『どこにも書けないこと』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
どこにも書けないこと
ことわざに
「鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす。」
というものがある。
これは表にあらわすものよりも、内に秘めているもののほうが、はるかに心中の思いに痛切なものがあるという意味らしい。
私は蛍なので、ここにも書かずにこの思いをしまっておくとしよう。
どこにも書けないこと
つい最近、彼とは無理かも知れない…と悩んでいた
離婚を切り出したのは彼ではなく、元妻だった
彼は拒否をした
それを聞いていた私は、元妻が戻りたいと言うと戻ってしまうんじゃないかとずっと不安だった
会ってから話そうと思っていたけど、
話しの流れから聞く事になってしまった
答えはNoだった
彼曰く心の繋がりを持てないから
と言う事だった
心の繋がりなんて、私たちは繋がりまくってるじゃないか!
と安心したのも束の間
新しい不安が生まれた
でも感謝はしてるし
よっぽど困って頼る人がいなかったら手助けすると思う
一度は結婚した人だから
と言ったのだ
それを聞いてから、ずっとモヤモヤしてた私
友達に聞いても男あるあるみたいで、
女には理解できない話しと言う事になった
いつかそう言う連絡があるかも知れないのか…
じゃ、私は結婚した事ないけどあの最愛の彼が、
ごめん
sarangちゃんしか頼れなくて…って連絡来たら
手放しで助けてあげなくちゃ‼︎って言ってくれるわけ!?
元妻の最後の砦として永遠にいるわけ??
ある意味心繋がりまくってんじゃないの!?
そんな思いがグルグルと頭の中でいっぱいだった
1人不貞腐れてた
彼と私は言いにくい事も話してコミュニケーションを取っている方だと思う
喧嘩した方が良いと言う事はよく聞くが、
私達は爆発する前に話して解決するので、喧嘩にまで発展した事がない
後、根本的なところが似てるからぶつかる所も少ないと思う
でもこれに関しては、
結婚離婚の経験がない私には未知の世界で理解ができない
きっと話せば解決はするんだろうけど、
彼には話せていない
モヤモヤがあるまま、
そっけなくLINEでやり取りをしていたある日
彼からのLINEが途切れた
10分…20分…30分…経っても未読のままだ
そんな事は今まで一度もない
彼の病気、突然死が頭をよぎった
どうしよう、どうしよう
何かあったらどうしよう…
恐る恐る電話を掛けた
出なかったらどうしよう…
実家の電話番号はあのままだろうか…?
ご両親に連絡しないと
すぐに出ない…しつこく掛け続けると、
ごめん…寝てた…
ホッとした
寝てたらいいの、また寝てとすぐに切った
寝落ちかよ‼︎
と安心すると私はご両親だけではなく、元妻の事も考えた
距離的に近い人…誰だ…?…元妻だ!
結局私も近くにいないと、元妻にしか頼れる人がいないんだなと思った
彼の知人もいるが、皆家族がいる
そう考えると、やはり思いついたのは元妻だった
彼が言う手助けとは違うかも知れないが、
彼が言っていた手助けとはこう言う事かも知れないなとぼんやり思った
助け合いなのかなと
咄嗟に思いついたのが元妻で、私が頼ってしまうのなら、
私はこの知らない元妻が困っていたら助けてしまうんだろうな…とも思った
頼り頼れ
人はそうやって生きていくんだろうし
そう言う考えに至った私は、まためでたい奴なんだろうか?
「どこにもかけないこと」
顔も知らない 名前も知らない
なんにも知らない
スマホの向こう側のあなたにだから
かけることもあるよね
僕は 見たんだ…
幼い日の
とある 蒸し暑い夜…
だけど…
これを言ったら
全てがおしまいになる…
幼かったけど
なぜか わかったんだ…
だから…
胸の奥の 一番深い場所に
二度と 掘り起こせないように
記憶を 葬ったんだ
#どこにも書けないこと
エガオで頑張ってねと言ってくれてありがとうございます
「どこにも書けないこと」
好きって気持ちがどんな気持ちなのか最近わからなくなってるってこと。
どこにも書けないこと
しょうもない後悔
小さな意地
意味のない嫉妬
必要以上の自責
私ってどうなの? 大丈夫か?
