『たとえ間違いだったとしても』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
たとえ間違いだったとしても
よくよく考えて
自分で決めたからには胸を張りたい
その間違いで誰かを傷つけたなら
思いっきり頭を下げたい
それは間違いだけれど
間違ったのは何かの間違いではないから
はるが病院で取り違えて、自分の子じゃなかったとしても、今は一緒に暮らして毎日おしゃべりしたり、楽しく過ごしているので、幸せです。
たとえ間違いだったとしても、キミを好きになったことを後悔していない。
それどころか、好きでいられて幸せだった。
だからこれからは、キミの幸せを誰よりも切に願う。
キミのことが大好きな、キミの兄として。
「取れるもんなら取ってみなよー!」
「返してぇ……!ひっく、うゔ……うわーん」
また、泣かせてしまった。
そんなつもりは無かったのに。
いや、そんなつもりは確かにあった。
「何で泣かせるの!?「お兄ちゃん」なんだから「明里(あかり、読み?が妹)」の事を守るのが仕事でしょ??!」
これで良いんだ。
どんな形であっても、この時間だけはお母さんもお父さんも僕と会話してくれる。
……果たして、本当にそうなのだろうか。
この時間さえも僕の事を「お兄ちゃん」としてしか見ていないんじゃないだろうか。
「ごめん」
「んーん、明里こそごめんね?「明里」の所為で「お兄ちゃん」が怒られちゃった……」
「……明里は明里として扱ってもらった事ある?」
「…分かんないけど、明里は「お兄ちゃん」の「妹」でしか無いんだと思う」
「僕は明里が生まれるまでは「お兄ちゃん」じゃなくて僕として扱ってもらってた」
「いいなぁ~」
「………僕が、死ねば明里は「明里」じゃ、妹じゃ無くなるのかな?」
冗談だった。
そう、軽い冗談。
僕にとっては。
「そうなの!?じゃあさ、「お兄ちゃん」は「明里」の為に死んでくれる?」
「…うん」
僕が死ねば「明里」は普通の明里になる。
嫌だとは言えなかった。
無理だなんてあまりにも明里が可哀想だ。
「!明里良いものしってる!!」
「良いもの?」
「ちょっと待って!」
慌ただしく階段を降りていく。
そんな「明里」の後ろ姿を見つめた。
次第に見えなくなっていく小さな背中。
これで良いのか。
決心が揺らぐ。
死にたくない。
死にたくないけど、死ねばきっと「明里」は明里になる。
両親からの本当の「愛」ってやつを貰えるんじゃないか?
「明里」が生まれるまでその「愛」ってのは僕のだった。
「明里」が生まれてから僕は「愛」ってやつを貰ってない。
でもそれは明里だって同じなはずで、両親は「明里」に見せかけの愛しかあげていない。
僕だって貰いたいけど、僕は年上だから貰ったことがある。
明里は年下だから貰ったことがない。
「「お兄ちゃん」!持ってきた!」
「…ロープ?」
「そう!これを輪っかにして、首にはめて天井に吊るせば死ぬんだよ!」
何故そんな事を知っているのか。
聞こうとはしなかった。
代わりにロープを輪っかにして天井に吊るした。
椅子を持ってきて自分の首にロープをつける。
怖くなった。
当然、死ぬ覚悟なんか出来ていない。
「やっぱ辞める」
「なんで?」
「怖くなったから」
その日から「妹」に露骨に避けられるようになった。
悲しくはなかった。
〜月日が立ち何年後か〜
「好きです」
「私も!!嬉しい」
目の前の人はニッコリ笑う。
「じゃあ「俺」と付き合って下さい……」
「勿論!!!ありがとう」
「俺」は高校生になった。
いまだに「お兄ちゃん」から抜けられていない。
明里にも避けられる。
父親は死んだ。
他殺だった。
「……やっぱりすみません、間違いでした」
「はぁ?なにそれ信じられない」
「本当にごめんなさい」
「俺」は犯人を知っている。
たまたま見てしまった。
警察には言っていない。
警察はそれを自殺だと判断したから。
自殺。
あの日「俺」に「明里」が手渡したロープで。
「「お兄ちゃん」早かったね」
家に帰ると「明里」が待ち伏せていた。
「……よくのうのうと生きてられるな」
気づいて慌てて手で抑えた。
明里が俺に疑問の念を抱いた。
もしかしたら、もう気づかれたかもしれない。
俺が殺害現場を見ていたこと。
「「お兄ちゃん」、ちょっとこっち」
明里はキッチンに向かって歩き出した。
急いで後を追う。
「「お兄ちゃん」。ごめんね?」
「俺」に向かって振り下ろされる包丁。
間一髪の所で止める。
しかし、そのまま勢いを殺せず「妹」に刺さってしまう。
刺された所が悪かったのかすぐに死んでしまった。
「殺人犯」。
警察に「妹」の罪を話せば誹謗中傷も軽くなるのだろうか。
怖くは無い。
悲しくも無い。
こんな事を思うのは何だが、嬉しくなってきた。
楽しくなってきた。
面白くなってきた。
胸の中の不安は既になくなっていた。
たとえ間違いだったとしても、「俺」はこれで良かったと思える。
少々自分勝手すぎるかな?
