『ところにより雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【ところにより雨】
雨が降っている。
ところにより雨なのだろう、そう思った。
家族が死んだ。
大学生の頃に一目惚れした妻と、まだ小学生の可愛い娘。
家族の為に、頑張って買った我が家で、一緒に暮らしていた。
色々大変なことも有ったけど、家族と居るだけで、幸せだった。
妻と、娘が、どう死んだか、頭がその事を考えるな、と拒絶している。
家の三階にあるバルコニーで、酒を飲みながら、空を眺める。
好きだった酒さえも、もう味がしなかった。
雨が少しずつ、服を濡らす。
この雨はきっと、ここにしか降っていない。
今、今だけは、俺が一番可愛そうなのだ。
そう、この雨は、家族からの気持ちなのだ。
俺はただ、バルコニーから雨を眺めているだけだったが、
もう、俺は決めた。
「今行くよ」
雨と一緒に落ちていくのは、思っていたより気持ちが良かった。
テーマ ところにより雨
今日のお天気は
晴れのちくもり。
ところにより雨となるでしょう。
路地裏のじめついた匂い
どれだけ走っても晴れないこの天気は
どれだけこの世界を見てきたんだろう。
今夜は友人も呼んでタコ焼きパーティー。
しとしとと降る雨の音をBGMにして、包丁でザクザクと青ネギを刻んでいく。
ツンとした爽やかな匂いが鼻を擽り、クシャミが出そうになったが何とか堪えて、切り刻んだネギをボウルの中へ移した。
クリーム色をしたシャバシャバの液をかき混ぜながら、「ホントに固まるのか、コレ」と疑問に思う程、シャバシャバしている生地。
時計を見れば、君の帰宅時間も、約束の時間もまだだいぶ先のようだ。
試しに焼いてみるか。ウインナーで。
戸棚からタコ焼きプレートを出して、寝室から持ってきた延長コードをコンセントに差し込む。
温度調節のツマミを捻ってから、プレートが温まるまで暫し待つ。
充分に熱くなったプレートに液をおたまで流し込むと、ネギと紅しょうがをパラパラと散らし、ぶつ切りのウインナーを穴一つ一つに入れていく。
ジュウジュウと音をたてながら火が通って固まっていくのを、竹串を手に持ちながら、祈るように見つめた。
テーマ「ところにより雨」
高校卒業を機に、遠距離恋愛になった。
仕方ないよね。
「もしもし、引越し終わった?
天気予報見てたら、こっちは雨で、そっちは晴れなんだって。
雨なんて嫌だなぁ。憂鬱になるし。だからさ、
春休みだし、明日会いに行ってもいいかな?」
(きっと、この先会える日も少なくなっていくんだろうな…雨が降るから…なんて理由で…雨が降るから…
不安になるんだよね…)
傘、持たずに家出がち。
低血圧の権化なので、朝弱すぎて天気予報も見てなければカーテンも開けずに家を出るので、玄関を開けて雨に気づくこともある。
そして神様が私の事ちょっとだけおっちょこちょいに作っちゃったから、持って出た日は忘れて帰る。
この間まで4本あった傘は、現在2本になりました。
灰原哀ちゃんの目印アクセサリーを付けていたスタメンの傘を、どこかに置いてきてしまったようで。
きっとどこかで誰かが使ってくれているかな。
雨が続く予報。
桜を見に行く予定が、花弁と一緒に流れてしまいそうだ。
できれば、晴れた空と桜と菜の花で画角をいっぱいにした写真を撮りに行きたかったのだけれど。
ねぇ神様、私、おっちょこちょいにされたの怒ってないから、ちょっとだけ天気をあやつる力をくれない?
