『イブの夜』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
大人になったサンタからの贈り物はキラキラ光るきれいな星
クリスマスイブってのはな
邪教の神による
人類をふた組に分断する陰謀じゃと思っておる。
イ組とブ組じゃ。
わしはおまえのばあちゃんに出会うまで
ブ組に35年もおったんじゃ。
まぁそのあと何度かイ組だったことがあるのは
ばあちゃんには内緒だぞ。
ん?イ組とかブ組ってなに、じゃと?
イ組はイロ男とイロ女がイロっぽい夜を過ごして
ブ組はブサイク男とブス女がブザマな夜を過ごすってごとじゃよ!!
そんな話を
幼稚園児のあたしに語った祖父は
クリスマスイブの夜に
他界しました。
仕事から帰り
家族とクリスマスの食事を
楽しんだ後
自分の書いてきた文章を
お茶を飲みながら
振り返ってみた
そして
感じた
書いたのは自分自身だけれど
読んでくれている方々があって
これだけの量を
書き続けてこられたんだと
とても一人で書き連ねる日記では
ここまで続けては来られなかったなあ
きっと三日坊主で終わっていた
読んでくださっている皆さんに
「感謝です‼️」
そして
「メリークリスマス❗️」
いつもなら
夜になるとLINEくれるのに
何時になっても鳴らない通知音
私がクリスマス好きではないから?
明け方 通知音で目覚めた
サンタさんが
プレゼントを届けてくれた
【イヴの夜】#48
【イブの夜】
街の片隅の小さなケーキ屋で、売れ残っていたミルフィーユとモンブランを一つずつ購入して帰路につく。クリスマスイブの夜とはいえ、こういうクリスマスらしさの薄いケーキは予約なしでも買えはするらしい。ホールケーキを買うほどイベントごとに積極的な性質ではないから、この程度で十分だった。
「ただいま」
自宅に帰り暖房の効いたリビングへと入れば、先に帰っていたらしい君が「おかえり」と顔を綻ばせ、そうして僕の持つケーキボックスに目をとめた。
「あーっと、まあそうなるかぁ」
「え、なんかまずかった?」
首を傾げて尋ねれば、君は少しだけ罰が悪そうにキッチンへと足を向ける。冷蔵庫から取り出されたのは、僕の手の中にあるのと全く同じケーキボックス。
「お互い考えることは一緒だね」
少しだけ気恥ずかしそうに笑う君に、思わず僕も笑ってしまう。
「四つのケーキを二人で食べるなんて、イブの夜らしい贅沢で良いんじゃない?」
軽やかにそう告げて、愛しい君の身体を腕の中に抱きしめた。
『イブの夜』
「今日ってクリスマスイブの夜だよね?」
「いや、まだ明日になってないじゃん」
「いやいや、0時超えたからイブじゃん」
「何言ってんの。朝になるまではイブイブだから」
「…….イブイブって何?」
そんな話を好きな人と笑い合って言える僕はとても幸せなんだと思う。メリークリスマス。
______やまとゆう
イブの夜
イブの夜、何もしなかった。
片付けをして、掃除をして、飾り気のない普通の食事を作って、食べて、寝た。
クリスマスだという実感がなかった。
もうこんな歳かとため息ひとつ、布団に入った。
イブは夜だ。クリスマスイブはクリスマスの夜という意味だ。
今日も明日も、クリスマスイブは何もしない。
イブの夜
吉野くんはどうしているだろう。
今年のクリスマスイブは日曜日で学校はないし、ただ同じ部活の後輩というだけでそれ以上の関わりはないのだから、彼がどうしているかなんて別に気にしなくても良いのだ。
良いのだけれど、ビーズ刺繍の制作中、糸を付け替える時や新しいビーズを取り出す時、気づくと手が止まっていて、窓の外の夕空をぼんやり見ていたりする。
いかんいかん。これは現実逃避だ。来週の展示会までに間に合わせないといけない作品が思うように進まないから、クリスマスというイベントだけでお腹いっぱいなのにイブだのイブイブだのイブイブイブだの誰かが言い出したせいでむしろ12月に入ってからずっとクリスマスみたいな雰囲気でうんざりだし、こんなことを考えてないで早くこの作品を仕上げないといけないのだ。
しまった。またビーズの色を間違えてる。
心を落ち着かせて糸を解いていく。青と黄色のビーズが、雪の結晶みたいにキラキラ光っている。
鳥の形の作品だから、別に何色でも良かったのだけれど、なんとなく気に入ったこの色を使っている。
ビーズ刺繍で一番大事なのは、落ち着いて丁寧に作業をすること。でないと糸が絡んで解けなくなる。ビーズの色を間違えて後戻りをすることになる。
いつもはこんなことないのに。きっと寒さで手がかじかんだせいだ。別に吉野くんのことを考えていたからこうなったのではない。
私はなにか間違えたのだろうか。
金曜日、つまり22日、イブイブイブ…? ええい知らん、22日は22日だよ、後輩がいつも通り部室に来て、「先輩は今週の土日なにか予定あります?」と聞かれて。
その時は展示会のことで頭がいっぱいで、今週末がクリスマスイブというのを忘れていて。「予定はないけど作品作りで忙しいよ」と答えたら、「ほんとに?」と聞かれて。「ほんとに、どこも出歩けないほど忙しいんですか?」と何度も聞かれて。
それがいつも以上にしつこくて、私は私で締め切りにイライラしていたから、つい「忙しいって言ってるでしょ!」と強めに言ったら、しゅんとしてしまって、部室から出ていって、それきり。
バタン、としまったドアの音で、私はハッと気づいたのだ。今週末がクリスマスイブだったということを。
え? じゃあなんで吉野くんは私に今週末の予定を聞いたんだ? まさか一緒に遊びに行こうって誘いだったのか?
