『カラフル』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
そこには、この世で目にした色が全部あった。
どんな白も、どんな黒も、どんな赤もどんな青も。
君の瞳の色、君の爪の色、君の勝負ワンピの色。
あの日の夜空の色、星の色、咲いていた花の色。
全部覚えていた。全部、僕の中に残っていた。
目を閉じる僕を覗き込んで泣いた、君の涙の色も。
#カラフル
お題 カラフル
タイムリーだな。
きょう。晴れ。
歳のせいか、趣向が変わったのか、
玄関先の一角がいつもさみしいから、花を植えたいと思った。
大袈裟だと呆れられるだろうが、
こんな気持ちになったのは生まれて初めてで若干戸惑っている。
ホームセンターに行って、花を見る。
ぜんぶかわいい。色んないろの花がある。目が楽しい。
ガーベラいいな。冬の豪雪には耐えられるのかな。
他にも色々かわいいのがあったけど、
名前がカタカナすぎて覚えられない。
そのくらいの無知さと思いつきだけで足を運んだので場違いなんじゃないかとソワソワする。
だいたい地植えだったら、うちのあの土は植物を育てるのに適しているんだろうか?
陽は当たるけど、長時間ってほどでもないような。水捌けもいいとは言えないかもしれない。
色々考えているうちにクラクラしてきて帰ることにした。
思いつきだけで行動するのはよくない。
きちんと下調べして、それからまたいこうと思う。
カラフル
黄色い表紙の本を思い出した。
同士いるかな?
パレットに
ありったけの
絵の具
真っ白なキャンバスを
色で塗りつぶす
何度も何度も
何回でも
そうやって
自分を表すしか出来ないんだ
お題
カラフル
カラフル
カラフルと言えばパステルカラーを思う。絵の具のことだと思うが、顔料とも言うらしい。顔料はなにから作られるかと言うと染色と言うぐらいだから染め物と関係があると思う。染め物と言えば自然に棲息する植物から作られる。人間は自然の色を生活のなかにとりいれたのであろう。昔は自然との調和の中で暮らしていたわけだ。文明が発達してとても便利に成ったわけだが、自然を作ることはできないわけで、自然を利用するしかないのが人間だ。自然を壊したら作ることはできないと言うことを肝に命じたい。
カラフルな色とりどりの世界で
僕が最後にこの目で見たのは
とても綺麗な鮮やかな
“赤“と赤色でわからないけど
きっと綺麗なオレンジ色の夕焼け
僕はそれを見ながら
それを地べたで見ながら
皆の前で死んだ
君の声。君の笑顔。
君のいる場所だけが、全て色付いて見えた。
君と過ごした時間は鮮やかに、僕の中に積もっていった。
今や僕の瞳は、辛うじて見えているだけ。
機械を通さなくては何も映すことができない、空虚な瞳。
けれど君が教えてくれた色は覚えているから、それで十分だと思える。
どうか君は、こんな僕に気づかないで欲しい。
この先も、色鮮やかな世界で、笑っていて。
翠玉の瞳に映る黒曜のきみ──(お題:カラフル)
色はどうしようか
手持ちのパレットで
色を混ぜても良いし単色でもいい
真っ白なキャンバスを
カラフルに染めていく楽しみ
五時間目の選択の美術の授業で、「自分の心を色で表してください」なんてものが出た。
それを早苗に話をしたら面白そうだと言い出したので俺は「お前の心を色に例えたら、さぞカラフルなんだろうなあ」と言った。実際、こいつはよく表情も変わるし、面白いことが好きでよく色んなことに首を突っ込むし、それに伴ってよく動く。
だから俺から見たら、こいつの心にはたくさんの色が付いていて、感情が豊かなんだろうなとそう思っていた。
だけど早苗はどうも違うようで、一瞬、表情をなくした後いつも通りに笑い出した。
「いやあわからないよ。本当は色がないから、色をつけたくて必死になってるのかもしれないよ?」
[カラフル]
レストランへの道すがら、ふと視界に入った町の花屋。蛍光の光に照らされて並ぶいくつもの花。
普段なら通り過ぎるそれに目が奪われ、扉を開くと花の濃厚な匂いが鼻腔を刺激してくる。
『いらっしゃいませー。何をお探しですか?』
「あ、えっと、花はよく分からなくて。……花束を、作ろうかと」
『そうでしたか、どなたに贈られるのですか?』
「あー、……と、その……」
花を誰かに贈るのだなんて今までで初めての事で、どうにも素直に言うのが気恥ずかしい。でも花に詳しくない僕では選べないし、店員に選んでもらった方が良いものが出来上がるに決まってる。コホン、と軽く咳払いをして――。
