『これからも、ずっと』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
星は暗闇でしか輝けないし
虹は雨の後にしかかからない
もうダメだと、もうやめたいと
今までの人生で何度思っただろうか?
居なくなりたいと、生まれて来なければ良かったと
何度思っただろうか?
そしてそんな夜を何度乗り越えて来ただろうか?
大好きな人が離れて行った日も
大切な人に裏切られた日も
僕たちは生きてきた
立ち上がれない位に打ちのめされた日も
後悔しきれない程の罪悪感に呑み込まれた日も
僕たちは生きてきた
今が最後の日にならないように
これからもずっと
心の中に小さな光を宿せますように
これからもずっと
心の中の小さな光を信じられますように
―これからも、ずっと―
これからも、ずっとあなたと
変わらない幸せを感じていたい
永久不変はみんなの願い
水平線の向こうには、澄み切った青空が広がっている。日が登れば朝が来て、沈んでゆけば夜になる。雨が降ると寂しくて、夕暮れは切なくなる。降りしきる雪は冷たくて、強い陽射しは小麦色に肌を焼く。そんな当たり前のことが、何故だかとても愛おしい。
変わらないものなど無いと、そんなことは分かっている。けれどこの空だけは、いつまでも変わらずにいて欲しい。そう願ってしまう。
これからも、ずっと。平凡で穏やかに過ぎゆく日々が続きますように。
【これからも、ずっと】
※ちょっと長めです。
五年間もの間、音信不通だった姉が帰ってきた。
アロハシャツみたいな柄のスカートを履いて、大きなサングラスをかけて、ハイ!とネイティブのような声を上げた。僕は大きな溜息を吐いて、無言のまま姉を招き入れた。
緑茶がいいとごねる姉の前に麦茶を置く。
「どこ行ってたの」
「見てわかんない?」姉はスカートを示す。「これ見たらもう分かるでしょ」
ハワイのどこかの島で日に焼かれている姉を想像した。想像したままにハワイだと答えれば、ブッブーと口を尖らせて笑う。頭の中の姉に持っている盆を投げつけた。
「正解は〜、オアフ島でーす!」
「どこだよ」
「ハワイ諸島の三番目に大きい島」
実際に盆を投げつけたくなった。敏感に察知したらしい姉は僕の腹を蹴る。なにすんだよと睨めば、防衛本能だけど?となんてことない顔で言った。とっとと野生に帰れ。ここは本能なんて捨て去った、呑気な人間共が生きる人間社会だ馬鹿姉貴。
オアフ島が具体的にどこにあって、どんな島なのか。僕には全く知識がなかった。ただ姉がベラベラと喋ってくれるので調べる必要はない。僕にある海外の知識は全部姉から仕入れたものだ。そこには嘘なんてひとつもなくて、姉が体験して感じた全てがある。そしてそれが紛れもない事実だった。
「で、次はどこに行くの」
「お金なくなってきたし、しばらく日本にいるよ」
とてつもなく嫌な予感がする。
「僕の家はダメだからね。彼女できたから困る」
ニヤリと笑った姉を見て、即席のバリケードがあっけなく突破されたことを悟った。そう、彼女ができたなんて真っ赤な嘘だ。あまりにも見え透いた嘘だったが、何の疑いもなく嘘だと思われたことが癪だった。五年も時間があったんだ。少しぐらいは可能性だってあるだろうに。
「ねぇ、なんでいつもそんなに澄ましてんの」
「なにが」
「何度も何度もこうやってるのに、帰ってくるたびに安心してるじゃん」
姉はしょっちゅう音信不通になる。昔は日本のどこかを旅しているだけだったのに、数年前からは海外にまで足を伸ばすようになった。回数を重ねるたびにその時間は長くなり、間隔も狭まっていた。なにがきっかけなのかは知らない。行動力の鬼である姉が成長した姿が今、というだけなのかもしれないけれど、そうではないと僕は知っていた。
きっかけは知らないが、そうであると知っているんだ。
「海外は物騒だからね。向こうで死なれたら手続きとか色々めんどくさそうだし」
「日本も同じくらい物騒だと思うけど」
帰ってくるたびに別人になっている姉を見て、羨望と焦りがごちゃ混ぜになる。あんたはなにになりたいんだ。そう尋ねられたらどれだけいいだろうか。でも僕は尋ねたいわけじゃないし、それで姉が答えてくれるとは思えない。
変わってしまった。昔の姉はもうどこにもいないし、今目の前にいる姉も次に帰ってくれば別人になっているのだろう。
