『ゆずの香り』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ゆずの香り
ゆずの香りで目を覚ます
甘く柑橘な香り
ゆずの香りで目を覚ます
甘く罪の香り
ようやくあの日から
目が覚めた
いつも通りの毎日
いつも通り学校へ行く
でもいつもなら無いはずのゆずの香り
すれ違いざまに香ってきたその香りは間違いなく大好きなあなたの香り
【ゆずの香り】
冬至のゆず湯に入らなくなったのは、一緒に暮らす彼女の影響だ。肌に合わなくてピリピリと刺激を感じるらしく、それなら僕も無理に入らなくていいかなぁと思うようになった。
それでもこの季節のイベントのひとつであるし、雰囲気は感じたくて、ゆずの香りの入浴剤を使ってみる。彼女も『これなら大丈夫』と言ってくれた物だ。
本物のゆず湯と比べたら、人工的な香りだけど仕方がない。おまけにかぼちゃはスーパーで買ったお惣菜で済ませてしまった。別にそれでもいいじゃないか、十分美味しいんだし。
「私がお風呂を出た後なら、ゆずを入れてもいいんだよ?」
彼女はそんなことを言うけど、僕ひとりのためにゆず湯にするのはもったいない。何より、こういうのは誰かと経験を共有できるから良いのだと思う。
それなら、と僕は彼女にねだった。
「ゆず湯より、同じゆずならアレ作ってよ。紅白なます」
おせち料理なんて元々大して好きでもないけど、彼女が作ってくれた紅白なますは美味しかった。実家の味だそうで、スーパーのお惣菜とは何か違うんだよな。
「クリスマスもまだなのに、おせちは流石に早くない?」
「そうかな。いつ食べてもいいと思うよ。美味しいんだし」
何より、ゆずがスーパーに出回るのは期間限定。今じゃなきゃ作れないものなのだ。
「作ってあげてもいいけど、大根とにんじんを千切りにするのは手伝ってよ」
「もちろん。それくらいいくらでも。スライサーならあるしさ」
ついでに、ゆずの皮を削るのも僕がやろう。彼女がおろし金で怪我なんかしたら大変だ。
「味付けも覚えてみる?」
「教えてくれるの?」
彼女はちょっと苦笑して言った。
「引くほどたっぷりの砂糖が入るレシピで良ければね」
「良いに決まってる」
美味しいものは、大概が、塩か砂糖か油が多いのだ。気にしていては好きなものなんて食えやしない。
好きなものを好きなだけ食べられるのは、自分で作れる者の特権だろう。
今後、彼女の実家に行くことがあったら。たぶん、いつか挨拶をしに行くことにはなるだろうけど……その時には、美味しい紅白なますのレシピを彼女に伝えてくれたことにお礼を言おうと思う。
「ゆずの香り」
湯船に浮かべたゆずから香るリモネンの香り。
ほのかな甘みと爽やかな香りが優しく眠りへ誘う。
朝日が昇る空の薄く曇った硝子の向こうでてんてんと弾けていく光の雨音が聞こえてる
『ゆずの香り』
作品42 ゆずの香り
冬至といえば、かぼちゃとゆず湯。好き嫌いが分かれるらしいが、私は両方大好きだ。今年は、かぼちゃを煮物と団子にし、柚子は親戚から頂いて風呂に浮かべ、楽しんだ。
それが昨日のこと。やっぱりいつもと違う風呂って気分が上がる。
少し鼻歌をしながら登校する。やけに量の多い階段を登り、友達におはよーと挨拶し、席に向かう。
窓側の一番うしろの席。この季節だと太陽の光で暖かいし、暖房はいい感じの距離にあるから、控えめに言って最高。しかも隣の席はクラスで一番頭がいい天才さんだから、近くの私は先生に当てられづらい。すべてが最高。
