『これからも、ずっと』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『これからも、ずっと』
「で、なんで深夜に女性が1人で外を彷徨いて、しかも俺のアパートの近くで体育座りを?」
「いや〜……あはは」
「流石に話して貰いますよ。飯も風呂も用意してあげたのにまだ何も聞いてないんです」
「ひ、人の事情にグイグイ来るのはどうなのかな?! もっと私の事を考えてさ!」
「小夜さん以外にはしません」
ある日、帰る家が無くて困っていると言っている女性、小夜さんが俺の住んでいるアパートの近くにいたので拾った。
俺、煌驥は24歳。小夜さんは25歳なので1個上だ。
それにしても、なんでこんな所にいたんだろう。不思議だ。
「え〜と、様子を見ようかと……」
「なんの様子見かは置いといて、小夜さん」
「あ、写真だ〜」
「おいこら逃げるな」
堂々と逃走させる訳無いでしょうよ。立って写真を見に行った小夜さんをまた椅子に座らせる。
「え〜少しくらい良いじゃん。思い出でしょ?」
「まあ見られてやばいものでも無いですが……」
「……やっぱり、捨てられない?」
「……はい」
穏やかな目で問いかけて来た言葉に、肯定を返す。
「申し訳無いですけど、何回も捨てようと思いました。事故があった日以降、ずっとあの事故の夢を見ます。だから、忘れようとしたんです。逃げようとしたんです。でも、捨てられなかった」
小夜さんが、身を屈めて抱きしめてくる。懐かしい感覚がした。これからもずっと隣にあると思っていた人の感覚が。目から涙が溢れる。もう出ないと思っていた。あの時に泣き枯らしたと思っていた、涙が。
「大切な思い出だったから。俺の世界で一番愛している人との、小夜さんとの思い出だったから」
「……ごめんね、1人にして。煌驥くんの静止を聞かないで飛び出して、男の子は守れたけど、私は車を避けきれなかった。煌驥くんは1人が苦手でしょ? だから、様子を見たくて来ちゃった」
「小夜さん……」
あの時、俺の伸ばした手が、小夜さんの腕を掴めていたら。小夜さんの代わりに俺が行っていれば、小夜さんは今も……
「あまり自分を責めちゃだめだよ。私は知ってる。煌驥くんは強くて、優しくて、1人でも立ち上がれる人だって。1人にした奴が何を言っているんだって思うかもだけど、私は煌驥くんに生きて欲しい。幸せになって欲しい」
「うん……うん」
小夜さんの言葉で、今まで押し潰されそうだった心が軽くなる。やっぱり、小夜さんは最高の女性だ。ずっと、守りたかった。
「だから、生きて。幸せになって。貴方を1人にしてしまった馬鹿の、最期のお願い」
小夜さんは俺を抱きしめる腕に少し力を込めて、腕を離し、立ち上がる。暖かい感触が消えて、少し寒くなる。
小夜さんの体が、光る。白く、もういなくなるのを暗示するかの様に。
「ごめん、実はあまり時間なくてさ。もう行かなきゃ。煌驥くんは、大丈夫?」
「うん、大丈夫」
立って、ちゃんと小夜さんの顔を見る。気づかなかったが、小夜さんも涙を流していた。
「俺は、これからもちゃんと生きていく。小夜さんが心配しなくなるくらい幸せになって、また小夜さんに会えた時に笑える様に」
「うん、頑張って。ずっと、応援してるから。見守ってるから」
その瞬間、小夜さんが消えた。その光に手を伸ばすが、届かない。
「ありがとう、小夜さん。俺は、もう逃げない。全て背負っていくから。小夜さんとの思い出も、あの時の後悔も」
これからも、ずっと。
#4 【これからも、ずっと】
君とずっと
一緒に居られると思ってた
どうしてこうなったんだろう
こんなにも好きなのに
もう会えないと思ったら
寂しくて悲しくて
会いたいのに会えない
この事実を受け止めなきゃ
じゃないと
君が辛くなるから
君が幸せならそれでいい
これからも、ずっと
これからも、ずっと