「あんたの安心した顔見ると、帰ってきたなと思うのよ」
姉は必ず僕のところに帰ってくる。いつだってそうだった。
クソ男と喧嘩した時も、子供が生まれた時も、裁判が終わった時も。絶対に僕のところに帰ってきて、ただいまって言う。どんな時でも一人として同じ姉はいなかった。みんな違う顔をして、雰囲気を纏って、違う考え方をしていた。
時々、目の前にいる女は誰なんだろうかと思うことがある。
それは多分姉も同じなんだろう。弟の元へ帰ってくるけれど、別人になってしまった姉からすれば僕と会うのは初めてなのだ。というか実際にそう零していた。友人の一人、元軍人が生物兵器の後遺症で亡くなった時に。僕の家で、ぼろぼろと涙と鼻水、訳のわからない英語を垂れ流しながらそう言った。
僕はその時ふっと閃いたんだ。
どんなに変わっても、姉にとって僕は僕なんだ。
この世にたった一人の弟で、なにがあっても揺らがない部分に刻み込まれた“帰る場所”なんだ。
姉は赤くなった鼻をぐずぐず言わせながら、それってつまりどういうことなのよ、とめんどくさい女ムーブをかました。僕は勤めて冷静に返す。僕を愛してるってことだよ。言葉に溢れてくるような、行動に表すようなものではなくて、無意識な本能の部分で愛してるんだ。
「いつまで続くんだと思う」
レースのカーテンを突き抜けてくる夕日を浴びて、僕たちは金色に輝いている。氷はすっかり溶けて、麦茶と綺麗に分離していた。
「これからも、ずっと」言葉はまるでピースがはまるみたいに。「僕たちが生きている限り、ずっとだよ」
「私は新しい私になって、あんたは変わらずあんたのままだ」
姉は初めて笑った。子供の頃のように、無邪気で意地悪そうな笑みだった。
🍀これからも、ずっと
先生と関わりを持ち続けたい。
空は蒼い、どこまでも蒼くて、たいようの眩しい光を受けながら私達を見守っている。
その蒼さは、世界を包み込んで これからも、ずっと。私達を見守っている。
ガダガタガタ!
それは突然だった。地震 聞いたことは絶対にある。だけどこんな大きな力がはたらいた事はない。
私、(天乃 イナバ)は家にいた、テレビを見ていたら地震が来た。
自分はリビングにあるテーブルの下に潜った。 やっと止んだ
私はすぐさま家を出た。元々高い所に家があったから津波が始まっていてもまだ逃げ切れた
全力で走った、息があがった、肺が「もう苦しい!」と言っている! でも、止まれない いや、止まったら死ぬ!
そんな時も、空は蒼かった。そんな蒼い空が憎くて憎くて、でも綺麗だ
【これからも、ずっと】
「別れてほしいの」
切り出された一言に、ああ、まぁそうなるだろうなぁ、と、青年はぼんやり考える。付き合って一年。長い方だ。
「渚くんの……あのことは、絶対誰にも言わない、から、だから」
「分かった」
俺が声を出すと彼女はホッとしたように緊張が緩んだ。
「色々助けてもらったしね、ごめんね」
「う、うん」
最後に、彼女の手を握って、するり、と小指にはめていた指輪を抜き取る。あっ、と声を出したが止めなかった。白い石が輝く指輪を手の中に握り込む。
「これは俺に返してね。じゃあ、さよなら」
「うん、じゃあ……」
そう言って、ミニスカートを翻して彼女は走り去ってしまった。
「はぁ……」
と、青年、渚は溜息を吐いて頭を抑えた。
渚は大学内で最もモテるといっても間違いがないほどモテる。女は勿論だが、男にも好かれる。中には体の付き合いに至ったものがいるなどと噂があるほど、とにかく美しい顔をしている。
しかし「恋人」は短ければ二週間、長くても今回くらい、一年程度で別れている。
渚はそっと自分の首筋に触れた。少し濃い目の毛が生えていて、それが見えないようにいつでも衿付きの服を着ている。
「新しい人、見つかるかなぁ」
半ば呻くようにそう呟いて、次の講義に向かう。顔は陰鬱そのもので、ちらり、とカレンダーを見て首を横に振る。
(俺と添い遂げられる人なんて現れないんだ。こらからも、ずっと)
全ては長らく続く家にまつわるある体質のせいであるし、父母、祖父母のことを考えればそれほど絶望的でもないのかもしれないが、それでも渚には、先の見通しなどつきはしなかった。
中学を卒業する時、過去の自分が書いた作文を読んだ。卒業する私への、過去の私が書いた手紙のようなものだ。
