『つまらないことでも』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
緑化委員には、必ずやらなければならない活動がある。
夕方四時、校舎の隅に植えてある椿に銀の如雨露で水をやる事。曜日は関係なく、天気も関係なく。休みの日も、雨の日も、雪の日だろうと毎日、必ず。
逆を言えば緑化委員は、この椿の水やりが唯一の活動であった。
「めんどくせー」
愚痴をこぼしつつ、如雨露に水を入れる。
空を見上げれば、曇天。予報では夜には一雨来るという。
意味がないと思いながらも、手は止めず。これが委員会の活動だと理解して入ったのだから、文句も言えず。
溜息を吐き水を止めると、如雨露を持って歩き出した。
校舎の裏。敷地の隅に、その椿はある。
花の咲かない椿。先輩や先生の誰もが、咲いたところを見た事がないという。咲いてはいけないと、咲けば良くない事が起きるのだという噂すらあるほどだ。
その椿の根元に水を撒く。これで委員会の活動は終わりだ。
時間の無駄だなと内心で愚痴を溢し、如雨露を片付けに踵を返す。次は二週間後だ。
楽ではあるが面白みのかけらもない委員会に、入った事を少しだけ後悔した。
今日は朝から騒がしい。生徒だけでなく、先生方も落ち着かない様子で動き回る様子に、何かあったのかとつられて落ち着かなくなりながらも教室に入る。
「はよ。何かあったのか?」
「知らねえの?椿が咲いたんだとよ!」
「水やりサボった奴が、行方不明なんだと!」
水やり。昨日の担当は確か、隣のクラスの奴だったと思いながらもクラスメイト達の話の続きを聞く。
「最近、何かやべー事続くよな。この前は二年のクラスでも色々あったじゃねーか。まだ目が覚めないんだろ?」
「ころも様、だっけ?ほんと女子ってそーゆーの好きだよな」
「その前にもあったよな。何かの呪いだか、儀式だかをやって狂った女子」
「もう呪われてんじゃね?この学校」
怖いと言いながらも笑って会話を続けるクラスメイト達に、無言で教室の扉を指差す。そのタイミングで険しい顔をした先生が教室に入り、慌てて席に着く彼らを見ながらも、ふと椿の水やりは儀式に似ているなと、そんな事を思った。
放課後。今朝の椿の件があり、校舎内には誰もおらず。
けれども水やりの活動は変わらず。よりにもよって、今日の担当である事に自分の運の無さを嘆いた。
如雨露に水を入れ、椿の元へと向かう。
校舎にも校庭にも誰一人いない。静まり返った学校はまるで違う場所のようで。帰りたいと、足を速めた。
「……ぁ」
目の前の光景に、足が止まる。
咲くはずのない椿。その花が。
赤く、紅く。瑞々しく、艶やかに咲き誇り。
その側で椿を見上げる、一人の女生徒。
こちらに気づき、笑みを浮かべた。
「今日の担当か。ご苦労な事だね」
「誰…?」
問いには答えず。ただ笑みを浮かべたまま、手にしていた如雨露を指差す。
「つまらない事、退屈な事だからといって疎かにすると、足元を掬われる事もあるから気をつけて」
その言葉に何故か水やりをサボり、行方不明になった委員の顔が浮かんだ。
「水やりをしないと、椿に殺される…」
「確かな理由がなければ。そしてそれが続けばそうなるね…あれは一度も来なかったみたいだから。他にも何人かいるらしいけど、今回のこれでどうなるやら」
呆れたように肩を竦めて椿を見上げる。その視線は優しく、どこか憐れんでいるように見えた。
「昔の誰かが、ただの椿に意味を持たせたんだ。祈りを込めて、毎日椿に水を与えた。その人が死ぬまで欠かす事なく、死んだ後も他の誰かがそれを引き継いでここまできた。長い時間の中で意味は忘れられ、形だけが残った…ここまで大きいと、もうどうにも出来ないね」
「……その、意味って。祈りっていうのは」
