『たそがれ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私がいなくても、きっと明日も、いつもの日常がやって来る。だけど、一人で海辺のたそがれを見たのなら、私が居たことを、たまには思い出して。泣いてくれとまでは言わないけれど、花を手向けてくれると嬉しいな。
#58「たそがれ」
風が、わたしの肩を叩く
ゆらりゆらり 秋がふるえて
わたしの失敗ばかり 笑っている
いまだに夏を 忘れられないから
太陽ばかり 目に染みて
ふうりんの余韻に 取り残されている
急に来る方が悪いのだ、と
言い訳ばかり わたしはいつも
もうすぐ、日が暮れる
ぬるい想い出に たそがれる
秋は 少しばかり冷たかった
夕暮れをぼぅーっと眺めながらたそがれる。沈み行く赤い夕日と広がり行く青い夜。その境界線をただひたすらに眺めている。
いつ頃から眺め初めたのか分からない。ただ、気が付いたら日々の習慣になっていた。
完全に太陽が沈むまで眺め続ける。飲食もせずに。空腹感はあるけれど、不思議と気にならない。
沈んでから帰路に着き始める。それが私の日課だ。我ながら変わっていると思う。
けれど、あの赤と青のグラデーションに気づき、それを眺めて、楽しんでいる。
私しかいないのならば、独り占めしていることになる。あの赤と青のグラデーションを。そんなことないだろうけども。
夕暮れの時間帯に空を見上げれば、曇り空じゃない限り、あの赤と青のグラデーションは見える。
それに気づくか気づかないかの違いでしかないのだからーー。
オパールは空のたそがれ閉じ込めた少女の夢の欠片と思う
「たそがれ」
たそがれ
黄昏時ガ来ル アノ不思議ナ景色
空ト言ウ空モ 風景トイウ風景ノ
観念モ偏見モ スベテヲ破壊シタ
小サナ黄昏時 運命ト等シイモノ
マルデ神々ガ 舞イ降リル前兆ダ
終ワル黄昏時 夢ノ様ナ時ダッタ
暗イ夜ノ世界 ソノ静寂ガ目立ツ
イツモヨリモ 寂シクソコニイテ
イツモヨリモ 優シク霞ンデ見エタ――
たそがれ
------------
私の足はいつか動かなくなって
ただ黄昏ゆく世界で
朽ちていくのでしょう
砂の中に埋もれて
波の音を聞きながら
星が煌めくのを待つだけ
君が歌う優しくて哀しいメロディー
もう一度だけ聞かせてほしい
この宇宙の広さにただ身を任せて
いつかまためぐり逢えたらいいな
まんまるの
沈んでゆく太陽を
ずっと見つめていた君
オレンジ色の球みたい?
あれは君のおもちゃではないんだよ
長い髭が銀色になる
赤毛の背中のなだらかな輪郭
君のことが好きだったよ
たそがれ
誰そ彼から来た言葉。
誰かわからないけどそこにいる、薄暗い時間帯のことを言うのだとか。
それなら私は一日中、誰そ彼時に生きてることになります。
明るかろうが、お構いなし年がら年中存在がないんですから。
生きる幽霊?生霊?
それは怖い、もう少しソフトにしたい。
「存在の耐えられない軽さのオンナ」と、シネマティックに呼んでもらいましょうか。
好きな人でもいたらいいんですけどねぇ。生きる希望も湧くってもんですけど。
ただ居たところで気づいてもらえないのが問題。存在が軽すぎるオンナですから。
困りますねぇ。
end
たそがれ(黄昏)……日が沈み、薄暗くなった頃。
これは、「『たそがれ』る」で動詞になる。
たそがれる(黄昏る)……たそがれどきに徐々に暗く
なる。物思いに沈む。俗な言い方。
今、はもう暗くなりきっているか。
ただ、今の僕は黄昏時だ。小説を一冊読み切って、達成感、充実感とともに余韻に浸っている。
両親はもう、五十を過ぎた。鋭い読者なら、僕が何を言いたいか分かるかもしれない(あるいは鈍くとも分かるだろうか)。
――人生のたそがれに差し掛かっている。
秋の夜、外に出たら涼しくて
夜空を見てたそがれていた
星が綺麗だった
お月様は見えなかったけれど
とても優しい空だった
憂鬱が消えて少し楽になった世界で
好きなことをする
小説の続きはまだ浮かばないけれど
今日はいつもより頑張れたから
冷蔵庫の肥やしになっていたお酒をあけようか
少しだけ自分にご褒美を
たそがれ
秋
夕暮れ
淡い赤
吸血鬼
老人
メンタル落ち
源氏物語
エヌ・エス・ピー
夕焼け
田舎の空
