君の声。君の笑顔。君のいる場所だけが、全て色付いて見えた。君と過ごした時間は鮮やかに、僕の中に積もっていった。今や僕の瞳は、辛うじて見えているだけ。機械を通さなくては何も映すことができない、空虚な瞳。けれど君が教えてくれた色は覚えているから、それで十分だと思える。どうか君は、こんな僕に気づかないで欲しい。この先も、色鮮やかな世界で、笑っていて。翠玉の瞳に映る黒曜のきみ──(お題:カラフル)
5/1/2023, 11:58:21 AM