「おはよう」
朝ぼんやりとしながら外を眺めていたらいつのまにか君がいた。
一気に目が覚める。何か話さなければ。それでも話したい内容がまったく思い浮かばない。
話したい内容なら、寝る前にあれだけ考えていたのに。
「おはよ。はやいね」
「そっちは相変わらず眠そうだね」
寝ぼけた頭と君を前にして気持ちだけがから回っている。
結局、愛想笑いで君を見送ることに。
かと、思えば立ち止まって外を見ていた。
なにか外にあるのか。そう目を凝らす。
「……何か見えんの?」
「いいや。……うん気のせいかも。またね」
思わず聞いてみたが要領を得ない返答。
またね。落ち込みかけていた気持ちが浮上する。
しかし、君がいた場所から嗅ぎ慣れた香りがした。
そう、ちょうど私がつけている香水のような。
思わず私は君を追いかけていた。
10/19/2023, 4:47:57 PM