「さてね。どうだったかな」
忘れてしまったよ、と素知らぬ顔をしながら、彼女は立ち竦む自分の横を通り過ぎ、去っていく。
「それよりも覚悟をしておいたら?しばらくは椿の専属になるだろうから」
「えっ?」
「だって怖くて近づけないだろう?特に今日は誰も来れないと思っていたよ」
唐突にかけられた言葉に慌てて振り返ると、足は止めずに後ろ手で手を振られた。その意味を理解して、思わず肩を落とし溜息を吐く。
振り返り椿を見る。
一瞬だけ、焼けた町を背後に黒く煤けた幼い少女が、椿の根元に手にした水を撒き必死で祈る幻を垣間見た。そんな気がした。
20240805 『つまらないことでも』
「つまらないことでも」
「前回までのあらすじ」────────────────
ボクこと公認宇宙管理士:コードネーム「マッドサイエンティスト」はある日、自分の管轄下の宇宙が不自然に縮小している事を発見したので、急遽助手であるニンゲンくんの協力を得て原因を探り始めた!!!お菓子を食べたりお花を見たりしながら、楽しく研究していたワケだ!!!
調査の結果、本来であればアーカイブとして専用の部署内に格納されているはずの旧型宇宙管理士が、その身に宇宙を吸収していることが判明した!!!聞けば、宇宙管理に便利だと思って作った特殊空間内に何故かいた、構造色の髪を持つ少年に会いたくて宇宙ごと自分のものにしたくてそんな事をしたというじゃないか!!!
それを受けて、直感的に少年を保護・隔離した上で旧型管理士を「眠らせる」ことにした!!!悪気の有無はともかく、これ以上の被害を出さないためにもそうせざるを得なかったワケだ!!!
……と、一旦この事件が落ち着いたから、ボクはアーカイブを管理する部署に行って状況を確認することにしたら、驚くべきことに!!!ボクが旧型管理士を盗み出したことになっていることが発覚!!!さらに!!!アーカイブ化されたボクのきょうだいまでいなくなっていることがわかったのだ!!!
そんなある日、ボクのきょうだいが発見されたと事件を捜査している部署から連絡が入った!!!ボクらはその場所へと向かうが、なんとそこが旧型管理士の作ったあの空間の内部であることがわかって驚きを隠せない!!!
……とりあえずなんとかなったが!!!ちょっと色々と大ダメージを喰らったよ!!!まず!!!ボクの右腕が吹き飛んだ!!!それはいいんだが!!!ニンゲンくんに怪我を負わせてしまったうえ!!!きょうだいは「倫理」を忘れてしまっていることからかなりのデータが削除されていることもわかった!!!
それから……ニンゲンくんにはボクが生命体ではなく機械であることを正直に話したんだ。いつかこの日が来るとわかっていたし、その覚悟もできたつもりでいたよ。でも、その時にようやく分かった。キミにボクを気味悪がるような、拒絶するような、そんな目で見られたら、お覚悟なんて全然できていなかったんだ、ってね。
もうキミに会えるのは、きょうだいが犯した罪の裁判の時が最後かもしれないね。この機械の体じゃ、機械の心じゃ、キミはもうボクを信じてくれないような気がして。
どれだけキミを、キミの星を、キミの宇宙を大切に思ったところで、もうこの思いは届かない。でも、いいんだ。ボクは誰にどう思われようと、すべきこととしたいことをするだけ。ただそれだけさ。
そうそう、整備士くんや捜査官くんの助けもあって、きょうだいは何とか助かったよ。
712兆年もの間ずっと一人ぼっちで、何もかも忘れてしまって、その間に大事な人を亡くした彼は、ただただ泣いていた。ずっと寂しかったよね。今まで助けられなくて、本当にすまなかった。
事情聴取は無事に済んだ!その上、ボクのスペアがきょうだいを苦しめた連中を根こそぎ捕まえてくれたからそれはそれは気分がいい!
