ゆんたろす

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主様がデビルズパレスに来てから1ヶ月。
初めは皆の事が怖かったし、突然の異世界についていけず3日間熱を出したのはいい思い出だ。

今日も指輪をつけてあちらの世界へ向かうと、担当執事であるアモンが出迎えてくれた。

「お帰りなさいませっす、主様」
『ただいま…』

未だにお帰りなさいませ、と言われるのは慣れないが
今日の予定や明日の天気を告げるアモンを見つめていると、
視線に気付いたアモンがきょとんとした顔をする。

「いかがなさいましたっすか?」
『い、いや…なにも…』

見つめすぎたのがバレて少し恥ずかしい。
今から自分がやることについてはバレていないようだ。
冷えた自分の片手を頬にあて、もう片方の手はズボンのポケットに触れる。
今日は…アモンの誕生日だ。
プレゼントは薔薇のネックレス。問題はどう渡すかである。
買ったのはいいが、どうにかして驚かせたい。

「主様?今日は夜、俺の誕生日パーティーが開かれるのでそれまではゆっくり休んでいてくださいっす」
『え!?あ、うん』

思わずこちらが驚く。本人から誕生日パーティーと言われ、サプライズのハードルが一気に上がった。

誕生日パーティーの時に渡せば驚いてくれるかな…なんて考えていたが…


今は日付を越え真夜中の時間帯。
少し前にパーティーは終わったのである。
サプライズしようとしたが、なかなかアモンは人気者だ。
ほかの執事達からのプレゼントや貴族様からも豪華なプレゼントが届いていて、喜ぶアモンの姿を見ていたら
自分のプレゼントが少し恥ずかしくなったのだ。

パーティー会場ではポケットから出せずにいた小さな箱を

10/19/2023, 3:49:38 PM