本当は花より団子より駄べりなんだよな〜といった23:57
【ところにより雨】
ところにより雨
ところにより雨とテレビで言っていた。
折りたたみ傘でいいかなと思い出かけた。
帰るころには本降りで、普通の傘で良かったと後悔した。
お題:ところにより雨
今日の天気は、曇り。ところにより雨らしい。
私は約1年8ヶ月前に、天気が悪いと強い片頭痛や身体の色んな強すぎる痛みなど、体調が悪くなってしまう病気になった。
天気が良くても体調が悪いのが当たり前。だけど天気が不安定な日は最悪だ。
「今日も泣きたくなる程きつくて外に出たいとも思わなかった。かと言って晴れていてもキツくて外に出たいと思わない。健康者の時は、あんなにアクティブだったのに、、。」
2ヶ月前までは毎日そう思っていた。
でも今は、
「今日もキツくてキツくて仕方ない、天気悪いし、、。でも少しだけ父に送ってもらい、外に出ることができた、!」と思うことができる。
付き合ってくれる家族に感謝したいし、何より頑張っている自分の全細胞、全物質に伝えたい。
「毎日、体調修復作業をせっせと頑張ってくれているから、少しずつでも前進してここまでこれてるよ。ありがとう!」
来年のこの天気の時、私が思うことはなんだろう。
2024/03/25/(日)
定時 外はところにより雨
駅までの道のりを走る
はねる水溜まりの水
心躍らない 水曜日
とまらない 耳鳴りと
耳障りな 足元の
心に見合わない 跳ねる水音に
うんざりしながら帰った 春の午後
なぜだろう それが今は
とてつもなく懐かしい
晴れると思っていた帰り道
朝天気予報で見た「ところにより雨」が自分の住む街だとは思わなかった
傘ないんだよな
走ればいけるかな
濡れたらまずいものはカバンにしまって、よし走るかって1歩踏み出したとき
急に手を掴まれて
驚いてバッと振り向いた先にいたのは幼馴染の彼だった
”もう!傘ないならLINEしなよ。てか今日の朝天気予報で雨って言ってたじゃん。”
「ところにより雨 」って言ってたよなんて言い返せば
”いいからほら傘入って。帰って一緒にココア飲も?”ってあざとく首を傾げるんだ
きっと彼は知らない
掴まれたままの手だけ温かくなってしまったこと、時々ぶつかる肩に全ての意識がいってしまって話のほとんどを聞けていないこと
……私があなたを愛していること
伝えてしまったらこの関係が崩れてしまいそうで
怖くて寂しくて今日も言えずにココアを飲む
いれたての熱々のココアをテーブルに置いて5分後に”あっココアいれたのに忘れてた”って取りに行くあなた
知ってるよ見てたもん
テーブルに置いてよしって言ってからこっちに来たの
意図して忘れてきたってバレてるから
ごめんね、冷めちゃったかなって渡してくれるあなた
好きって言いそうになっちゃうからやめてよ
何年も前から知ってるでしょ
私が猫舌なこと
テレビをつけてバラエティ番組を見るのもいつもの流れ
あなたは笑ってるけど私は笑えないの
テレビを見るあなたの横顔から目が離せないから
こうやって見られてることにも気付かないんだろうな
”あはは!ねぇ、これめっちゃ面白いね!ね!…ちょっと!聞いてる!?”って毎回言われるから今日はなんて言い訳しようかなって呑気に考えてたんだ
でも、今日は
”んふふ、ねぇ、テレビ見ないの?そんなに見られると恥ずかしいんだけど。俺の顔なにかついてる?違うよね。ねーえ、俺○○のこと好きなんだけど。同じ気持ちだったら手、握って?”
ひとつだけバレちゃったね
私があなたを愛していること
明日からは雨が降らなくても手を繋いで帰れたり…なんてね。
『ところにより雨』
『ところにより雨』
何も浮かびません。
「ところにより雨」を、とりあえず母音にしてみます。
「おおおいおいあえ」になりました。
おおおいおいあえの言葉を探してみます。
こころにそらまめ
そこのきこりたて
おかしいなぁ、音が似てれば「ところにより雨」に似た韻を踏めると思ったのですが、そんな簡単なことではなさそうですね。
区切りが悪いからかな…
いやはや、言葉は難しいですね。
全部終わった。
奴は倒した。
王にも民にも笑顔が溢れている。
だけど僕には素直に喜べそうにないのだ。
皆が消えた。彼らは消えたのだ。
____。
会いたいなぁ。
「ところにより雨」
マジか。
打っていた文章全部消えた…。
ところにより雨に当たっちまったってか…。
…マジか。
以下、記憶を頼りに打ち直し。
────────────────────────