だが、実際に罪を犯した以上、きょうだいは裁判の時まで拘留されなければならない!なぜかボクも一緒だが!!
……タダで囚人の気分を味わえるなんてお得だねえ……。
牢獄の中とはいえ、随分久しぶりにふたりの時間を過ごせた。小さな兄が安心して眠る姿を見て、今までずっと研究を、仕事を続けてきて本当によかったと心から思ったよ。
きょうだいのカウンセリングの付き添いがてら、久しぶりにニンゲンくんと話をしたんだ。いつも通り話がしたかったけれど、そんなことはできなかった。
ボクの心は、ボクの気持ちは紛れもない本物だと信じて欲しかったけれど、受け入れてはもらえなかった。
機械のボクはもう、キミに信じてもらえないみたいだ。
でもまあ!!!きょうだいもボクも元気に牢獄暮らしが送れているうえ、旧型管理士の彼女も調子がよさそうだから、当面はよしとしようか!!!
多分ニンゲンくんの事情聴取も終わっている頃だろう。あとは何度か取り調べを繰り返して、いつか来る裁判の時を待つだけだね。
……ニンゲンくん、今頃どうしているかな?
……というかこの「あらすじ」、長すぎるね!!!何がどう荒い筋だと言うんだい???……また作り直さなければ!!!
ふえぇ全然時間が取れないようぅ……。゚(゚´ω`゚)゚。
あとどこに書くのがいいのかもわからないよぅ……(´•̥ω•̥`)
────────────────────────────────
自称、いや、コードネーム「マッドサイエンティスト」。
自分はあいつを、機械だからなんて理由で突き放してしまった。
あれからたくさん考えた。
ひとは裏切るが、機械は裏切らない。
でも、いつかあいつにも壊れる時が来る。
とはいえ、いくら感情的に、頑丈に作られていたところで、そもそも機械に愛なんて理解できない。どうあがいても、あいつらの「愛」なんてものは紛い物でしかないんだ。
でも、自分はどうなんだ?
ろくに愛されたことも、愛したこともないのに。
知ったかぶりの愛の方がよっぽど紛い物じゃないか。
「愛」なんてものは、少なくとも自分の見ている世界に存在しない。存在し得ない。
それでも。
あいつはあいつのやり方で、宇宙を守り、自分を愛そうとしてくれた。
なのに、自分はそれを拒んでしまった。
愛が紛い物だったらなんだ?作り物だったらなんだ?
今まで誰にももらえなかったものを、あいつはただ純粋な気持ちで与えてくれようとしただけなのに。
自分はあいつの全てを否定して、悲しませてしまった。
だからせめて謝らないと。
自己満足かもしれない。でも、自分はあいつを傷つけたんだ。
あいつが置いていった端末を使って、連絡をとってみる。
通話をしようとしたが、「この番号には通話できません」というエラーが表示された。
何か事情があるんだろうか。それとも───着信拒否か?
