『すれ違い』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
父は私の人生の中で1番しょうの無い人間だった
外ヅラだけはよかったみたいだけど
家では酷い大酒飲みで
今思えばおそらく何かしらの発達障害で
母や私にいつも惨めな思いをさせた
ある日父は脳梗塞で倒れた
元々予兆はあったのに
ちっとも自制しなかったから
いつかそうなるとは思ってた
体の自由がきかなくなり
記憶も言葉もあいまいになって
介助されないと排泄もできない
ゾンビのように歩くやせ細った父の姿
私は自業自得だと思った
父は私のことがわからなくなり
自分の妹と勘違いした
だからお見舞いにはあまりいかなかった
病院で迎えた年末
父はお菓子の入ったサンタのブーツを買いにいくと言い始めた
そんなものどうするの?と聞くと
娘のためにと父は答えた
次の年の春父は死んだ
「離婚しよう」
すれ違いとはまさにこの事だ。僕達の間では感情の差が激しすぎる。しかし、有無を言わさぬ感情を必死におさえている私に、彼女は反抗した。あぁ、そんなことをされたら歯止めがきかなくなるじゃないか。
僕には双子の兄がいる。
兄はスポーツでも勉強でも何でも出来る。
僕とは正反対だ、
そんな僕と兄だから
意見のすれ違いなんて日常茶飯事だ。
兄は僕に言うんだ、
「俺に出来たんだからお前にも出来る。」
冗談じゃない、それは才能持つ者が言うセリフだ。
天才に、僕の気持ちなんて分からない。
俺には双子の弟がいる。
弟は俺の事を天才だと言う。
そんなことはないのに、
俺はただ、アイツらを見返したくて、
その一心でここまで来れた。
だからアイツにも出来るはずなんだ。
兄弟なのに、俺の頑張りが伝わっていないのだ。
君はもう、私のことなんか覚えてないだろう。
雑踏のなか、スーツ姿の君とすれ違う。
歩を緩めた私のことなんて目もくれず、さっさと君は人混みに紛れていった。
私は後ろを振り返ろうとして、止めた。
そうして何事もなかったかのように点滅し始めた信号機に急かされるように歩きだす。
君は、私のことなんて覚えていないだろう。
すれ違った君は昔と変わらずに綺麗だった。
少し歩いてから振り返った私は、雑踏に消えていく君の小さな背を目で追った。
君はもう私のことを覚えていないだろう。
だから、私も、もう忘れよう。
テーマ「すれ違い」
秋の日は釣瓶落とし。明宏は今にも沈もうとする日に急き立てられるように帰路を急いだ。
宅配物が届く予定の日だというのに、残業が長引いてしまった。こんなことは今月に入ってから何度目だろうか。転職先である今の会社は前の職場より累計残業時間は短いが、タイミングが悪い。業務上仕方のないことではあるけれども。
早足で改札をくぐって目的の列に並べば、図ったように目の前に列車が止まる。特急だ。明宏の乗る車両ではない。
ここまで来れば急いでも仕方あるまいと、押し出されるように飛び出す人波を見るともなく眺めた。
白線の前に立った明宏の横を、白髪混じりの髪をオールバックにした男が通った。どこか既視感のある姿につい目が引かれる。その彼が襟元を正すのを見て、ふと気が付いた。彼は高校時代の同期だ。
彼とは一時期、ルームメートとして同じ部屋に起き伏しした仲である。一人静かに本を読むことを好んでいた彼と自分はタイプは違ったが、馬が合った。寮という狭い箱の中では中々上手くやれていたと思っている。
当時流行っていたドラマを見て、いつか大人になったら酒を酌み交わそうとも約束していた。自分は一年もしない内に高校を中退し、定時制に移ってしまったのだけれど。
列を抜け出そうか迷う明宏の前に、再び列車が止まった。各駅停車だ。
明宏は逡巡し、目の前の車両に乗り込んだ。
帰宅ラッシュらしく車両内は雑然としている。電車特有の匂いが鼻をついた。
