『さよならを言う前に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「さよならを言う前に」
君に最初で最後の嘘をつく。
……ごめんね。君のしあわせを、願っているよ。
やだやだ、遅刻遅刻~、と
食パンを囓りながら学校までダッシュしていたら
タバコ屋の角でドシ~ンとぶつかった
イテテテ、と思って見上げると
どこ見てんだよ、と怒鳴られる
なによアイツ偉そうに、と思いながら朝のチャイムにギリギリ間に合ったら
転校生が来るらしい
ガラガラと空いたドアから
先生と転校生が入ってきた
先生が紹介すると
朝のアイツじゃないか、、
あー、あの時のー!!
と二人で声を揃えると
なんだ知り合いか、では隣の席に、で最悪の二学期が始まった
それから教科書忘れただの、消しゴム忘れただの、ことある毎に話しかけてくる
馬鹿なんだから忘れるのよ
私は無視したわ
ある日、暮れたグラウンドでアイツを見かけた
やっぱり馬鹿なんじゃないの、こんな時間まで、筋トレなんかして
夢を見るのもいい加減にしなさいよ、どうせ下手くそなんだから、と思いつつも
なんだか無性にイライラするの、金網越しに
やっぱり負けたらしい、
どうせアンタがヘマこいたんでしょ、と笑うと
一瞬こっちに目を見開いて、それから黙って俯くのよ
ざまあないわね、気にしないでしょ
どうせ忘れるんだから
それからまた突然転校するとか聞いた時には清々したわ
アンタの顔を見なくて済むんだから
でも、どうしてだろう
裸足で駆け出したい気持ちを抑えて
スニーカーの靴紐を結ぶ
間に合わないかもしれない
でも間に合うかもしれない
19:35発の飛行機は
もしかしたら遅れるかもしれない
私は走る
都市を結ぶ光線は
眩い光で
私は眩しくて
目が潰れてしまう
涙が溢れる
涙が零れる
ごめんなさい
私は走る
まだ間に合うかもしれない
さよならを言う前に
伝えたい言葉がある
まだ間に合うかもしれない
忘れてしまう前に
『さよならを言う前に』
【さよならを言う前に】
これだけは言わせて
ばーか
本当に馬鹿だ お前は
こんなに相応しいオンナ
なかなかいないのにね
私の前から居なくなったことを
うーーんっと後悔するが良い
振られた負け惜しみだって?
違うわ
歓喜の雄叫びだ
お前より幸せになってやるという
勝利宣言
すっかり空になった
かつては
ケーキが入っていたであろう
冷蔵ショーケースに向かって
そう 唇を噛み締めた
私にはスナック菓子がいるもの
いるもの……
さよならを言う前に
「気を付けて帰ってね!」
「車に気を付けてね!」
みたいにまるで口うるさい母親のように
ほぼ毎日言っていた時期があった
今思い返せば、何やっていたのだろう…と思うが
当時の私からしたら
それが凄く重要だったのだろう
さよならが本当の
「さよなら」なってしまうのが怖かったから
さよならを言う前に言っていたのだろう
【さよならを言う前に】
「月が綺麗だね」
この暗喩が君には通じないだろう。
でも使ってみたかった。ずっと一緒に暮らしてきて、ぼくと一緒に本の山に埋もれて、満足そうにしていた君だから。
通じると思ったぼくは、ちょっと阿呆かもしれないけど。
だって君は頭が良いし。
ほら、君の目には月が映っている。
君の目には見えないのかもしれないけれど。
「ねえ、綺麗だろう?」
君は短い返事をする。
ぼくはそれだけで幸せだ。
「待っていなくてもいいよ。ぼくはもう少しかかるけれど、君のことを探し出せると思うから、またおいで」
君は薄く開いた目で、何を見ているんだろう。
何を聞いているんだろう。
「大好きだよ」
たくさん伝えたい。
君がこの体から離れる前に、たくさん、たくさん伝えたい。
「ありがとう。大好きだよ。ありがとう。ありがとう。大好きだよ、大好き」
別れの言葉は、君が旅立ってから。
この世界から突き放したくないから。
君の存在をぼくは最期まで求めるから。
「大好きだよ」
別れの挨拶はぼく自身への言葉だから。
君には最期まで感謝を贈ろう。
「大好きだよ」
「 さよならを言う前に 」
さよならを言う前に、君に「好きだ」と言っておけばよかった。
2024 . 8/20
電車がやってきた。
「じゃあ、またな!」
アイツはいつもみたいに馬鹿みたいな笑顔を振りまいている。
ああだめだいくな
もう、友達としていられない。
もう、純粋に祝福できない。
「ねえ」
「ん?」
古めかしい雑音の入ったカセットテープに雑音じゃない見覚えのある声が流れた。