いや、そのくらいされても文句は言えない。
……。
……あ、もう買い物の時間だ。
今日は適当に安いもの買って食べよう。
自分は曇り空を見つめながら外に出た。
゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚ ゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚
「マッドサイエンティスト。」
誰かがボクの名前を呼んでいる。
「……ん???キミは……。」
「会うのは初めてだな。私は面会室の機器類を管理している者だ。」
「へぇ!どうもよろしく!」
「で、ボクに何の用だい???」
「あぁ。面会室の端末に何処かから着信を試みた履歴が残っていてな。調べたらどうもお前が持っている端末からのものだと分かった。」
「なるほど?……ボクはずっとこの部屋にいて、ついでに言えば機器類は持っていないよ???……あっ。」
「心当たりがあるのか?」
「もしかしたら……あるかもしれない。」
「曖昧だな。」
「ちょっとこっちから掛け直してもいいかい?」
「無闇に外部と接触するな。」
「えー?!!ケチ臭いねえ!!!いいじゃないか!!!」
「だめだよー!おじちゃんだめっていってるもん!」
「⬜︎⬜︎、向こうで遊んでてって言ったじゃないか!」
「ボク、おにーちゃんだからおとうとがしんぱいなのー!」
「ボクはいつだって大丈夫だからさ、ほら!遊んでおいで!」
「むー!わるいことちたら、だめー!だよ?」
「悪いことはしないから安心してね?」
「その間、いい子でお昼寝でもしておいてよ!」
「ひとりでねんね、やー!」「まいったなあ……。」
「そうだ!この部屋の管理人くんにきょうだいを見てもらう間、機器管理のキミにボクを見張ってもらおうか!」
「⬜︎⬜︎、それでいいかな?」「んー。わかったの。」
「というわけで、みんな頼んだよ!」
「……なんで私まで……。」
+.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+ +.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+.:゚☆゚:.+
「この番号、お前の端末のものだろう。」
「ああ、たしかに。これは事件現場の宇宙の拠点に置いてきたものだ。そこからかけてきた誰かがいるんだろうね。」
「話があるなら早く済ませてあの小さいのの面倒を見てやれ。」
「はいはい。」
ボクは端末と通信をしてみるが、なかなか繋がらない。
参ったな。あまり時間はなさそうなのに。
しばらく、何度も掛け直す。
でも、キミは全然出てくれない。
もしかして、誰かのイタズラだったりするのだろうか?
……それじゃあ、次で最後にして、原因究明に努めようか。
静かな待ち時間が続く。やっぱりさっきの通信は端末の故障によるものだったのかもしれない。
そりゃ、キミがボクに連絡してくるはずがないよね。
ボクは何を期待していたのだろうか。
ため息をつきそうになったその時。
『……あ、はい。』
「もう!!!やっと繋がった!!!」
「一体何があったんだい?!!話したまえ!!!」
『ちゃんと、あんたに謝らなきゃと思って。』
「……。」
『勝手に理想を押しつけて、生き物じゃないからって拒絶して、嘘つき呼ばわりまでして。最低だよな。』
『……許してもらおうとは思わない。むしろ許さないでほしい。大事にしてくれてたのに、愛してくれてたのに、自分はそれを蔑ろにしたんだ。』
『あんたの気持ちも考えずに、勝手に怒って謝ろうとして。自分勝手なのは分かってる。……これが最後の連絡になっても仕方ないとも思ってる。』
『だから、謝らせてほしい。』
『今まで、本当に悪かった。……ごめんなさい。』
「……。」
「そうだね……。」「キミって、自分勝手だねえ。」
『……ああ、その通りだよ。』
「……大体さあ!!!ボクが機械だからって何を言っても何も思わないと思っているのかい?!!そんなはずはなかろうよ!!!」
「そんな自分の都合よくさあ!!!謝りたいから謝って!!!相手に許してもらおうだなんて!!!ボクを舐めてかかっているのかい?!!」『……。』「ほら、何か言ってみたまえよ!!!」
「まあいいや!それよりも、今までボクと過ごしてどうだったんだい?楽しかったかい?それとも面倒だったかい??」
『……。』
「ボクはねえ!!!キミといられて、とっても幸せだったよ!!!色んなもので遊んだり、料理をしてみたり、美味しいものを食べたり、自然を見にいったり!!!」
「すごく素敵な時間だったから、ずっと一緒にいられたら嬉しいなぁ、って今でも思っているよ。」
「キミにとってはつまらないことでも、ボクにとっては全てが色鮮やかで輝いていて、すごく暖かくて。とても大切な思い出なんだ。」
「ニンゲンくん、大切な思い出をありがとう。」
『……あんな言い方されたのに、憎くないのか?』
「いーや?全然?」
「だってキミは、ボクの大切なひとで、大切な宇宙の一部なんだから!!!」
「さて!!!元気は出たかい?!!」
「美味しいものをたくさん食べて、元気に過ごしたまえよ!!!そろそろ時間が来てしまうから、今日はこれまでだ!!!」
「じゃあ、またね!!!」
『……ありがとう。また。』
ニンゲンくんはボクの読み通り、素直じゃないなぁ。
でも、そこがニンゲンくんらしくて面白い!