「其方と離れている間、其方は今日幸せだったかなって考えてしまうし、もしも他の吸血鬼や人間の男と一緒になってしまったらと考えるだけで気が狂いそうだ。人間らしい感情はとっくに忘れていたはずなのにな」
切なくなるくらいの想いに、彼への愛しさが溢れて止まらなかった。
「大丈夫、私はどんな貴方も愛する覚悟はできてるわ」
彼の想いを受け入れた時点で、私自身ももう彼から離れられないのだと悟った。
誰にも許されなくて構わない
これから先も、ずっと2人で寄り添いあっていたい
私には人にはみえない何かが見えている。いつも背後には刀を持った三十後半の男がいる。何でいるのかと聞いたら「さぁな俺にもわからん」と答える。本当に刀なのかと聞くと錆びついた刀を抜く。刃こぼれが酷くまともなものなど斬れなそうな頼りない刀だった。
その男とは10年ぐらいずっといる。もう少しで中学校に上がる私はある噂で竦み上がっていた。
それは中学校には例によって例の如く七不思議があってそんな幽霊たちが「見えてしまう」私にとって悪夢以外の何物でもないのだ。だがそんな私の願いは神に届かずやはり霊はいた。けれどこちら側を攻撃してくる様子はない。だがただ一つの異様な殺気を放つ黒マントの男を除いて。男は授業中、後ろでずっとこちらを見つめてくる。鏡の反射で見るとその見ている方向を睨みつけてくるのだ。怖くなって前をずっと見ていたある日急に男が笑いながら鎌を振り上げて私に斬りつけてきた。間一髪でかわすと死の鬼ごっこが始まった。それを続けて一刻。刀の男が私の前に立った。だがいつものヘラヘラした顔と違ってなにかを決した様に真剣な顔で男を睨みつけていた。そして刀を抜いた。いつものボロボロの錆びついた刀ではない。
たった今研ぎ澄まされたかの様な美しい直刃がそこにはあった。そして一気に男の間合いへ詰めると
豪!!
力強い一太刀で男を斬り裂いてしまった。だが刀の男の様子がおかしい。急に姿が透け始めたのだ。私はびっくりして彼に聞くと彼は悟った様な顔で
「やっぱり霊力が持たなかった」といった。
問い詰めると刀の男はかの名剣童子切の化身なんだそう。だが数百年、存在を維持するための霊力により刀に使う霊力が無くなっていた。でもさっきの戦いで無理矢理霊力を込めたため消えてしまうらしい。
何で助けてくれたのか聞くと「お前だけが俺を切るための剣として見てくれたそれだけだ」そう答えて消えてしまった。彼がいた所には一本の錆びついたでも懐かしい刀があった。私は彼にーーー。
お題「いつまでも、いっしょに」
この物語はフィクションです。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
「これからも、ずっと」
私はとても孤独だった。
私はとても寂しかった。
そんな時、あなたに出会った。
そしてあなたは「また会える日まで待ってて」そう言ったの。
だから私は待っていた。
でもあなたは来なかった。
ずっと待っていたのに、待っていたのに。
だから私は決めたのです。
「あなた」と私が暮らすための、愛と平和で溢れた世界を作ることを。
でも私は「あなた」を置いて世界から逃げてしまった。
「あなた」を危険な目に晒してしまった。
ごめんなさい。
でも、もう大丈夫。
もう「あなた」をひとりにはしない。
これからも、ずっと───
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今日は自称マッドサイエンティストがいつにも増してやかましい。
「おい!!!非常事態だぞ!!!ヤツが例のお人形遊び用の空間に現れた可能性が非常に高い!!!ほら!!!キミも!!!急ごう!!!」
この宇宙を吸収する未知の存在とやらが作ったその空間は、マッドサイエンティストさんによって侵入も認識もできなくされたはずだ。だがどうやってこんなことを……?
そうだ、未知の存在が執着する彼は連れていくのか?
「勿論だとも!!!人手は多ければ多い方がいいからね!!!」
そういう問題なのか……?
