『もっと知りたい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『もっと知りたい』 (ストリートファイター6)
金をだまし取る方法は簡単だった。大人相手を遊びに誘い、乗ってきたところを哥哥が写真に収めて口止め料に金をせびる。そうやってなんとか生き延びてきた。
そんな生活が終わりを告げたのはいつもと同じことを兇手相手とは知らずに仕掛けたとき。哥哥が写真を撮って出てきたのにその人は狼狽えず、私達に選べと言って札束と短刀とを示した。どちらも今まで見たことのないものだった。私が惹かれてしまったのは短刀の方。美しく無駄のない形状の短刀に刻まれた紋様のようにも見える文字はなにを表しているのか、そればかりが気になった。選べと言われたが、見つめるだけで精一杯。手に触れることは畏れ多いことのように感じていた。
「そこに書かれた文字を教えてください」
文字を読むことが出来なかった私は跪きながらそう告げて、身の内から湧き上がる知りたいという気持ちを込めて縋った。私のすべてを棄ててでも知りたいと思ってしまった。
哥哥と最後に交わした言葉をもはや覚えていない。先生の教えてくれる知識と技術と体験、そして先生が今の私のすべてだった。
「いや、個人的には、例のロケットの発射失敗の情報はそれこそ『もっと知りたい』だわな……」
だって「じばく」も「だいばくはつ」も覚えないでしょ?まぁそれ言ったら「そらをとぶ」も覚えないタイプだった筈だけどさ。
某所在住物書きはカッコイイものが好きであるがゆえに、トレンドから某ロケットの発射失敗を知って窓の外の空を見上げた。
素人なので、詳細も理由も想像つかぬ。風が強かったのだろうかと素人考えもするが、それならそもそも発射の許可が最初から出なかっただろう。
「……『もっと知りたい』から情報を集めて、それを創作に活用するのは、まぁ大事よな」
で、今日のお題、何書く?物書きは空から目を離し、自室の本棚に目を向ける。
「料理にせよ茶にせよ、酒のツマミにせよ……」
本棚には積ん読状態の複数がズラリ並んでいた。
――――――
最近最近のおはなしです。年度末のおはなしです。
都内某所、某職場に、加元という、すごく中性的な中途採用が入ってきました。
この加元、恋に恋するタイプの厳選厨で、解釈押しつけ厨で、なにより所有欲がバチクソに強火。
この「某職場」に転職してきたのも、恋に恋する加元が、8年前に自分の所から、サヨナラひとつ言わず縁切って消えた2番目の恋人と、ヨリを戻すため。
2番目の恋人は、名前を附子山という、筈でした。
実は加元の元恋人たる附子山、執着強い加元から逃げるにあたって、合法的に改姓していたのです。
旧姓附子山、加元が表のリアルで明るく笑いながら、裏の鍵無し呟き垢で暗く自分をディスり倒していたのを、見つけてしまったのです。
そりゃ縁も切りたくなるというもので。
で、8年ずっと行方知れずだった「旧姓附子山」の足取りを、加元、去年ようやく突き止めまして、
やって来ました附子山の職場。
客として尋ねると「『附子山』という職員は居ません」と言われました。そりゃそうです、もう「附子山」ではないのですから。
探偵雇って内情を探ってもらうとその探偵が調査断念。そりゃそうです、旧姓附子山が探偵に事情を話して、買収という形で手を引いてもらったのですから。
きわめつけに去年11月13日頃、せっかく久しぶりに会ったのに、「ヨリを戻す気は無い」、「それでも私と話をしたいなら、恋人でも友達でもなく他人として、また会いましょう」とか言われる始末。
そこで加元、動きました。
旧姓附子山の職場と部署は特定していました。
自分の手元から勝手に消えた元恋人の、勤務先に履歴書を出して面接も通って、
今年3月、年度末からの中途採用組として、
まさしく「附子山」と同じ部署に、配属になった、
筈なのですが。
「まさか、去年ウチを出禁になった筈のお前が、ウチの部署に入ってくるとはな」
部署を何度見渡しても、おかしいな、目当ての相手がどこにも居ません。
「主任の宇曽野だ。お前の教育係ということになってる。……何度も言うがウチに『附子山』は居ないぞ」
しかも、加元の教育係が、去年加元に「『附子山』という職員は居ません」と告げた張本人。
逃げられたのかな。加元は考えます。
いや、そんな筈はない。まだこの職場に居る筈だ。加元は考え直します。
執着と所有欲の強い加元は、自分の手元から勝手に消えたジュエリーの居場所を突き止めるべく、
侵入可能な部署、侵入可能な階を、地道にちまちま新人のジコケンサン、自己研修として歩き回り、
この職場に支店が存在することを知りました。
附子山は支店に異動になったかもしれません。
でも加元、この職場に何個支店があって、それらがどこに建てられているか、何も知りません。
「職場のこと、もっと知りたいの」
加元は同じ部署の、優しそうな女性の先輩に目をつけ、近寄りました。
「支店にも挨拶に行きたいんだけど、支店の数と場所と、外観も分からなくて」
もっと知りたいだけなの。教えてくれる?