ーたとえ間違いだったとしてもー
たとえ間違いだったとしても
卒業式
桜が咲き誇る校門前で私は卒業証書を
胸に抱えながら 先生を見る。
「卒業おめでとう!」そう言って先生は
私に声を掛けてくれた。
「先生のおかげだよ」私は涙を零しながら
精一杯の笑顔を浮かべる。
そうして最後にこの3年間欠かさず先生に
伝えた言葉をまた私は変わらず先生に
伝える。
「先生 好きだよ!!大好き!」
「嗚呼 俺もお前の事は誇らしい大切な
生徒だ!」
そう言って先生は、私の頭を優しく撫でて
くれた。
私は下を向いて先生に顔を見られない様に
涙を流した。
「じゃあ!!先生元気でね!!」
私は先生が誇ってくれた立派な生徒に
見える様に校門の門を潜り
先生に大きく手を振った。
先生も同じ様に大きく振り返す。
そうして涙を振り切って
大きく前を向く
もう先生の方には振り返らない
たとえこの気持ちが周りから見たら間違い
だったとしても....
私の3年間の恋心は無駄じゃない
後悔なんかして居ない
先生ありがとう先生を好きになれて
良かった。
10年後 20年後 私が素敵な大人の女性に
なって先生がびっくりする位格好いい素敵な人を連れて また先生に会いに来たら
「おめでとう!」また変わらない笑顔で
私の事を祝ってね
私 先生が羨む位に幸せになるからね!!
だからどうか先生も奥さんといつまでも
幸せでいてね
私の3年間の思いを色づかせてくれた
私の初恋の人
いつまでも笑っていてね
それが貴方の生徒であった私の
色褪せない願いだから....。
私には"後悔"があります
それは、馬鹿なあの人を信じてしまったことです。
私には"懺悔"があります
それは、1人しか愛せなかったことです。
私には"感情"があります
それは、すぐに別の誰かを好きになってしまったことです。
私には"トラウマ"があります
それは、あの人の怒鳴り声や発狂している声
無理やり抱かれたときのものです。
私は"あの人を捨てました"
怒鳴り声に浮気、そして酒、
それら全てに耐えられなかったからです。
それでも私にはそれら全ての選択は正解と言えます
それは、誰かに間違いの選択だったと言われても、
私にとっては正解だと感じているからです。
眼鏡かけ 眼鏡どこかと 探してる
病院室で 歩いてる見る 歩きたい
画像編集のアプリ広告が表示された。
「不要なモノが消せます!」
と、大きな文字で宣伝が入る。
空に写った邪魔な電線、
景観を損ねる杭などが自然に消せるらしい。
これは便利だと、妻にも勧め楽しんだ。
ある日、妻の待受画面がチラリと見えた。
キレイな海辺で妻と娘が笑顔で写っている。
懐かしいな〜と思っていると、
ふと気づく。
たしか、隣に私も写っていたはずだが。
たとえ間違いだったとしても、
さみしい…
たとえ間違いだったとしても
うーん、今一書くことがないお題だ。
そういえばゲームで間違いだったとしてもこの気持ちだけは間違いなんかじゃない。みたいなセリフを見た覚えがあるな。
でも間違いってそもそも明確に答えがあるものに対して誤った答えを出すことでこれに対して間違いだったとしてもっていうのはただの開き直りに思えちゃうな。
どうにも性分でそういう開き直りができる性格じゃないからな。今回のお題はちと微妙だな。書くことがないし共感もできない。
まぁこのお題は小説用だろうから日記のお題として使えばそりゃ微妙にもなるか。
「私ねえ、君と一緒になれてよかったよ。」
とろけた頭と体でほろりとつぶやいた。
え、とわざわざコップに注いだ水を差し出して君は固まった。そんな大袈裟だよ。ひとりごとなのに。