薄曇の空を燕が低空飛行している。
今朝テレビで見た天気予報によると、ところにより雨と予報されていたが、どうやらその「ところにより」に当たったらしい。
ブラインドにかけていた指を外し、デスクのそばにある培養機へと目を向ける。
培養機の表面にあるデジタルは、正常値と培養の残り時間を表している。
…1時間ほどか。
頭の中でごちるついでに1時間以内に出来るものを上げ連ねていく。
重くなりすぎたファイル内の整理。押印が必要な書類の処理。書きかけの論文の整理…。
1時間以内ならば、ファイル内の整理と押印の雑務ならこなせそうだ。
オフィスチェアを掴むと姿勢をグッと正す。
よし、やってしまおう。
パソコンのデスクトップにあるファイルを開く。
このファイルは異常に重いので立ち上がるのに時間がかかる。
ファイルが立ち上がるまでの時間が勿体ない。
この時間を使って、デスクの上に山のように積まれた書類から、押印が必要な書類を探すことにしよう。
助手からは「机の上を整理をしてください」と言われているが、どうも書類の整理等々は苦手だ。
一見無秩序でカオスな状態ではあるが、欲しい書類のだいたいの位置はわかっているので問題はないだろう。
書類の山を崩さないよう慎重に書類を引っこ抜いていると、研究所のドアを出ていこうとする助手の姿が目に入った。
「あっ!ちょっ、ちょっと待って」
吃ったうえに掠れ声だったが、彼女には届いたらしい。
大きな目を丸くしながらこちらを振り返った。
「博士、どうかしましたか?」
彼女は封筒を持っている。
ポストか又は、郵便局にでも行くのだろう。
「一雨来そうだから、ソコの傘を持っていきなさい」
ドアの脇にある傘立てには、いつからか置き傘となったビニール傘が一本入っている。古いがまだ使うことは出来るだろう。
「コレ、ですか」
彼女は件の傘を持ちあげると顔を曇らせた。
蛍光灯に晒されたその傘は、遠目から見ても茶色く変色している。
どうやら記憶よりも更に劣化が進んでいたらしい。
どう見てもその傘は、彼女と釣り合いが取れていない。
「すっ、すまない。僕の傘を使って」
ロッカーに置き傘がある。
シンプルな黒い傘なので、女性でも使えるだろう。男性用なので大きいかもしれないが、寧ろしっかり雨を防いでくれて良いかもしれない。
机に手をつき、オフィスチェアから腰をあげた瞬間。
「いいですっ。いいですからっ。この傘使いますっ」
普段大人しい彼女からは考えられない程大きな声があがった。
彼女は顔を真っ赤にすると、変色した傘と封筒を胸に抱え、出ていってしまった。
「えっ」
間抜けな声が自分の口から漏れる。
バタンと閉まるドアの音が無情に響いた。
暫く呆然と彼女が消えたドアを見つめていたが、ゆっくりとオフィスチェアの背に手を回し、ノロノロと着席する。
席に着いた途端、ザーっと激しい雨の音が鳴り響いた。
研究所の外に出ると激しい雨が降り出した。
「博士の言う通り持ってきて良かった」
古い傘だが、しっかり雨から守ってくれている。
「さっきはビックリしたなあ」
ポツリと呟く。
まさか、傘を貸そうとしてくれるだなんて。
古い傘、嫌がったのバレたんだろうな。
気まずそうにしていた博士の顔が脳裏に過る。
ワガママな奴と思われたかもしれない。
ああ、今思い出しても無性に恥ずかしい。
咄嗟に逃げちゃったし。
助言してくれた博士に申し訳ないことしてしまった。
何かお詫びをしなければ。
博士の好きな物は、甘いものだ。
特に和菓子を好んでいる。
封筒を投函したらコンビニでも寄って博士の好きなお饅頭を買って帰ろう。
それまでに、このほっぺたの熱が冷めますように。
──────────────────────
「ただいま戻りました」
「…おかえり」
「…博士、顔色悪いですよ。具合でも悪いんですか?」
「えっ、いっ、いや。だ、大丈夫だよっ。うん。ちょっとこのお天気にやられちゃっただけ」
「博士の好きなお饅頭買ってきましたから、お茶にしましょう」
「えっ、本当?…ありがとう」
「いえいえ、こちらこそ。傘の助言、大変助かりました。お陰で濡れないですみました。ありがとうございます」
「ああ、うん。お役に立てて良かったよ」
ところにより雨
雨が降ってきたと思ったら
ここから先は晴れている。
こういうのってワクワクしちゃうよね
今日も飽きずに準備室の前にいる。
だが、生憎先客がいたみたいで零れる声を聞いてドアを開けるのを躊躇した。
盗み聞きしてる訳じゃないけど声から察するに女性みたいに綺麗な音楽のあの人だ。