でも、自分を褒めたい。
書いては消して、書いては消して。
私の「どこにも書けないこと」は、今もこの消してしまった余白の中に、ずっと眠ったままだ。
「どこにも書けないこと」
どこにも書けないこと。例えば、もう誰も呼ばない己の昔の名前であるとか。
別に思い入れもないものだった。誰が付けたのかも分からない、意味などないのかもしれない、単に個体を識別するための番号と大差ないそれかもしれない。最後に呼ばれた記憶は酷く忌々しいもので。嘲笑と共に吐かれたそれが脳裏で谺している。気を紛らわせる一服が欲しくて、しかしどうにも身体に力が入らずに起き上がれなかった。荒い呼吸を落ち着けようとしている俺の腕に、すり、と何かが擦り寄ってきた。一瞬ぎくりと身体に力が入って、すぐに抜けた。まだ思考が現実に戻りきれていなかったらしい。制御を取り戻した身体をごろりと横に向け、傍らの温もりを抱き寄せる。恋人は小さく「んん、」と声を漏らしたが、そのまますやすやと眠っている。警戒心が無さすぎるだろう。自分の腕の中で安心しきったように眠る姿が喜ばしいような、目を開けて此方を見てほしいような。がぶり、と首筋に歯を立てる。痕が残るくらいまで力を入れて、漸く恋人は目を開けた。
「どうしたんですか……」
眠気でふにゃふにゃした声に笑みが零れる。
あなたのすべてを形容する言葉など、
この世のどこにも存在しない。
このトイレ以外何もない部屋に入れられてから、数ヶ月が経った。毎日何もすることがなく、死に近づいていくのはなんだか虚しい。
とはいえ、何もものがないと、何もできない。暇にならざるを得ない。この部屋には紙と筆さえないのだ。私が何をしたと言うのだ。
思いつきを紙に起こすことも叶わない。だから何も考えないで過ごすようになり、いよいよ生きていることさえ怪しく感じられてきた。
そのとき、床に音がした。その方を見ると、小石が転がっていた。向いの牢を見ると、目をぎらつかせた人がこちらを見ていた。殺される日も近いらしい、と私は目を瞑った。
おい、と怒号まで浴びせられる。
なんですか、と私は答えた。
「か、け、!」
「……なんですか?」
「それで、、かけ!」
私はその意図に気づいて、小石を持ち、壁に文字を削り始めた。
思いつく限りの言葉を綴り始めた。
物語は無の中でこそ作られる。
どこにも書けないこと…
夕闇に消ゆるひこうき雲のごと
この苦しみも早く消えゆけ
どこにも書けないこと?本音とか?
アンタとなら本音話せる。
とか所詮建前でしかないでしょ?
その時はウチも本音話せる。
とか言って同意するけど
本音なんて人に言うもんじゃない。
って自分は思ってたりする。
─────『どこにも書けないこと』
鍵付きで 心に仕舞う 秘密事
生涯封印 墓場まで
#どこにも書けないこと
そのままでは
あまりに鋭くて
とても柔いから
小さな欠片にして
なぞなぞみたいに
物語に詩に混ぜた
わからなくていいよ
でもね、
君にはね、
ホントのホントはね――
「どこにも書けないこと」
秘密は良いこともあれば悪いこともある。例えば秘密にしていたおかげで怒られなかったことだ。しかし秘密にしていたせいで周りに何もいえず信用されなくなる時がある。だから秘密を持つのは自分に被害が来るかもしれないパンドラの箱のような物だ。
嬉しい気持ちは書けるし
言えるし
みんなに共有したいぐらいの気持ちはある
でも哀しいとか淋しいとかは
書けないし
言えないし
伝えられない
そういう時こそ周りの人を頼ってみよ!
たまには自分に優しくいこーよ
今日も一日頑張るぞー!
『どこにも書けないこと』
どこにも書けないこと
1 書く理由、読む理由
小説の定義とはなにか。
小さな説明?
