『カーテン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
朝から暖かい日差しが窓に映る
カーテンを開けると太陽の日差しが
目の前に飛び込んでくる
影になっている所と日があたっている所が
はっきりしてくる
外は雲ひとつない快晴
さえぎるものがないので
かなり遠くまで見渡せる
清々しい気持ちで一日が始まる
目を覚ます
カーテンの隙間から朝陽が漏れて、部屋を薄明るく照らしていた。遮光カーテンだから本当は部屋に光は届かないのだけれど、毎回締めが甘いのかいつも隙間が空いている。
その隙間から、徐に外を覗き見た。
冬の冷気が窓越しに肌を刺す。ひんやりと凍った空は嫌味なくらいに透明で、朝焼けの光が焼きついた。
カーテンを開けないまま、窓を少しだけ開ける。隙間の隙間からいろんな人の生活が一気に聞こえてきて、澄んだ冷風が生ぬるい室内へ入ってきた。
風に当たり、寒さに震え、音を聞く。
近所の高校生が元気に行ってきますと家を出て行った。同時に八百屋からトラックが出て行くエンジン音。
自転車に乗った中学生が新聞配達のバイト帰りに焼き芋屋で焼き芋を買って、それを見た出勤前の男性が自分も一つと声を張り上げ駆け寄って行く。
「佳奈、朝よー。今日も学校行かないの?」
嫌な声に、思わずうずくまった。何度かトントンと部屋の扉を叩かれ、返事がないとわかると、お母さんは扉の前にご飯を置く。
「お母さんもう行っちゃうからね、お風呂入りなさいよー」
呼吸がうまくできなくなった気がして、思わず口を開け大きく吸い込む。ぜぇぜぇと息が荒れる。さっきまで簡単にできてたのに。
うずくまった自分からは、外とは違う、すえた匂いがした。
他愛もないことだったのかもしれない。放課後の教室で、君とあいつの距離が異常に近く見えたのは。
それなのに、君は何事もなかったように話しかけてきたから、なんだか腹が立ってしまったのだ。
「なんで怒ってるの?」
教室から出たところで彼とばったり会った彼女は、異変を感じて彼に尋ねる。
彼はただ苦い顔をして「怒ってない」と一言言うと、すぐどこかへ行ってしまった。
――別に怒れる立場でもないのに。
なぜだろう。彼女の隣は自分の場所だと勝手に思っていた。
そして気付いてしまった。これが嫉妬だと。勝手に彼女を好いて、勝手に彼女の行動に醜い感情を持ってしまう。
誰にも、譲りたくない。彼女の隣を、彼女を。
鞄を置きっ放しだったことに気付いて、バツの悪い顔をしてあの教室へと戻った。
教室に入ると、誰の姿もない――いや、カーテンに包まれた影が一つ。
そっとカーテンに近付く。
そして思い切りカーテンをめくると、中で声を押し殺して彼女が泣いていた。
虚を衝かれ、固まってしまう。
窓の向こうから射し込む光に、彼女の涙がきらきらと輝いている。
「……なんっ……何か、しちゃったの…………? な……なんで……怒ってるの?」
しゃくり上げながら必死に言葉を絞り出している。
――違う。君は悪くない。
そう思っても、上手く言葉にはならない。
彼女に手を伸ばしかけたその時。
「――…………好き……」
彼女の唇からぽつりと漏れた。
窓から温かい風が吹き込んで、カーテンがふわりと舞い上がる。
彼がカーテンの裾を掴んだ。
膨らんだカーテンに、重なった二人の影が映し出された。
『カーテン』
#カーテン
橘 月子
カーテンを新調していない。
6年前に新居を購入したのに、だ。
リビングはさすがに必要だろう、とニトリで安いものを購入して、統一感を出してみた。
しかし、2階の部屋にご丁寧に2つずつ設置してある窓のカーテンはありあわせのものばかり。
友だちからもらったもの。
私が30年も前に一人暮らししていたアパートで使っていたもの。
前のマンションで使用していたもの。
ケチなのだ。
だけれども、これでいーじゃんと思うとこれで良い。
人の家に行って、
「カーテン素敵ね」などと思ったことがないから。
僕が感じていることで
カーテンというか
ベールという方が捉えやすいかな
寝ている間に行っている世界との
