『イルミネーション』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「イルミネーション」
12月、クリスマスが近づくと
いつも暗くて静かな夜が
イルミネーションで明るくなる
朝はイルミネーションが明るくて見えないのに
夜だとすごく輝いて綺麗に見える
夜の光はこんなに綺麗なんだ
朝見た時と全然違う
周りには写真を撮っている人がいて
恥ずかしがりながら孫に写真を撮ってもらっているおばあちゃんもいれば
恋人と一緒に記念に撮っている人
SNSに上げるためなのか丁寧に微調整して撮る人もいる
イルミネーションに夢中になっている人たちを見ていて気づいた。
周りが暖かい雰囲気になっていることに
なぜだろう?
少し考えてみた
「・見るとすごく幸せな気分になるから
・笑顔になるから
・大切な人と行くことで思い出になるから」
もっといろんな理由があるだろうけれど
私は「ポジティブな感情でいる人が多いから」
かなって思ってる
イルミネーションの光がすごくあたたかく見えて嫌なことも忘れちゃうくらい包み込んでくれるような気がする。
「ハッピーをくれる存在 」っていうのかな
すごく素敵でいて欲しい存在
今度からイルミネーションを見る度に
ここにいる人は今どんな思いで見ているんだろう?
どんな思い出ができるのかな?って
ワクワクしながら見れそう
私はいつもひとりでここに来るけれど
いつか誰かとここで素敵な思い出ができるかな
母親の入院中、独りぼっちで見たイルミネーション
やたらまぶしくキラキラ光るから
世界はきっと楽しいのだろう
手には、夕食の買い出しのスーパーの袋
私はキラキラした世界を見上げたあと
静かに誰もいない家に帰った
レジ袋の音が、やたらうるさかった
イルミネーション
夜中の電飾で飾られた看板や
まばゆいヘッドライトの流星群
高いビルから見下ろせば
魔法使いがこの街に
命をあずけた
工場夜景に若者の喧騒
ゲロ吐くおじさんに香水おばさん
流れる電車の乗客は無機質
心臓みたいに点滅する
この世の腹の中
生きているんだ
輝きたいんだ
光の数だけ
人生なんだ
キラキラするんだ
目立ちたいんだ
おれは此処にいる
なぜ?気づかない!
イルミネーション
それが人なんだ
愛のコンセント
だれか?差してくれ!
【イルミネーション】
暗い夜を美しく照らすイルミネーションは少しずつ人々の未来を暗くする。でもそうなるのはまだまだ後の話。だからイルミネーションを綺麗と思えるし好きになれる。
イルミネーション
…彼はイルミネーションを見たことがないらしい。
そりゃそうか。
団地から出たことがほとんどないもんね。
…いつか、彼を連れてイルミネーションでも見にいこうかな?
