『どこにも書けないこと』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ある方のお別れの会に雑誌の記者だかフリーライターが来ていた。世間的に広くは知られていないけれど、ある業界のパイオニア的存在の先生を偲ぶ会だった。
参会者に新宿のお店のママさんがいて、その記者に、「あの娘が最後に先生と来ていたよ」と私の方を見ながら言った。
記者は私に話を聞かせて欲しいと言うと、私が何か話し出すのをじっと待っていた。
私がひたすら沈黙していると、しばらく粘っていたが、諦めて離れていった。
先生から託された重い秘密がこぼれないように、言葉の端から漏れ出さないように、私は黙っていることしか出来なかったのだった。
人はいずれ肉体を脱ぎ捨てる日が、
いつかはやってくる。
身近な父親が、その日を迎えようと
している。
肉体を脱ぎ捨てると言っても、
存在自体は、失うことはないが
意識体か霊体の姿として健在する
と認識していてもさみしいものは
さみしい。
お世話になった人間だからだ。
とにかく、父が望む方向にいくことを
願うしかないのだろうか。
今は、現状を受け入れようと
精一杯の自分がいる。
また、父親への感謝するのが
一番だろうか・・。
「ねえねえ、この話は内緒にしててね。」
そう言われて内緒にできたことがない。故に誰からも信用されていない。言い訳をするとするならば、本当に無意識のうちに言ってしまっているということ。悪気はないのでたちが悪い。口を滑らせる自身に非があるが、内緒なら最初から誰にも言わなければいい。しかし内緒事を話してくれるということはある種の信頼の証である。私の本心は実は裏切りに快感を覚える性格なのかもしれない。無意識のうちに裏切って、今まで築いてきた信頼を破壊することが本当は好きなんだよね?
こんなこと誰にも言えない。
「俊へ
このことをどこかに書いたら、呪います
母より」
そう母の日記の最後に記されていた。
「よっぽど、厨二病のこと知られたくなかったんだな」
まぁ、私も知られたくないので書かないが。
(閉ざされた日記のお題の続きです)
どこにも書けないこと
どこにも書けないこと…は、
ここにも書けないよね…
どこにも書けないことなら、
それは、自分の中に閉まっておこう。
自分の頭や心の中から出した瞬間、
どこにも書けないことではなくなってしまう。
さて。そんなのあるかな…
まあ、あったとしてもここには書かないけどね。
だって、ドコニモカケナイコトなんだから…
paki
『どこにも書けないこと』
どこにも書けないことを手紙にしたためて直接郵便受けに置いてきた。
どこにも書けないことを書いたらどうなるか。秘密が秘密ではなくなり、真実が曝される。文字も言葉も発した瞬間に力を持つものだ。真実は何も知らない人の根幹を揺さぶり死に追いやるほどかもしれないが、自分は家族を奪われた身だから致し方ない。無知の上に成り立つ幸福が何で出来ているかを知ってほしかったのだ。
昏い気持ちになったまま結末を見届けずにその家を後にする。人殺しになってしまったかもしれないと思いながら。
他人には絶対にばれない、開かない。
そんなノートがあれば
人はどこにも書けないことでも書くのだろうか。
何かの捌け口として利用するのだろうか。
私はそんなノートがあるとしても
決して書かないであろう。
絶対なんて信用できないのだから。
ーどこにも書けないことー
どこにも書けないこと
私は日記でも嘘をつきます。
どこにも書けないこと。
まあ、あるな。
人の悪口だとかは、他の人に影響与えちゃうから書けないし、不快な内容はネットに放流できない。
だからそういうときは、日記とかに書くのがいいと言われているよね。
……まあ、日記まるで続かないんだけどね。
どこにもかけないこと
ありますね
犯罪ではないけど
ここにだって かく勇気はない
匿名…!
無理…だ
ここにもかけない
またしまっておきます
どこにも書けないコト
秘密の何か?
隠している何か?
恥ずかしいコト?
罪に問われるコト?
淡い恋心?
人の不幸を喜ぶ心?
誰も興味を持たない話?
自分しか理解できない話?
どこにも書ケナイこと
書く道具がない?
書く技術がない?
言葉を知らない?
書こうという心がない?
ドコにも書けないこと
紙にも、板にも、石にも、土にも、
砂にも、粘土にも、葉っぱにも、
水にも、空気にも、あなたの心にも、
ほんとに何も書けない?