「最初は慣れなかったけどね。奥さん、て呼ばれるのもなかなか良いよ。あらら、なんて思っちゃう。」
「…あ、結婚のことか。すまん。」
あれ、なんか変な言い方しちゃっただろうか。
「あー…俺も。嬉しいよ。」
「ぷはー。これでいいのだ。」
「いい、のだ…?」
コップの水を一気に飲み干しオチがついたところで
さてどうしよう。
「寝ますか?」
「…寝ないとダメか?」
「明日寝坊しても知らないよ?」
「後悔はしない。」
「それなら。」
たとえばこの決断が間違いだったとしてもそれで良い。
あとは幸せを享受するだけ。
そう、これでいいのだ。
たとえ間違いだったとしても
【たとえ間違いだったとしても】
今日はテストの日だ
しかも待ちに待ったマークシート方式のテスト
俺にはやってみたかったことが一つある
マークシートの全部の解答を同じ番号にすることだ
テスト開始の合図のあと、必死で問題を解くクラスメイトを尻目に
俺はマークシートの1番だけを全て塗り潰した
カリカリというみんなが文字を書く音が聞こえてくるが
俺は腕を組み余裕の表情をして時間を持て余す
全て端っこが塗られたマークシートなんて見たことがない
果たしてこれで何点取れるのか、採点が楽しみだ
テスト終了の時刻を待つあいだ、俺は
とてもすがすがしい気持ちでいた
テストの解答や俺のテストに取り組む態度が
たとえ間違いだったとしても
そんなことは気にしない
お題『たとえ間違いだったとしても』
刑務所の面会室に通される。無機質なコンクリートばりの一室で受刑者との間にガラスの仕切りがある。
俺がパイプ椅子に座ると、ガラスの向こうの扉が開いて、兄が警察官に両脇を抱えられながら現れた。
兄が椅子に座っても、うしろに警察官が控えている。見張りということなのだろう。
「兄さん」
呼びかけるといつものように穏やかに笑う。そんな人間が人殺しをするとは到底思えない。俺達兄弟は父親から暴力を受けていて、社会人になって稼いだ金も皆、父の競馬やパチンコ代に消えた。
あるとき、俺が父親に瓶で殴られかけた時、兄が父を同じように瓶で殴った。たしかに兄に助けられなければ、俺の命はなかっただろう。だけど
「こんなこと、俺は望んでない!」
兄を目の前にして俺は涙が止まらなかった。兄はいつものように穏やかに笑いながら言った。
「たとえ俺がやったことが間違いだったとしても、お前を守れて良かった」
その言葉を聞いて俺はうつむいてしばらく泣き続けた。
例え間違っていたとしても 決断して前に進む
そもそも進む道に 正解も間違いもなくて
決断しない事 進まない事が間違いだと思う
あなたを間違っているという人のことを私はそいつが間違ってると返すよ。たとえ間違いだとしても。
以前、TVドラマをみながら「俺はあぁなったら延命治療はしてほしくねえなぁ」と父が言っていたのを、仕事のメールを確認していた私は何となく聞いていた。
そうだ、確かに言っていた。
けれど今、突然、病院の集中治療室のベッドの上にいる父を目の前にして、私はひどく混乱と動揺に陥っていた。
散歩中の父をはねたのは、信号無視の車だったらしい。
父に生きていてほしい。
たとえこの決断が父にとっては間違いだとしても、私は父の言葉に従うことができなかった。
「何か、他にもっとできることがあるだろう!!」
医師の説明を遮って、私はその医師の胸ぐらをつかみかかりながら怒鳴った。
医師は看護師を制し、優しく私の手を握り、私の手に涙を落とした。
医師は本当に全力を尽くしてくれたのだろう。
私の嗚咽だけが病室に響いていた。
お題「たとえ間違いだったとしても」
道が、これから行く先が
たとえ間違いだったとしても
それを間違いと思わなければ
