『もしも未来を見れるなら』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
国内某所、住所不詳。とあるぼっちな一室で、事実と空想が半々なワンシーン。
架空の先輩後輩と、不思議な餅売る子狐と、元物書き乙女の日常を主に持ちネタとする物書きの、以下はいわゆる二度目の執筆裏話。
「『もしも未来を見れるならどうする』って?!」
太陽傾く16時。次の題目がスマホの通知画面に届くまで、残り3時間を切っていた。
「んなモン決まってるだろ、昨日の19時の段階で、ひとまず何か書いて投稿してるわな!」
昨日の題目は「もしも未来を見れるなら」。その前が「無色の世界」だったので、いわば、エモさ極振りと思しき題目2連発である。
前回「無色(むしき)」で仏教に逃げたし、今回は未来予知ってことでノストラさんだの何か「未来は全部決定しているのです……」みたいなスピリチュアリストでも登場させるかな。
それとも適当に子狐コンコンで何かブッ飛んだ童話モドキの方がまだマシかな。
と、いくつか話を書き始めたは良いものの、まったくもって投稿に足る最低ラインが整わない。
一度寝て、起きて、それからの方が良い物語を書ける場合がそこそこ多い。
この可能性に、賭けてしまったのがマズかった。
「寝坊しかけたせいでハナシ書く時間無かっただろ、昼もアレよコレよで消えただろ、気がついたらもうこの時間よ。昨日の夜の時点でこの未来が見れるなら、余裕こいて寝ねぇで、何か書いてたわな!」
カタカタカタ、カチカチカチ。
スマホに外付けしたキーボードに、指を滑らせ、叩き、言葉の出て来ぬもどかしさでトントンつつく。
「あー。ちきしょう。俺にももう少し、こういうエモエモ系のお題でもパパっと書けるくらいの文才が有りゃあなぁ!」
日本国内のどこか、住所不詳の一室。
今日も某所在住物書きは、頭を抱え、途方に暮れる。
七月七日
今日は七夕。
妹と一緒に願い事を書いた。
私は生まれつき身体が弱い。
だから私は『これからも妹と遊べますように』
と書いた。
私は妹に、「なんて書いたの?」と聞いた。
妹は「これ!!」と言って私に短冊を渡した。
それを見た時、私は思わず泣きそうになった。
五歳の子供が自分のしたい事、欲しい物を書かずに、
『お姉ちゃんが元気に大きくなれますように』
そう書いていたから。
ごめんね。
一緒に私も遊んだりしたかったよ。
嗚呼神様、もしも、もしも未来が見えるのなら、
この子の横に、私はまだ、存在していますか?
もしも存在していないのなら、
この子は笑えてますか?
お題〚もしも未来が見れるなら〛
『もしも未来を見れるなら』
もしも未来を見れるなら
今の私の悩みは無くなるわね
間違った方向に進んでいたら
違う景色を探せばいいの
そんなに簡単にはいかないか
未来に絶望してしまったのなら
立ち止まり考える
未来をよくしたいと願うのは
誰もが一緒だから
日が小鳥と共に夜明けを告げる。
まだ、搖れる瞳を押し上げて
まだ心地の良さそうに己の胸で
肩を規則正しく動かす
少しだけ年が上の恋人を眺める。
この時を感じるといつも想うことがある。
いつ、壊れても可笑しくはない世界で
いつ迄この朝陽を浴びられるだろう。
もし、己にこの先の世界を見られる
そんな浮世離れしたことが出来るのなら。
そんな想いが頭の中で飽和する。
ずっと分かっている。前ではなんともなかったこの日々がやけに離れ難い。
離したくない。
そう、出来れば
命が燃え尽きる迄。
(朧の夜月 もしも未来を見れるなら)
テーマ : もしも未来を見れるなら
見えたところでさ
僕、生きてんのかなって思っちゃった
想像した未来は10年以上先の事
とすると、30~40くらいかな
生きてんのかなって
別に生きてたくないわけじゃないよ
今のところ、特別病んでるわけでもない
ただ、そう思った
なんか、めっちゃ幸せ!とか望んでないから
普通に 普通にね、生きてられたらって思うけど
…生きてんのかなー…
わからないや
「見れるなら」だもんね
見たわけじゃないから、そうなるよね
ただ、確実なのは
今、凄く大好きな人との恋は叶ってないんだろうなって
きっと、忘れられない大好きだった人になってるんだろうなって
…辛い、文字にするとめっちゃ辛い…
わかんない
今、病んでるかもしんない
五月病だ、早めの五月病
だから、5月になれば回復するって!