ベールは薄くなっている
パラレルとのベールも
僕が手放す作業を始めた頃よりも
今の方が上昇気流が強い
手放し作業をしている君の
追い風になっている
いつも最高な自分をイメージして
その自分になりきっていよう
そして強い上昇気流に
しっかり乗っていられるように
グランディングも忘れずにね
〜カーテン〜
秋風が金木犀の香りを運んで、私は揺れるカーテンの裾に黒カビを見つけ、一気にテンション萎え。
懐かしさを感じると、温かい気持ちになるし嬉しいけど
それ以上に悲しくなる
カーテンを開けても、広がってるのはいつも曇り空で
いつしか開ける気力も起きなくなってきてしまって。
太陽の、あの空の朝焼けた顔までも
忘れてしまった。
窓を開けると
ひんやりとした朝の風に
白いレースのカーテンが
軽やかに揺れる
選んだBGMは
ショパンのピアノ曲
淹れたてのコーヒーには
ホットミルクを合わせて
カフェ・オ・レに
洗い立てのエプロンをつければ
気分は上々
空は青いし
良い一日になりそうな予感!
# カーテン (301)
閉じてたはずなのに開いてる、誰か居たか?まぁ、良い。
2人で新しく部屋を借りて一緒に住むなんて
もっと先のことだと思ってた。
私はいつまでもダラダラと動こうとしない人だ。
いつもデートの予定とかは
テキパキと動く彼に任せっきり
2人で行きたい場所の案は出せるけど
一日のスケジュールを立てるのは
めんどくさいと思ってしまう
困った人間だ。
彼はこんな私と一緒に住むこと
つまり同棲を提案してきた。
私がダラダラ過ごしているところを見せすぎて
一人暮らしの生活事情を不安に思ったのだろうか
そう思っているのなら一言いってやりたいが
彼と一緒に暮らせるのは嬉しいので頷いておいた。
そして今カーテンの色で討論中だ。
いいスタートはきれそうかな。
─────『カーテン』
カーテン
初めて一人暮らしをする部屋に引っ越してきた。
とりあえず最低限の家具と家電を置いただけで、まだ部屋は殺風景。
こういう時はカーテンを変えるといいって、お姉ちゃん言ってたっけ。実家は障子とふすまだから、よくわからないけど。
とりあえずカーテンを買いに行こうかな。
カーテン
水色のカーテンがふわっと膨らんだ。微かに金木犀の香りがする。軽く寝返りをうってみる。背中の筋肉が少し痛い。昼食のあと、本を読みながら眠ってしまった。足下で愛犬が寝ている。
ベランダ側のカーテンは呼吸をする様に、膨らんだり萎んだりを繰り返している。
朝、あんなに鳴っていた電話は今はなく、外も静かだ。
初めて無断欠勤した。僕がいなくても特に問題はないと思うが、上司にしてみれば安否確認と、嫌味の一言が必要なのだろう。
明日はきちんと謝罪しよう。仕事を辞める勇気はないし、人生を放棄することなんかしたくない。
ほんの少し、自分のために抗ってみただけだ。
さー上司の嫌味を聞くために電話をしよう。ちょっとした嘘は許してほしい。
、、、呼び出し音、、、
「もしもし、、、◯◯です、、大変申し訳ありません、、、、。
、、、、。明日は出勤します、、、。ご迷惑をおかけししました、、、。」
#カーテン
ひとつの恋の終焉に
ひとつの思い出の終焉に
ひとつの影を追わないように
ひとつの影にサヨナラ告げるために
お部屋のカーテン変えましょう
歩みだす私のために…
ガチャ
「…あれ。誰もいないの?」
玄関から、静まり返ったリビングを覗く。
「おかしいな…。どこ行ったんだ」
リビングを見渡す。
ふと、カーテンの下を見た。
足だ。
中学2年の女の子の足がカーテンの裾から見える。
「………」
「みーつけた」
俺は勢いよくカーテンを開けた。
『あ………』
半泣き状態で、身体が震えている。
「隠れるって…なにしょうもない事してるんだよ」
『いや……誰か、助けて』
俺は、女の子の手足を縛り
車の荷台へ乗せた。
ーカーテンー
#カーテン
ふわりとカーテンが揺れた。
窓の外には君が居た。
「やっと帰ってきてくれたんだね。おかえり」
ミーコ
『カーテン』
シャッと、カーテンを閉める。
遮った光は、どちらのもの?