もう少し、そばにいられたらなぁ。
……なんて思いながら、ボクは部屋を後にした。
『つまらないことでも』
目が覚めた。私の意識は自然と窓に向いた。硝子の向こうには雲ひとつ無い青空があった。私は少しだけ口角が上がった。何故か、まだ学校にも向かっていないのに、私は放課後のことばかりを考えていた。
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
チャイムの音で私はハッとした。いつの間にか学校が終わっていた。教室を出た私はいつもの道を少し早く歩いていた。
いつもは、英単語を詰め込むための道でしかないこの道。ただ歩いているだけなのに、歩く音は軽快なリズムに。車がすぎていく音は、それにスパイスを加えていた。こんなにも帰り道が充実しているのは人生の中でも初めてかもしれない。いつもはつまらないことでも、今日は足どりが軽かった。
気づくと、ピアノの音が聞こえてくる。私は音に案内されるように、あの場所へ向かった。
[こんにちは、、]
「いらっしゃーい。あ、この前の。」
そう言って迎えてくれた朝日さんは、ピアノと向き合うように座っていた。
「今日、めちゃくちゃ天気いいね。快晴って感じする。」
[そうですね。あ、覚えててくれてたんですね。]
[この前言い忘れてたんですけど、、誠です。名前。]
「へぇー。かっけー。あぁ、やだった…かな。」
[いいんです。今までも、言われてきたんで。]
[朝日の方がよっぽどいい名前だと思います。とても似合っています。]
「そんなこと言ったら、君もだよ。」
[え。]
そう言って顔を上げると、朝日さんと目が合った。目を丸くした朝日さんはまっすぐそう言った。
名前を褒められただけなのに。ただそれだけ。
朝日さんといる時間が、私にはこの時間が輝いて見えた。
《朝からの使者》EP.2 青空と輝き
つまらないことでも仕事であれば一生懸命やるかというとつ・つ・つまんない、つまんないな〜。とかなりつまらない。
信号で停まったらニュートラルに入れて。
いや、入れなくて良かったんだっけ?
あれ?なんでいれるんだっけ?
そもそも何で、私はニュートラルに入れるようになったんだ?
おや?
余計なことを考えず運転に集中、集中。
「あ、そうか!」
「お母さん、突然叫ぶのやめてくれない?うるさいわ」
娘に言われて、運転しながら謝る私。
こんな、つまらないことでも、些細なことでも、あいつのことは覚えている自分に笑ってしまった。
「今度は突然笑うとか、不気味なんですけど?お母さんおかしいよ」
また、娘に言われて謝る私。
35年も前のことか。
しょーもないな、私。
お題『つまらないことでも』
つまらないことでも
つまらないことなら言うなー!
つまらないことならするなー!
自分が、つまらない人にならないように
つまらないことを、わざわざ数えて探して
イライラしたとかするとか言うなー!
