『やわらかな光』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
夏が終わり 段々と寒くなってきた。
朝は冷たく 私を鋭い光が手荒く起こす。
目覚まし時計はうるさく
1分置きにスヌーズになるようにした私が馬鹿だったと後悔したくなる。
毎日寝起きは悪い。
髪は夜のケアの意味を成さない。
シャワーを浴びる。
小窓からやわらかな光が差し込む。
お風呂場の鏡に私の裸が映る。
自分の嫌いなものほど気にしなければいけない。
年頃の女の子であると自覚する。
もう200年経つだろうか。随分と永く眠っている。
最初の私は、『ただの喋る剣』だった。鍛治師が友人の魔法師と面白がって創り出した代物だった。周りの住人からは心底気味悪がられた。
そこから気の向くままに知恵をつけ、しばらくして友であり相棒となる剣士と出会った。
共に冒険し、仲間が増えて、苦難を乗り越えて。
遂には世界を救ってしまった。
相棒の剣士は『勇者』と讃えられ、私は『伝説の剣』として語られ、人々から憧憬の目で見られるようになった。
しかし、私にとって『私』は、至って普通の喋る剣に変わりない。いくら気味悪がられても、どれだけ憧れられても、私には些末な事だ。
今はここに眠る相棒と共に、やわらかな光が溢れる森の中で、ゆるやかに時を刻んでいる。
お題「やわらかな光」
小春日和の今日この頃、君と並んで近所を散歩。
デスクワークで運動不足気味の君と、夏も変わらず食欲旺盛でモリッと体重増加した私。
大きく腕を振って大股でスタスタ速歩き、足が長い君に少しずつ置いていかれてしまう。
軽く息を弾ませるだけの君とゼェハァと息切れして立ち止まる私。……どこが運動不足なのかな。
ハア、と大きく吸って吐いて、息を整える。
汗でビチョビチョになった背中を不快に感じながら、遥か先を歩く君に向かって駆けていく。
テーマ「やわらかな光」
遠き落日に想いはせて
三十路を過ぎた子供が彼女を連れて来た
うちでは初めての事で…
上の子は離婚以来そういうことは無くて…
私は気を利かせて早めにパートに出た
始業時間まで3時間はあるけど…
とりあえず車を走らせ
うちからもパート先からも
そんなに遠くないコメダ珈琲に入庫した
コメダ珈琲には1度だけ主人が生前に
連れてきてくれた
その時とあまり変わってなくて
ほっとして…とりあえず、
メニューの真ん中のコーヒーを頼んでみた
あの子達の事を頭のすみに置いて
パートまでの2時間を楽しもうと思った…
隣の席は中東風の外国人の男性が2人で…
前に見える席には若い人が多数居て
少し私には場違いかなぁ…
でも…仕事までの時間だけと思い
コーヒーを少し口にした
隣の席の人が指輪を見せあってる…
前からは彼しか旦那さんの失態の話が…
私は耳がダンボになり…
まぁなんていけないことを…
井戸端会議の盗み聞きかしら…
そう思ってもダンボのままにして…
言い訳かもしれないけど…
スマホの使い方もまだ熟知してないし
でも…なんかさみしくて…
さみしくて…
私には1人では…
やはり場違いかなぁ…
そんな事を感じはじめた…
その時だった…
後ろから優しげな声が私を包んだ…
今まさに柔らかな光を浴びている
夏から秋に移行し過ごしやすい季節になったものだ
#130
秋うらら
錦粧う
散歩道
伸びてしまった
我の影追う
お題:やわらかな光
やわらかな光
ほとんどの窓がシャッターで閉じられているなかで、唯一遮るもののない窓から穏やかな光が差し込んでいる。部屋の中は薄暗く、それだけが光源であったため、布団の上に横たわる私にとってはそれがかの高名な地獄に一筋垂らされた蜘蛛の糸のように思えた。