それは正解だ
間違えた
あそこであちらをえらんでおけば
間違えた
戻った方が良いのかな
とか考えるだけ無駄だ
なんせ時間は過ぎていくのだから
それなら
前を向いて歩いたほうがいい
「ほんとうに、私でいいのですか?」
自信なさげに僕に上目遣いで聞いてくる君。
「当たり前でしょう?僕が貴方がいいのです」
そう返すと嬉しそうに頬を緩める。あぁ、本当に愛おしいな。そう心から思った。
「でも、私貴方に何ひとつも返せるものがないのです。いつも助けてもらってばかり」
自信がなくて、いつも下を向いている君は知らないんだろう。どれだけ世間から君が評価されているか。僕が苦労して君を手に入れたことを。
美しさも地位も名誉も器量もすべてを兼ね揃えている淑女と騒がれている彼女に僕は言う。
「いつも言っているでしょう?僕は君がそばにいなきゃ生きていけないのです。君が僕にやらなきゃいけないことは一つ、僕より先に死なないこと」
「でも……私は貴方に助けられてばかりは、嫌なのです」
潤んだ瞳に睨みつけられ気付いた。彼女は僕の助けになりたいと、自分が彼女から愛されていることを理解していなかった。
「…でも君は」
僕にもう、愛というものをくれたじゃないか。
そんな言葉を遮り彼女は口を開く。
「私は弱いです。でも、貴方のことが私だって大切なのです。貴方を好きになったあの日から、何よりも貴方はわたしのかけがえのない存在です」
まっすぐ僕の目を見て伝えてくれる彼女にやっぱり僕はときめいてしまう。彼女を弱いなんて思ったことはない。むしろ誰よりも強いだろう。
君は何があっても大切なものを守り抜くのだから。
「僕は君にもう、本当にたくさんの感情を教えてもらったんだよ。人の心がなかった僕に、愛という感情も嫉妬と言う感情も君がいなきゃ一生しれないままだったんだ」
「貴方が人の心を持っていないわけ無いでしょう」
「……っ」
あぁ…本当に心が歓喜で震えた。たった一言、そうやって君はまた僕の心を揺さぶる。そんな人が僕を愛してくれていること。
「ですから、言いたいことはそういうのではなくて、私と貴方二人で!守り支え合いたいのです。たとえ家族が増えても幸せにし合いたいのです」
たとえ彼女を選んだことを誰かに間違えだったと言われても、自身を持って僕は答えられる。僕が選んだこの道は、光り輝いているばかりではないけれど、それでも大切な人が大切にしてくれる道だったよ。
数十年後、僕らは笑い合っていった。今も昔も幸せに溢れていると。
#たとえ間違えだったとしても
たまに自分の選択が違ったらどうなってたんだろうとは思う。
私は今まで結構時間を無駄にしてきた自覚があって、もっと学生の時に歌上手くなっとけばよかったとか、人と会っとけばよかったとか、メイクの練習しておけばとかまあなんかいろいろある。今それなりに苦労してるのは過去のツケであって未来の投資分であるとは思っている。
それと同時に私は頑固なので当時の自分に言ったところで聞かないんだろうなとも思っている。割とひねくれたりしているのでこうなったこと自体には納得している。
なるべくしてこうなっているというか、私という生き物は面倒な思考回路と動きの遅さ、そして突発的に動ける行動力でもってこれからも生きていくんだろうなと思う。今少し先の未来を見据えて動けるようになっただけ進歩しているんだろうとも。私の高校の時からの推しの言葉がずっと心に残っていて、どこまで行っても私は私だからここから変わるんだとかれこれ思いながら生きてきた。だからもし過去と今の選択が将来的に間違っていたんだとしても結局のところそれなりに生きていくのだろうなという気持ちがある。
