『みかん』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
みかんの皮に爪を立てる。ぷつり。
そこから指を少し深く沈める。指を鍵形にしてみかんの実を引き出す。
みかんの皮がはじけて、すっきりと爽快な香りがする。
口にひとふさ含むととても瑞々しい。
この果物と同じ名前をつけた猫を飼っていた。
茶トラで、その毛色がみかん色に見えたのでそう名付けた。
みかんはよくしゃべる猫だった。
日田とこちらを見据えて、こちらへ向かって歩いてくる時にも、にゃおにゃおにゃおとしゃべっていた。
玄関に出る時はその前に立ちはだかり、しばらくしゃべる。どこへ行くのかとか何するんだとか、そう言う声音だ。過保護な親みたいな声の掛け方だった。。
帰ってくると玄関マットの上にスフィンクスのように横たわって、やっぱりにゃおにゃお言っていた。
おそらく、おそいとか、変なもん食べてくるなよとかそういう小言だったのだろう。
みかんと言う名前は、物心ついた時についていたから、由来は知らない。
おそらくみかんの箱に捨てられていてみかん色だからとかそう言う理由じゃないかと思う。
みかんは、最期も、何かたくさんしゃべってからこときれた。
最後の最後まで心配していてくれたのかもしれない。
この季節、初めてみかんを食べる時、
もう一つのみかんのことを考える。
みかん、私は今年も元気だよ
私は和歌山に縁がある人間なので、
みかんといえば有田みかんと信じてる。
が、愛媛出身の彼氏は、
温州みかんが身体に染み込んでいるらしい。
…という話を友人たちとしていたら、
その中に静岡出身者がいて
三ヶ日みかんの素晴らしさを説いてきた。
くまもん好きの別の友人は、
えー みかんって熊本じゃないのー?
なんて言ってる。
みかんって、なんか愛着湧いちゃうんだよね。
バナナと並ぶ日常を象徴する果物な気がする。
地元民や縁故民の愛情を受けて、
ますます美味しくなるんだよ。
みかん
コタツに潜ってぬくぬくと暖を取る
しんしんと外ではこと辺りの地域では珍しい雪が降っている
(雪降るとかマジで寒いじゃん…。)
そう思いながらコタツにさらに体を埋める
テーブルに顎をのせて唸ると正面にオレンジ色が広がっている
(みかんあるじゃん♪)
少しルンルンでみかんをとり皮を剥いていく
(お、剥きづらいぞ。なんかでみかんは剥きづらい方が甘くて美味しいって言ってた…気がす…るっと。)
剥き終わったみかんをパクっと一欠片食べる
(あまぁー。)
みかんは甘くて美味しかった。
(コタツにみかんてなんでこんな美味いんだ?)
なんてことない一日当たり前のような常識のような一日
(やっぱり冬でコタツって言ったらみかんだな〜。)
そんな一日が幸せに感じる
みかん
みかんって、他の果物と違って
いつも集団でいるよね。
寂しがりやなのかな。
仲が良いのかな。
寒いから、押しくらまんじゅう
しているのかな。
“みかん”
こういう、ゆる~いお題がよき
私のおばあちゃんはツンが強い。私がみかんを苦手としていると知っていながらみかんを送ってくる。やれやれと思いながらダンボールを開けると、みかんとそれから手紙付きのお菓子も入っていた。
「緩衝材だからね」
私のおばあちゃんはツンデレだ。
テーマ:みかん #47
※この物語は#20からの続編です
「ラクラくん。君はこの国の王子だね?」
そうサカキさんに言われて一瞬頷こうとした。でもここで頷いたら…。ミデルに自分のことを打ち明けたときのような緊張感が走る。
「はい…」
僕はそう言った。もしかしたら責められるかもしれないと。
「そうか…。やっぱりな……なぁに、そんなに強張った顔をしなくたって大丈夫」
僕を見てクシャっと笑うサカキさんにあぁ、この人は大丈夫だと思った。
「それじゃあ…時期、国王になるラクラくんに1つ、いいことを教えてあげよう」
サカキさんがそう言って、立ち上がると僕の隣に腰を下ろした。
「ミデルは魔法使いたちをまとめることができる子だ。『神の子』と呼んでいるのは、俺だけじゃない。彼女のことは誰でも知っているし、名1つ出せば魔法使いたちは動くだろう」
