うるさい。痛い。不快だ、厭だ、さっさと消えればいいのに。
目の奥を深く突き刺すような光から目を背けながら、競歩のような速度で石畳を鳴らす。いっそサングラスでもかければいいのか。夜にサングラスをかけた変人だと思われるのがマシか、この苦しみに耐えるのがマシか。
やっと極彩色の電球たちから解放されて瞬きを繰り返す。視界の中を形のない影が漂って、彩度や明度をごちゃごちゃにいじったような不快な色彩が広がっていた。普段は節電を勧めてくるくせに、こんなにビカビカと光らせている。つくづく愚かしい。
こんなものの何がいいのだろう。恋人と見る価値はあるのか。飾りつけるのは家の中のツリーで十分だ。
早く終われ、イルミネーション。そしてファッキン、クリスマス。愛しているよ二十六日。
『イルミネーション』
12/14/2023, 3:43:07 PM