とにかく自分たちはその空間へと向かった。
「やあ!!!構造色の髪のキミ!!!聞こえるかい?!!急に悪いね!!!緊急事態だ!!!例の空間に集合するぞ!!!」
そんな大声出したら音割れするだろ……。
いや、突っ込んでいる場合じゃない。
自分も気を引き締めないと。
「何が起こるかわからない!!!だから今回は重装備にするよ!!!」
一度「ほぼ全てのデータを削除済み」の世界に飛び込む。
明るいのか暗いのか、寒いのか暑いのかわからない。
立っているのか、浮かんでいるのか、沈んでいるのか、それすらも。
「とりあえずここをキミたちに適した環境に設定するよ!!!だがヤツがどこに潜んでいるかすぐに分かるとは限らない!!!」
そう言いつつ、この空間そよ風の吹く暖かい草原へと変化させた。さすがマッドサイエンティストなだけある。
「だが朗報だ!!!この空間は想定よりも広くない!!!だから手分けして辺りを探ろう!!!次はヤツの居場所に集合だ!!!」
「あ、そうそう!!!何かあったときに備えて通話は切らないでくれたまえ!!!くれぐれも危険な真似はしないこと!!!いいかい?!!それじゃあ!!!」
「わかった」
了解。
自分たちはこの空間内を探索した。
しかし、辺りには草原が広がっているだけで何もない。
「そっちはどうだい?!!」
「めぼしいものはないようだ」
こちらも異常なし。
「そうか……。他に何か……あ」
「どうした?」
何があった……?
「スノードロップの花が」
「……花?」
ここまで花なんか見なかった。
もしかすると、何かの手がかりになるかもしれない。
「うわああああ!!!やめろ!!!やめるんだ!!!!」
「どうした?!」
おい、返事をしろ!!
──────────────────────────────────
ようやく再会できた。
この時を、ずっと待っていたの。
まさかこんな簡単に取り戻せるなんて思いもしなかった。
彼にもあんな隙があるなんて……。
私はとても幸せよ。本物のあなたに会えて。
──────────────────────────────────
「……ふふふ……ふふふふふ。
ははは!ハハハハハ!!!」
あいつが笑い始めた瞬間、メッセージが届いた。
“ランダム 意思 舞台 感覚 出会い 書物 居間 程度 緯度 流浪 華麗 来世 時間 系統 列島 概念 薔薇 場合 来週 で 語彙 免税 那由多 猿 意図 ! オットマン 欲望 駒 礼儀 日常 記事 づ 板 眠り ! 工事 連絡 晴れ 所謂 隠れん坊 始末 メッセージ 戸 異化 迂闊 奴 大学 黄泉 ! キミ 模試 歌詞 盥 探偵 脳 サイエンティスト 能力 画像 青葉 ルアー 鴨 眠り ! ”
「……?!」
なんなんだこれは……?
「何もわからない……どうすれば……?」
何かできることはないか、自分は渡された端末をいじってみた。
わからない……わからない……どうすれば……?
「位置情報だ!!」
そうか、位置情報を見れば居場所がわかるはずだ───
「……残念!!!引っかかったね〜!!!」
「お人形遊び用とはいえ、ボクがこんな貴重な空間のデータを本当に削除するとでも……?!」
「浅はか!!!余りにも考えが浅はかだよ!!!
そんなはずがなかろうよ!!!」
「ボクは“彼女”と手を組んでこの空間を共同管理しているんだ!!!」
「ホントは“彼女”のことなんかどーだっていいけど!!!どうしても構造色の髪の彼が欲しいって言うから仕方な〜く捕まえたんだよ。そしたらそっちのキミもおまけで付いてきた、ってわけだ!!!」
「ボクは宇宙を管理などしていない!!!ただ宇宙にいるだけの“マッド・サイエンティスト”!!!得たいものがあれば手段など選ばない!!!」
「おい、何を───」
……そうか、そうか。
「キミたちには悪いが、この空間ごと───」
「模型になってもらおうか!!!」
「それじゃあ、せめてもの弔いとして、綺麗に標本にしてあげよう。今までどうも、世話になったね。」
「……よくもぼくらを騙したな!!」
馬鹿だった。こんな話に騙される方がどうかしている。
前ここに来た時見た街並みがどんどん戻っていく。
「フフフ……さぁて問題です!!!」
「このスノードロップの花を引っこ抜いたら」
「何が起こるでしょう?!!」
「まあ、キミらはせいぜいそこで見ているがいい」
「くそっ……くそっ……!!」
終わった。もうどうにもならない。
多幸感と絶望感が入り混じる。
自分は、ぼくは、世界の一部と───
「えーい!!!つーかまーえた!!!!!……あ」
「……ケッ、逃げられたか!!!だが正体はほぼ掴めたぞ!!!」
「ほらほら、キミらも見たまえ!!!このスノードロップ!!!花言葉はご存じかい?!!お手元の端末で調べてみたまえ!!!少なくとも味方に贈るような代物じゃあないよ!!!」
「……つまり、どういうことだ……?」
何が言いたい?