机にカバンを置き、椅子に腰掛ける。外が寒かったぶん、暖房がよりありがたく感じる。
ぬくぬく暖まっていると、隣の天才さんから話しかけられた。前髪を整える。
「なんかいいにおいするね。柚子?」
慌てて髪の匂いを嗅ぐ。
「ほんとだ。」
「香水?」
「いや、昨日冬至だったからだと思う。ほら、ゆず湯。」
なるほどと、納得したように天才さんが目を細める。かっこいいしかわいい。
「昨日だったんだ。」
「知らなかったの?」
「うん。ゆず湯入れなかったな。」
それはなんと。
「残念だね。」
「あ、でも。夕飯にかぼちゃは出てきたよ。」
「でもお風呂はいつも通りと。」
「いや、入浴剤入ってた。」
「え?ゆず?」
「いや。檸檬の入浴剤。」
「何故……。」
「お母さん、柑橘類の見分けついてないから?」
「全くの別物なのに。……あ、あれじゃない?んがつくからじゃない?」
何を言ってるんだと顔をされてから、気づいた顔をする。
「ああなるほど!そういうことか。」
「ね!」
「でも食べてないから意味ないかもね……。」
「そうだね……。」
そこまで話して、チャイムがなる。先生が教室に入ってきて、ホームルームがはじまった。
天才さんに向けていた体を前に向きなおし、顔を下に向け、細く長く息を吐く。顔がどんどん赤くなっていくのを感じた。
私、ちゃんと普通に喋れてた?なんかすごいどうでもいいことしか話してない気がする。え、変な人とか思われてないよね?
今更ながら手鏡で顔を確認する。前髪よし。先生にバレない程度の控えめメイクよし。肌の調子よし。
大丈夫。今日はちゃんとかわいい。まあ、そのためにいつも頑張ってるからだけどね。
手鏡をポッケにしまい、天才さんをチラ見する。
私は隣の席の人、天才さんが好きだ。
⸺⸺⸺
檸檬の花言葉“心から誰かを愛しく思う”
柚子の花言葉“恋のため息”
ネットで調べただけなので正しいかはさておき、珍しくキャピキャピ系です。
柑橘類の見分けがつかないというのは、かも肉自身のことです。わあ恥ずかし。
ゆずの香りを嗅ぐと思い出す。
あなたのお気に入りのお香水はゆずが効いた柑橘系のオーガニックでフレッシュな優しい香りだった。
初めてキスをしたあの公園、2人で毎週通っていたあの定食屋、仲直りして大雨の中抱き合ったあの交差点、クリスマスプレゼントが被って2人で笑い合った遊園地の観覧車…。
大事な思い出も何気ない思い出も香りと結びついて脳裏に蘇る。
今夜は柚子風呂に浸かって思いっきり泣いた。
「おばあさま、今日は大変芳しい香りがいたしますね。」
ゆっくり、はっきりと話しかける。
「ええ、柚子の香りでしょうね。」
おばあさまも、ゆっくりとお話しを続けました。
「わたくしは、昔、柚子の花と呼ばれたものです。」
懐かしそうに目を細められました。
「ふふ、見た目は控えめでも、柚子の花は芳しい香りを持ちますでしょ。
柚子のように中身の薫る人と成りなさい。と、母は仰っていました。」
それはそれは嬉しそうに、おばあさまらお話しになられました。
風呂場から漂ってくるゆずの香りと、はしゃいでいる子どもと夫の声を聞きながら、私は笑って食事の支度を始めた。
ゆずの香り
歳をとるごとにキツイ匂いが苦手になってきた。
すぐに消えるならいいけど、ずっと香り続けるを謳い文句にしているのは買う気がしない。
標高15000メートルの空気の匂いとかの柔軟剤あったら買うのにな。
リピするかは別。
end
ゆずの香り…
19、コブクロ、スキマ、ポルノ、ケミの香りは無いの?