テーマっ!
未来を想像しても、何も見えずに真っ暗で
むしろ生きてるのかさえも想像できないけど
だけど、【もしも未来を見れるなら】
その見えた未来で僕は、生きてるのだとしたら
幸せも不幸せも平等に来る
普通の世界で笑っていてほしいなって思うんだ
「鏡よ鏡、あの人と私は一緒になれるかしら」
鏡を覗きながら呟いた
あの人と私は親が決めた許嫁、だけど最近現れた彼女の登場から、あの人と私の間に溝ができた…
一緒に学校からの帰りも歩かなくなった。メールの返事も義務的なものになった。
幼い頃から、あの人と一緒に生きると思っていたのに、もう気づいてるのに認めたくない私がいる。
だから、絵空事のように、鏡に呟く
「もしも、未来が見えるならー」
お題「もしも未来がみれるなら」
春の嵐のひとときに、小さな空き教室にはにはぬるりとした湿った匂いが溢れかえる、ざあざあと雨たちが窓を叩きつけるのがわかる、いかづちがこれでもかというほどに白く真っ直ぐにはしり、ごろごろと腹の底をまさぐるような音がまっさらの雲のあいだから降ってくる、人と人とがあちらこちらへ駆け回り、つるりと少し濡れたホールの床には笛とかトランペットとかの音がいっぱいに落っこちている、ひとつになったオーケストラを記憶の中できれいなままで思い出せるよう拾いあげて家に帰ろう
もしも未来をみれるなら
気にはなるけど見たくはない
それはひとつの未来で、ひとつの可能性
絶対は無いと思っている
辿り着く場所は同じでも、通る道は違うはず
私の歩く道は私が選んでいきたい
それが決められた道筋であっても、
私は自分で選ぶことをやめたりしない
お題『もしも未来を見れるなら』
もしも未来を見れるなら、自分は25歳の時の自分を見たい。
無事に大学を卒業しているのか?
将来は何をすると決めているのか?
結婚相手は見つかっているのか?
幸せになりたいと思えているのか?
自分を好きだと思えているのか?
親孝行はできているのか?
......色々見てみたい自分の姿がある。
目が覚めたと同時に、今見ていた夢は現実だとわかった。
…何を言っているのかと思うだろうが、さっき見ていたのは未来の現実なんだという確かな感覚があった。
しかし見ていた場所がどこなのかもわからないし、そこにいたのが誰なのかもさっぱりわからない。
来たるべき時が来ればわかるのだろうか。
勿論、好き放題するさ!
馬券を当てたりね。
『もしも未来を見れるなら』
もしも未来を見れるなら、過去も見せてくんないかね。
過去を辿って未来を見たら、今よりずっといい未来に出来る気がするから。
『もしも未来を見れるなら』
私は過去をやり直し続けたい。
失っていくものがわかれば
今よりも、もっとずっと
「大切」というものを
理解出来るかもしれないから
間違った選択を、
必要のなかった傷も痛みも経験も
汚されることも無く綺麗な状態で
歩んで行けるかもしれないと思えるから
もしも未来を見れるなら
見て頂けませんか?
私、結婚できます?
予約もせずに
俺の店に女が駆け込んできた
身なりは、まだまともか…
頭の先から 爪の先まで女を見る
髪の色が派手
化粧が古臭く 口紅が顔に合っていない
つけている口紅が派手すぎだ
ワンピースは悪くないが
何度も着回しているのだろう
少し くたびれ感がある
「で、どうです?
私、結婚したいんです 今年中に」
今年中… 相手がいないのに今年中とは
考えればムリだとわかるはずなのだが…
『今年中ですか…』
机に出した女の手のひらは
カサカサして潤いがない
『生年月日と名前を書いて頂けますか?』
そう言って渡した紙とペンを持つ指に
光る指輪… イミテーションか…
カバンはエルメス…
これも どうせ偽物だろう
『そうですね
今年、あなたが出会う人とは
いい縁がありそうです
期待してよろしいですよ』
そう告げると 彼女は笑を浮かべ
店を後にした
運勢は本当に悪くない手相だったが
あれじゃ、ムリだな…
女としてもっと努力と気遣いをしないと
結婚なんてムリだろう
最近、俺の運勢は悪くない
未来が見える占い師って名前をつけてから 評判がいい
売り上げだって伸びてきている
ああいう女に 希望ある言葉を伝え
また来てもらえばいい
今年の俺の運勢はまだまだ上がる
さぁ、今日は店を閉めて飲みにでも行くか!!
