『カーテン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
1枚、それが日を遮ると部屋の雰囲気が変わる。
ぐっと暗くなる。
でも隙間から入る光だけで十分。
心に1枚、欲しい。
君が、あの人が、近づくと自分が乱れる。苦しい。辛い。
1枚、薄くてもいい。半開きでもいい。
自分保ったまま、外をみたい。
冷静な自分でいたい。
#カーテン
「カーテン」
放課後の教室
淡い光の中
カーテン越しに
ふたりのシルエット
秘密の戯れ
悪戯に風がそよぎ
カーテン舞う
僕の恋は散った
カーテン開けば青空
カーテン開けば雨模様
カーテン開けば雪景色
カーテン開けば庭に野良猫
カーテン開けば干した洗濯物が飛んで行った
本番まで、あと5分ちょっと。
カーテンの向こう側から、ザワザワと観客の声がさざ波のように聞こえてくる。
アクション、演技、台詞回しは全部覚えた。衣装に解れやシワがないのも確認済み。小道具だってばっちりだ。
それでも僕の不安な気持ちを物語るように心臓はバクバクと大音量で鳴っている。
「あぁ〜緊張する…!」
「大丈夫か?顔色真っ青だけど」
「だって開口一番は僕なんだよ!セリフいきなり噛んだり、とちったりしたらどうしようと思うと…」
「それなら大丈夫だろ、お前なら。リハ以外にも他の奴より練習してたんだからよ」
「うぅ〜…でも…心配なんだよぅ…」
我ながらどんどん情けない声になっていく。始まる前なのにもう泣きそうだ。
「…よし、ちょっと手ぇ貸せシンタ。片手でいいから」
「ぇ…う、うん」
タイチに言われるまま、右手を出す。すると、握手する形で掴まれた。そして
「お・りゃ・あぁ〜!」
「うわわぁあっ‼︎」
力いっぱい縦に振られた。2、3回だけの往復で止まったが体全体が揺れてくらくらする。
「って、何すんだよタイチ!肩もげるかと思ったじゃん!」
掴まれていた手を払うと、タイチがニカっと歯を見せて笑った。
「はっはは!ようやくいつものシンタになった!」
「…もしかして緊張ほぐそうとしてやったの?」
「おぅ!体ガチガチだったからな。いい感じに柔らかくなったろ」
よかったな!と明るく言うタイチの顔を見て、少し呆れたため息が出た。でも、緊張して強張っていた体は少しだけリラックスして動きやすくなった。
「やり方はめちゃくちゃだけど…でもリラックスできた、サンキュ」
「どーいたしまして」
開演を知らせるうるさいブザーが体育館内に響く。その少し後に、放送部のアナウンスが続いた。
『これより、3年3組の演劇が始まります。演目は--』
お題「カーテン」
蝉の声がうるさくて、目を開ける。
窓を開けながら寝ていたから、風でカーテンがゆらゆらと揺れているのが見えた。
そのカーテンの裏に、黒猫が凛と佇んでいた。
とても、綺麗だと思った。目の前にいる黒猫は、どこから来たのかは分からないけど。
ふわっ、と私が欠伸をした瞬間、風が強く吹いて、カーテンが大きく揺れた。
その瞬間、黒猫はどこかへ消えていった。
寝ぼけていたのだろうか。私は不思議に思いながらも、眠気には勝てずそのまままた眠ってしまった。
カーテン
娘の部屋(和室)の入口は襖ではなく
カーテンだ。
娘の言動に旦那が怒り、襖を殴って
半壊にした。
旦那の言動に私が怒り、襖を蹴って
全壊にした。
そんなこんなで、緑色のカーテンで
閉めている。
風に揺られカギも付いてはいないが
勝手に開けてはならないのである。
『カーテン』
白いレースカーテンの隙間から、まるで水彩画の様な淡い空がチラと顔を覗かせる。霞が掛かるのは、正しく春の空。薄い雲と風にはためくカーテンが重なる。
それを見て、気付けば私は心の中でカーテンを引いていた。
春は好き、秋は好き。夏と冬は嫌い。
カーテンを引く。そして『嫌い』は見えなくする。