私はイルミネーションの光は貴方への愛の数だと思ってる。
だからイルミネーションの夜は貴方を愛する夜。
イルミネーションで光る数々のライトは貴方との思い出。貴方を愛した日々。すべて、すべて光る大切な、大切な思い出。でも…でもそれは今日まで。イルミネーションはいつか消える。いっせいに何の前触れもなく。悲しいけれど、それがはかなくて奇麗なんだな。イルミネーションはまたきっと光りだす。光は増えることはないけれど、綺麗な光がまた、私を照らしてくれる。
小説
おばみつ
キラキラと星のように輝くイルミネーションを見上げながら息を吐く。白く染まった息は上へ上へと登っていった。
隣を見るとイルミネーションと同じくらいに目を輝かせた甘露寺が感嘆の声を漏らす。
「わぁ...!綺麗...!」
「あぁ、とても綺麗だ」
俺の視線は既に上から横へと移っていた。淡い光を顔に受けながら一生懸命見上げる姿が、俺には美しく映った。未だ彼女は俺の視線には気が付かない。
しばらく見つめていると、彼女の若草色の瞳がこちらを映す。
「もう!伊黒さん、私のことじゃなくてイルミネーションを見てよ!」
膨れた頬をつつくと、ふしゅっと白い息が空気中に舞う。俺の目にはもう彼女しか映っていなかった。
「どっちも見てるよ、...綺麗だ」
熱を込めた視線を送ると、彼女の頬が少し赤くなる。
「...イルミネーションがでしょ?」
「...どうかな?」
俺はそっと甘露寺の甘く柔らかな唇を、自らの唇と重ね合わせた。
うんと小さな頃、親戚の家の真隣に結構な規模のイルミネーションが毎年冬に開催されていた。それはその家から外に1歩出ればすぐ見える程の距離で、木や小屋に括り付けられた電飾が色とりどりに輝くのがはっきりと見えた。子供ながらに幻想的な風景にうっとりとさせられていた。しかしそれは突然終わりを迎えた。誰かが電線を故意に切ったという噂が流れてきた。非常に残念だった。あれからイルミネーションは再開していない。早くあの風景をもう一度見たいものだ。
お題『イルミネーション』
(今日はいつものやつはお休みです)
地元岡山のイルミネーションについてお話しします。
私は駅近で働いているので帰宅する時などは駅前のイルミネーションを目にすることも多いのですが、ぶっちゃけ
ショボい。
おそらくはイルミネーションの予算が年々削られているのでしょうね。
コロナ前まではそこそこ楽しい年末イルミネーションだったんです。駅前の桃太郎は周りを桃のイルミネーションに彩られ、頭上にはミラーボールが!
【パリピ太郎】と誰かが言い出し、いつの間にかその名前が定着したり。しかし岡山駅前再開発で一時撤去され、今や桃太郎は駅前の片隅で泣いています。
あと、桃太郎大通りに面した、メルヘンチックな外観の交番をキラキラさせる【エレクトリカル交番】とか。その交番も役目を終えると同時に光を失いました。
しかし、岡山駅前を離れるとイルミネーションに力をめちゃくちゃ入れているところもあります。
それは岡山市郊外にある、産婦人科。最初は入院する妊婦さんに少しでも楽しんでもらおうと始めたことらしいのですが、年々派手になり、さらには系列病院まで輝きを放つに至りました。
どうやら観光名所にもなっているらしいその病院ですが、25日になると綺麗さっぱり電飾を撤去するそうです。
あとは、エントランス前の大きな木をクリスマスツリーにしているマンションとか……。
こうして振り返ってみるとわかるのですが、『財政が潤っていないとイルミネーションはショボショボになり、頑張って稼いでいるところ・金回りのいいところはイルミネーションに力を入れられる』ということです。
人もそうです。心が潤っていないと貧相になります。
あなたの心のイルミネーションは、輝いていますか?
暗闇にキラキラ輝く街は、さながら宝箱。
いつもより笑顔が多くて、孤独に気付かされる。
寂しくないよ、吐いた息とふたりなろう。
冷えた手をポッケに突っ込んで歩く。
「わぁ、綺麗」
勉強のし過ぎで凝り固まった体をほぐそうと、少し塾から外に出てみたら、周りの木に色とりどりの光たちが宿っていた。
イルミネーションって、こんなに綺麗なんだ。
すると、私の肩を優しく誰かが叩いた。
「塾帰り?」
最近会えてなかった、幼い頃からの友達だった。
「ううん、まだ勉強してるところ」
「そっか。大変だね」
「そんなことより、見て。イルミネーション綺麗じゃない?」
「ね、とても綺麗」
そういう貴方から、少し緊張したような、そんな声が出ているのがわかった。
今年ももうすぐ終わり。
この儚い光たちが懸命に光るように、私達も最後まで足掻いていきたい。
イルミネーションみたい
ロマンチックなことたくさんしたい
すれちがって
遠くなって
価値観が違う
そうだった。いまに始まった事じゃない
私は、
わたしは、
わたしだって
、
したかったのに
違うから
こんな事になったのに。
私が全部悪くなるの?
