『イルミネーション』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
冬の世界は透明。
冷たく澄んだ空気が
どこまでも続く街の光を集めて
キラキラの世界をおひろめしてくれる。
きれいでしょ?
きれいだね。
その上の
澄んだ空気に散りばめられた
星々の輝きは
あなたを照らすけど。
キラキラ世界が眩しくて
みんなからは見えないね。
イルミネーションに照らされる君の横顔に僕は見惚れた。
誕生日に僕がプレゼントしたチェックのマフラーに半分埋もれて、きらきら目を輝かせている。
「きれいだね!」
「うん、きれいだ」
はしゃぐ君はとてもきれいだ。
さっき売店で買い求めたホットワインが体をほてらせるから。
僕は思わず呟いた。
「好きだよ」
君がちょっとびっくりしたように僕を見上げる。
それから僕のいちばん好きな笑い方で笑った。
「わたしも大好き!」
繋いだ手から温もりが伝わってくる。
すべてが違って見える今年の冬は、きっと君のおかげだ。
🎵街の灯りがとてもきれいね
横浜、ブルーライト横浜🎶
なんて歌があったけど。
今は、色が溢れてる。
落ち着かない。
職場の近くに連なる木々に施されたイルミネーション。
幼い頃、「星降る夜」とはこのことかと、感嘆というよりはもはや納得してしまうほどの夜を用意してくれるくらいの田舎に住んでいたからか、
単純に私が天邪鬼なだけなのか、どちらなのかは不確かだが、
とにかく、イルミネーションを見ても、「これは総電力何Wなんだろ…」などというなんとも可愛くないことばかりが頭に浮かぶ。
けれど、私は知っている。
この時期になると巷に溢れるこの「イルミネーション」というのは、
そのものが綺麗なのではなく、
隣を歩く誰かを、ロマンチックに、綺麗に、儚げに、愛おしいと思うほどに照らしてくれる、
そんな、「照明」なのだ。
それが、素敵、なのだ。
そんなことをキザに考えながら、私はコートの襟を掴んで首をすくめる。
25.イルミネーション
僕は付き合っている人がいる。
その子は可愛くて、時々見せる可愛い笑顔が
たまらなく愛おしい。子供みたいに小さくて可愛い。
そんなこと付き合えるなんて僕は幸せ者だと
そう思った。だが、そんな幸せは長く続かなかった。
彼女が癌になってしまった。彼女はみるみる
痩せ細っていた。辛いはずなのに彼女は笑顔で
僕を見ていた。
そんな彼女を見ていると涙が出そうだった。
彼女は亡くなってしまった。
僕は悲しみに暮れていた。
毎日声が枯れるまで泣いていた。
久しぶりに外を見ると雪が降っていた。
家から出ると寒くてイルミネーションが見える。
「もうこんな時期か…」
そう思いながらマフラーを巻いた。
「君と来年もずっと一緒に見たかったな〜笑」
また目に涙を溜め込んで雪の中を歩き始めた。
イルミネーションを見かけると、クリスマスの曲を聴くようになると、「ああ。もう今年も終わるのか」ともう年末の気持ちになる。
今年も1人。なんの新しい報告もなく終わる。
抱負も何ももう思い浮かばない。どうせ来年も判で押したような年になるのだ。
「え??もう⚪︎月なの???時間が過ぎるのが年々早くなるな…」
とかって言いながら
もう私は死んでいて、地獄で永遠に同じ年を繰り返しているんじゃないかって思う…けど、人生のロスタイムなのかも。
変わりたいって強く自分が思わないともう大人になったなった私は変われないんだなって。
生きる力も薄く、死ぬ勇気がない。怠慢な生を
来年も…
「クリスマスだから、年末だからって装飾される並木や建物や公園も綺麗だと思うけど」
コンビニのホットコーヒーを飲みながら、階段を一段一段上っていく。
吐く息が白い。同じように階段を上りながら、私は彼の顔を盗み見る。夜の山道は暗く、ところどころにポツンと灯りがあるばかりで、彼の顔もはっきりとは見えない。けれど弾んだ声の穏やかさと足取りの軽やかさで、彼が今どんな顔をしているのかを想像する。
きっと子供みたいに目を輝かせているのだろう。
「着いたよ」
街の北端にある小さな山。
初めて登った山の頂きは少し開けて、こじんまりとした展望台が設置してあった。とは言っても、ベンチと柵があるだけの、本当に簡素なものだったけれど。
彼はゆったりとした足取りで、柵のギリギリまで近付いていく。私も後をついていく。
「……」
目の前に広がっていたのは、きらきらと輝く星の海。
昔見た天の川の写真を思い出した。
「俺はここから見る街の景色の方が好きだな」
ちかちかと点滅する光点。連なるオレンジ。薄緑色に輝くタワー。人の営みが宝石になって街という箱の中で煌めいている。