とりあえず今日も筋トレとボイストレーニングして、メイクの研究記録をつけておこうかな。
自分を変えたい、変えるためなんだ。
そう言って列に並んだ彼は、列が進むにつれて決意を浮かべていた顔は表情を失い、色も心なしか白くなっているようだった。
「……あのさ、本当に大丈夫なのか?」
隣に立つ僕の方がいたたまれなくなって、彼に問う。
そもそも、意味がわからない。
自分を変えるために、忌避していた何かに挑戦する。
それはわからなくはない。
だがなぜ、いきなりこれなのか。
「だ、大丈夫だ。これをやりきれば、俺はきっと……」
「もうちょっとさ、段階を踏んだら? 例えばさ——」
僕の意見を、自らの迷いごと振り切るように。
彼はシャンプー後の大型犬めいて、勢いよく首を横にブルブルと振った。
「いいや、僕は最難関たるこれを、一回で克服する! たとえ、この選択が間違いだったとしても、挑戦してやり切った事実は残るのだから!」
——あっそ……。
震える声の決断に、僕は二の句もつげず息を吐いた。
のろのろと進む蛇行する列に並ぶ人々はみな楽しげで、彼のような決死の表情の者はいない。
僕は皆のその雰囲気が、彼の行動によって台無しになってしまわないことを切に祈った。
順番が、やってくる。
この様子だと、前列付近だ。
後ろより前の方が怖くないというし、良かったな——と彼を見やると。
いよいよ彼は蒼白で、足なんかも内股で、目に見えて震えている。
「……止めよう」
「は——?」
僕は彼の腕を引っ張って、無理矢理に列から引き離した。
「ちょ! な、何なんだよ!? 何で——!」
「そんなんで乗るもんじゃないだろ、ジェットコースターなんて」
平日の、遊園地。
ピーク時よりずっと少ないとはいえ、あえてそういう日に来る人達だ。
皆、今日という日を楽しみに。
遠方から来ている人だって、いるだろう。
「無理に乗って、失神するぐらいならまだいいけどさあ……」
気分悪くなったり何なりで、周りに被害が及んでしまったら。
それは、やり切ったという事実より重い、罪悪感やら黒歴史やらが残るだけじゃないのか。
「う……」
僕の言葉に、彼は呻いて怯む。
グッと唇を噛んで俯く姿は、まるで幼子のようだ。
最近、幼稚園に上がったばかりの姉の子の姿が重なって、僕は溜息をついた。
「『たとえ間違っても、この道を突き進む』——とかさ、決意の強さを感じるけど。
やっぱそういうのは、現実には向かないよ。
違うかもと思ったら立ち止まって考えた方が、絶対いいって」
言いながら、ふと横を向けば。
可愛らしいテナントから出てきた白い割烹着姿のオヤジさんがのぼりを立てていた。
「へ〜、○○ラーメンだって。あれ食って帰ろうぜ」
「……いや、食欲ねぇし……」
「じゃ、お前は財布で見てれば。俺は食うから」
「は? 財布って何だ!」
「お礼するって言っただろ」
「言ったけど! ちょ待て! 俺も食う!!」
——たとえ間違えでも。
行動は起こした方が、多分、いい。
間違いかも、無理かも、と思ったら
止まればいい。
止まって、こんな風に寄り道すれば。
別の何かが見つかるかも。
見つからなくても、いいじゃないか。
正解なんて、きっと何処にもないんだから。
君が言った言葉がたとえ間違いだったとしても
きっと僕は君を信じるよ。
「何故ってそれは...
僕が唯一信じた人だからって理由でいいかな?」
「なんで何も言ってくれないの?
君が僕に言った言葉は間違いじゃないよね。
僕は君を信じることで
僕自身も信じてることになるんだ。」
きみの言葉がたとえ間違いだったとしても
良いよ
だって君も僕と落ちてくれるんだよね。
─────『たとえ間違いだったとしても』