車窓から彼の姿が見えないことを確かめて、彼との再会よりも宅配物を選んだ自分に視線を落とした。
思えばまだ携帯電話も普及する前のことだった。互いに随分老け込んだ今、彼を認識できたことが奇跡ですらある。
彼がまだ自分を覚えてくれているかは分からない。彼を追わなかった理由が、後ろめたさや羞恥心からではないとも言えない。しかし彼と酒を飲めたらと思う自分が存在することも確かである。
明宏は狭苦しい車両の中、今日のこれが彼との今生の別れではないことを祈って、家路を急いだ。
『すれ違い』
「おはよう」
朝ぼんやりとしながら外を眺めていたらいつのまにか君がいた。
一気に目が覚める。何か話さなければ。それでも話したい内容がまったく思い浮かばない。
話したい内容なら、寝る前にあれだけ考えていたのに。
「おはよ。はやいね」
「そっちは相変わらず眠そうだね」
寝ぼけた頭と君を前にして気持ちだけがから回っている。
結局、愛想笑いで君を見送ることに。
かと、思えば立ち止まって外を見ていた。
なにか外にあるのか。そう目を凝らす。
「……何か見えんの?」
「いいや。……うん気のせいかも。またね」
思わず聞いてみたが要領を得ない返答。
またね。落ち込みかけていた気持ちが浮上する。
しかし、君がいた場所から嗅ぎ慣れた香りがした。
そう、ちょうど私がつけている香水のような。
思わず私は君を追いかけていた。
愛していると
素直に
言えなかったのは
言葉にしてしまった瞬間に
呆気なく
君がわたしの前から
消えてしまいそうで
ただ怖かった
臆病だった
互いに
読み取れなかった
それぞれの想い
すれ違ってしまつた
心と心
元に戻せないまま
無情な季節は
足早に
駆け抜けて行く
# すれ違い (308)
お互いに、思った事が「言えない」、「言い出せない」友達でも、恋人でも、家族でも。1度すれ違いが起こってしまったら、自分は修復するのにかなりの時間がかかるか二度と戻ることの出来ない出来事だと思う。
自分で何処かで必ず「これってくだらない?」と思う時が来ると思うよ?だから、その時はくだらなくても良いから、相手に「伝える」っていう行動が発言が大事だと思います。それが難しくてできない人、勇気がない人は、めちゃくちゃくだらないことでもいいから、
「ねぇねぇ、聞いてもいい?」や
「あのね、聞いて欲しいことがあるの」、など一言言ってから頑張って勇気を出して聞いてみるのもありかもしれませんね。
皆、頑張って*ˊᵕˋ*
このフェーズをやっと生き抜いたあとにあなたを見て悔いている。もっと話せば良かった。触れれば良かった。少なくとも横を見れば。見渡せば。そういうものを互いに抱えて、束の間の休息に手を握る。すれ違うだけの生き方に、それでもあなたにいっとうの幸いが訪れるように、祈るようにピタリと手を合わせて呼吸を紡ぎ、飲み込んでいる。
あのときの電話に
どんな意味が込められていたのか
あのときのわたしが
彼に会いに行っていたら
どうなってたんだろうって思う
終電間際に会いに来てよって、ズルイよ
あのときの2人は
もう少しで恋人になれたんだろうか
みんなに何考えてるかわかんないって言われてた天然の彼
わたしは 好き だったよ
知ってて、誘ったんでしょ?
でもそのあとは疎遠になっちゃって
わたしが会いたいって言ったら
電話じゃだめ?って
もう遅かったんだよね、たぶん
もう彼のとなりは空いてない
もう、彼の声も聴くことはないの
君の物憂げなビブラート 聴きたいよ
◇すれちがい◇
互いのライバル意識が凄過ぎるのと言葉足らずなだけで案外考えていること、思っていることは同じだったりするのだ
だから、彼らを取り囲む周りの人たちは『また今日もやっている』、『仲良いわね』と微笑ましい目でいつも見守っていた
さて、ふたりがそれに気がつくのはいつだろうか