一分間の雑音の後にようやく聞こえた声は息が荒く、気持ち悪い。犬のようだ。
その声は語り始めた。だが、聞いている私にはなにも情報が入ってこない。
カセットテープとは別の雑音が耳に鳴り響く。
私は踞って頭を抑えて呟いた。
「頭痛い」
今日は、一年前まで生きてた腐れ縁の命日だ。
別に、好きだった訳じゃないが、そいつとは十年以上の中だった。
今日まで、ヤツが死んだ事なんて忘れて人生を謳歌してやった。
ヤツはとにかく明るい奴だった。いつも俺にへばりついてきて離れなかった。
口下手で、寂しがり屋で、頭悪くて、勘違いが凄かった。
今日まで弔わずに過ごしてきた。墓にも葬式にも行かなかった。ずっと酒呑んでた。
「うっ...」
吐き気がする。なんでこんな嫌な事を態々考えないと生きていけない。
このカセットテープには、ヤツの声が入っている。
ヤツの遺言だ。ヤツは自殺しやがったのだ。
なんで自殺したのかはまだわかってない。いつも通りだったそれしか言えない。
俺に、相談してくれればよかったのに。ただそう思うだけだ。
これ以上思ったら自分が情けない。だって、そう思うなら自分から声かけて全力で自殺なんて止めればよかった。屹度この俺の有り様を見てるんだとしたら、アイツは苦笑いしてから、俺を慰めるだろう。
何かをずっと思って最終的に逃げてしまうほど辛かったのはお前だろと思うと更に虚しく、悔しさが残る。
ヤツと気を巡らせるみたいで鬱陶しい。もう居ないのに、こんなプライドを発揮して生きる。
まだ向き合えない。また来年。とてつもなく長く短い一年してからカセットテープを聞こう。
お題「さよならを言う前に」
【さよならを言う前に】
さよならを言う前に
一生に一度の嘘を吐く
「きみのこと、大嫌い」
あなたのお顔の横に白いカーネーションを置きます。
あなたのお顔の横にうすむらさきのトルコキキョウを置きます。
あなたの腕の横に水色のデルフィニウムを置きます。
あなたの腕の横に桃色のスイートピーを置きます。
すっかり色とりどりの花に囲まれて、あなたは行きます。
さようなら。
「さよならを言う前に」
楽しかった時間ももう終わり。街は急速に賑わいを失くしていく。煌々と輝いていたネオンは消え、人々は一斉に帰路に着いた後。静寂の中にあなたとふたり、今日を見送る。
月のない夜。明かりの消えた街でふたりきり。空には無数の星が瞬いている。
もうすぐ世界が終わる。有識者の見立てでは一週間もないという。一ヶ月前の情報から経過日数を鑑みるとそうなるが、元となる見立てが改められたとは聞いていない。一ヶ月前までは何度か変わっていたのだが、計算のぶれもなくなったということだろうか。
一定の時間になると明かりが落ちるようになったオフィス街。終電もだいぶ早くなった。普段通りに過ごしたい人と静かに終わりを待つ人との間で少々揉めたそうだが詳しくは知らない。とある街では自棄になった人が集まっているという噂もある。秩序を保ちつつも、やはり混沌としているのだろう。
約一ヶ月前からお互いに何も言わずに一緒に過ごしている。夜には家に帰って家族と過ごしているが、日中は共にいる。何をするでもなく、繁華街近くの公園でふたり、時の流れに身を任せる。移り変わる空、通りかかる人々、街の様子を眺めるだけ。以前の自分に伝えたら、贅沢な過ごし方と言いそうだ。
いよいよ今日が終わってしまう。帰らなければならない。正直に言えば、離れ難い。それが難しいこともわかっている。
だから、明日の約束をしよう。今日の別れの前に。
また明日、あなたに会うために。
君にさよならを言う前に、少しだけ時間が欲しい。
あまりにも心の準備が出来てなくて。
「嘘でした」
って、笑ってくれてもいいんだよ、
「見たことない表情してんね」
って、茶化してくれたっていいんだよ。
そんな風に、だんまりされると、私も心の整理をしなきゃなんだなって思っちゃうよ。
そんな急にどうしたの。
一体いつ、君はなにか悪いことをしたというの。
いい加減に口を聞いてよ。一緒に花火したいねってつい最近言ったのに。行きたかったお店にも、一緒に行けなきゃ意味が無いよ。
そろそろ目を覚まして。
それか、これが丸ごと夢であって、早く醒めて。
永い眠りにつく君に、なんて声をかければいいの。
さよならを言う前に、
僕は君に最初で最後の愛を歌う
さよならを言う前に
またね…と言う言葉が、喉でつかえている…張り付いて、上手く音にならない…本当は、伝えたいことあるのに、ずっと言えずにいるよ…
ずっと一緒に居たい、って気持ちと、そうならない現実…私だけでは、どうにもならない出来事、でも、どうやってそれを、あの人に伝えたら…