イルミネーションのように輝くあの子には到底勝てないから、だからって比べんなよ。性格が良ければ良いってそんなの綺麗事でしょう?結局は顔が良くて性格が良かったらモテるんだから、分かってるから、だから、私にも救いという名の光を頂戴。
イルミネーションに来た
綺麗な黄色、赤、青など色々な色がライトアップされている
癒されるな、、
寒空の下で思う
ギラッギラの駅前より
深い深い闇の中で
ぽつりと光る君が好き
イルミネーション
「イルミネーション」
若い頃はコートを着込んで
いろんな所に出かけた
イルミネーションを見に行くのは
年末恒例のイベントだった
でも、この歳になると
寒くて寒くて...
外でイルミネーションなんて
とんでもない!!
こたつに入って
ヒーターに当たりながら
にゃんこを膝に乗せて...
みかんなんかあれば
もう最高 (*´艸`)♡
そんな歳になりました(笑)
【イルミネーション】
すみませーん。あ、どうも。リア充爆散隊の者でーす。え?その単語は死語?お黙り!冬の夜を下らないイチャイチャで穢すカップルが!我々と共に爆散しろ!
―
昨夜未明爆破テロを起こそうとした数十名の身柄を確保…。
この季節のイルミネーションは
地球に優しいんだろうか?
笑顔になることで犯罪が減るとかならいいけど
世界中で争いは起こり続けている
電気をつけて幸せを自慢したり妬んだりする前に
自分の心のろうそくを灯せばいいと思う
早く会いたいな
イルミネーションの季節が終わらない間に
イルミネーション。
小説。
鏡が落ちているみたいだった。水たまりが銀色に光っている。
地面は黒だ。昼間に雨が降ったから、夜空よりも深い色をしている。
ほかの客はみんないなくなった平日二十二時のアウトレットモールを歩いている。
ショーウィンドウの明かりで、水たまりが光っている。
その水たまりを飛び越えながら、サガミはトイレを探していた。この前いっしょに遊んでいたときも、こいつはトイレに急いでいた。「走ったら余計尿意が近くなるんだぞ」と俺に怒鳴っていた。今は、「動いてなきゃ、ヤバい!」と言って、無駄に大きく手足を振り上げ、走っている。
俺を置いて建物の角に消えていくから、次第に見失ってしまった。
まあ、トイレを目指して行ったら落ち合えるだろう。
登山用品店、家具屋、靴屋……と店員さえも見えない店の前を歩く。コンコースの中央には芝生があって、謎のオブジェにはイルミネーションが点けられていた。
今年の冬はイルミネーションを数えて歩く活動をしている。帰宅部の俺とサガミの自主的な活動だ。民家のイルミネーションも含む。今年どれだけイルミネーションを見たか確かめている。
数えるといっても、実際に何個あったか覚えているわけではなくて、サガミと街を歩くたびに、あそこ、イルミネーションある、あそこにもあると話題にしているだけの遊びだ。
体感じゃ、今年は十五箇所くらい見たかな。想定していたより少なかった。暇さえあればバイトを入れていたから、見る機会が少なかったのかもしれない。
サガミは姉とイルミネーションスポットに行ったと言っていた。
俺なんかはバイトの帰り道に、電灯の少ない、暗い夜道があって、そこに燦然とかがやく一軒家のイルミネーションに出くわしたことがある。
なんであんなに安心するものなんだろう。
日中の疲れも癒されて、俺はその光を道標みたいにして足を踏み出した。いや、あのイルミネーションを誘蛾灯みたいに、俺は光に引き寄せられる蛾みたいにフラフラと歩いた。
燃やし尽くされてみたいよなあって思った。なんかもう、殺してくれーって思ってた。