『すれ違い』2023.10.20
すれ違い
学校で、イジメにあって学校に行けなくなった…
4年後… 自分のことをイジメてたやつとすれ違った
嫌だった…
けど、私の隣に居る人が大丈夫だといってくれた。
多分今日の気持ちで昨日の言葉を聞けたら、私たちはまだ2人で笑えていたかもしれない。
もし昨日が私にとって幸せに満ち溢れた一日なら、家に帰ってのあなたの言葉を嫌な意味でなんて受け取らずむしろ「どうしたの?」と心配できたかもしれない。
全てはタイミング。
両者の気持ちや言葉の選び方、それら全てどれだけ気をつけてもタイミングさえ合わなければすれ違いは起きる。
けれどまぁ、同時にどんなにすれ違ったとしても何よりも大事であれば人は我慢し、すれ違いすらなかったことにもできる。相手を想い、自分のために。
…要するにそこまでの気持ちが相手に湧かなかった時点ですれ違うものなので、まぁそういうタイミングでもあるのだ。お察し。
すれ違い
・・・『でさ、ところでまだ定職、決まってないよね?』
「もう少し、ゆっくりしようかと思ってます。」
・・・『私の知り合いが、ちょうど人を紹介して欲しいって連絡あってね、、、、もうそろそろ仕事してみないかなと思って、、、。私が今、紹介出来るような人他にいないし、とりあえず試用期間だけでも、いってみなさい。いい?いつからいける?先方に連絡入れとくから。』
ハイハイ、どうせこっちの意思は関係なく強制ですよね・・・この恩師は何かと気にかけてくれる、この世で絶対に頭が上がらない人の一人だ。
ただ、今までも、きっとこれから先も、必ず僕にとって有益な方向を示してくれる。
「んー、じゃあ来週の月曜日からなら、、、」
・・・『わかった、細かいことはまたLINEしとくね。ちゃんと頑張るんよ!じゃあね。』
「さすがに早すぎたかな、、、少し時間つぶして行くか、、。」
初日指示された出勤時間30分前、駐車場の一番端に止め、icosを何度も口に運び、緊張と不安をごまかしていた。
動画チャンネルに気を取られて、全然気がつかなかった。真横に真っ黒のSUVが止まっている。メガネをかけた小さな横顔が視界に入った。
・・・めっちゃ、カッコいいなこの人・・・モテるんだろーな、ん?、いや、・・・女じゃね?マジかっ!カッコいいじゃねーな、なんて言えば、、、やっぱ、美人ってことよな、カッコいいということは・・・。
いつものように今日の仕事の割り振りや注意事項を、端的に的確に伝えている。ショートカットとメガネがこんなにも似合う、カッコいい人、、、、間違いなく、好きになってしまっている。この人のこと。
今日までの試用期間3ヶ月、ただこの人に会えるからここに通っていたようなものだ。正直、仕事の相性はそれほどよくなかった。きっと仕事に対しての、そういう感情は、勤務態度や言動にでていたのだろう。1週間ほど前、社長からオブラートに包みまくった遠まわしな退社勧告を告げられた。
・・・「じゃあ、来週の水曜日、今月の末までで、、お世話になりました。」
3ヶ月、人生の無駄遣いしてしまったかな・・・今日で、最後か、、、もう会えなくなるな、、、答えのない自問を続け、この3ヶ月を振り返ってみる。満足も落胆もしてない。唯一の特別な思いの方も、何にも始まってないし、一方的な妄想以外に、あの人と共有できるものは何もない、、、。
ここ数年は全く恋愛とか、縁のない生活で、正直やや諦めも入っている。
・・・今まで通り、何事もなかった感じで帰ろう。あーあ、すぐに忘れられるかなー、、、。
いつものように、夕方の5時少し過ぎにタイムカードを押し、こちらのことなど気に留めていない様子で、彼氏の話を楽しそうにしている元同僚たちの横を、小声で「お疲れさまでした。」と言い、小さく会釈をして駐車場に向かった。
・・・ウソだろ?!