中学校生活には未練がある。あれをやりたかった、これができるようになりたかった。思い出の中には、そんの、もうかなえららない願望ばかりが詰まっている。
それでも私は、音楽にだけは未練を残していない。中学校三年間、ピアノの発表会には出続けたし、受験シーズンになってみんなが辞めて行く中、私はピアノを弾き続けた。部活は吹奏楽に入って、頼れる先輩や仲間、そして後輩となかなか良いところまで行くこともできた。
そのことも踏まえ、手紙にはこう書かれていた。
音楽だけは続けて。
これからもずっと、私は未練ばかりを残すのだろう。それでも私は、これからもずっと、音楽を続けて行く。
これからも、ずっと
私はこれといった趣味とか特技とか履歴書に書けるような、他人に胸をはって言えるようなものはない。
前までなら読書とか映画鑑賞とか、それこそ文字を少し、本当に気持ち程度、ネットの海の一部になるくらい書いてるぐらいは言えたかもしれない。
何かを妄想…創造して、形にしていくのは楽しい。その誰かの創造に触れるのも楽しい。読書も映画も創作も誰かの何かに触れて共感できたり、楽しんだり悲しんだり、感情を揺らしながらその時を過ごすのが好き。これだけは確かに言える事。
それは誰かに何かをどうとする事でもないから、ただ自分の中の自分だけが確立した何か。
趣味も特技もないから何も無い。そんな事なくて自分の好きは自分がわかっていればいい。周りに理解を求めようとはしない。自分は自分だから。
これからもずっと私は、自分だけの、自分らしさで生きていく。
何も無い私ではなく、私らしさで。
〜これからも、ずっと〜
親は親、子は子。
生涯…イイ意味でも、ワルイ意味でも、変わらない。
ずるい、ずるいよ。
私はあなたにあげられるものなんてもうないのに
私の目も唇もカラダも心さえも
全て全てあげたのに
欲ばりなあなた
でも、そんなあなたが大好き
好きで好きでたまらいない
言葉にするのすら難しいの。きっと永遠の謎ね。
だから探していこう。
昨日は1人で
今日から2人で
#これからも、ずっと
謳うよ
僕は
下手くそでも謳うよ
低い声で謳うよ
呪ったように少し悲しいように
恨みの幸福論を謳うよ
これからもずっとずっと
ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと
お前らのせいだって謳うよ
お前がなんと言おうと
ずっとずっと
お前らのせいだって
助けてって思ってしまった
ずっとずっと
これからもずっと抱えてくんだろうな
これからも、ずっと
これからも、ずっと
朝6時。
最近は、この時間に目が覚める。
薄明るい外の光がカーテンの隙間から差して、
静まり返っていた街に、人や動物たちの息づかいが聞こえ始める。
急いで起きなくてもいい、この時間帯が好きだ。
少し眠いカラダに無理強いせず、
布団の中のぬくもりを感じたまま、
今日一日のこと、昨日のこと、少し先のことに思いを馳せられるのは、実に貴重だ。
一日が始まる前に、こんなに静かでフラットな気持ちになれるのは、私が幸せだからなのかもしれない。
もう一年になる。
ごくありふれた出会いではあったが、会話が心地よく、
自然と笑顔になれる彼女との恋愛は、
仕事を覚え、夢に見切りをつけ、
日々の生活をルーチンワークとして
これからも、ずっと続けていくんだと思い始めていた自分にとって、優しい彩りを添えてくれた。
…と、隣で寝ていた彼女がもぞもぞと動く。
私が起きると、だいたい彼女も数分もせずに起きてくる。
「起こしちゃったかな?ごめんね」
「ううん、大丈夫。最近、このくらい時間に目が覚めるんだ。なんか、まだ起きなくていいこの時間にゆっくりできるの、ちょっと好きなの」
この生活が続くといいなと思う。
これからも、ずっと。
これからも、ずっと一緒に居ようって約束したじゃん。約束破らないでよ。
「これからも、ずっと」
穴が開こうが
ひび割れようが
歩き続ける
これからも
埋めて削って
つぎはぎだらけ
だけど笑って
最後まで
買い物からの帰り、商店街から一本入った道。
人気のない静かな道、買い物袋の両端を二人で持って歩く。
他愛もない話をして、笑いあって。
この時間がいつまでも続けばいいのに。
異口同音、また笑い声があがった。
坂の上の家まで、二人でヒイヒイ言いながら坂を登る。さすがに買いすぎた。
やっとのことで坂の上、ちょっと曲がった腰を伸ばすと、年寄り臭いと笑われる。