猫の後ろ姿
虫の声
泣きたい
さみしい
たそがれという言葉のイメージ
一日が暮れてゆきます
明日目覚めるために
まぶたを閉じるように
まどろみに誘われ
自分を内側に返す刻
………たそがれ
たそがれ
たそがれはその昔、誰ソ彼と書くこともあったらしい。今となっては黄昏と書くことも少なくなってしまったが、薄暗くなって、顔も見えないようなそんなロマンチックな時間帯が昔はあったらしい。
夜という概念が消えゆくように、黄昏という時間は、もうこの理想郷には残っていないみたいだ。
「たそがれ」とかけまして
「たばこを吸いたいが切らしてる」と解きます。
その心は「暮れ/くれ」です。
【たそがれ】
◀◀【通り雨】からの続きです◀◀
⚠⚠ BL警告、BL警告。誤讀危機囘避ノタメ、各〻自己判斷ニテ下記本文すくろーるヲ願フ。以上、警告終ハリ。 ⚠⚠
「ということはアラン、あなたと我々ヴィルケ家との縁は、二年前のエルンストとの出会いからすでにはじまっていたわけですな。いや、実に素晴らしい!」
なあエル、と同意を求めながら社長は赤くなって押し黙っている息子のそばへ寄り添い立ち、彼のひよこ頭をワシワシと愛情たっぷりに撫でた。パンクっぽいベリーショートの髪が容赦なくクシャクシャにされるが、エルンストはまんざらでもないようで、そうだね父さん、と相槌を打って先ほどまでのばつの悪い思いを消して父親とのどかに笑い合った。―― 可愛い親子だ ―― 微笑ましい光景に頬を緩ませて見ていると、「じゃ、最後は俺で締めるか」とアランの前にギュンターが握手の手をヌッと差し出してきた。顔を向けると赤毛特有の鮮やかな色、マスカットのような双眸が楽しげに見返していた。
「ギュンター・ヴィルケ、兄二人とは歳の離れた三人兄弟の末っ子だよ。エルとの方が歳が近いんだ。多分あんたとはもっと近いんじゃない?同年代かもな、ってことでよろしく」
なるほど道理で―― エルンストの叔父にしては声や見た目が若いと思った。それに兄弟と言っても、うえの二人はよく似ているのに彼は少し毛色が違っているような……まあ家族事情というものがある、深く穿鑿することはやめて笑顔でアランはギュンターと握手した。
「こちらこそよろしく、ここへ来る前にあなたがデザインされたという事務所を拝見しました。都会風でとても洒落ていますね、自然光を多用されているところや大胆な空間使いが絶妙で心を打たれました。素晴らしいの一言です。素敵な感性をお持ちだ」
なんの虚飾もせず思ったことを素直に告げると、相手も素直な、はち切れんばかりの喜色を満面に、および身体中で表し、歓喜の叫びを短く上げると握手したまま空いている方の手を広げるや、唐突に握っている手をグイと引き寄せてちからいっぱいアランをハグした。
「嬉しいこと言ってくれる!!気に入ったぜアラン!」
そう言って遠慮なくバンバン背を叩かれた。喜怒哀楽の感情表現が激しい、これも赤毛特有の性質か。エルンストとはまた違う情熱的な人物だ。早々に解放されると気付かれぬようにホッとし、笑顔も引き吊ってしまわぬよう気をやって身体を離した。
「ギュンター!我が社の恩人に対してなんたる無礼な!申し訳ないアラン、ガサツで馴れ馴れしい愚弟ですが、決して悪気があってしでかすような奴ではないのです。どうかお許しを」
社長の叱責が飛んで大目玉を食らっても赤毛の末っ子はどこ吹く風で平然と肩をすくめてみせる。ゲーアハルトは済まなそうな笑みでアランに視線で詫び、エルンストは血の気が引いた怖い顔でなんだか金縛りにあっているようだった。まあ愛嬌があって憎めないキャラクターではある、若干ずれてしまった眼鏡の位置を直しながらアランは笑って執り成した。
「社長……いえレオ、僕はもうお身内同然なのでしょう?謝罪なんて水くさいですよ。こんなのは身内同士のじゃれ合いみたいなもの、お気になさらず」
さわやかにそう告げると社長は心の底から安堵して感じ入ったようにうなづき、
「 ―― そう仰せであれば……まことにかたじけない、アラン。 ―― ギュン、ああ言って下さったが、少しはつつしむように!」