いやいや、そんなはずはない。スポーツマンでモテモテな彼には付き合ってる女子の一人や二人いるはずだ。きっと予定を聞いただけだ、たぶん。私なんかと過ごすより、もっと良い相手は彼にはたくさんいるはずだ。思いあがっちゃいけない。
LIMEの着信音に、はっと我にかえる。
なんだ、手芸屋のクーポンのお知らせか。
なんだ、ってなんだ。
手芸屋のクーポンだって大事なお知らせじゃないか。たかだか5パー10パーオフとあなどるなかれ、材料を毎月大量に買う身としては大事な情報……。
じゃなくて。
手芸屋のクーポンじゃないとしたら、私は一体何を期待していたんだ。
吉野くんとはLIMEを交換していて、平日の夜とか、土日とか関係なく、「おはよーです」とか「ぐっないです」とか「今日寒いっすね」とか「まじで今日の寒さやばくないっすか」とか色々送ってくる。
彼のように友達の多い人間は、こうして毎日みんなにメッセージを送っているのだろう。大変そうだなあ、なんていつも眺めているけど、今日に限っては何も言ってこない。
どうしたんだろう。
金曜日のこと、怒ってるのかな。
私からメッセージを送ってみようか。
いやいや、彼女とデート中かもしれないし、やめておこう。
スマホを置こうとしたその瞬間、再び着信が来た。
吉野くんだ!
しかも電話だ!!
手が滑って作業用のトレーをひっくり返してしまい、ビーズの粒がバッシャーンと派手に吹き飛んだ。しかし今はそれどころじゃない。
スマホをタップして電話に応答しようとすると、着信はふつりと切れた。
……しまった。
間違えて応答じゃなくて拒否のボタンを押してしまった。
あわててこちらからかけ直す。スマホを耳に当てる。ドキドキしているのは、普段電話をかけることがないからであって、決して吉野くんに電話をかけているからドキドキしているのではない。
……出ない。
プツッと音がして、出た! と思ったのも束の間、「通話中のため出られません」とメッセージが流れただけだった。
数分置いて何度か試してみるも結果は同じ。
悪いことしたなあ。自分から電話をかけて、相手に拒否られたら、私が彼の立場だったらきっと傷つく。
苦し紛れにメッセージを送ってみるも、なかなか既読がつかない。
怒ってるかなあ。
申し訳なさに胸が締め付けられる。もう一度電話をかけてみようか。でもあまりしつこいのも良くない。
吉野くんとのトーク画面を見ていて、ふと気づく。
アイコンの写真に映った彼は、青と黄色のマフラーを巻いていた。
ちょうど今、私が作っている作品と同じ色合いの。
私は無意識のうちに、彼のマフラーと同じ色のビーズを選んでいたのだ。
なんでだろう。
窓を見ればとうに日は暮れている。
街ではイルミネーションが灯る頃。
そうだ、今日はイブ。クリスマスは明日の月曜日だ。
私はスマホをポケットにしまい、コートを羽織った。
せめてもの償いに、謝るきっかけに、お菓子でも買ってプレゼントしようかな。
ビーズはひと休み。どうせ、今日は身が入らないんだし。
(続く?)