散歩をした。睡眠はしていない。
カーテンを引く。そして『していない』を隠す。
これは出来る。あれは出来ない。
カーテンを引く。そして『出来ない』は排除する。
諦める。努力する。
カーテンを引く。そして『努力』から目を逸らす。
心の中にカーテンレールを敷き詰め、分別し、見なかったフリをした。事柄の分別は心を守る為のもの。どんな事でも隠せば見えなくなる。そしていつか忘れる。だからカーテンを引く。
「ね、空綺麗だよ?」
カーテンを引く。開け放たれた窓からは、白に近い水色が顔を出す。暖かなそよ風に頬を撫でられ、ふと笑みが溢れた。
桜の花弁がゆらり。紋黄蝶がふわり。花の甘い香りと共に漂うそれに、心のカーテンが開けられる。閉じたいのに閉じられない、問題児と名の付けたカーテン。
貴女との甘い恋。誰かからの避難の声。
カーテンを引く。そして『反対』をかき消す。
貴女は消えてしまった。いや、どこかに居る筈。
カーテンを引く。そして『奇跡』は無いと割り切る。
貴女の為に生きる。貴女の所へ行く為に死に急ぐ。
カーテンを引く。そして『死に逃げ』を塗り潰す。
私は生きなければならない。
何度も辿り着いた思考。
カーテンを引き、空と室内を遮る。少々暗くなった部屋、花瓶に挿されたチューリップを見つめた。現実ではこうも簡単に出来るのに。そう心の中でぼやく。
心にカーテンを引きたい。
もう前を向きたい。
遮ってしまいたい。
割り切りたい。
そんな心を遮光カーテンで隠す。
そんな思考を遮る。
ただ、貴女の笑顔だけは遮れないまま。
カーテンで私を隠して
誰にも見えないように
誰からも気づかれないように
そっと隠して
【カーテン】
1人になる空間が欲しかった
静かに勉強できる空間
誰にも邪魔されず
誰にも気づかれないように
でも無理で
私の心は限界に達した。
今も家で一番暗くて寒くて狭い場所にいる。
きっともうここから出なきゃだけど
助けて欲しかった、
よりぼくを1人にして。
私の心のカーテンは朝になっても、夜になっても開かない…
誰かを信じることが怖くて、誰かにさらけ出すことすらできなくて、
ずっと私の中は誰にもみられないの…
でも、ちょっとだけ見て欲しいっていう時もあったりするの、
めんどくさいって思う?思うよね、自分でも思うもの。
こんな自分が何になるんだろう?って、
周りの人はあんなに個性があって、いいなぁ…って思って、ずーっとそんなことを考えて、考えるだけで自分では行動しなくて…
笑っちゃうよね、なにかしたいなら変えなきゃ意味無い…
知ってるよ…
自分で閉めたカーテンを開けるのは自分しか出来ないことも
─カーテン─
下校のチャイムが鳴る。
玄関に行き、靴を履き替え、歩く。
自転車に乗り、家までゆっくりと走る。
どうでもいいことを考えていると、あっという間に着いた。
玄関を開け、誰かに聞こえるよう声を出す。
「ただいまー。母さん、今日テスト返されてさ、」
…何か違う。静かすぎる。出掛けてるのか?
「母さん?リビングに居るの?」
リビングにはいつも通り電気がついていた。
「居るなら返事してよ、母さん。」
その言葉と、ドアの開くタイミングは同時だった。
そこにはゆらゆらと揺れる、母さんだったものがあった。
「…は?母、さん?え…?」
窓は開いていて、カーテンを揺らしていた。
同時に、ぶら下がった“それ”も。
意味が分からない。ぐるぐるする頭で考える。
どうして?何で?僕のせい?誰のせい?
考えても息が荒くなるだけ。
涙が溢れるだけ。
その日のリビングには、
僕の嗚咽と、風の吹き抜ける音が木霊していた。
テーマ:カーテン #332
カーテンを揺らすのは誰?
飼っている黒猫のクロ?
カーテンを揺らすのは誰?
窓から入ってきた秋の風?
カーテンを揺らすのは誰?
今はもう遠くにいるはずのあなた?
カーテンを揺らすのは誰?