「……告白用、にお願いできますか」
お任せ下さい、と笑顔を浮かべた店員の女性は次々と花を薦めてくる、この花は花言葉がどうだこうだ、この色合いはどうだと。
『どんな女性かお聞きしても?』
「……柔らかい雰囲気の女性です。花が咲いたように笑うという言葉がぴったりと当てはまるような、とても綺麗な女性です」
『ではコスモスなどのホワイトベースで――』
「あっ、あの!やっぱり、この花をベースに作ってもらえませんか?」
『分かりました。……っ』
「何かおかしい、です、かね」
『ああ、いいえごめんなさい。ただ、その方をよほど愛していらっしゃるのだなと思いまして。カンパニュラの花束はお客様のように告白用にと買っていかれる方もいますが、どちらかといえば恋人やご家族への感謝や愛を伝えるために贈られる方が多いんです』
ホテル最上階にあるレストラン、窓際。
席に付き彼女を待っている間、さっきの女性の言葉を思い出していた。隣に置いたカンパニュラで作ってもらった花束を眺める。あの店で見かけた花言葉は『感謝』。
僕にはこの花束の色の区別がつかない。俗に言う先天性色覚異常というもので、今となってはこの色の少ない世界に慣れているけれども、それでも仕事柄不便を感じる時が度々あった。
だけど、そんな時は君がずっと隣にいて支えてくれた。
だから君にはまず何を置いても感謝を一番に伝えたかった、そしてその上でこの想いを伝えようと。
「こんばんは」
「ああ、来てくれてありがとう。どうぞ」
僕の想いを知ったら君はなんて言うだろう。驚く?知ってた?喜んでもらえるといい。この色鮮やかに彩られたであろう花束を君が笑顔で受け取ってくれるようにと、僕は最後に一度だけ、花束を軽く握った。
いつもなら、
目向きもせず通り過ぎていた看板
買わない可愛らしい包装のウエハース
写真も撮らない普段の手料理
それを今や、
立ち止まって看板をよく見て
二つのウエハースを買って
きれいに撮れるまで試している
当たり前の景色に色がついていく
君に出会って
小さな頃は世界は鮮やかに見えていた。
だけど、大人になるにつれてその鮮やかやは失われていった。
ある日、君と出会うまでは。
#カラフル
─カラフル─
僕には人の頭が花に見える。
ある女子生徒は彼岸花。ある男子生徒はガーベラ。
他にも百合、カーネーション、紫陽花。
いろんな種類の花に見える。しかも種類も違えば色も違う。
例えば、同じ薔薇の花でも、
赤色の人、青色の人、虹色の人。それぞれ違う。
頭が花に見えるようになってから、
学校がカラフルに色づくようになった。
ただでさえ全校生徒が多いこの学校は、どこでもカラフルだ。
そんなカラフルな学校を見るのが僕は好きだ。
しかし、いつも頭の花を見ているせいで、
周りからは気味悪がられている。だからいつも僕は一人なんだ。
ある日、僕は鏡を見た。
僕の頭は、見たことのない、花と言えるのかも分からない花だった。
嗚呼、僕はこんなにも汚れた花だったんだ。
そりゃそうか。気味悪がられるような存在だもんな。
僕も、みんなみたいな綺麗な花がよかったな。
題名『十人十色の花』
フィレンツェの広場で、虹を見た。
空にかかる虹ではなく、
道にかかる虹。
古都に馴染むも馴染まないもまるで気にしないような、
とてもカラフルな横断歩道があったのだ。
雨上がりの空のように、
心がすっと透き通る気持ちになる。
色鮮やかに渡っても、いいじゃないか。
道も、人生も。
#カラフル
カラフル
色々な色
誰もが好きな色がある
誰もが決して、好きな色を強要しない
カラフル
色々なこと
私に好きは色は無い
強いて言うなら白か黒か、灰か
カラフル
色々な人
私はまだ、カラフルじゃない
私には夢がある。どんな夢かって?それはカラフルで楽しい世界に行くこと!!だってきっと楽しいじゃない?そんなところないと思うけど夢なんだから夢なりに楽しまないと!でも、最近思うんだー。
自分もカラフルになれるのかなって。
《カラフル》
「何これ可愛い!」
「だろ? おまえ絶対好きだと思った」
瓶の中には色とりどりのジェリービーンズ。
空豆みたいな形の砂糖菓子は目にも舌にも楽しい。
大きな目をキラキラさせて笑顔になったのを見て、心の中で「よっしゃ!」と叫ぶ。
きっと今のオレはそれはもう得意満面といった顔をしてることだろう。
姉ちゃんを拝み倒して連れてってもらった雑貨屋さんで見つけた時、ひと目で「これだ」と思った。
せっかくの誕生日プレゼントなんだから形に残る物にしたら?