しかし私は罪人ではなく、怠惰な生者であるため糸に手を伸ばすことなく微睡みに身を移した。目まぐるしい社会生活に揉まれて、体力のない私は休日をこうして部屋の中で萎れた干物のようにぼんやりと午睡を貪ることが、すっかり習慣となっていた。これが学生の時分であれば、買い物だろうが気晴らしの散歩だろうが、何かしらは体を動かしていたであろう。けれども今はそんな気力もなく、ただじっと布団の住民と化している。自堕落であることは自覚している。けれども、気落ちした中では周りの全てが自分を拒んでいるようで、ここから動くことができなかった。
明日からまた多忙な生活が始まる。
私が何もしなくても、少しづつ今日という時間は明日へとにじり寄って行く。窓から刺す光は西日へと変わっていた。
凍えるような冬が終わり
雪解け水が腐葉土を濡らす。
曇の隙間から地面へ
やらかな光がさす。
「感覚的に、暖色系の光はやわらかい気がするし、季節としては春だと思うんよ」
なんか寒色系は硬い柔らかい関係無さそうだし、夏とか「やわらかい」どころじゃねぇ日差しだし。
某所在住物書きは、カーテンによって陽光の遮断された室内でひとり、スマホの通知画面を眺めていた。
「やわらかい光」だそうである。秋の朝は放射冷却で、やわらかいというより「寒い光」だろう。
初春の、日光反射して輝くフクジュソウは、その光沢は、やわらかい光だろうか。
あるいは暖炉型ファンヒーターの、フェイクながら揺らめく炎のイメージは?
「そういや最近、焚き火っつー焚き火、見ねぇな」
なんか焼き芋食いたくなってきた。物語ネタの連想ゲームが食欲の秋と結合して、物書きは炭火と紙袋と甘い香りを思い浮かべ、己の財布の残高を確認した。
――――――
最近最近の都内某所、某アパートの一室。
カーテンの、丁度閉め切っていなかった数センチが、室内への陽光侵入を手引きして、ベッドで寝息をたてる部屋の主の網膜にイタズラする。
まだ眠っていられる筈だったものを。更にダメ押ししたのは香水の小瓶ひとつ。
枕近くの棚の上で、朝日を反射し、やわらかな光を、
……「香水の小瓶が朝日を反射」?
「いけない」
部屋の主、藤森は毛布を跳ね上げ、飛び起きた。
香水はたしか、直射日光が苦手だ。それの当たらぬ、温度の平坦な場所に移さなければ。
「せっかく貰った物なのに」
藤森は小瓶を優しく持ち、より適切であろう置き場所を探して、
ふと、じっと、再度それを見た。
先々月、8月31日に、職場の後輩から贈られた、リラックス効果のある香水である。
メインに据えられているのはヒノキ科アスナロ属、日本固有種「ヒバ」、すなわちアスナロの優しさ。
2種類程度のスッキリしたフローラルかシトラスが、木の香りに花を添えている。
雪降る田舎出身の藤森にとって、アスナロは懐かしい故郷の公園、森林と遊歩道、すなわち思い出の象徴。
しゅっ、しゅっ。
手の甲に吹き付けた少量は、藤森を昔々に誘った。
東京に来て最初の数年、田舎と都会の違いに揉まれ、擦れて、酷い疲弊を味わった藤森。地下鉄すら乗るのが不慣れであった。
東京で出会った親友の宇曽野に付き添ってもらい、ぷるぷる不安のバンビで乗り方と降り方を教わったのは良い思い出。
藤森の田舎者を見抜き、地下鉄車内で財布をスった野郎は、即座に宇曽野にバレて警察に引き渡された彼は、窃盗発覚と逃走と確保の過程で宇曽野にボッコボコにされていたが、その後、どうしているだろう。
恋をして、その恋人が過度な解釈押し付け厨で、SNSでボロクソにディスられ傷ついて。
スマホも職場も住所も全部変え、このアパートで新しく、「藤森」のスタートをきった。
ヨリを戻そうと追ってきた元恋人。その強い執着に悩まされ、心の古傷が開いて痛む藤森に、「花とか草とかの香りがあれば、落ち着けるかな」と、新しい職場の後輩が8月31日、贈ったのがこの香水であった。