サカキさんは内緒話をするかのように俺に小さな声で言った。
「これは…ミデルの育ての親として、お願いしたい。これからのあの子の未来を明るくしてほしいんだ。特別何かを望むわけじゃない。今のあの子を『ラクラくんが』守ってほしいんだ」
サカキさんは今にも土下座しそうな姿勢になった。
「サカキさん、落ち着いてください! 僕は彼女を見捨てるなんてこと絶対にしません! 保証します」
僕が慌ててそう言うとポカンという表情で、僕を見つめるサカキさん。かと思えばサッと僕の手を取り
「かたじけない…」
目に涙を浮かべていた。
朝起きると、
ーードンドンドンドン
という足音が近づいてきた。
「ラクラくん!! 大変だ! これを見なさい!」
まだ寝ぼけている僕の目の前に文紙(新聞紙)を見せるサカキさん。僕は眠い目をこすりながらその文紙を受け取る。
「は…?」
僕は飛び込んできた文章に目を疑った。そしてその文紙に載っている写真を見た。
「父上と…母上と…セピア…?」
僕は嫌な予感がした。これが夢なら早くこんな悪夢から抜け出したいと思った。
「サカキさん。ミデルは?」
「今、朝ごはんの支度をしてるけど。そんな暇ないよね…」
僕にそういうサカキさんの顔は青くなっていた。それはそのはずだ。この文紙の表紙にデカデカと書かれている文字。それは『早期の新国王、任命』だった。
「ミデル、ごめん…。もっとゆっくりサカキさんと話したかっただろう?」
「ううん、いいの。元気良さそうな顔見れたから。それよりもラクラ…大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だ」
とは言ったものの正直焦っている。普通の『早期の新国王、任命』だったら、こんなに焦っていない。僕が何を見てそんなに焦っていたかといえば……。
約1年ぶりに王宮内に足を踏み入れると
「結構早かったね。ラック」
聞き慣れた声。
でも僕の名前を呼ぶ声に、いつもは感じない苛立ちを覚えていた。
「セピア! なんでこんなことを!!」
僕が自然をセピアに合わせようと上げたその時、セピアの下に寝たばる2つの影が視線をよぎる。
「ラ、ック…」
「母上、父上……」
そこにはボロボロになった父上と母上の姿。
「ラック。君が出ていかなければこうはならなかったんだよ? というか…そこの女と関わりを持たなければ、僕たちの関係は崩れなかったんだ!!」
キッと後ろにいるミデルを睨めつけるセピアの目は僕の知っている優しい目とは違う、冷たくて鋭い目だった。
「でもね、ラック。君が出ていったあとは別に悪くはない生活だったよ。苦労もしないし、堂々と裏仕事もできる」
僕は奥歯を噛み締めた。セピアは裏社会のオーナー(最高幹部)だったのだ。僕は気づかなかった。ずっと一緒にいたのに。
「君の親は感が鈍いなぁ。全く僕のことを怪しまず僕と君を一緒にいさせたのだから。そして自分たちは痛い目を見る。本当に滑稽だよ」
高らかに笑うセピアはなにかに取り憑かれたようだった。でもいつも僕が見ていた、一緒にいたセピアが本当のセピアだったのかはわからない。これが本当のセピアなのかもしれない。
「何が目的だ」
「おぉっと、そんな怖い顔しないでよ、ラック。これでも1年前くらいはずっと一緒にいた仲でしょう?」
今のセピアには僕の言葉は届かないだろう、そう感じた。だから…
「ごめん、セピア。少し大人しくしてて」
僕はセピアに手をかざす。
「ちょっと、ちょっと〜。聞いてないよ? 君まで魔法を使えるようになっているなんて」
ニヤリと笑うセピアは信じられない行動を起こした。
「僕に攻撃したいんだろうけど、それは無理。だって被害に合うのは『実の親』だよ〜?」
セピアは僕の両親を盾にし、肉壁をつくっていた。
「あ、そっちも大丈夫そう?」
僕の後ろに声をかけるセピア。僕は嫌な予感がして振り向くとそこには捕らえらているミデル。そして、見覚えのある顔ぶれと知らないゴツい男たち。やはりアイツ等もセピアの手下か…!