… … … プロデューサーいかがでしたか?
最近 街で評判の占い師です
テレビ出演 オファーしますか?
「 ダメダメ!
あいつに未来なんて見えやしない
人を見た目で判断して 適当な事言って
調子乗って…
…来年、悪徳占い師特集で出そうか」
#もしも未来を見れるなら
お題『もしも未来を見れるなら』
例え未来が見えたとしても…僕はきっと見ない。
見たくないと言えば、嘘になる。いや…少し違うな…
見るのが怖いのだ。
自分が幸せになれるとは限らないから…。
「ねえ、君は未来を見れるなら見る?」
「未来って?」
「いや…わかんないけど、未来は未来だよ。」
「ん〜…見ない。」
「何で?」
「だって…」
上手く言葉に出来ず考え込んでいるようだ。
「なんて言うかさ、一緒にいるだけで幸せだから。一緒にいれば幸せになれるでしょ?それに不幸があっても二人で乗り越えれば、さらに絆が強くなると思うんだよね。」
真面目に小っ恥ずかしい事を言い放った。
でも、それは自分も同じ思いだった。
こういう時、ポジティブに考えられる彼女が羨ましい。
「なんか変なこと言ったかな?」
「いや、恥ずかしいこと平気で言うなと思ってさ。」
―もしも未来を見れるなら―
見なくて良いかな。
5月の天気くらいは知りたいけど。
#もしも未来を見れるなら
もしも未来を見れるなら何を見たい?
宝くじ、競馬、
強欲だね
自分のことを知るのは嫌だ
なんで
なんか怖いじゃん
まぁわからなくはないけど、
他人のことは
ちょっと気になるけど、それも怖い
そうなんだ、じゃあとりあえず未来行ってみますか一緒に
…え?
「もしも未来を見れるなら」
春が来たよに
最初は楽し
慣れてその内
飽き来そう
不穏勝るか
希望が勝つか
いずれ知れても
いま生きる
もしも未来が見れるなら
この眼など潰して欲しい
生きる希望を見失うのと
それは同義なのだから
『もしも未来を見れるなら』
今日は失敗続きだった。
定刻通りに間に合うはずだったのに人身事故で会社に遅刻し、取引先の初顔合わせに向かったと思えば、鳩のフンが頭にかかり、ようやく家に帰れば食材が家に一つもない。
今はヤケクソでコンビニに向かっているところだ。
思えば俺は生まれてこの方運のない男だった。
なにをやるにもアクシデントが発生し、部活も受験も就活も、あるいはゲームだってうまく行ったためしはない。
もしも俺が少しでも先のことがわかれば俺の世界は圧倒的に変わっていたことだろうに。
「もし、そこのお方。『もしも未来を見れるなら』と考えませんでしたか?」
「うお!」
暗闇の中からぬっと黒いローブを着た男が現れた。
正直気味が悪い。
「誰だお前は!」
「まあまあ、誰であってもよいではないですか。それよりも、今、『もしも未来を見れるなら』と考えませんでしたか?」
「だとしたらなんだ?」
「いや、なに、貴方の望みを叶えようと思いまして」
「怪しい男だな、そんなことできるわけないだろう」
「いえ、できますよ」
「嘘をつくな」
「嘘ではありません」
「じゃあやってみろ!!」
正直その日はヤケクソだった。
ローブの男がニヤリと笑うと、あたりの景色がブワッ闇に覆われた。
「なんだこれは!!」
「また、一月後にお会いしましょう。」
俺の意識はそこで途絶えた。
ーーーーーーーーー
チリリリリリ…チリリリリリ…チンッ!
気づけば朝になっていた。
目覚まし時計のさす時刻は5時。出社は8時だから7時に家を出れば間に合うだろう。
俺は朝御飯を作りつつ昨日起きたことを振り返っていた。
「あのローブの男は…夢の出来事か?」
昨夜の出来事がどうにもあやふやだ。確かに俺はコンビニに夜食を買いに行ったはずだが、そのあとがどうにも思い出せない。
こうして家に帰れているので問題は無いと思うが、記憶にあるローブの男に家を荒らされていたらたまったものではない。
時間もそれなりにあるし少し家を点検しておくか。
いや、それをすると人身事故があるし遅れるな。帰ってきてからにするか。
俺はそんなことを考えながら、朝御飯をモソモソと食べていた。
…ん?