レストラン、マンション、教会、居酒屋、ゲームセンター、病院、コンビニ、風俗店……そこには聖も俗も無い。みんなみんな、輝く光になっている。
「この中に冬限定のイルミネーションもあるんだろうけど、ここから見てるとさ、わざわざ飾り立てなくたっていいのにって思わない?」
煌めく宝石を背に微笑む彼は、私の目に他の何より輝いて見えた。
END
「イルミネーション」
イルミネーションを見ている君のその横顔が
どんなものよりも輝いているよ。
「イルミネーション」
あなたと見に行きたい、って
素直に言えたらいいのに
あなたが隣にいてくれるのなら
きっと綺麗に見えるのでしょう
赤、青、黄色……、一つ一つの色が、一つの芸術を生み出している。
その中に、欠けていい色なんてない。
一つのものを生み出すには、一つ一つの色が、個性が必要になっていくから。
初めて一人で来たの。
本来ならばいたはずの、あなたがいないから、しょうがなく。
甘やかな雰囲気をちらりと見つつ、言葉少なに光の中を歩む私たちは、側から見たら変わっていたでしょう。
でも。私の心に幸福は、静かに、確かにあったことを、他でもないあなたに伝えたいのです。
かつて繋いだ手の温もりが薄れてゆく前に。
いつのまにか、ツリーの前に立っていた。
ああ、こんなにも眩しいものだったかしら。
あなたが隣にいる時は、なんというか、輝いているのに。
とっくに視界は滲んでいたけど、目を見開いた。
私、イルミネーションはあなたと見たい。
「イルミネーション」
イルミネーションが輝く広場を抜けて足早に家路を目指す。
楽しそうなカップルが目について寂しさが募る。鍋をしようと買った白菜と豚肉が入った少し重く感じるスーパーの袋を持ちなおしながら歩く。安いからと四分の一ではなく半分にカットされた白菜を買ったが一人では食べきるのが大変だと思いため息が出た。白いため息が溶けていく。キラキラとしたイルミネーションがあちこちで光る。クリスマスシーズンの輝きに全く関与しない日常、予定も普段と変わりない日々が続くとわかっている。寂しさも慣れれれば日常に麻痺していく。正月の休みは寝正月になりそうだとまだクリスマスすら来ていない中で先を考えて悲しくなる。ふと広場の出口近くに進むと、立っているサンタ帽子を被ったアルバイトだろう人からどうぞ~の声とともにチラシが差し出されたチラシにはポケットティッシュが挟まっている。最近はこうしてポケットティッシュが配られることも減ったと思っていたが年末近くになって予算をかけたのだろうか。笑いかけられて流されるままに思わず受け取ってしまう。なんのチラシかと思えばどうやらカップル向けのレストランイベントのチラシらしい。ポケットティッシュはありがたくもらいつつもチラシには寂しさが募る。
イルミネーションよりライトアップ派だ。
イルミネーションは電飾そのものを見せるもの、ライトアップは対象物を見せるものなので、そもそも目的は異なるが好みとして。
木々や建物をきらびやかに彩るイルミネーションは見ごたえがあるけれど、桜や紅葉、雪などを暗闇から浮かび上がらせるライトアップのほうがしみじみと景色を楽しめる。
イルミネーションを見ると少し寂しい気分になるのも理由のひとつ。
夜の電飾というのは、映画の中の移動遊園地や、暗い部屋で点滅し続けるクリスマスツリーのように、賑やかなのにどことなく寂しい雰囲気がある。
『イルミネーション』
うるさい。痛い。不快だ、厭だ、さっさと消えればいいのに。
目の奥を深く突き刺すような光から目を背けながら、競歩のような速度で石畳を鳴らす。いっそサングラスでもかければいいのか。夜にサングラスをかけた変人だと思われるのがマシか、この苦しみに耐えるのがマシか。
やっと極彩色の電球たちから解放されて瞬きを繰り返す。視界の中を形のない影が漂って、彩度や明度をごちゃごちゃにいじったような不快な色彩が広がっていた。普段は節電を勧めてくるくせに、こんなにビカビカと光らせている。つくづく愚かしい。
こんなものの何がいいのだろう。恋人と見る価値はあるのか。飾りつけるのは家の中のツリーで十分だ。
早く終われ、イルミネーション。そしてファッキン、クリスマス。愛しているよ二十六日。
『イルミネーション』
イルミネーション
車の中から駅前のイルミネーションを見た
「うわ~キレイ」という私のために
少しだけ車のスピードを緩めてくれる
「今度二人で見に行きたいね」とあなたは言ってくれたけど
出来ない約束ならそんなに簡単に口にしないで
あんなにキラキラした
あんなにたくさん人がいる所になんて
誰かに知られてしまうかもしれない
本当は今の私達では行けないところでしょ?