ぬるり、ぬるり。高い男声とも低い女声ともとれる中性的な声と抑揚で、加元、先輩の心に潜り込みます。
「良ければ撮ってきてあげようか」
加元のたくらみなんて、先輩、何も知りません。
「外回りついでに、今日ひとつ行ってきてあげる」
先輩は親切心からニッコリ、加元は所有欲と執着からニッコリ。双方表面上は穏やかです。
ただ、主任の宇曽野だけが、加元の心の奥の奥を知っていて、ふたりをチラリ、見ておったのでした……
もっと知りたい。
もっと知りたいのは
ゆうの事?
まあは
本当に
わかりやすいから。
私をまだ好き?
無限に湧く探究心は、時に全てを台無しにすることもあるのだ。
もちろんそこに、一切悪意はない。
ただただ自分の探究心に従い、人生という限られた時間を存分に楽しむためにもがいているだけだ。
そういう意味は純粋なのかもしれない。
だがそれは果たして褒められるべきなのかどうなのか
それは誰にもわからない。
ひとつ、ひとつの個体は別のものであったはずだった。
いつのまにか、周りと同じでなければ除外されるようになっていた。
個性はなくなった。
同じ髪の長さ、スカート、同じバッグに同じキャラクターのマスコット。いつもと同じ場所で決まったように悪口を言って、誰得の写真を毎日投稿して。
撮りたくもない写真をとって、盛れる盛れないと何度も撮り直す。
ふと我に帰る、これ私の好きなことだっけ?
他の世界をもっと知りたいと思うことで、足並みを乱すことになるのは、裏切り者なのか。
直ぐに優劣をつけたがるくせに
同じでなければならない矛盾がまた私を殺すのだった。
もっと知りたい
私はずっと自分の心が分からず、今はどんな気持ちなのか、どういう感情なのか…自分のことなのに何も分からなかった…
でも、あなたはそんな私に大好きをくれた…
空っぽだった心を埋めてくれた…
だから私は…
私はあなたに貰ったこの大好きをもっと知りたいからこれからもこの命尽きるまでずっとずっと考え続ける
「ねえ。最近何読んでるの。」
「うん?これかい。刹那的に生きる少女達の友情物語さ。といってもギャグだがね。一部の描写が細かくてなかなか面白いよ。」
「…読み終わったら貸して欲しい。」
「ああいいとも。ぜひ感想を語り合おう。」
全て知りたい。この人の全てだ。
この目を見ても心の内を見透かすことは出来ない。
この人の読む本を読めば理解出来るだろうか。
僕の知らないこの人が存在するなんて耐えられない。
教えろ。隠すな。僕に見せろ。
僕はさあただあんたのことを
もっと知りたい
普段無口で、表情もあまり変わらない彼の砕けた笑顔を見た。
元々彼のことが気になってはいたのだが、それを見て私は言いようのない満足感と独占欲に駆られた。
もっといろんな顔が見たい。
いろんな顔を、他の人に見られたくない。
だけど。
それらを引き出せるのは、私ではなかった。
〝もっと知りたい〟
「ギィーギィー」
私の自転車は、やけに金切り声を鳴らす。
少しうるさいくらいで支障はないが、やはりうるさい。
今日の予定を少し変えて、
先に解決策を調べた方が良さそうだ。
ブレーキをかけながら、いつもの駐輪場に入る。
自転車を止め、鍵を取ろうとするが、
なかなか取れない。
こちらもなんとかしなければ。
…にしても、今日は風が強い。
急いで、暖房の入った図書館に駆け込む。
入ってすぐのところにある検索機で、
チャチャっと打ち込めばすぐに情報が提供される。
めぼしいものを見つけたら、あとは探すだけ。
見つけた本を机の上に広げ、解決策を探す。
だが、他にも興味深い情報が溢れている。
もっと知りたい、もっと学びたい。
寄り道も、一つの醍醐味。
〖もっと知りたい〗
スマホをいじりながら、私のお腹をムニムニする彼に聞く。