「人身事故があるだって?」
なぜ俺はそのようなことを思ったのだろうか。まるで、何かが見えていたかのように…
まあ、何にせよ早く行くことに越したことはない。
俺はいつもよりも30分早い6時半に家を出た。
そしてその日、俺が会社についたころ人身事故が発生し、同僚が遅刻した。
ーーーーーーーーーーーーーーー
それからというもの、俺の人生は一変した。
トラブルは事前に防ぎ、用意は周到で、鳩のフンにはまみれない。
それもこれも、『未来』が見えるようになったからだ。
ようやく黒ローブとのやりとりを思い出したが、どうやらあの怪しげな男は本物だったらしい。
何をやるにしても見通すことのできるこの未来視をくれたあの男には正直に言って感謝しかない。
おかげで取引先から持ち込まれる仕事の話はふってくるようだし、この一月の成果をみた上司が俺の昇進を検討しているらしい。
俺の『未来』は安泰そのものだった。
そんな軽い足取りで、今日も無事に出社をしている時だった。
「きゃあああ!!」
そんな声を聞き、パッと声をした方を向けば目の前には勢いのついた車とそれを呆然とみる子供が。
『未来』が見えたんじゃなかったのか!!
俺は忙しいでかけだしたが、咄嗟に
ーーこの行動で人生が一変する。
そう『視えて』しまい、足がすくんだ。
ーーーー
「やあやあ、こんなところにいましたか」
月が綺麗な夜、俺が窓をぼーっと眺めていると、カーテンの陰から黒ローブがぬるっと現れた。
「……お前か」
普通にドアから入ってくることはできないのか。
俺は黒ローブを呆れた目で見たあと、また、窓をぼーっと見ていた。
「おや、最初のように驚いてはくれないのですね」
「まあ、病室ほど穏やかだとな。心も静かになるんだと思うぞ。」
結果として、あの轢かれそうな子供は助かった。
代わりとして俺は体の節々の骨をおり、無事病室入りとなった。
「どうでしたか?この一月は。」
「楽しかったぞ。万能感もあったし、実際生活は鰻登りでよくなっていった。…まあ、最後に一変したが。」
うちの会社は忙しい。
こうして俺がのんびり病室にいる間にも、取引先は新しいパートナーをみつけ、俺の代わりに誰かが昇進候補になっていることだろう。
つまり俺の一月は無駄になったわけである。
「お前はこの『未来』がわかっていたのか?」
「いえ、『未来』は誰にもわからないですから」
「…そうか」
そのあと、しばらくの沈黙が続いたあと俺は切り出した。
「未来視の能力なんだがな。できればなくすことはできないか?」
「おや、いいのですか?」
「ああ、俺には向いてないらしい」
俺はローブの男に顔を向け、話した。
「未来を見れるってのは便利なんだが、今を置き去りにしてしまうんだな。俺は、あの時、今起きていることと未来のことを天秤にかけてしまった。」
もしあと一歩遅れていたらあの子供は死んでいただろう。俺は自分の未来のために目の前の命を見捨てていたかもしれないのだ。
「それに、今まで『過去』や『未来』のことは考えてきたけど、『今』のことはなにも考えてなかったなって思うしな。未来視は邪魔なんだ。」
「そうですか」
「そうだ」
俺はそれだけいうとまた窓に目を向けた。
「これからどうするんです?」
「うーん、そうだな。今の会社は辞めると思うな。正直忙しすぎるとは思ってたんだ。あとは、本当にやりたいことを探すんだと思う。あるのかはわからないが。あ、学生時代はよく釣りとかしてたな…」
今と未来と過去が混ざり合っては消えていく。
向いてないと思っていたが、こういう楽観的な生き方も俺はできるらしい。
「なるほどなるほど。では未来視は返していただきましょう。」
「是非そうしてくれ」
「ところであなた」
「なんだ」
「人生が一変しましたね」
ん?と思って黒ローブの方を見ると、そこにはもうアイツはいなかった。
まあ、いいかと思いつつ、
俺はまた綺麗に輝く月を眺め始めた。