「あ~ぁ。どうするラック。大切な人み~んな僕に捕まっちゃった」
楽しそうにしているセピア。僕はふぅ〜と深く息を吐く。
「諦める? 諦める?」
セピアの挑発には乗りたくないが、ここまでされたら流石に俺だって怒るぜ?
「悪ぃな、セピア。俺の逆鱗に触れちまった。手加減できねぇから覚悟しとけ。そんで、お前らも喧嘩を売っちゃいけねぇ奴に売っちまったなぁ~」
僕は後ろにいるセピアの下っ端達にニヤリと笑った。
その後、記憶が飛ぶ。記憶が飛ぶ前、後ろの方でも魔力が膨らむ感覚がした。
「ケホッ、ケホッ…」
流石に魔力を多く使いすぎたか。僕は咳き込む。自我は保っていられないし。やっぱり慣れないことはするもんじゃないなぁ…と感じる。
「ラクラ!!」
そう言って、近づく気配を感じる。ラクラなんて呼ぶのはミデルだけだ。少しだけソレと話してくるか。
僕は意識をもう一度、現実から外した。
『なんで来たんだよ』
ソレは言った。いつものように背中を丸めソレは後ろを向いている。
「今回は、僕のために頑張ってくれたから」
『ケッ。だから人間はキレーなんだよ』
ソレは言葉を投げるように言った。
「ありがとな」
僕がそう言うとソレは少しの間、黙っていた。
『お礼を言われる筋合いはねぇ。俺は悪魔だからなぁ』
ケケケッと笑うソレ…悪魔は、こっちを向かない。
「悪魔か」
『なんだ? 気づいてなかったのかよ』
「いや、なんとなく予想はしていた。でも悪魔としたら随分お人好しな悪魔だなぁ」
僕がそう言うと悪魔は、ケケケッと笑うのをやめ
『なんとでもいいやがれ』
ぶっきらぼうに言った。照れ隠しなんじゃないかって思う。でもあんまりいじめないでおこうと思った。
『はやくいけよ。俺との話なんかいつでもできる』
「あぁ…ありがとう」
そう言って意識を現実に戻そうとしたとき、悪魔が振り返った。その顔は僕と瓜二つの顔だった。
「あ! 起きた!!」
1番最初に見えたのはミデルの顔だった。
「流石、ヒーリング能力を持っているだけあるな」
ミデルの顔や手に目立った外傷はなし。
「違うよ、ラクラ。これはラクラが治してくれたんだよ? ラクラの両親も」
僕は口をぽかんと開けた。
「ラック!!」
部屋に飛び込んできて僕を抱きしめたのは母上だった。ミデルがいるのに恥ずかしい…。
「無事で良かった」
そう言ったのはいつもの服を身に纏う父上だった。
帰ってきたのだ、そう実感すると温かいものが頬を伝うのを感じる。それは涙だった。ふと、王宮の中に育てられているみかんの香りを風が運び、僕の鼻をくすぐる。
「ただいま」
僕は母に抱かれたまま言った。
みかんのふさ
目の前に一粒のみかんがある。
このみかんがあるから、私はみかんを食べられる。
この一粒のみかんがここへ来るまでに、
どんな旅をしてきたのだろう。
一粒の種がまかれ土の中から芽を出す。
雨や太陽、土の恵みを受けて、小さな芽が一本のみかんの木になるまで見守ってくれた人たち。
そしてみかんの木に実が成る。
木からもがれ出荷され、店頭に並び、たくさんの仲間の中から私の母に選ばれたみかん。
その中のたった一粒が今、目の前にある。
気の遠くなるような年月と、様々な人の手と
そして自然の恩恵
それらのつまったみかんが、私の目の前にある。
あんまり勿体ないので 思わずかしこまる。
ありがとう と思う。
いただきます と思う。
みかん
手軽に食べられる
ビタミンC
食後のデザートや
小腹が空いた時にも
ちょうどいい
いっぱい食べ過ぎると
手が黄色くなるけど
つい手が伸びちゃう
みかんの皮を剥いて、一周する
皮から飛んできた汁が目に染みるけど
地球を一周するように皮を剥く
みかんのように地球も一皮剥けて
染みる皮なんて取っ払える程に
甘くて優しい世界になればいいのに
「みかん」