チラッと、カーテンの隙間を覗き見る。
眩しい光に目を逸らす。
光の届かない暗い場所で、私は三角座り。
カーテンで閉ざした心の奥に、ひきこもっている。
シャッと、カーテンを閉める。
遮った光は、どちらのもの?
ピカッと、眩く照らされた場所でくるくる踊る。
そんな自分を、もう一人が毛布でぐるぐる巻きにする。
怯えに覆われた明るい場所で、私は三角座り。
カーテンで閉ざした心の奥に、ひきこもっている。
カーテンとは、外と内を分ける結界だ。
外の世界には危険なもの、嫌なもの、醜いものがたくさんある。
この大きな布がここに掛かっているかぎり、私がそれを見ることはない。
しかし私は、勢い良くカーテンを開ける。
何故なら、素晴らしいものや輝く宝は外の世界にもたくさんあるのだ。
だから私はそれを探しに行くのだ
いざゆかん。冒険の旅へ。
なんて、かっこいい事を言ったものの、仕事に行きたくない気持ちは変わらない。
無理矢理にでも気分を上げる作戦は失敗である。
成功なんてしたことないから別にいいけど。
別に今日は大事な会議があるわけでもなければ、嫌いな上司がいるわけでもない。
純粋に仕事が嫌いだ。
外を見てもまだ日が昇ってない。
なぜこんなに早く出なければいけないのか。
理解に苦しむ。
いや理解はしている。
お金のためだ。
好きなことをするために、お金が必要だ。
それでも行きたくない。
あーあ。
どこかに嫌なものから守ってくれるカーテン、売ってないかなあ。
目が覚めて
僅かな隙間から
今日が始まる光が差し込む。
朝のニュースがBGM
マグカップにパックのコーヒーを
注いでレンジで2分
10歩 歩いて紺色から白へ
カーテンのページをめくりながら窓を開けた
夕方みたいな朝の空と秋風が心地いい
こんな日はズル休みして どこか遠くへ…
そんな気持ちをあくびと一緒にはき出して
今日という1日に 少しだけ思いを馳せる…
秋の新作スィーツってワードと
レンジの音に呼び戻されて我に返った
また 今日も慌ただしい1日が始まる。
- Have a nice day -
【カーテン】
ぴたりと引かれたカーテンの向こう。僕の親友は薄布一枚を隔てた先からしか言葉をかけてこない。姿を見たことのない、声しか知らない親友だ。
幼い頃、森に迷い込み空腹で倒れてしまった僕を助けてくれた人。森の片隅に立つ小屋で暮らしているらしい彼は、僕が訪ねてくるたびに「もう来るな」と口では言うけれど、本気で僕を拒絶することはなかった。
(ほんと、馬鹿だよなぁ)
絶対に姿を見るな、見たら俺はお前を殺すと、最初にそう言われたから。僕は律儀にも、手を伸ばしてカーテンを捲ったりしないであげているけれど。
でも雲のない夜、月明かりが君の影をカーテンへと落とし出すから、僕は君が隠したがっている真実をもうとっくに知っているんだ。
獣の耳に太い尾っぽを持つ、人々が怪物と称する存在――それが君の正体なのだと。
(その程度で僕が君を嫌うわけがないのに)
いつかこのカーテンを開けて、僕は君の目を見て「はじめまして」と笑うんだ。ひっそりと胸に抱いた決意を隠して、僕は今日も明るく君へと声をかけた。