他人は貴女を気持ちよくするために生きていないし、地球は貴女を気持ちよくするために回ってない。
つまらないことでも、つまらないと思うものでも、楽しみ方を見つけること、たとえば置かれた場所がつまらんならそう試みる。
それでも、駄目なら自分の居場所は自分で決めろ!つまらんとイライラ探してイライラするとか言ってる間に、手離せばいいつまらないことにしがみついて、腐った顔して不平不満ばかり言ってみても、あんたの不満を解消するのはあんただよ誰でもないから。
最後に笑う人になれ
色々、あっても平気な顔して笑ってろ
最後に笑えれば、ワハハと笑えれば
人生圧勝。
令和6年8月5日
心幸
つまらないことでも
あなたが好きなものなら私にとってどんなにつまらないことでも楽しめそう
つまらないことでも、話しをしたり報告しあったりした方がいい。
些細なことでも一緒にやったり、分かち合ったりすると仲良くいられる。
でも、遠慮したり、面倒だったりで、気が付いた時には遠く離れてしまっている事も多い。
ほんの少し意識して暮らしていきたい。
「今日さどっか遊びにいこーぜ」
そう言って家に帰る支度をしていた俺に声をかけてきたのは、隣のクラスの俺の幼馴染。
こいつとは生まれた時から家も隣同士で、毎日のように遊んでいた。それは今でも変わることなく、高校生になっても続いている。
「どこ行くんだよ」
こいつと遊ぶのは好きだ。つまらないことでもこいつとならなんでも楽しい。もう何年も一緒にいるから、お互いのことはなんでもわかる。今日いいことあったのかなとか、体調悪そうとかそういうの。
「海とか?」
海なんて久しく行っていない。男二人で海というのもどうかと思うが、こいつとなら別にいい。外は溶けそうなくらい暑いのだ。海なら少しは涼しくだろう。
「今日ジャージ持ってきてないけど」
俺は今日体育もなかったからジャージは持ってきていない。明日も学校があるのだ。制服では海に入れない。
「足いれるくらいなら大丈夫だろ」
さすが陽キャ。長い時間一緒にいるのになぜこうも違うのか。
こいつは誰とでもすぐに打ち解けることができて、友達も多い。それにモテる。顔は男の俺からみてもカッコいいと思うし、身長もたかい。もてないほモテない方がおかしいだろ。こんなやつ。
それに比べて俺は、人との会話も苦手だし、友達だってクラスに二、三人くらいしかいない。顔もそこまで良くないし、身長もこいつより低い。
どうしてこんなに違うのか。世界一の謎だろ。
「たしかに」
カバンを持って立ち上がる。
こいつと海に行けるのが少しだけ楽しみで自然と口角が上がってしまう。
「早くいこーぜ。暗くなったら入れないだろ。」
こいつもテンションが上がってるのか、俺の横を走っていく。
「走るなって」
慌てて俺も走り出す。こいつは足も早いのか。全然追いつかない。
俺の足の遅さをみくびるなよ。今だって全力で走って追いつかないのだ。だから本当に走らないでくれ。海に着く前に死んでしまう。
「おせーよ」
そう言ってスピードを少し落としてくれた。
このくらいなら走れるかも。
少し安心した時、こいつは俺の腕を引っ張ってまたスピードを上げた。
腕を引っ張られているから、強制的に走らされて俺の足はもう限界だ。
「もう無理」
死にそうになりながらも必死に走って、やっとバス停に着いた。バスは後二分でくるらしい。その間にこの上がりきった息は整うだろうか。
「体力無さすぎ。これくらい余裕だろ。」
隣の男は涼しそうに、俺のことを笑っている。
じとっと睨むと「ごめんごめん」と、適当に言われた。
絶対にこいつの制服を海で濡らしてやろう。それで明日先生に怒られろ。
そうこうしてる間にバスが来た。二人で乗り込み席に座る。ここから海まで五駅。結構な距離があるがこいつとなら一瞬だろう。
「海行く前にコンビニよろーぜ」