私はなるべく、カーテンを開けたくない
窓の外から指す明るい光
誰も見ていないのに
自分が凄く見られてるのではないかと
不安になる。
カーテンは、私のボディーガードなのかもしれない。
落ち着くんだ。
囲まれている気がして、誰にも見られてない。
1人だけの空間
#カーテン
#カーテン
カーテンまるごと洗った
青い空から丸見えの部屋
こんなに眩しい部屋だったなんて
忘れていたよ
いつだれに見られるかわからない
変な人に跡をつけられたこともあった
いつしかカーテンは閉めっぱなしで
どんどんいろんなものが溜まっていった
そんな日々とお別れすることに決めた
カーテンまるごと洗った
青空が飛び込んできた
さあ、いこう
胸の内は誰にも見せない
カーテンをぴたりと閉じて、ヘラヘラして何も感じていないふりをする
でもホントはガラスのハートなんだ
カーテンを開いても大丈夫って思える相手と、いつか巡り会えたらいいな
そんな日が来るだろうか…
カーテン
それは些細な喧嘩だった
もうすぐ同じ家に引っ越す頃
今日は家具を買いに出かけようと約束をして
車で迎えに行って目的地に着いた
少し休憩も挟みつつ、お互い持ち寄るのじゃ足りないものを選んでいく。
ソファは3人掛けにしよう、茶色がリビングの雰囲気に合うんじゃないか
ベッドは絶対クイーン、って言いたいけどそんな広くないからダブルベッド
冷蔵庫はとりあえずお互いのを持ち寄ってしばらくは凌ぐことにして
洗濯機は向こうのを使うことにした
買い物は至って順調
あとは部屋の色を決めると言っても過言では無いカーテンのみだった
そこで問題が起きた
カーテンの色で意見が一致しなかった
私は落ち着いたグレーや茶色が良かった
貴方は黄色やベージュとか、明るい色で気分も晴れるといった
言いたいことも分かるし、確かに貴方の家はいつも明るくて活気さえ感じられた
けれど、家は自分がくつろぎ落ち着く空間だ
そこに活動的な色は不要だ
交わらない意見はどんどんと道を逸れていき
「あの時はこうだった」「でもその時はどうだった」と
昔のことを持ち出す典型的な良くない喧嘩の流れになってしまった
貴方は頭を冷やすと言って私の前を去ってしまい、引き留める暇もなかった
それからどれだけ時間が経っただろう
ほんの10分程度だったか、それとも30分は経っただろうか
体感的には3時間は経ったと思う
貴方はふと私の目の前に戻ってきてこう言った
「間をとって緑はどうか」と
確かに緑は目に優しく木々を思わせて落ち着けるし
生命力に溢れて元気も出そうだ
「それでいこう」
普通のカップルならここで謝罪のひとつでも言うのかもしれない
けれど私達はそれをしない
そういうルールなのだ
お互いに信念を持っているなら、無駄な謝罪はよそう、と決めたのだ
勿論必要な謝罪はするけれど
そうして私達の新居は緑を基調とした
落ち着きのある明るい部屋となった
「これから緑ばっかり探しちゃいそう」
「私はもう探したよ、てか買っちゃった」
数年後、私達の持ち物は緑のものばかりになっていた
最近、兄がタバコを吸うようになった。
自分の部屋と兄の部屋は隣なので、それによりタバコの臭いがダイレクトに自分の部屋に入ってくるのだ。
対策としてカーテンを開けて換気しているけど、
なんせ冬なので寒い。ただでさえ年中鼻風邪状態なのに悪化してしまう…しかも前々から兄は酒も飲み始めている。昔は何を食っても太らずスケルトンみたいな体型だったのに、今は自分よりお腹が出ていたのだからとても信じられなかった。正直、自分から見て兄は自制ができるタイプではない。人の言う事を聞くような性格ではないのでとても不安…もう少し兄に意見が言えるようになったらいいんだけど難しいか…
元々、飲酒や喫煙への興味はあんまり無かったけど、兄がヤケ酒してゲロを吐いたり、母さんと喧嘩したりしている姿を見ていると悲しい気持ちになる。
自分は家族に迷惑をかけたくない。けど、兄は自分の中で溜め込む性格だから酒やタバコに依存しているんだと思う。大丈夫かな兄…真面目に考えた方が良いかも知れない。
カーテン
カーテンがヒラヒラ
蝶のようにめくれ上がれ
窓から見えた
夜の風景は一日の疲れを
癒すほど
とても綺麗に見えた
幼稚園児時代、カーテンにくるまって遊んでたら、メガネが真ん中でポキっと折れたことがある。
「カーテン」
一日の始まりにカーテンを開ける。
目を開けて飛び込むのは、1人しか寝ていないダブルベッ
ド。光の差し込まない暗い部屋。分厚いカーテンを眺めながら、眠たそうに私を起こす声を思い出す。
ベッドに張り付いた身体を起こしても、あの可愛らしい寝癖はもう見えない。立ち上がり、あなたがいつも開けてくれたカーテンに手を伸ばすと、淡い色に染まる空が目に入って思わず目を細める。
生ぬるい光を浴びながら、あなたが毎朝掛けてくれた言葉を呟いた。
どれにしよっか。
カーテンにも
色や模様が
たくさんある。
独りなら
これ!って
自分だけで
決められるけど
2人のおうち
だから。
明るい色?
暗い色?
模様はあり?
なしにする?
相談しながら
候補を絞っていく。
自分の意見を
伝えつつ
あなたの意見も
聞いて
2人で決めていく
って
難しい。
でも
これが
2人で暮らす
ってこと
なんだろうなぁ。
#カーテン