職場の近くに連なる木々に施されたイルミネーション。
幼い頃、「星降る夜」とはこのことかと、感嘆というよりはもはや納得してしまうほどの夜を用意してくれるくらいの田舎に住んでいたからか、
単純に私が天邪鬼なだけなのか、どちらなのかは不確かだが、
とにかく、イルミネーションを見ても、「これは総電力何Wなんだろ…」などというなんとも可愛くないことばかりが頭に浮かぶ。
けれど、私は知っている。
この時期になると巷に溢れるこの「イルミネーション」というのは、
そのものが綺麗なのではなく、
隣を歩く誰かを、ロマンチックに、綺麗に、儚げに、愛おしいと思うほどに照らしてくれる、
そんな、「照明」なのだ。
それが、素敵、なのだ。
そんなことをキザに考えながら、私はコートの襟を掴んで首をすくめる。
12/14/2023, 4:12:42 PM