そう。説明ではあるのだろう。
一言では言葉にすることが難しい、「物語」や「気持ち」を伝えるための説明。
桃太郎を知らない人に、桃太郎を伝えようと思ったら、「 むかしむかし、おじいさんとおばあさんが……」と説明していくしかない。
「 桃から生まれた人間が鬼退治をする話だよ」と端折ると、きびだんごや犬猿雉は、相手の頭には入らないのだ。
そして何より、幼子が話を聞いて胸に湧き上がる気持ち。
「 次はどうなる」とワクワクする気持ち。
読むことで、読んだ人の胸に湧き上がる物を「伝える」。
感動して「嬉しかったり、怒ったり、悲しかったり、楽しかったり 」。
読むことで心のなかで物語を経験し、経験することで感動する。
心は少し、学び、成長する。
読者にとって、それらを得ることが、小説を読む理由だと思うから。
だから、書く方も、小説を書くのだ。
読んでもらうことで、この気持ちを、経験を伝えたいから。
全く同じでなくとも、分かって欲しいから。
2 どこにも書けないこと
「 愛している」では気持ちが正確に伝わらないから、「 月が綺麗だ」と言う。
言いたいことは、決して「 月が綺麗である」ということではないけれど。
一言「愛している」と書いてしまうと、言葉にできなかった部分が抜け落ちてしまう。
私の気持ちは、愛とは少し違うかもしれない。
あるいは、「愛の定義」が相手とは違うかもしれない。
そこを取りこぼさないために、あえて、愛していると言わなかったり、一言だけではなく、色んな話をしたり。
話をすることで、「あなたと経験を共有したい」という気持ちは伝わると思うから。
私達は、人の心を直接感じることはできない。
自分の心と比較することで、「 こんな気持ちかな」と想像することしかできない。
手で触れたり、笑い合ったり、言葉を尽くしたり。
そうして時を共有することで、ようやくお互いに「気持ちが通じ合ったような気になる」のである。
こうして今回は説明のような、詩のような物を書いてみたけれど、実はこの文章で何かを伝えられるようななった気がしないのです。
時間の制限の中でできなかったけれど、これも小説にして、「心が伝わらない男女の話」にしたら、伝わるかもしれない。
*
一昔前の時代の話だ。
若い頃はたくさん「 愛している」と言い合ったが、男は寝たがるばかり、女はプレゼントを欲しがるばかり。
愛とは何なのか。
しかし、プレゼントを贈り、寝所を共にする間に、男は女を守るようになり、女は男の世話を焼くようになった。
女は男の威張ったところや寂しがり屋なところや短気なところを知り、男は女の見栄っ張りなところや世話焼きなところや強い心を知る。
それは年月を共にして、嫌なことも良いことも共有したことで、自然に感じることができたから。
二人で子ども育て、近所付き合いをして、歳を取る。
そうして積み上げたものは、とても書ききれない。
*
こんな感じだろうか。
え?小説、書いてるじゃないかって?
いやいや、中に書いているでしょう?
とても書ききれない、と。
私にとって、これは、小説未満。
まとまりもないし、普段、どこにも書けないけれど。
書き続けていたら、いつかきっと、私自身も書ききれない「この気持ち」を表現できるようになるかな、もっと伝わるようになるかな、と思いながら、何とも言えないふにゃふにゃな文章をとりあえず書き続けているのです。
この思いを
誰も言えず
閉じ込めてた思いを
少し吐き出せば
少しはよくなるかな
『どこにも書けないこと』
どこにも書けないこと
日の出前、薄闇の中全力でペダルを漕ぐ。
勢いのままに、自転車を飛び降りた。
周囲には誰の姿もない。倒れた自転車を見向きもせず、とりあえず歩いた。
何かを踏んだ。木だ。湿った小さな切れっ端のような木。しゃがんで手に取った。棒を握る様にそのボロボロの木を掴んで、先端で地面をなぞる。
思いのまま書いた。
自分の弱さ、優しさ、昨日のうわべのセリフ。
ネットで見た、世界の美しいもの、醜いもの。
何かのためというわけじゃない。ただ書いただけ。そうしたかっただけ。
帰ろう。起こした自転車に付いた砂を手で払った。振り返って、乱雑な文字を眺める。
もうすぐ一日が始まる。潮が満ちる。
波が全て消してくれる。