冬におこたに入って食べるみかんは最高。
色々食べてお腹いっぱいでもついつい食べちゃう。
ビタミンC豊富で風邪予防にもなるなんて最高。
みかん、今年も沢山食べよっと。
実家からみかんが死ぬほど届いた。今俺一人暮らしなの分かってる?ってくらいの量が届いた。冬といえば雪遊びよりみかんが先に出てくる俺でも流石に引いた。
まあみかんに罪はない。なのでずっと出していなかった一人用のこたつを出して地道に食べ進めていたのだが。
「...なんで居るのお前?」
「いいじゃん別に。ちゃんとメールで来る予告したし。」
いや、既読すら付けていないし返信もしていないのだから来てもいい理由にはならないと思うのだが。
「というかどうやって入った?戸締まりちゃんとしてたよな?」
いくら治安がいい日本でも万が一の事がないとは言えない。だから俺は寝る前には必ず鍵と火の元を確認する習慣をつけている。
「まだ寝ぼけてんの?お前俺に合鍵渡したの覚えてないの?」
「あ」
そういえばそうだった。こいつがいつも唐突に来るときチャイムを連打されるのが鬱陶しくて、勝手に入れと半ば無理やり合鍵を渡したんだった。
「お前大丈夫?もう一回寝てくれば?」
寝ぼけているのはお前が早朝の5時に来ているからなのだが。俺はさっきまで布団にいたのに、テレビとこいつの笑い声で起きてしまった。
そしてその当の本人は悪びれる様子もなく俺のこたつでみかんを貪っている。俺はため息をつきながら、
「...誰のせいだと思ってる?とりあえず寒いからどけ。」
俺は押しのけるようにこたつに入り込んだ。買ったのも出したのも俺なのだからいいだろう。
「ちょ、冷た寒っ狭っ!?入るにしても言ってよびっくりするから!」
「うるさい」
こたつの暖房が点いてからしばらく経っているからなのか、こいつの体温が高いからなのか知らないが、いつものこたつよりぬくかった。
俺は文句を無視しながらかごに大量に盛られたみかんを一つ手に取る。そして皮を剥き実を一つ口に入れた。
「あーそういえばお前白いやつ取らないのか。」
「別に死ぬ訳でもないしな。...お前はめちゃくちゃ丁寧にとるな」
こいつは意外と几帳面で、剥いたら皮はひとまとめにして置いてあるし、白いやつは徹底的に取る。それに対して俺は皮はてきとうに剥いて後で掃除すればいいので放っておく。白いやつは一切取らない。
「だって噛んでくとそれだけ口の中に残って気持ち悪いんだよ。」
「噛まずに飲み込めばいいだろ。」
「それはお前だけ。」
こいつは白いやつは徹底的に取るくせに剥くのがとても早い。何時から来ていたのか知らないが少なくとも10個は余裕で超えているだろう。
「あともう深夜に家に押しかけてくるのをやめろ。電気代も馬鹿にならん。」
「みかんの消費手伝ってるんだから許してよ...はい、1個取り終わったから食べていいよ。」
返事をする間もなく実を1つ口に押し込まれる。白いやつは全部取られているので舌触りが良かった。
「...ん、うまい」
「でしょ。はいあげる。」
俺は不純物が取り除かれた、やけに甘く感じるみかんを噛み締めた。
...あと1月はみかんが続くと思っていたのだが、思ったより早くみかんが尽きることになりそうだ。
『みかん』
オレンジ色が、最初のイメージ。
なんとなく、その色を身に着けていることが多いような気がしたから。
それからすぐ、陽だまりの中でにこにこしている大型犬みたいな笑顔をする人だな、と気付いた。
とはいえ仕事以外で自分たちがする会話と言えば、「今日と週末の天気」くらいしか幅がなくて、まったく友人ですらない。
それでも、晴れの日が好きで雨が苦手なことくらいは知ってる。だから週間天気予報を見るたびに、そこに並ぶ太陽の色を数えて一喜一憂してみたり。
でもこっちの勝手な心配なんてどこ吹く風。