そういえば貰った香水の礼をまだしていない。
「これに、……『これ』に見合う、礼……?」
キラリ、キラリ。
香水の小瓶を傾けて、眺めて。藤森の目は長考に険しく細められ、額にシワが寄る。
「何だろう。何が相応しい?」
小瓶は勿論、何も答えない。
ただ秋の朝日を反射して、やわらかな光を放つばかりである。
仕事ヤバいのでちょっとお休みします
また戻ってきます
原稿用紙の最初のマスって、上から光が落ちてくる感触があった。その後の30枚について、脳回路を照らすような。
でも、ワープロ使うようになると、その光は遅れて見えるようになった。プリントしたものを見返すほどに、修正点が浮かんだ。
今、パソコンになったら、完成体が分からなくなった。
高校生のころみたいに、また上を見る。
【やわらかな光】
柔らかな光が鉢植えの上に降り注ぐ。
そこに霧吹きを吹きかけると、水滴が光を反射して、青葉のみずみずしい色を映し出す。
今日のパキラもとても元気だ。
言葉は通じないけれども、この鮮やかな緑の葉から精一杯の生きる力をもらえるような気がした。
柔らかな光
電車の窓から差し込む朝日。眩しいけれど、眠いけれど、今日が持つ可能性に心がワクワクするそんな光。
やわらかな光
「あさひにてらされた、きんもくせいをみつけたよ」
そう微笑む我が子の頬にも、朝のやわらかな光が差していた
朝やわらかな光で起きた窓を開けて日光浴をしていると雲の隙間から光が差し込んできてとても良い一日を過ごせる気がした。
やわらかな光
ずっとぬるま湯に使っている
すごく居心地はいいけれど
何か物足りなさを感じる
ほんのわずかな隙間から
やわらかな光が指す
吸い込まれるように向かう
眩しすぎて痛い
けどこれで後悔はない
老いは文学。ね、老いは文学。
by古典の先生
アイラブユ古典の先生❤️
やわらかな光。光源に布とかをかぶせて光をやわらげるというのは聞いたことがあるな。普通に明るさを調整すればいいと思うけどなにか理由があるのかね。
でも自然の光だと調整できないから布とかを使う必要があるな。
そういえば今の季節はやわらかな光と言えるのか。夏とか日差しがひどいからな。特に今年はやばかった。
今年の夏は初めて帽子を買ってかぶったな。まぁ買ってすぐに帽子が必要ない感じになったからあんまり買った意味なかった気がする。
でも帽子は来年以降も使えるから無駄じゃないし問題ない。
というか電気とか日中のことばかり考えていたけどよく考えたらやわらかな光って月の光のことか。今気づいた。
月といえばうさぎだな。地方によってはかにとか色々あるらしいね。でもドラゴンボールの影響か知らないけど俺は月と言えばうさぎなんだな。
あとは月見団子、月見バーガーなんかもあるか。しかし月見なんてしたことないけど実際にやったことある人いるのかな。
月見を実際にやる人って育ちがよさそう。そういう風流を楽しむ余裕があるんだもんな。うらやましいね。
日記を書く
「律儀っすなぁ
「うん。何でもいいから書いてある方がやっぱり思い出しやすいから
「ふーん
最近椿生フラッシュバックしなくなったね
ひと段落した、と思う
施設では月の末にその月の誕生日の子達を纏めた祝う
そうでないと時間的にも経済的にもとても祝いきれないからだ
「私ケーキ自体一昨年初めて食べたよ
思い出す、ハッピーバースデー
蝋燭の優しい光
家族がバラバラになる前の思い出
この蝋燭の柔らかい光のことは覚えている
細やかながらもこんなふうに祝ってた時期だってちゃんとあったのだ
『やわらかな光』
ぽかぽかした部屋に寝転がって。
窓から吹き入る風を感じて。
やわらかな光に染まったレースカーテンを。
光の道ができた白い天井を見る時。
私はじんわりと、「あぁ、幸せだな」って思うんだ。