「デーデン!」
「ん?笑」
「うちの好きなとこ10個今すぐ答えよっ!」
「なんそれ笑」
「ほら、はーやーくー!」
「優しい、可愛い、顔がタイプ、周りをよく見てる、面白い、責任感が強い、めっちゃ笑う、俺のこと大好き、俺だけに甘えてくる、俺以外興味無い、はい10個。」
「うんうん、満足!」
彼は、私が話しかけるとスマホを置き、好きなとこを言い始めると私の手を握り、言い終わると私の顔を覗いた。
私が満足と彼の目を見て笑顔で言うと、そっか可愛いね笑、と私にキスをした。
行動一つ一つに愛を感じる。大好きだなと改めて思う。
彼が好きな私をもっと知りたい。
私に感じていることの全部を知りたい。
彼にも私が好きな彼をたくさん知ってほしい。
10個で収まりきらないこの思い、言ったらさすがに引かれるかな。
いや、彼ならきっと、
「俺のこと大好きだね?可愛い笑」
こんな風に言うと思う。笑
アプリのこと、キャリカレのこと、温泉のこと、母のスマホなど
君の笑顔も
泣き顔も、怒った顔も
全部全部、僕には宝物
僕の宝物をもっと知りたい
ねえ、もっとみせて?
もっと知りたい
好きなもの
好きなこと
好きな人のことは
もっと知りたいと思うのは本能ではある
だけれど
本当に知る覚悟はある?
本当に知ることが出来るんだろうか?
物理的なことならまだしも
人となるとどうだろう?
私自身、私の事すらちゃんと理解したことがないのに…
そして人は変わっていける生き物だ
よくも悪くも変わっていく
だから本当のところ
他人も自分自身ももっと知りたいと思ったところで
真実は永遠に不確かではないだろうか?
もっと知りたい
そう思ったなら、それを好きな証拠にはなるが
メリットとデメリットが共存しているこを覚えておこう
それでも受け入れる覚悟が出来たとき
それは自分にとって最大の武器になり、味方となる!
それでもあなたは
それを
「もっと知りたい」ですか?
私は恐れずにもっと知りたい!
あぁ、そうか。
あの時から私は君の言葉を
記憶に書き込むことを辞めたのか。
私の言葉が君の記憶に
書かれていないことを知って。
今日も笑顔で君の横に座って
残らない言葉たちを君に話し
残さない言葉たちを君から聞く。
しゃぼん玉のように消えていく言葉たちの中で
私の中に硝子の破片のように残る言葉だけは
この先もずっと残り続けるのだろうか。
そうであればいいなと思う。
もっと知りたい
数学の事ならもっと知りたい。
新しい公式見つけたい。
毎日、休憩を挟みながらも五時間、図書館で勉強している。家ではもちろんその倍だ。
いつも通り図書館で勉強していると、隣の席に女の子がやってきた。ふわりと甘いラベンダーの香りが漂う。
「よ、テルじゃん」
突然そんな事を言われる。何だこいつと思いながら隣の席を見た。
パーマのかかった茶髪に、耳につけた黒のAirPods。
彼女は学校で同じクラスの子だった。
「桐島さんってこういうとこ来るんだ」
「失礼じゃね?」
私の呟きに即ツッコむ桐島さん。
彼女はギャルだ。授業中はいつも寝ている。
彼女が勉強している所を見た事がない。
正直、私はこういう奴が苦手だ。というか大嫌いだった。
「にー…しー…ろー…」
イライラしていると、彼女は私が持ってきた本を指で数え始める。
「20冊もある、すげ」
彼女は変わらないトーンで言い、スマホをいじりはじめる。
(こんな不良に構っても時間が無駄だし)
私は無視して読書を再開した。1ページ2ページと読み終わって行く中、突然耳に何かを入れられる。
甘いラベンダーの香りが鼻をくすぐる。
いい加減にしろと彼女に振り向いた瞬間、音楽が流れ始めた。
「テルってこういうの好きそー」
私は眉間にしわを寄せる。
音楽に興味が無い為、この曲にも惹かれない
