテミスへの祀りものだそうだ。祀りものに立っているキャンドルの火から立ち上る煙が空へ昇っていくことで「人々の願いを神々に届ける」という目的があるらしい。ある意味、アメリカでの風習は原点回帰なのかもしれない。

もうひとつ、興味深い風習の違いがあった。それはキャンドルの数だ。
アメリカ(そして日本)では歳の数だけキャンドルを立てるが、ドイツでは歳の数に1本足した本数のキャンドルを立てるそうだ。
新しい命の灯火をもう1本立てる意味まではわからなかったが、非常に興味深い。

年に一度の誕生日。
その日には今までの人生を振り返り、新しく増えたキャンドルに願いを乗せて吹き消してみるのも面白いかもしれない。

11/20/2023, 9:00:57 AM

生き物のように揺らぐ
キャンドルの炎

四六時中
煩い思考に辟易して

ただ揺らめく火を
ぼんやり見てるうちに

性懲りも無く
また無意識に

やっぱり君の事
思い浮かべてる



この炎が消える時


君への想いも

消えたらいいのに





           「キャンドル」

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