コンビニは俺も行きたいと思ってた。アイスが食べたい。バニラ味のアイス。アイスはバニラが一番うまい。
「あり。アイス食いたい」
あそこのコンビニにはどんなアイスがあったっけ。前に行ったのは小学生の頃だからあまり覚えていない。バニラのアイスがあればいいのだが。たまにあるんだよな。バニラ味を置いていないコンビニ。
「バニラあるといいな」
こいつは俺のことをなんでも知っている。俺がバニラ以外食べないことも覚えていてくれたのか。その事実が少し嬉しかった。
二人でたわいもない会話をしていると五駅なんて一瞬で過ぎ去り、ここはもう海がある駅だ。
運転手さんにお礼を行ってバスから降りる。
二人でコンビニに寄って、飲み物やアイス、お菓子を買ってコンビニから出る。無事にバニラアイスも買えて満足だ。
「あ、海見えてきた」
そう言ってまた俺の腕を引いて走り出す。さっきよりはスピードも落として走ってくれているから、俺でも着いていけそうだ。
三分くらい走ったか。目の前には真っ青で、大きい海。
「でけー」
こんなアホみたいな感想しか出てこないのか俺は。
荷物を置いて、靴を脱ぐ。暑い砂浜の上を走って波打ち際へ。
「つめてー」
足先を入れると今までに熱が一気に引いて、冷たくて気持ちいい。
「おりゃ」
俺は少し水を手で掬い、水をかける。こいつの制服が濡れ、さっきの仕返しができたことに満足する。
「おい」
そう言って俺がかけた量の倍はあるであろう量の水を、俺にかけてきたこいつを俺は許さない。俺の制服はびちゃびちゃだ。親や先生に怒られる心配よりも今が楽しくて、俺もやり返す。そうして二人でびしょ濡れになった。
「どーすんだよ。これ。」
こんなに濡れていてはバスも乗れないし、帰れない。
それでもいいと思えるくらい楽しかったのだ。こいつといると周りが見えないくらいの楽しいが多くなる。
「とりあえずジャケットだけでも乾かそーぜ」
そう言って海から出て砂浜を歩いていく。俺も後ろをついていき、さっき荷物を置いたとこまで戻ってきた。
そうして二人で並んで砂浜に座り、お互いの濡れた服や顔を見て笑い出す。
ああ、やっぱりこいつといるとなんでも楽しい。
他のやつとなら絶対にしないことでも、こいつとならやってもいい。楽しくなるってわかってるから。
ずっとこいつの隣にいたい。そう思ってしまうのはなんでも楽しくしてしまうこいつが悪いのだ。
今更こいつの隣を誰かに渡すつもりはない。重いって自分でもわかっている。こいつにはバレないように、この気持ちは自分だけのものにしよう。
「またこような」
そう言って隣で笑ってるこいつは俺の気持ちがわかっているのだろうか。
つまらないことでも
嫌なことでも
貴女となら、
楽しくして魅せるから
早く帰っておいで
何事も面白おかしく楽しんだ人が
羨ましくて仕方ない
『つまらないことでも』
つまらないことも君と一緒だったら楽しい
つまらないことも一つ目線を変えてみたら
つまらないこともやり方を変えてみたら
つまらないことも同時に進めたら
つまらないことも楽しいに変わるかも
2024 8 5 #つまらないことも
叶流(偽名)
つまらないことでも、笑っていよう。
そしたら少しは楽しく感じれるかもしれないから。
つまらないことでも
うーん 何が、つまらない
そう思えば、何でも、つまらなくなる
つまらなくても、いいじゃないか
つまらなさそうでも、案外、面白いこと、興味持てること、結構あるよ
つまらないこと、無いさ
世の中、捨てたもんでもないよ
これからだ
これから、楽しまなきゃ
ハッピー
『靴は二足 小人も二人 靴屋は一人』
私は、靴屋をやっている。昔は人気だったんだが、今はもう生活はカツカツだ。もう、靴一足分の皮しかない。この皮を使って靴を作ったらお店を閉じてもいいな、そんなことを考えた。実のことをいうと、私は靴作りが好きじゃない。