みんなは綺麗だっていうけど私は先生の近くにいるあの人がちょっと苦手だったり。
先生って性別関係なく綺麗な人好きそうだし、なんてぐるぐる考えてふたりのあの場所に突撃する勇気もなく今日は諦めよう、と引き返すことにした。
ふと見上げた空は灰色だった。
「…今日は、いけません、ごめんなさい、…と。」
下駄箱から靴を取り出すついでに先生にメールを送る。
気持ちが乱れたせいか文書がメンヘラぽくなってしまったのはご愛嬌だ。
いつもならすぐに返事がくるメールも返事どころか既読すらつかない。
モヤモヤにモヤモヤが募ってもう泣いてしまいたい気分だった。
「先生のばか……、」
ぐしゃっと嗚咽が出たのが最後、本当に泣いてしまいそうできゅっと口を結んだ。
こんなことで泣いちゃうとか本当に子供みたいで嫌だったから。
「……っ、いた!良かった。まだ帰ってなくて…」
突然後ろから聞きなれた先生の声が聞こえた。
びっくりしたのとくだらない想像で不安になった私はたぶんとんでもなく情けない顔をしていただろうに。
「…今日も来てくれるかと思って帰りでいいかなって思ってたんだけどね…、貴方朝傘もってなかったから…もう帰っちゃうならこれ使って、?」
そうあがる息もそのままに先生はそう言った。
私が来るの待っててくれたんだとかあの人はいいのとか、言いたいことも聞きたいことも色々あるけど……、
「…先生だいすきっ、」
「うぉっ、ちょ、…今はダメよ。帰っちゃうなんてもしかしてなにかあった?めずらしいね、」
抱きつきそうになった私を先生の腕がさとす。
むぅ、なんて声をあげて抵抗してみればダメだからとデコピンをくらった。ちょっぴりいたい。
おでこを抑えながら喋り出す。
「何も…ただ、自分の弱さ具合に辟易して……」
「へきえき…?うんざりするとかそういう?」
「ん、……そうです、」
「そっか、なるほどね。…でも貴方の心配しているようなことは俺たち何も無いよ。あの人確かに綺麗だけどクソ坊ちゃんだしね?」
くふふ、と笑った先生は重ねてだから、帰らないよね?ってわんこみたいな顔で私にそう言った。
いつの間にか土砂降りだった雨は止んでいる。
空も私と同じように機嫌直したんだね、なんて考えながら先生と2人で準備室へと向かった。
「ねぇ〜その子俺にも会わせてよ、音楽取ってくれてないから会えないし俺が教室行ったら不審者じゃん?」
「絶対イヤ、ってかいつまでいるのよ貴方……」
2024.3.24『ところにより雨』
ところにより雨
車の窓から見えた。
僕が居る所は雨降ってるのに
遠くの山の方は青い空が見える。
……あれ虹が架かっている。
願い事すれば叶うのかな。
『……はいっ、佐藤さん
ありがとうございました。
これからの高坂選手の活躍が楽しみですね。
(♪メロディ)
続きまして、
心天気予報のお時間です。
心象予報士の新田さーん!
はい、心天気予報の新田です。
今朝はかなり冷えましたね、
皆さん、夢見はいかがでしたでしょうか。
それでは、今日の全国のお天気から。
今日は先月末の■■地震の影響で、
広範囲でくもりが続く見込みです。
一日中冬季うつ並の冷え込みが
続く予想となっていますから、
みなさんなるべくカーテンを開けて、
日が出ている時間は日光を浴びてくださいね。
また、■■地方から●●地方にかけて、
引き続き余震に警戒が必要です。
強い不安や不安の伝播等の影響で
ところにより雨が降るでしょう。
なるべく安心できる人とよく話し、
心に余裕をあらかじめ作っておいて下さいね。
被害にあわれた方やご家族は
心の傷つきが特にひどく、
大きな嵐や豪雨が続いたり、
不自然な凪が続いたりといった
異常心象が予想されており、
心象庁から特別警報が発令されています。
こういった状況こそ助け合いが重要です。
ご家族やご友人、お隣さん、
皆さん声をかけあって、
命を守る行動をしてください。
助けが必要な方や、
そういった方を見つけた方は、
必ず避難所や病院に併設されている
心象救護所へ向かうか、連絡して下さい。
人命に関わりますので、必ず早めのケアを。
詳しくは心象庁のホームページや、
気象庁のホームページをご確認下さい。
電話やSNSでのホットラインはこちらです。
続きまして、各地方の詳しいお天気を……』
ぱちりと目を開く。
遅れて、夢を見ていたことに気がついた。
カーテンを閉め忘れた外は真っ暗で
夜明けの遠さを知る。
夢か。いやにリアルなのに、非現実的だった。
ああでも、これくらいの予報があれば安心なのか?