なんて、書くことを迷っていたら書けなかった
//どこにも書けないこと
どこにも書けないこと
一人で居ると孤独だが
自由で最高
でも急にとてつもない恐怖に襲われる
夜とか寝る前によくそう感じる
どうしたらいいの。。
「『呟きックスにもイン◯タにも、ティック◯ックにも投稿できないこと』なのか、『この出版社以外、あるいはこの作家以外、どこにも誰にも書けない文章』なのか。少なくとも2通りの解釈は可能よな」
俺としては第一印象、前者だったが。某所在住物書きはマイナー系SNSアプリのタイムラインを眺めつつ、その投稿内容に共感をポチポチ。
ゆるい繋がりをコンセプトとするそこは、繋がり過ぎないゆえに、まさしく「どこにも書けない悩み」が複数。 世間はなかなか、せちがらい。
「『どこにも書けない悩み』を繋がり過ぎるSNSで書いちまうから崩れる、って関係、結構多い説……」
まぁ、俺も、思い当たるけど。
物書きは小さく首を振り、アプリを閉じた。
――――――
最近最近の都内某所、いつもの投稿分とは舞台の違う、比較的閑静な住宅街、夜。
宇曽野という30代後半の既婚が、己の職場の人事担当同士で共有しているグループチャットに、別部署の人間ながら参加している。
発言はせず、見ているだけ。誰も宇曽野がグループに紛れ込んでいることに疑問を呈さない。
メンバーはただ、新年度4月1日初日から採用予定の中途採用10名を決めるべく、
その10枠に対して殺到した履歴書データ53件を共有し、誰を落とすか誰の履歴書が特徴的か、中途採用枠と新人採用枠双方に履歴書を送付したのは何人居たか等々、議論している。
特に発言が多いのは、リーク好きで知られる陸須木。
多くの職場を経験し、人脈も広く、ゴシップ調査に余念の無い陸須木は、
そいつはともかく物覚えが悪いらしい、あいつは昔一緒に仕事をしたことがある、
人材派遣会社で一緒だった奴の話だと、こいつは過去二度デカいミスをしたらしい等々と、
彼以外誰にも知り得ないことを暴露し、
彼以外どこにも書けないことを書いている。
人事関係者には「陸須木砲」として有名だとか。
「ビデオチャットじゃないの?」
父の秘密会合への潜入を察知して、一人娘が宇曽野の座るソファーを訪れた。
「それだと、隠れて酒が飲めないだろう」
多分2〜3人、今頃スマホの前で酔いつぶれてるぞ。宇曽野は即座にスマホを伏せて、娘の目から画面を隠し、かわりに己の食べていた酒のつまみを、その袋の中身を小皿に分けて、差し出した。
「仕事中にお酒飲んでるの?ダメじゃない?」
「そもそも、こういう隠れた場所で、営業時間外に、あいつダメこいつダメと陰口言って、それで採用落とすか落とさないか決まるの、どう思う」
「あんまり良くないと思う」
「じゃあ、お前はそういう大人にはなるなよ」
「この人たちも、父さん、父さんの実家のひいじいちゃんにチクるの?炎上させて辞めさせるの?」
「役に立つ間は泳がせる」
「どこかの組織の情報部みたい」
「どこにも書くなよ?『私の父さんの実家が父さんの職場のトップ』とか?」
「そう言うとなんかチート系小説。安っぽい」
おやすみ、 おやすみ。
双方が双方に夜の挨拶を交わし、父はそのまま、娘は炭酸飲料と小皿を手に自分の部屋へ。
「……おっ。やはり応募してきたか」
再度スマホを眺め、数分の未読をスワイプしていた宇曽野の目に、1名、彼のよく知る名前を記した履歴書の画像が、彼の予想通りに。
リーク大好き陸須木の評価は上々。書類選考を突破し、一次面接へ通したようであった。
宇曽野が反応した履歴書は、名前を加元という。
宇曽野の親友、藤森に狙いを定めてその心を奪ったのが9年前、自分から藤森に恋したくせに、SNSでボロクソにディスってその心魂を壊したのが8年前。
加元から離れた藤森を追って、職場にまで押し掛けてきたのが、丁度、去年。
去年の11月、藤森が加元を正式にフッて、それでこの恋愛トラブルは終了、と思われていたのだが。
「せっかく縁が切れたんだから、藤森に執着しないでとっとと次の恋に行けよ……」
あんまり店に押し掛け過ぎて、迷惑千万だったため、客として出禁を食らっていた筈の加元。
しかし職場がバレている以上、執着の強い加元は、客ではなく従業員として、自分と藤森の職場に潜り込もうとしてくるかもしれない。
そう予測して、数ヶ月前から始めていた、人事担当グループチャットの覗き見。
予測は的中し、藤森の元恋人は行動を開始した。
「今年も、騒がしくなるな」
ハァ。 宇曽野はため息をひとつ吐き、その息と声はどこにも届かず、誰と共有されることもなかった。