そうだ、年寄りを敬えよ、と買い物袋を押し付けて小走りで家路を行く。
まだまだ夏は遠く、ひんやりと冷たい風が吹いて、くしゃみが一つ出ていった。
テーマ「これからも、ずっと」
ありがとう
ありがとう
ありがとう
これからも、ずっと
私が、言い続ける事
本当に言霊は凄い
ありがとうを探せば心が
豊かになります。
幸せを引き寄せます。
#これからも、ずっと
きっとこれからも、ずっと、あなたが知る事はないのでしょうね。
でも、それで良いのです。血肉を啜り長い時を生きる鬼様の隣を、私の様な蛇なんかが独り占めするなんて、間違っても考えちゃいけません。
風の噂ですが、隣山の雪女があなたにすっかり惚れ込んでるそうですよ。雪女と言うと、三百年前にあなたを祓おうとした寺の坊主をとっ捕まえて、すでに半分ほど凍ってきた頭をそのままバリバリ食っちまった、あの雪女でしょう。
あれは胸がカッと熱くなって、なんとも、なんともいい気味でございましたね。私の弟分もあの坊主に退治されたものですから嬉しくて………。あの時の坊主の無念そうな顔が私の食欲をこれ以上なくそそったものです。
少し脱線してしまいましたが、つまり、あの雪女のように忠誠心があり度胸もある、馬力もあるような者こそがあなたの隣には相応しいと思います。
私はただの蛇ですので、大した力も知恵もありません。毒持ちで手足のない私を人間どもも忌み嫌いますからね。
ただ私、一つだけお役に立てる仕事を見つけたのです。その昔、極楽というものがあると人間が話しているのを聞きました。
黄金色の大地に花が咲き乱れ、大粒のめのうや瑠璃なんかがそこらじゅうに散りばめられて、あたりは月下美人の香りで満たされた乳白色の空間です。そこで我ら命あるものは現世での生を終えた後、みな御仏の側へ生まれ変わるのだそうです。素晴らしい。私の弟分も一足先に行っていることでしょう。
仕事と言うのは、極楽へ行く道中での守りの事です。極楽へ行くのには一里も二里もある大きな川を渡る必要があり、そこの舟番がなんとも意地の悪い山姥らしいのです。
山姥達は意地汚く、教養も謙遜の欠片も無い奴らです。あなたほどの高貴な鬼が不当な扱いを受けてはいけませんから、あなたが生を終えるまでにその名を極楽まで轟かせてみせます。そこはもう、狡猾で執念深いと言われる蛇ですから、どんとお任せください。決して失望はさせません。
他にも、早朝に極楽へ着いた時分は朝露で服の裾を濡らさぬように喜んで足場になりますし、月下美人の香りがお嫌いでしたら、好みの香をご用意いたします。
あなたが心地良く死後を過ごすことのできるようによく準備して参りますから、あまり生き急いではいけません。
雪女と子供でもこさえて気の済むまで平和に過ごして、ああ楽しかった、思い残すこと無し、と心の底から思えるまで、間違えておっ死んではなりませんよ。
まあ鬼は首と体がくっついているうちは死にませんから、そこは人間どもの手伝いが必要でしょうがね。
そこもできるだけ名高い高貴な人間がふさわしいでしょう。
そうだ、こちらにお越しになるまでに上等な布で作られた衣をいくつか見繕っておきましょう。
彼岸花に似た、不思議に透き通る紅色の布があるのです。きっとあなたの白い肌によく映えます。黄金の大地と花に囲まれて朝日に照らされると、きらきら輝いて見事なものでしょうね。
私の見立てがお眼鏡にかなえば良いのですが。
…………
あなたが首を刎ねられてこちらに来る日まで、きっとお待ちしておりますから。
こちらへ来た際には私の名前を一声お呼びください。
どこに居ようと何をしていようとすぐ、お側へ向かいましょう。
それでは、また。
「これからも、ずっと。君といさせて?」この言葉を聞いた瞬間。涙が溢れ出した。私がずっと追い求めてた君。今、目の前にいて私と一緒に居たいと言ってくれたきみ。嬉しかった。でもふと思った。言葉なんて薄っぺらな約束より。「ねぇ。これからも、ずっと一緒だよ?」そう言って私は君の体にナイフを突き刺した。そしたらもう離れられないね♡
一体いつまで、生きることを頑張らなきゃいけないんだろう——
——そう思いつつも、その答えはとっくに理解している、分かりきっている。
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これからも、ずっと