冬至
昼の短い日
手足の冷え
温かい湯をはる
ゆずの香り
カピバラになる
柚子の香り
私は柚子の香りは好き。
柑橘系好き。
レモンの皮に砂糖を塗してあるお菓子。
あれ好き。
「あ、入浴剤入れたの?」
「うん。久しぶりに会った友達から、貰ったの」
ふんわりと香るゆずの香り。
貴方の大好きな柑橘系の香りが、私の鼻をくすぐる。
「この入浴剤、昔よく使ってたの。懐かしくて、あの時のことが鮮明に思い浮かぶ」
「ほんと?昔話ならいくらでも聞くけど」
「じゃあお風呂入ったら、1杯やろうよ」
いつもと変わらない会話。
貴方とシェアハウスをして何年か経ったけど、貴方のことを私はまだあまり知らない。
今夜、ゆずの香りと共に、貴方の可愛らしい話を聞くことになるのだった。
ゆずの香り
私は、温泉が大好きすぎて温泉の旅をしている。私がなぜ温泉を好きになったのかを話してあげる。
私は、おばあちゃんと幼い頃に初めて入ったゆず湯がきっかけでした。おばあちゃんが私にこう言った「ゆず湯は、ただ温泉に浸かるのでは、なくゆずの香りを楽しんだりするとリラックスするのよ」と教えてもらったからです。私は、おばあちゃんが言っていたことでゆず湯や七草湯などを温泉で堪能している。
私は、おばあちゃんがきっかけで温泉が今でも大好きです。特にゆず湯が1番です。ゆずの香りが最高だからです。
教えてくれたおばあちゃん感謝しています。
『ゆずの香り』
湯気に乗り 香り漂う 熱流れ
お風呂の蓋を開けると
ふと 柑橘系の匂いが香って
何だろうと湯船に目を向けると
小振りな柚子が二つ
ぷかぷかと浮かんでいました
伝統とか昔ながらの和というものを
今の時代になかなか触れる機会はなく
やっていこうとする人も少ない
けど案外そういうのも悪くないと
これからも伝えていきたいと
そう思ってくれると嬉しい
年中行事は後世までも
残して行こう灯火を
ゆずの香り
ゆずの香りのあるお料理
ゆずの香り好きなわたしは
美味しさを感じるだけでなく
そのひと手間に感動する
そのひと手間を思うことは
好き嫌い関係なく
感じることができるのではなかろうか?
しかし、あのゆずちゃんってば
ほんのほんの少しで
一気にお味の雰囲気を変える
結構な存在だこと…♡
ここはヘイワヤネン。
500年前に建国されて以来、目立った紛争も戦争もない平和な国。
気候は穏やかで、災害もほとんどない。
まさに理想的な国であった。
その国の人々は、自分たちの境遇に奢ることはなく、平和に感謝し、誰も陥れることなく、慎ましく暮らしていた。
王族たちもそんな国民を愛し、国をより発展させるよう尽力する。
人々は明日も平和だと疑わず、未来への希望を抱きながら暮らしていた。
しかし、突如その平和が破られた。
封印されていた魔王が復活したのである。
◇
ある冬の晴れた日、突如空に魔王のビジョンが映し出される。
誰もが空を見上げ、大空に映る魔王の姿を呆然と眺めていた。
「クハハハハ。
我は魔王ハカイヤー。
貴様たち人間に、絶望を与える存在だ。
人間どもよ、恐れおののけ!」
魔王、ハカイヤー。
500年前、この地に突然あらわれ、恐怖をもたらした魔王である。
しかし、魔王の支配をよしとしない人々が集まり、解放軍を結成。
激戦の末、甚大な被害を出しつつ魔王ハカイヤーは封印されたのだ。
これが、この国に伝わる勇者伝説。
そして、その時の解放軍が建国したのが、このヘイワヤネンである。
しかしあれから500年、もう勇者たちはいない。
この国にいるのは、戦う力を持たない善良な人々ばかり……
彼らに抵抗できる力はなく、魔王に蹂躙される未来しかなかった
その事実に愕然とする人々に、魔王は語り続ける。
「だが安心するといい。
お前たちにチャンスをやろう。