それとも、来たる嵐にさらに怯えることになるのか。
しばらく考えて、二度寝することにした。
考えたって意味の無いことは考えないに限る。
考えてしまうなら脳みそ強制終了だ。
さて、つぎはどんな夢を見るのだろうか。
消し忘れたラジオが、
昨夜呑んだビールの空き缶の隣に居座って
『ハート製薬が午前3時をお知らせします』
などと返事もないのに喋りかけていた。
「ところにより雨」
最近のラジオはテレビの音も聞けるそうですね。私は深夜ラジオが好きで、でも山のせいでよく聞こえないものですから、必死にちょうどよくアンテナが受信する位置を探して聞いていました。
朝日が美しく、キラキラ光る空気のプリズムを見た。
久しぶりにさわやかな朝に感動していた。
さぁ、今日も頑張ろう。
車を出して職場までの25分。
晴れた空を見上げながら、大好きなCity POPが流れる車内。意気揚々と出発した。
フロントガラスに水滴。
え?雨?
こんなに晴れてるのに?
これが本当の天気雨というものかな?
それもまた久しぶり。
春だね。狐もお嫁に行くんだね。
不思議だな。同じ雨でも、こんな晴れの日の雨は憂鬱じゃない。
花粉で汚れた車は、パラパラ雨では余計に汚れが酷くなる。
ワイパーを動かすと、なんだか更にフロントガラスは汚くなった。
あー。もっと沢山降ってくれないかな?どうせなら洗車機みたいにザーっと。
願いが届いたのか、たぶん傘無しでは歩けないほど降って来た。
空はまだ晴れて輝いていた。
狐がみんなに祝福されてるんだ。
ライスシャワーじゃなく、シャワーだね。
『おめでとう』の天気雨。
『続いて、今日の天気予報です。
山崎さん家では、つい先月に赤ちゃんが生まれたばかりで、ここのところ爽やかな快晴が続いています。
この番組の溝口スタッフは、最近恋人と喧嘩をしてしまい、だんだんと雲が多く近づくようになると予想されます。』
『明日は月曜日。
ところにより"雨"が降りそうです。』
『_さん、ありがとうございました〜
……では、続いて…………』
「ところにより雨か…
はあ……。
今日友達と焼肉行ったろ……。」
そう呟いた人間の家に書いてある苗字は、"溝口"だった。
_2024.3.24.「ところにより雨」
これから幸せな家庭を持つことになるので、「山」。
だんだんと溝ができていくように関係が悪化しているため「溝」です。
ところにより雨
お前はずっと俺の隣にいて。
一緒に美味いものを喰ったり、
一緒に楽しい事やったり、
一緒に辛い事を乗り越えたり、
いつでも『一緒』が普通だと思ってる。
そりゃ、文句が全く無い訳じゃない。
時々不機嫌になることもあるし。
偶に、喧嘩だってするし。
それでも。
俺達の絆は、揺るぎないものだと思ってるし、
俺はお前の一番の理解者だと思ってる。
だけど…。ふとした瞬間。
お前の心の中に、元彼との思い出が、
今も色鮮やかに残って居ることに気付かされると、
俺の心は俄に掻き曇り、雨模様になり…。
そして、大粒の雨粒が落ち始め、次第に大雨になる。
だけど、俺はそれに気付かない振りをする。
…ほら、晴れてるじゃないか。
雨なんか、何処にも降ってない、と。
俺の心は、
晴れ時々曇…ところにより雨。
でも、こんな時こそ俺は、
眩しい程の快晴の笑みを浮かべて見せるんだ。
所により雨なのは
いつも
雨男さんが
いるから、
でもそんな今日は
色んな人に逢えた。
所に寄り雨で
物販に行って
皆んなに逢えた。