そしたらその五百メートルほど先から、チャッチャッチャッ……となにか、音が聞こえてきた。あとから思うに、それは幸運の足音だった。五百メートル先の曲がり角から、ぴかぴかに光る首輪をつけた、犬が現れたのだった。犬がアスファルトを歩く音だった。
サガミの飼い犬だった。
そのあとはサガミとふたりでコロの散歩をして帰った。サガミは毎年壮大なイルミネーションをしていることで有名な隣の地区の住宅街まで連れていってくれた。わざと遠回りをしてくれたのだった。
ぴかぴかに光る通りを歩きながら、ずっと俺の話を聞いてくれた。
「――サガミ、大丈夫か?」
トイレに着いた。一番近くのトイレだからサガミはここにいるはずだった。返事はないが、俺の声が聞こえなかったのかもしれない。
俺はトイレの外の壁に背中をもたれさせた。
あの日――俺がバイトでミスをしたあの日――飼い犬のコロを携えながら、サガミは今週末アウトレットモールで遊ぼうと、別れ際に言った。
週末は普通、俺はバイトを入れていた。
久しぶりだった。サガミも、キザキと遊ぶの久しぶりだなーと言っていた。最近はいっしょに帰ることすらしていなかった。
サガミに冬休み、イルミネーションを見たかと聞くと、この街には、輝きが少ない――とサガミは言っていた。
しばらくすると、中から物音が聞こえてきた。
「サガミ、大丈夫だったか? 漏らさなかったか?」
返事がない。
手を洗う音は聞こえてくる。
「だからおまえ、走ったほうが逆にトイレが近くなるって、俺はあれほど」
サガミは応えない。
ブォーー……と手を乾かす音が聞こえる。
俺が中を覗き込むのと、なにか、俺の胸くらいの高さのものが飛び出してくるのが同時だった。
女の子かと思うくらい髪が長い少年がいた。
あわてて飛び退くと、そんな俺の横をすり抜けるようにして走り去っていく。細く、ちぎれそうな髪をうしろで束ねた少年は、俺を睨みつけながら、ときどき前を向いて走った。アウトレットの端のほうにある、英語塾の中へと走っていた。
トイレの中はもうだれもいない。個室にもだれも入っていない。
サガミ、どこ行ったんだよ。
サガミ、漏らさなかったかな。
俺はサガミとはぐれたことに気がついた。
あの方向音痴が。電話したら出るんだろうな? 漏らさなかったんだろうな。
俺はしばしその場に突っ立っていた。
そこに電話がかかってきた。ちょうどかけようとしていたから、よかった、サガミ、どこにいるんだよ、と思いながら、俺は電話に出た。
電話をかけてきたのはサガミだと、少しも疑っていなかった。
「もしもし?」
「おい、キサキ、おまえなにしてるんだよ!」
俺は息を呑む。
「……は」
「はあじゃねぇよ、はあじゃ! おまえぇ!」
怒号が耳を貫く。
「おまえぇっ! なにしてるんだよマジで」
「はあ」
手が震えて冷たいスマホが耳に触れる。
俺は歩き出す。
「無断欠勤してんじゃねぇよ! おまえ、代わりに入るつっただろが。おまえが俺の代わりに入んなかったから、俺が怒られてんだよ。ふざけんなよおまえ」
闇雲にさまよう。俺はチョコレート屋の角を曲がる。サガミはいない。ここら辺の角を曲がったはずなのに。俺は歩き続ける。
バイトの先輩の怒鳴り声は続いている。
「デートをドタキャンしてバイト出たんだけど。おまえ、イルミのチケット代、弁償できんのかよ」
サガミ、どこいったんだろな。
閉店のアナウンスが流れている。ショーウィンドウのマネキンの影を踏んで歩く。
次の角を曲がる。
サガミ、どこにいるんだよ。
足音も聞こえない。俺は広場に出る。広場にはツリーの形をしたイルミネーションがある。まだ光っている。俺はフラフラと歩み寄る。蛾のように。冬の蛾のように。もうじき消される。