イブの夜まで仕事だし
クリスマスツリーは飾ってないし
あのころの私たちと全然違うけど
変わってないところが一つだけあるよ。
あなたは分かってくれる?
正解はあのころからずっと私の隣にあなたが居ること。
イブの夜
特別なことはあまり出来てないけど
いつもより少し君の隣を詰めて座ってるの。
それが私にとって幸せで
来年も一緒にいられたら幸せです。
─────『イブの夜』
イブの夜
今年はクリスマスが平日。
つまり、目一杯楽しめるのはイブ、イブイブだけ。
そう言っていきなり旅行を提案してきたのには驚いたけど、なんや勘や言って楽しいものだった。
ゆったり温泉に浸かったり、
美味しいものを食べたり、
綺麗な雪景色を見に行ったり、
静かになった部屋でトランプしたり、
当てもなく散歩してみたり。
今までで一番と言っていいほど、楽しかった。
久々に思いっきり、羽目を外して遊べたと思う。
これでもう少し頑張れそうだ。
そして、来年も頑張れる。
きっと、再来年も、その次も、ずっとずっと。
いつか一人になった時も、もう、迷わないだろう。
教えてもらった、たくさんの気持ちも、言葉も、意味も、全部、全部。
大切にしてくれたのは、いつも。
きっともう使うことはないけれど、心の奥の小さな箱に、目一杯、ギリギリまで、詰められるまで詰めた。
思い出は失わないように。
記憶からなくなっても、習慣だと口癖だとか、そういうものに貴方が残っていればいい。
だから、忘れないでいて。
この雪は溶けるけど、
クリスマスは終わるけど、
夜は明けるけど、
みんなは動き出すけど、
二人だけは、変わらないでいて。
貴方だけは。
ツリーもない
チキンもない
ケーキもない
イブの夜
でも
こんなふうに
いつもと変わらぬ日常が
心地よいのです
#イブの夜
#70
身体が上がっていかないように肩を抱き締められた。
私は彼の胴にしがみつく。優しい温かさと汗で濡れる肌が、どこかに行ってしまいそうな感覚を現実に引き留める。
匂いがして激しい動きに今までの思い出がフラッシュバックする。ここはただの経由地なんだと思ったら期待が止まらない。
お互いがお互いを離さぬように強く抱く。
言葉さえも無くなって求め続ける獣となり下がった。あまりの波に声をあげるとただ静かに名前を呼ばれて意識が飛んでいく。
こんな日になんて滑稽なんだろう。
#イブの夜
君と過ごす時間が特別に
ただただ愛を語る夜
イブの夜
今日は、クリスマスイブでした。
「今夜は彼女とクリパやねん」
「今夜は友達とイルミネーション行くんや」
みーんな、自分の楽しそうな予定をみんなに言いふらしている。
そんな中僕は、何にも話すことがない。
友達とどこかに行くわけでもないし、彼女がいるわけでもない。俗にいう、クリぼっちってやつかな。
そのことを馬鹿にするやつだっているし、同情してくるやつだっている。
そんな奴が嫌いだと思いながら、僕は笑っている。
「俺は今年のイブの夜も、クリぼっちだぜ!」
僕のいるグループに、見下すような笑いが巻き起こった。
君と手を繋ぎ歩く。
寒い夜も2人いればへっちゃらだね、なんて。
いつまでもこのときめき、帰らないでいて____。
気づけば僕が見ていたのは、薄暗い蛍光灯だった。
いつの間に、もう日が暮れていた。
クリスマスってこんなに静かだったっけ。
どうにも、君のいない聖夜はいつもの夜より辛いみたいだ。
君のことばかり頭に浮かんでは消えゆく空っぽな時間。
現実、そんな甘くないんだ。
まあそんなもんかと諦める僕、ああ、なんて可哀想。
#イブの夜
(暗い内容を書いてしまいましたが、最後まで読んでくださったあなたに素敵なクリスマスが訪れることをお祈りしています🍀)
イブの夜
イブの夜、娘のLINEに友達から
彼氏できた報告あり。
8人友達グループLINEが、一気に
ざわついた。
娘がケーキを食べながら一言。
「食べ方がキレイな彼氏じゃないと無理」
好きだけでは続かないと、一度も彼氏が
できたことのない娘が、結論を言う。
クリスマスを一緒に祝う彼氏ができるのは
ずいぶん先のような予感がする。
31.イブの夜
「お届け物でーす。」インターフォンが鳴り、
声が聞こえる。なんか買ったふだろうか?
