父は私の人生の中で1番しょうの無い人間だった
外ヅラだけはよかったみたいだけど
家では酷い大酒飲みで
今思えばおそらく何かしらの発達障害で
母や私にいつも惨めな思いをさせた
ある日父は脳梗塞で倒れた
元々予兆はあったのに
ちっとも自制しなかったから
いつかそうなるとは思ってた
体の自由がきかなくなり
記憶も言葉もあいまいになって
介助されないと排泄もできない
ゾンビのように歩くやせ細った父の姿
私は自業自得だと思った
父は私のことがわからなくなり
自分の妹と勘違いした
だからお見舞いにはあまりいかなかった
病院で迎えた年末
父はお菓子の入ったサンタのブーツを買いにいくと言い始めた
そんなものどうするの?と聞くと
娘のためにと父は答えた
次の年の春父は死んだ
10/19/2023, 5:41:44 PM