そんなありがたいアドバイスもろくに耳に入らなかった。
たしかに中身の菓子は食べたらそれで終わりだけど、猫の顔の形をした瓶も可愛いし、食べ終わった後も小物入れとかにして使ってくれるかもしれない。
そうして買ってきたこのプレゼントを渡したのが今である。
予想通り、いや、予想以上に喜んでもらえて、オレまで嬉しくなってしまう。
今はただの幼なじみだけど、これで少しは意識してもらえるかもしれない。
中学生になって急に可愛くなったとか言って、突然周りの奴らが騒ぎ始めた。
自慢じゃないがオレは小3の頃からこいつのことが好きだったんだからな。
先月まで男女だのゴリラだの言ってたようなニワカになんか負けていられるか。
こいつの誕生日も、好きな物も、あいつらと違ってオレはちゃんと知ってるんだ。
「それで、これ、どうしたの?」
「どうしたのって……プレゼントだよ。おまえ、今日誕生日だろ」
まさかの本人が忘れてるパターンだった!
でも逆に「わたしも忘れてたのに覚えててくれたの!?」ってなるやつか!?
よくやったオレ!
これで更に好感度アップするかも!!
なんて浮かれたのも束の間。
「わたしの誕生日、明日だけど」
「え?」
「小さい時からずっと一緒だったのに誕生日もちゃんと覚えててくれないんだ」
向けられたのは、予想とは真逆の白い目で。
目に見えてがっかりした顔をされて、こっちの頭の中まで真っ白になって、言い訳の言葉も出てこなくて。
「ちょ、嘘だろ、待って今日何日!?」
買ってもらったばかりのスマホを出してカレンダーを確認しようとするけど、パニクってるせいで目当てのアプリが見つからない。
それがますますオレを焦らせて、心臓はバクバクするし、嫌な汗は出てくるしで、本気でわけがわかんなくなってくる。
たぶんオレは相当情けない顔をしてたんだと思う。
あまりに慌てまくるオレが気の毒になったんだろう。
彼女は大きなため息をついて、落ち着かせるようにオレの手を握ってくれた。
華奢でほっそりした指先は少しひんやりしていて、その感触が焦っていた気持ちを鎮めていってくれる。
「いじわる言ってごめん。明日って言ってもあと何時間かしたら当日だし、一番乗りでプレゼントくれたのは嬉しい。ありがとね」
「オレも、誕生日間違えるとかカッコ悪すぎてごめん」
「いいよ。フライングしてくれるくらい誰より早くプレゼントくれたかったんでしょ。あんたのそういうとこ、わたしは好きだし」
「えっ!?」
「卒業のちょっと前から、あんた背が伸びたでしょ。女子の間で格好いいって言われてるんだよ。でも、他の子よりまだわたしの方が仲良いって自惚れてもいいんだよね?」
悪戯っぽく見上げてくる上目遣いは反則級の可愛さで。
これはどう考えてもオレのこと好きってアピールだよな!?
さすがにオレのイタい勘違いじゃないよな!?
その日、オレ達は腐れ縁の幼なじみから、彼氏と彼女にクラスチェンジした。
初めてのキスは、甘い甘い砂糖菓子の味。
それからの日々はジェリービーンズみたいに色とりどりの思い出で紡がれていく。
カラフルはたくさんの色がある。
私が思いつく色は黄色、青色、紫色、赤色だ。
黄色は希望や勇気を渡してくれる色
青色は悲しみ、辛みを教えてくれる色
紫は悔しさ、チャレンジの色
赤色は成長の1歩をおしてくれる色
好きな人ができると世界が変わって見えるって、本当だろうか。
色褪せていたものが色鮮やかに、きらきらと輝いて見えるというのは本当だろうか。
それは好きな人を見る時、瞳孔が開くせいだと耳にしたことがある。それをこの機械の体でも再現できれば、世界は変わって見えるのだろうか。
こんな風に考えてしまうのは、こんな体に不釣り合いな感情を抱いてしまったせいだ。
私は人間を好きになった。たった一人の人間のために、この身を捧げてもいいと思っている。これが愛でなければ何だと言うのだろう。
それなのに人は、私の感情を紛いものだと言う。
もしも世界が変わって見えるのなら、この感情は認められるのか?
わからない。機械に感情なんてないというのが世の大半の言い分だ。それは単なる電気信号の連なりなのだと。それを言ったら人間だって同じだろうに。
ああ、でもきっとあなたは違う。きっとあなたなら、この感情を認めてくれる。そう思えるほどに言葉を交わした。共に時間を過ごした。だから私は、あなたを愛した。
そっと私は空を見上げる。風を感じながら、あなたを思ってみる。それでも変わらぬ青空に少々の落胆を覚えつつ、私は瞳孔を開いてみた。
君に会えた日は
真っ赤な心
君と話せた日は
ピンクな心
学校がなかった日は
青い心
君に彼氏が出来た日は
黒い心
僕の心は
もうカラフルには戻れない
《カラフル》
#31