そんなことを思いながら玄関を開けた。
「お荷物の確認とサインお願いしまーす。」
配達員の男は金髪で、チャラそうな人だなって思いながら荷物を確認した瞬間…目が飛び出そうになった。
こんなの嘘だろうと思った。彼女からのだった。
でもそんなものが送られてくるはずがない。
だって彼女は、去年病気で亡くなってしまったの
だから…
俺は金縛りにあったかのように固まってしまった。
そんな俺を見て「大丈夫っすか?」チャラそうな
配達員の男に言われ、我に返った。
慌ててサインをし、受け取った。
「あざしたー」配達員の男はやる気のない礼をして
姿を消した。配達員から受け取った物は小さかった。
開けてみると俺宛の手紙が入っていた。
懐かしい彼女の文字。彼女の名前。
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〇〇へ
あなたのことがずっと大好きで、
今でもずっと大好きだよ。
私よりいい彼女作って幸せになってね。
いつでも見守ってるから。
𓏸𓏸より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「お前以外いるわけないじゃん…」
そんな言葉がポツリと涙とともに漏れた。
久しぶりに彼女の名前を口にする。
懐かしい。愛おしい。寂しい。悲しい。
色んな感情が重なって言った。
「配達お疲れ様でした。彼は元気そうでしたか?」
依頼人からメールが届いていた。
報告を事務的に入れてスマホを胸ポケットにしまう。
「仕事完了!お互い幸せになれよ〜」
配達員の男はポツリと呟き、夜空を見た。
今夜はクリスマスイブ。
奇跡の一つや二つ、起きてもおかしくはないだろう。
配達員の男は穏やかに微笑んだ。
深夜まで残業
いつもの帰り道を歩く
家の明かりは消え
街灯と星だけが目立つ
顔を上げて星空を眺める
いつもと変わらないなぁ
でも
少しだけ空気が澄んでいる
気がする
『イブの夜』
イブの夜
2階のトイレ
私は知っている
妹と私のための
プレゼントが隠されていることを
11時半頃に
ワインの蓋を開ける音がした
聖夜の祝杯…そんなところか
友達とメッセージのやりとりをしながら
ふと耳を澄ませると
クリスマスツリーの下にプレゼントを置いた音がした
スマホの画面を見ていたらうとうとしていた
やはり、夜更かしはするものじゃないな
思いながらも少し、起きていたい気持ちがあった
ガクッ
あー、やっぱり
寝落ちしちゃったな
今年もサンタを見れないままで
ちゃんと音は聞こえてるのに
まだ11月だというのに、街は既にクリスマスというイベントに浮かれ気味である。
私が勤務するショッピングモールの店内は、電飾の眩しいツリーと彩やかな福袋の見本が交互に置かれ、よくよく考えると何とも不思議な光景である。
ジングルベルのメロディは、耳にタコができるほど聴かされた。
「自分には関係の無いイベントだよね」
そう言い聞かせて、早数年が経っている。
今年も24日は、安定の出勤日だ。
いつしか自分は、“イベント日の空き要因“としてシフトに入れられるようになった。
「元々、人が多いのも騒がしいのも性に合わないしさ」
いつからだろう。
皆が心躍らせるものに、素直に足並みを揃えて楽しめなくなったのは。
私って、こんなに趣の無い人間だったっけ。
レジをすり抜けた品物たちが、赤や緑の包み紙で着飾られては心の荒んだ私の手を伝い、客の手に渡っていく。
21時50分。疎らに残る賑わいを壊すように流れる蛍の光に、私は落ち着きを取り戻しつつある。
明日は休日。あと10分で、私は今年のクリスマスから逃れられるのである。
22時。はあ終わった。
人気の無くなった店内で、聴衆の居なくなったジングルベルが寂しく細く響いている。
帰りにコンビニでスイーツでも買おうかな。
「クリスマスイブだってのに、みっちり夜まで8時間働いてんだから」
必死になって世の流れにしがみつく自分の、何と哀れなことだろう。今日はダイエットは中止である。
色恋じゃなくてもいい。
別にクリスマスじゃなくたっていい。
彼氏が欲しくても出来ない、寂しい人でもない。
ただ私は、24日という日付にかこつけて買った、
このコンビニのケーキの美味しさを、
甘いね、と言ってただ分かち合う誰かを、
何年も何年も探しているのである。
家族もパートナーもいないこの自分の中で、消化しきれない「クリスマス」という響きが、居心地悪く残っていくだけなのだ。
クリスマスイブの喧騒の裏で、歯車のごとく動き回った1人の人間が、すっかり冷えきった帰宅の路を歩いていく。