……というのはやっぱり嘘だ。
淡々とした切ないメロディに、ピアノのアクセントが入った曲。
正直、大好きだ。こういう系統の曲は家でよく聴いている。歌詞はなく、ただこの音を楽しむ感じ。
──良い。
勉強も大好きだが音楽もまぁまぁ好き。
「やっぱ好きっしょ?これ聴くと勉強捗るらしいよ」
「まぁそういうのなら聴く…他にこういう曲、知ってるなら教えろ」
「ツンデレか」
もっと知りたい。
もっと知りたい
この不安な心の正体はなんなのか。
薬を飲んでも心臓がチクチクするのはなぜなのか。
楽になりたい。
だけど知れば楽になれるのか。
知らなくてもいい。
助けてほしい。
少年の好奇心は 青い海を越える
世界の秘密を知りたいと 小さなベッドの上で
ネットを繋げれば 見えなかった世界が見える
でももっと知りたい 満たされない想いを抱えて
彼のパジャマは空色 窓の外にはビルの壁
この壁の向こうに 本当の青空が広がっている
いつか母親に連れられて 海辺の公園を歩いた
あの時の母の涙の理由を 今も彼は知らない
こんなちっぽけな体で 大きな世界を夢描いた
見えない鎖で繋がれた 小さなベッドの上で
オバケはいるのかな 宇宙人に会えるかな
猫と話が出来るかな 僕の病気は治るかな
少年の好奇心は 世界の果てまで飛んでゆく
誰にも邪魔されず 両手を広げて パジャマのままで
もっと知りたい 世界の隠しごと
もっと知りたい お母さんの隠しごと
もっと知りたい 壁の向こうの空の色
もっと知りたい もっともっと生きていたい
もうすぐ春が来て 草木が芽吹く季節に
少年は新しい世界で 冒険の始まりを迎える
空色のパジャマを 真新しい制服に着替えて…
もっと知りたい。知識欲か。勉強が好きって人はこういう感情を原動力にしてるんだろうな。と思ったけどこれ相手のことを、って意味のお題じゃない?素で間違えた。
つまり今回のお題は恋愛ね。まぁ知識欲って考えも間違ってないけど。でもなんか雰囲気的に恋愛だろうな。
恋愛、気になる相手のことをもっと知りたい。残念ながら俺には縁のない感情だな。
生まれながらの性格として恋愛に興味がないってのもあるけど独り身が長すぎてそういうのに興味なくなったっていうのもある。
なにより子どもの頃に母親が浮気っつーか不倫して父親と兄の三人家族になったから女性を憎く思っている節がある。
ただ兄は結婚してるからこれは言い訳なんだろうな。結局生まれながらの陰キャ、今ならチー牛なだけなんだろう。
話は変わるけど今日も今日とてネットで物件探しをしてしまった。そして見つけた驚異の家賃一万以下。こんなんあり得るんかね。
どう考えてもなんかのミスだろうし仮に一万以下が本当だとしたらそっちのほうがやべー案件すぎて住みたくない。
告知がないから事故物件じゃなさそうだから可能性としては幽霊ヤクザ外国人。なにがあるのかわからなすぎて怖すぎでしょ。
とはいえ家賃安すぎなのは魅力なので気にはなっている。でもそこって今のバイト先に遠くて今より通勤時間が長くなっちゃうんだよな。
片道何十分もかけて通うってのが俺には耐えられないだろうから結局この物件はなしということになりました。おわり。
健気な君は
どこからやってきたのか
その純朴な姿は
何から生まれたのか
君を見つけた僕は
太古へと引き戻される
そして今まで生きてきたのと
同じ道をたどり直し
どこで何を捨ててきたのかを思い出す
僕は君の前に跪いて涙をこぼす
君は僕の涙を吸い込んで
長い冬を生きながらえる
「もっと知りたい」
あなたの特別な人って誰なんだろう。
一緒に居て、笑いあったり励ましあったりしているのに。私はあなたの特別じゃない。
こんなにそばにいるのに、それは私じゃない。
私はいつも、あなたの横顔を見ているだけ。