さよならがスムーズに言えない。
別れの前に何をいうか色々考えるくせに、舌がもつれて何も言えない。
不恰好だなぁ、相手にも失礼だなぁ。
会う前に、別れる時に言うセリフを考えれたらいいのかなぁ。
……会う前から別れのことを考えることこそ、相手に失礼な気もするなぁ……
「さよならを言う前に」
帰る前にさ、一言ない…?って言っていた僕の彼女
でも僕は、そんな彼女の前で、こういった。
んー?一言ってなんだろう。ごめんねわからないや💦
って言った。
彼女の表情は、悲しそうだった。
僕は、帰る前に彼女にまたねって伝えた。
彼女が何か言うまでは、気づかなかった。
そのまま僕は帰った
後々わかったことだけど、彼女は、気持ちを確かめたかったのか、知りたくて一言ない?って聞いていたらしい…
だから、彼女はさよならを言う前に気持ちを聞きたかったらしい。
気持ちを言えなくて本当にすまないって思ってる
『さよならを言う前に』
ありがとう、そして、さよなら。
もう既に手垢のついた別れの挨拶だ。もう二度と会えない、もう生きて戻ってこない、そんな意味を含めたような言い方だ。そう決めつけてしまっているような。でも、人はそういう状況に陥った時、別れの時に伝えたいのは『感謝』というのは、とても素敵だ。それが皮肉だったとしても、その口から「ありがとう」が出てくる私たちの世は、ちょっと温かく感じる。
人はどんな状況に置かれていても、別れの前には大切な人との思い出を振り返る。それはもちろん、離婚や友との別れも同じだと思う。人だけでなく、例えば職場や部活。その空間に身を置いていた自分と、そこで出会った仲間たちと、笑いあった日々を思い出す。本当は、その思い出を語りたい。あなたと語りたい。あの時はああだった、こうだったけれどこうだった、と語りあいたかった。それでも、あなたとそれを語るのは、私にはできなかった。その思い出を話してしまえば、空気に出た途端に酸化してしまって使い物にならなくなりそうだから。つまりは、あなたと語りたい思い出をあえて私の中に残しておくことで、私はあなたと生きていた、とより強く感じられる、ということだ。
思い出を語れないなら、あなたに何を伝えればいい?__あなたと生きた日々の明るさを見ると、感謝を伝えずにはいられない。あなたと会う前の私は、どうも曇った顔で独り座っていたけれど、あなたと出会ってからは、屈託のない顔であなたの隣を歩くようになっていた。あなたが私の隣に立ってもいいと言ってくれたから、私は相好を崩すことができた。その瞬間の心の晴れ晴れさよ。あなたに感謝したいと、無意識にも思ってしまう。別れを言うような間柄の人と別れるだなんて、「さよなら」だけでは足りないだろう。
さよならを言う前に伝えたいこと、それは感謝__人の思いを乗せて伝える、きっと世界でいちばん重い別れの言葉。垢はついても、それ以上に、あなたに伝えたい思いがないのだから、垢など綺麗にしてしまって、そしてあなたに伝える。だからいつまでも、それ以上の言葉なんて存在しないのだ。
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小論対策中ですがここで出てくるテーマが詩的すぎて随想っぽくなっちゃうのが辛い……。皆さんの作品を読んでいると詩すぎて自分もめっちゃ詩っぽいものを書きたくなってしまったので、気が向いた時に限り?そういうの書きます!
またねと言って。
その背中をもう一度見せて。
私の隣で笑っていて。
そばにいて。
だから、ありがとうなんて言わないで。
次の言葉がわかっちゃうから。
さよならを言う前に
さよならを言われると
ちょっと くやしい
さよなら
さよなら
さよなら
今までありがとう
凄く凄く楽しかった
たくさん幸せだったよ
きみといる時が1番楽しくて
終わりたくないなと思うよ
さよならを言う前にこんなこと
言ったとしてもきみは困るよね
でもさ本当に本音なんだ
きみに文句なんてひとつもないよ
たくさん愛してくれたから私は幸せだった
ずっとありがとう
優しさが嬉しかった
全部が嬉しかったよ
私は同じだけを返せていたかな?
きみに優しくあれたならいいな
これから先きみを好きな気持ちがどうなるかはわからない
永遠に続いて欲しいけれど
きみと私はきっともう会わない
だから区切りをつけよう
絶対にできないさよならをしよう
私の方がお姉さんだからね
言いたくない「さよなら」を告げようと口ごもる唇
嫌だ、言いたくない
ねぇキスで塞いでよ
『さよならを言う前に』2024/08/20