アランへ恭しく礼を述べてからギュンターへ向きを変えて厳しく申し渡す。御意、社長!と胸に手を当ておどけて畏まる末弟と長兄との即興コメディーが一段落した途端、いきなりサイレンの轟音があたりをつんざき長々と鳴り響いた。出し抜けなけたたましい音にアランは思わず首をすくめ、終業サイレンかな?と何気なく窓の方を見遣ると、たそがれの最後のひとときを告げる淡い夕焼けの色と、降りてきた宵のとばりの霞んだ藍色が幻想的なグラデーションを空に織り成していた。
▶▶またどこかのお題へ続く予定です▶▶
─── たそがれ ───
黄昏られるのは実は贅沢なことだ
それは夕暮れ時だった。
空は夕日に染まり、紅色や山吹色、水色が混ざったよう
な色合いをしていた。
板前見習いの銀次は、お使い先の豆腐屋から帰るところ
だった。
料亭への帰り道、大きい石橋に差し掛かった頃、周囲の
どよめきに気がついた。
向かいから女が歩いてくる。綺麗な着物を着、笠をかぶ
った女だ。時間帯もあり、俯いているのもあって、顔は
よく見えない。だが、歩き方は上品で高い教育を受け
ていると分かる。
そして、周りをどよめかせる1番の原因は、女の纏う
雰囲気だった。一歩一歩踏みしめるように歩く姿は、
華奢な身体に似合わぬ威厳が、真っ直ぐ伸びた姿勢
からは凛とした美しさが、少し微笑っている口元には
妖艶さが、恐ろしいほど滲み出ていた。
銀次は女から目が離せない。見てはいけないものの
ような気がするが、誘惑されるように、自らの欲望の
ままに、貪るように女を見る。
歩くのも忘れ、突っ立っている銀次に、女が少しずつ
近づいてくる。
銀次は動けない。
十尺、
五尺、
一尺…
女は銀次の横を通り過ぎていく…。
歩きながら女は笠を少し上げ、銀次に囁いた。
「私は黄昏。会いたかったら天津屋においで。」
黄昏は風のように銀次のよこを吹いていった。
銀次の脳裡に、垣間見た黄昏の顔が焼き付いた。
誰をも惑わせる、妖しく美しい顔だった。
夕暮れ、店を離れ良い男に声を掛ける…。
天津屋、黄昏の新しい客を得る秘技であった。
彼は誰時、黄昏と名乗る美女に会ったら身の終わり
誰かわからないまま魅入られてしまったらもう遅い。
彼女という深い沼に堕ちて、この世で1番の悦楽と地獄
を見てしまう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
たそがれ
「私は黄昏」
【たそがれ】
夕暮れ時を「たそがれ」と呼ぶようになったのは江戸時代よりも後のことだという。
「たそかれ(誰そ彼)」、つまり夕方薄暗くなる頃は人の顔の見分けがつきにくいので「誰だ、あれは?」と言ったのがその語源だと言われている。
今なら誰かとすれ違っても、私だとはわからないかもしれない。ついさっき、3年付き合った彼と別れた。私から切り出したが、その直後に今までの想い出が一気に押し寄せて感情が爆発しそうだった。彼の前では何とか平静を装っていたが、背を向けた瞬間から涙が止まらなかった。
この薄暗さが、私の救いになった。
今がたそがれ時で本当によかった。
はちゃめちゃに元気な君。
毎回君に手を引っ張られて、いろんな所に遊びに行った。
夕暮れが来るまでずっと遊んだ。
君と居ると、僕まで元気になれたような気がした。
ある日の事だった。
さんざんいろんな所に行って、遊び疲れた夕暮れの時の事だった。
「あたし、もうここに居られなくなるんだって。」
いつもよりも低いトーンで僕に告げた。
あまりにもびっくりしすぎて、声も出なかった。
いろんな思い出が頭を巡った。
はじめて君と会ったこと。
学校をサボって遊びに行ったこと。
授業中に君と書いた小さな手紙のこと。
たくさんあった。
「嫌だなぁ」
自分勝手な言葉だ。でも、伝えておきたかった。
「えへへ…嬉しいよ」
君は夕暮れに照らされていた。
黄昏…とでも言うのだろうか。
思わず君に見惚れてしまった。
憂いを帯びた表情に飲み込まれそうになった。
「いつまでもこのままがいいのに」
「…だといいけど」
他愛のない会話は夕暮れに溶けていった。
お題:たそがれ
また胸にポッカリと穴が空く
まだその時はきていないのに、胸に得体の知れない喪失感が襲ってきた
また寂しくなるな
たった数年だけれど、グループを知ることが、推せることが出来て幸せでした
ほんとうに出会えてよかった
これからも応援しています
『たそがれ』2023,10,02