もし我に忠誠を誓うのであれば、大空の様に広い心で貴様たちを許してやろう。
だが――」
魔王は、一拍置いて宣言する。
「反抗するというのなら容赦はしない。
とはいえ、考える時間も必要だろう。
一か月やる。
その間に身の振り方を考えるのだな」
魔王の提案に、人々の心が揺れる。
かつての勇者たちですら苦戦した相手。
反抗しても歯が立たないだろう……
かといって忠誠を誓っても、碌な扱いをされないのは目に見えていた。
名誉ある死か、屈辱の生か……
彼らに究極の選択が迫られた。
「一か月後を楽しみにしているぞ。
わーはっはっは!」
話は終わりとばかりに高笑いする魔王。
人々は、これから訪れる闇の時代に人々の表情は絶望に染まる――
――たのも束の間、その顔は次第に戸惑いに変わる。
それもそのはず、話は終わったというのに、魔王のビジョンが消える気配が無いからである。
「こんなものか」
誰に聞かせるわけでもなく、魔王は独り言をつぶやく。
「ふう、人間どもめ。
我に忠誠を誓わないとか、不遜にもほどがある」
先ほどまでの、恐怖を抱かせるような物言いではない。
だたただ、思っている事をそのまま口に出しているようだった。
それを見た人々は首を傾げる。
魔王の要求はさっきのやり取りで伝えたはず。
にもかかわらず、なぜこんなものを見せるのか。
「あ、爪伸びてる。
500年だったからなあ……
切っておかないと」
魔王の独り言は止まる気配がなかった。
これを見た人々は一つの疑念が湧く。
『この魔王、まだ映っている事に気づいていない?』
この世界では馴染みのない、そして現代日本において稀によくある『配信切り忘れ』であった
「それにしても面倒なことよ。
魔王である我がこんなことをせねばならんとはな」
魔王は、まさか見られていると思わず、独り言を続ける
「だが仕方あるまい。
封印から解放されたばかりで力が戻ってないからな。
今の我はスライムにも負けるであろう」
衝撃の事実を告げる魔王。
それを聞いた人々は驚きのあまり声も出ない。
「今攻め込まれては危険だが、一か月後には力を取り戻せるはず。
これで時間が稼げるはずだ。
それまではせいぜい悩むといいさ」
◇
翌日、魔王は討伐された。
結局討伐されるまで、魔王は配信の切り忘れに気づかなかった。
そして討伐後、試行錯誤の末に配信は切られた
今はもう、空には何も映っていない。
そこには雲一つない大空があるだけ。
人々は以前の様に、未来に希望を抱く元の生活に戻るのであった
好きだったはずの人たちもきらいになる
たった一人を好きになってしまったから
できる存在にもなれていないくせに
ご立派に嫉妬して一喜一憂している
完全一方通行の片想い
30を目前にして何をしているんだろう
とさえ考えてしまう
いつまでも上手に恋愛が出来ない
愛されることが出来ない
必ずいつも間違える
一生好きでいる気がする人なのに
追いかけるばかりで追いつかない
触れることも出来ない
私はあの人の中できっと最下位
誰よりも優先されない存在
それはきっと、いつまでも、だ
この恋は長期戦だ、なんて言い聞かせていたけど
私のひたすらな片想いだという現実を突きつけられる度に
もうすでにがんばってるのになあ、って弱くなる
また間違えて
まちがえて
正解も知らずに
まちがえてばかりで
気付けば愛されることはなく
皆が揃って離れていく
私は自分が思っているより
愛されたいらしい
誰かに愛されたいらしい
でもそれは誰かじゃなくて
貴方がいいのに
もうどうしようもないな
お風呂に入る前に、ゆずを7いや125
個を、どぼどぼどぼどぼと入れる。
私はゆずの香りが、ものすごく好きだ~好きだ~好きだ~。
ゆずの香りのお風呂のお湯を、がぼがぼ飲んでも私はいいと思う。