「今日まで、お疲れさまでした。あと、ありがとうございました。短い間でしたが、居てくれた間は本当に助かりました。残念ですけど、これからも、元気で頑張って下さい。、、、、じゃあ、、、。」
「あ、あの、こちらこそありがとございました。あなたが居てくれたおかげで毎日目の保養ができました。」
、、、終わった。
、、、何言ってんだ。
、、、バカか、お前は。
、、、次とか、一瞬で消えたな。
何度目かの片思いが、自ら終わりを告げようとした。
こっちの道から帰ろう。
確かこっち方面に帰ってたはずだ。もう一度あの人に会えたら・・・気づいてくれたら・・・何か始まるかもしれない。具体的には全然確信も無いけど、冷静に考えて何一つ始まりはしないし、どうかすれば、すれ違いざま、こっちに気づいてくれることすら無いと思う・・・けど。
最後に声を聞いた、退職日から3ヶ月、帰宅時間が少しでもかぶっている日は、必ずこっちの道を通って帰っている。
・・・縁がないんだろうな。やっぱり。・・・そんなもんだよな。いつものことだよ。
・・・学生だった頃、初めての片思いが終わった。あれから何度、片思いを終わらしてきただう。
あの日の放課後とよく似た夕暮れに、全力でプロポーズした夜、嬉しさと、緊張がまざってなかなか眠れない中で聞いたカミングアウト。
、、、初めて知った。
あの駐車場から、2人同時に気持ちが動き出していたことを。
思いをあきらめかけていた、あの3ヶ月、会える確証なんて全く無いのに、遠回りして、黒のSUVがこちらの帰宅する道の方向を選んでたことを。
・・・会えなかったわけだ。
・・・思いっきり、すれ違いじゃん。
すれ違った時間の長さが、なんだかすごく大切なものに思えた。
ナリスケ
気持ちのすれ違いで
最も簡単に人との関係は終わる。
すれ違うたび思う。
今、すれ違って良かった。
もう二度と関わることのない未来でよかった。
あまりにも、興味がない。
テーマ「すれ違い」
長い年月をかけて徐々にすり減っていった心はもう元には戻らないのかもしれない
知らず知らずのうちに
互いに傷つけ、傷つきあっていたのだ
2人一緒にいることを選んだ以上、必ず付きまとう問題なのは分かっていた
わかっていたはずなのに……
「わたしたちもうお終いかもね」
わたしは正面に座る彼に向けて静かに告げた
『すれ違い』2023,10,20
すれ違いを何度か、繰り返したら
まっすぐにならないかな
360℃以上の無限のすれ違い
時空を超えればいつかは?
もうそんな期待はしない
季節も無限ではないのだから
楓が舞う
「すれ違い」
すれ違い
僕には四歳になる息子がいる。四歳と言ったら可愛い盛りだ。でも、仕事が忙しく、残業で帰って来るのはいつも息子が寝た後だ。すれ違いの毎日。
妻は
「寝ている時が一番可愛いわよ。起きている時は、もう怪獣よ。私、ヘトヘト。」
妻も大変だ。
土日は休みだが、息子は妻にべったりで僕のところにはあまり来ない。
ある日、息子が
「パパは魔法使いなの?」
と、言う。
「なんで?」
と、訊くと
「ママが、パパは魔法使いだから、うちにある美味しいお菓子や、かっこいいオモチャ、僕の服はみんなパパが魔法で出しているって言ってたよ。パパが寝ている時、チャリンチャリンってお金の音がするって、、、」
笑える。
妻よ、僕は金だけか、、。
もう少し、愛情深くパパの事を説明してくれよ、、、笑。
チャリ〜ン!
主様がデビルズパレスに来てから1ヶ月。
初めは皆の事が怖かったし、突然の異世界についていけず3日間熱を出したのはいい思い出だ。
今日も指輪をつけてあちらの世界へ向かうと、担当執事であるアモンが出迎えてくれた。
「お帰りなさいませっす、主様」
『ただいま…』
未だにお帰りなさいませ、と言われるのは慣れないが
今日の予定や明日の天気を告げるアモンを見つめていると、
視線に気付いたアモンがきょとんとした顔をする。
「いかがなさいましたっすか?」
『い、いや…なにも…』
見つめすぎたのがバレて少し恥ずかしい。
今から自分がやることについてはバレていないようだ。
冷えた自分の片手を頬にあて、もう片方の手はズボンのポケットに触れる。
今日は…アモンの誕生日だ。
プレゼントは薔薇のネックレス。問題はどう渡すかである。
買ったのはいいが、どうにかして驚かせたい。
「主様?今日は夜、俺の誕生日パーティーが開かれるのでそれまではゆっくり休んでいてくださいっす」
『え!?あ、うん』
思わずこちらが驚く。本人から誕生日パーティーと言われ、サプライズのハードルが一気に上がった。
誕生日パーティーの時に渡せば驚いてくれるかな…なんて考えていたが…
今は日付を越え真夜中の時間帯。
少し前にパーティーは終わったのである。
サプライズしようとしたが、なかなかアモンは人気者だ。
ほかの執事達からのプレゼントや貴族様からも豪華なプレゼントが届いていて、喜ぶアモンの姿を見ていたら
自分のプレゼントが少し恥ずかしくなったのだ。
パーティー会場ではポケットから出せずにいた小さな箱を
【すれ違い】
君とすれ違って15年
ああ・・・
あの時何であんなこと言ってしまったのだろう
信用を築くのは時間がかかり大変なものだが
それが崩れるのはあまりにも簡単で一瞬のだ
ダメだ
こんな失敗するようじゃ
僕はまた・・・
一人は・・・嫌だ
助けて