一瞬期待して喜んだあとに現実を知る
あのイルミネーションの輝きとは真逆の世界
あなたの無意識なその一言は
優しさではなく
私にとってはひどく残酷に響いたんだ
「また来年も一緒に見に来ようね!」
目の前を埋め尽くす光の洪水に負けない笑顔で彼女は微笑んだ。
−− 一昨年の話だ。
……去年は結局彼女と一緒に来ることは叶わなかった。
「綺麗だね。また来年も見に来よう」
今は荷物が載っているベビーカーを押しながら、隣を歩く二人に言った。
二対の瞳に反射した光はどの灯りよりもきれいだった。
/「イルミネーション」
街を歩くと、至る所に色とりどりの電灯が灯る。
其れは、冬の日の短さを逆手に取った発明。
この時期、其れは本当に美しく、心奪われる。
寒さの中、だからこそ映える灯たち。
多くの人々の心を明るくする、灯たち。
やはり、いつの時代も灯は…人の心を照らしてくれる。
ふふふ、この感動を…なんと言い表そう。
私には、到底表せそうにない感動だ。
皆は、灯をどう捉える。
あなたにとって、灯とは、どんなものだろうか。
イルミネーション
赤、黄、青
僕の心に刻まれる色
今こうして感じられているのも
ここまで素敵だと思うのも
全部あなたのおかげだよ。
高校3年生の夏、
俺はあなたに恋をした。
俺の心は空っぽで
無関心で、人の心もなくて
目に映るもの全てがどうでもよかった
放課後、茜色に染まる教室
使われていないこの教室は
誰もいないはずだった。
だから、俺は毎日ここにいるのに。
人の気配がした。
覗くと、そこには今にも消えてしまいそうなくらい
儚くて、朧げなあなたがいた
「……何もかも消えてなくなればいいのに
あなたも、そう思うでしょう?」
そう言って、あなたはこちらを見る
なんて返していいのか分からなかった。
何もかもどうでもよかったはずなのに
消えてなくなればいいなんて
俺には到底思えなかった。
それが、俺が消えてなくなることを拒否するのか
あなたが消えてなくなることを拒否するのか
分からなかった。
「…それが、あなたの答えだよ。
何もかもどうでも良くたって、消えてなくなることは
きっと怖くて、辛い。だからあなたは
無関心なんかじゃないよ。きっと、優しくて温かい心を持ってるよ。」
そっか、きっと、あなたは
俺を救いに来てくれたんだろう
ありがとう、そうお礼を言おうと俯いていた顔をあげた
しかし、そこにあなたはいなかった。
このイルミネーションも、きっと、あなたがいなければ
見に来ることはなかっただろう。
こんなにきれいに映っていないだろう。
あなたのおかげで、成長できたよ。
ありがとう。
この時期になると
キラキラと輝いて。
たいした用事もない僕も ウキウキしてるのは確か。
暖かい光のせいだろうか??
なにげに、足取りも軽い。
この、光を見て
ワクワクしたり、ドキドキしたり、ほっこりとしたりする人が世界中に何人いるだろうと思うと
思うだけで、涙が溢れてしまう。
歳だな…
世界中の人々が
イルミネーションの光を見て
ほっこりしてくれるといいなと思う
茶々丸
冬の夜、街は静かに眠りにつく中、
光り輝くイルミネーションが夢のような幻想を紡ぎます。星のような光が街を照らし、心には温かな感動が広がる。