どこにも書けないこと。秘密の日記、というわけだ。しかしどこにも書けないということはここにも書けないということになるが。
真面目な話どこにも書けないことがあったら誰にも見せないアナログな日記にも俺は書かない。自分の心にしまっておく。
まんがやアニメなんかじゃおじいさんとか昔の人が誰にも言えないからここに記しておく、みたいな感じで日記なんかに残してたりするけど実際にはないでしょ。
誰にも知られたくないことは一切の証拠を残さない。ほんのわずかな可能性でも知られる可能性があるなら残さない。当然のことだ。
でもそういった秘密を一人で抱え込むのが苦しいというのもわかる。心の闇は誰かに吐き出したくなるものだからな。
その苦しさに耐えられなくなって、でも誰にも言えないから日記に残す。まぁ理解できることだ。俺は書かないけど。
思い切って筆を取った時は何度もあった。
書き出しはその時その時で違えど内容は一緒。
だが途中で断念し何らかの形でそれらは破棄している。スマホなら削除し、パソコンの場合はゴミ箱も空にした。紙の場合上からペンでぐりぐりと見えなくしてから細切れにして捨てた。もし私の部屋に灰皿とライターがあったらそれも使ってた。
それくらい私は書き残すことを躊躇っていた。
どこにも書けない。
書き出してから、呼吸は勿論、落ち着かないのだ。まるで、後ろに誰かいるような気が、そう、今この時も。
どこにも書けない
【どこにも書けないこと】
いつか、会えると思っていた。
そんな理想の彼氏。
私は、男性とも「友だち」みたいにつきあってしまうから、
後になってから「あの人、特別だったんだな」ってきづく。
そんな「特別」な中でも、彼は別格だった。
会社で、新しい仕事の先輩として出会い、
最初は緊張して、話し言葉は敬語。
そのうち、向こうからも「これ出来ない?」って
頼まれたり、私も苦手なことは教わったりして。
いつの間にか、対等な立場に。
誕生日は数日違い。
星座、血液型は一緒。
更には趣味まで共通点が多くて、びっくりした。
「特別」
だったんだ。
気づいた時はもう遅かった。
出向先が変わって、私は傷病休暇で会社を休んで。
いつ、自分のスマホから連絡先が消えたのか。
あんな人、二度と会えないと思う。
住んでいる場所は知っているから、
会いに行くことは可能だけど、多分行かない。
もう、会わなくなってから20年。
20年あっても、あの人みたいな相手、いなかった。
もし、勇気を出して思いを伝えていたら、
どうなっていただろう。
そんなことも考えることもあるけど。
職場では、彼と私が話していると
「夫婦漫才みてぇ」
って笑われたっけ。
実際、話していると楽しかった。
ねぇ、今でも少しは私のことを憶えている?
どこにも書けないこと
ひとつやふたつ誰にでもある。
私の場合はもっと多いかもしれない。
数えたことはないけれど、
誰にも踏み込んで欲しくない大事なもの
思い出だったり気持ちだったり、
良い悪いの区別なんかなく
秘めておきたいもの
それは沢山ある。
私だけがそうなんじゃなくて、
きっとみんな気がついてないだけ。
気づいてないふりをしてるだけだ。
気づきたくないから。
わかるよ……気づいたって
どこにも書けないんだからさ
失敗したら怖いもん。
なんでも書ける今の時代
どこにでも何度でも簡単に書けるから。
気づいてしまえば、吐き出したくなる。
書けないことなのに、書ける場所がある。
だから、気づかない方が幸せなんだ。
2024/02/08
⌇どこにも書けないこと⌇
私のトップシークレット
実は教習所の指導員さんの事が気になってること
お題 どこにも書けないこと
どこにも書けないことをここに書くなんてことは出来ない。
書けるとしたら、それは自分の心の中だけだ。
心を見られることはないから、書きたいことを書きたいように書ける。
今夜も寝る前に心の中で書く。
そうして寝れば、明日にはすっかり忘れられるから。
自分には希死念慮があります
最近は少ないけど酷い時は脳内が死ぬことしか考えてません
それでも死なない、死ねない理由があります
父に「お前が死を選びたいなら家族全員で死ぬ」と言われたことがあります
自分を殺したくても家族を殺す勇気はありません
自分はこの言葉が嬉しくも苦しくもあります
生きていく上での悩みはたくさんあれど死ねないという悩みは自分にとっての呪いであり救いなのです
初めての文章がこれでいいのかは分からないけどとりあえず記しておこうと思います