祖父の代から続く、靴屋を残したい。これが親父と母の口癖だった。継ぐつもりはなかったが、ものづくりが好きな妹がいい人を見つけてなんとかしてくれるだろうと思ってた。でも、妹は九つで病気によって死んだ。両親は悲しんだ。しかしそれは、娘がなくなったことからくる悲しさではなく、有力な後継ぎがいなくなったことからくるものだった。妹の葬式を適当に済ませ、私に靴作りを教え始めた。靴作りは楽しくもなかったが、将来の夢なんかなかったから、抵抗もしなかった。二十歳になって、本格的に仕事が始まった。ただただ、毎日靴を作るだけ。娯楽とかにも出会わず、趣味も見つからなかった。仕事をしない日は、見合いをさせられた。恋愛フラグが立ったらへし折ってやったけど。四十一歳のとき、親父が死んだ。母がいたから、涙を流した。四十五歳で、母が死んだ。誰もいないから泣かない。 靴作りをやめようか考えたが、靴屋はそこそこ人気だし、何より私は靴作り以外何もできない。今からこのおっさんが、第二の人生を楽しめる理由がない。作業机に向かった。縛られるものがないのに楽しくもないことをする。これがどんなにつまらないか、想像は容易いだろう。無気力な生活を二十五年くらい続けている。 …映像が今の私になったところで起きた。どうやら途中で寝てしまったようだ。眠い。この靴の皮を切ったら寝よう。お休み。
年だから、夜中に目が覚める。作業机の明かりがついている。机の上では、二匹の小さな男女がいた。二匹は、歌いながら踊りながら靴を作っている。靴が完成したら、どこから取り出したのかギターを弾いたり、話をしていたりする。二匹でクスクス笑う姿を羨ましく思った。
自分の人生はつまらない人生だなあ。やりたくないことを何十年もやって。やめたり、逃げるタイミングはいつでもあった。それなのに私は靴作りをしてた。もしかして、愛着があったのかな。つまらないことでも、好きっていう感情は生まれるのかな。何だよ、何だよ。よくわからない気持ちが涙で溶ける。つまらないのに…
(つまらないことでも)
あさ起き、やりたいことが沢山で整理できず、少し落ち込む。
あさが好きで、仕事前のモーニングを楽しみにバスの時間を調べる
9:57 久しぶりに詩を、書き写す
つまらないことでも自分の気もちを、書いてみようとペンをもった 9:59
君とチェスをするのが好きだったんだ。
嫌なくらい小さくて、白い病室で二人きりで。時の流れさえも忘れて遊ぶのが好きだった。どんなに苦しくても、寂しくても、君がいればそんな気持ちは消し飛ぶ。
あの時、白い病室で目立つ、君の口から溢れた紅い極彩色が目に焼き付いている。
自分はなんてちっぽけなのだろう。
自分が可哀想なくらいに能無しで、何も意味を見出さないから、ほら、自分のせいで毎日が退屈だ。
チェスってこんなにつまらないものだっけ。
どんなにつまらないことでも、時の流れさえ忘れて、一人で遊び続けている。
2024/08/05 #つまらないことでも
・つまらないことでも
校長先生の長い話とか雨の日でやることが無い部活動とか、どうしたってつまらない時間でも、君といたから思い出の1つになってるんだ。
だから君も、たまにはこの気だるくて少し面白かったあの時間を、どうか私の知らないところで振り返っていて欲しい。
高杉晋作か
偉人さん方は
もう架空人物のように思えてくるけど
その信念は
心の何処かで生きているよな
「つまらないことでも」
毎日がつまらなくなる時がある。
同じことの繰り返しが苦になる時がある。
刺激を求めようにも、周りの環境や自分は簡単には変われないし変わらない。
ただ、同じことの繰り返しが自分を保ってくれていることもある。
朝、目が覚めて起きてしまえば、顔を洗う。
顔が洗えたら、ご飯を食べる。
そうやって、1つ1つやっていくことで、なんとか1日を終えることができる。
今日もつまらないことが私を保ってくれている。