どんより雨続きの日々の中でも、ぜんぜん機嫌良く楽しそうに笑ってる。
大丈夫なんじゃん。
ちょっと騙されたような気分になって、心の中で軽く突き放した。
もう、気にしないようにする。
そう決めたはずなのに、眠る前、起きた時、親友とごはん食べてる時。
--街中でオレンジ色の小物を見掛けた時は、特に。
その溶けそうな笑顔ばかり思い出す。
だからもう、どんな色が好き? と訊かれた時の答えはこれ。
「みかん色です」
「美味しいなこれ。」
彼は口いっぱいにみかんを頬張りながら言った。
「やっぱ高いの買って良かったな。甘さが違う。」
それから評論家のように語り出した。
「そうだな。明日も買いに行こうか。」
彼のいるこたつに向かい、彼と肩を並べてこたつに入る。
「うわ、あったか、、」
じわじわとくる熱気が何ともたまらない。
みかんに目をやるともう半分ほど無くなっていた。
「ごめんなぁ、つい美味しくてよ。」
みかんを見ていた事がバレたのか、気を使ってなのか、彼はこっちを向いて謝った。
「そんなに美味しかったか。食べてみたかったな。」
ちょっと揶揄うように言ってみると、彼は明らかにオドオドとした。
「くっ!今から買いに行く!!!」
そう言って彼はこたつから出るが
「さっむ!!!」
キッチン辺りから直ぐに戻ってきた。
「おい、もう8時だろ。寒いに決まってる。」
「うっ、確かに、、。」
彼はまたこたつに入り直した。そこで一つ零す。
「今日は仕事も同窓会も断ってこっち来たんだよ。ちょっとくらい、、」
そこで言葉は止まった。ふと隣を見ると
彼は微笑みながらこちらに顔を向けていた。
「なにそれ。そこまでして俺に会いたかったの?」
その言葉に小さく頷く。
「嬉しい、、大好きだ。」
彼は優しく俺を抱きしめて呟いた。
#みかん
後半みかん全然関係ないですね、、、。
今日のお題 : みかん
愛媛に生まれてよかった
めっちゃみかん食べれる笑笑
みかん
私はみかんが食べれない
みかん味の類もの全部苦手だ
それに反して
周りの人はみかんが大好き
きっとおいしいのだろう
健康にもいいのだろう
もらったりしたら嬉しいのだろう
でも、私は苦手
いいのだ
それが、わたしなんだから。
「あまーい」
黄色い房をまた一つ口に放り込む。噛めばじゅわっと溢れ出す果汁には全く酸っぱさがなく、口の中には芳醇な甘さだけが広がる。
これは当たり、だ。
昨日はちょっと酸味が強いものを引いてしまったが、今日はツイてる、と思う。
みかんは12月半ば辺りに箱で大量に買っておくに限る。そうして毎日一人につき一個ずつ揃って食べるのだ。それが我が家のルール。
大量に買っても一冬保たないのは四人家族だから。
だけじゃない。
大掃除は大変だった。疲れた。
今は家族は買い出しで家にいるのは私一人だけ。
こうして盗み食いしている奴が、いるからだったりする。
甘酸っぱい
みかんのように
少し切ない
恋だった
みかんのフォルムってなんかいい。
まるっこくて、ツルツルしてて。
おいしいし。
あのずくっとした感じがね
橙色のまぁるくてかわいいみかん。優しい色をしていて、味まで甘くて優しい味。みかんの皮を花形に剥いたり、二口で食べたり、一つずつちびちび食べたり、いろんな剥き方、食べ方をした。どの食べ方もすごく美味しくて、良い思い出を作ってきた。今日も良い思い出を作ってきた。
みかん
腐ったみかんをひとつ
ダンボール箱の底で見つけた
周りのみかんも腐ってる気がして
すぐに 取り出して捨てる
カビの胞子がダンボール箱の空気を
腐らせてる気がして 気分が悪い
人間関係も同じ
一人腐った人がいると
全体の空気が腐りだす
口を開けば 悪口をはきだす人が
先月会社を辞めた
次の日から 職場の雰囲気が
からりと変わった 劇的に
腐ったみかんになりたくないね
あなたは腐ってない?