君とチェスをするのが好きだったんだ。
嫌なくらい小さくて、白い病室で二人きりで。時の流れさえも忘れて遊ぶのが好きだった。どんなに苦しくても、寂しくても、君がいればそんな気持ちは消し飛ぶ。
あの時、白い病室で目立つ、君の口から溢れた紅い極彩色が目に焼き付いている。
自分はなんてちっぽけなのだろう。
自分が可哀想なくらいに能無しで、何も意味を見出さないから、ほら、自分のせいで毎日が退屈だ。
チェスってこんなにつまらないものだっけ。
どんなにつまらないことでも、時の流れさえ忘れて、一人で遊び続けている。
2024/08/05 #つまらないことでも
8/5/2024, 8:46:12 AM