「ボクは今までもこれからも、キミたちの味方だ……ってことさ!!!」
「何を今さら!」
別にもうどうだっていい。
「悪かったよ、悪かったって!!!ほら!!!この通りだ!!!だがキミたちのおかげで原因を特定できそうだ!!!」
「ボクはちゃんと公認宇宙管理士なんだって!!!ほら!!!これ認定証!!!ホンモノだぞ?!!」
バキーーン!!!
「おい今何をした?!!!認定証を真っ二つに?!!!正気か?!!!再発行の手続き面倒くさいからイヤなんだよーー!!!!」
「もう何も言うまい」
知るか!!!
「ちょっ、やめ、暴力はいけないよ!!!説明する、時間を、くれ、たまえ!!!」
「……落ち着いたかい……?これには深〜い訳がある!!!」
「構造色のキミには少々申し訳ないが、キミを使ってヤツをおびき寄せたのは事実……。その点については謝ろう。本当に申し訳なかった。」
「この空間に、キミに異常に執着しているアイツは必ずここに戻ってくるに違いないと踏んでいたから、ボクは敢えて一ヶ所脆弱なセキュリティポイントを作った!!!」
「本来ならここはボクら以外から認識できないはずだが、彼女の一部がこの空間に残っていたから、完全に切り離すことはできなかったようだ。だからまた現れた!!!これも計画通り!!!」
「ついでに、ヤツにこの計画がバレると厄介だから、したくないのは山々ながらキミたちを騙すことにした!!!ボクの迫真の演技、ちゃーんと見てくれたかい?!!」
「まあその甲斐あって、重要なデータをヤツから抜き取れたうえに!!!容易に位置を追跡できるようにもできたよ!!!本当だって!!!ホントだってば!!!」
「しかし……キミたちも見たまえ!!!これが『未知の存在』の正体だ……!!!」
自分たちは端末に映されたデータを見た。
「これ……分かるかい……??彼女、動いているのすら奇跡だよ……。詳しいことは後で解析するが、キミたちに伝わるように言うとすれば『1万年前の車が現役で、しかもメンテナンスなしで動いている』状態……かな?」
「そしてそんな状態の車が膨大なエネルギー、つまり燃料を抱えている。考えてもみたまえ。キミたちならどうなると思う?」
「いつ壊れるか分からない機械と」
膨大なエネルギー。
「そうだ。……答えは単純明快!!!宇宙規模の大爆発が起きる!!!しかも近いうちに、ね!!!」
「分かるかい?!!!めちゃくちゃ危険なんだよ!!!だからますますヤツを確保しないといけない!!!」
「分かったかい……?このタイミングで話をしても信じてもらえないかもしれないが……この通りだ!!!ボクを助けてくれたまえ〜!!!」
頭を地べたに擦り付けん勢いで頭を下げている。
「……。」
はぁ……。
「……どう、でしょうか……??」
「それなら」
この話が本当なら。
「分かった」
もう一度、信じてみよう。
「ああああありがとうございます〜!!!本当〜にごめんね〜!!!」
泣きそうな顔でいつものやかましさを取り戻した。
全く……。
「……それはそうと」
まだ何かあるのか?
「キミ、公認宇宙管理士の認定証を壊したね……??」
「いくらで再発行出来るかご存じかい……?また、認定証の破損は重罪だぞ……?これでキミの寿命があと100万年伸びても知らないよ……?」
必要経費だろ。
それに、あんな振る舞いをしたあと混乱せずにはいられない。
「ホントにゴメンって!!!」
でも、
「でも、」
あんたが自分たちを信頼してくれていたから、あんなことができたんだよな。
「あーー!!!お腹空いたよーー!!!ご飯食べに帰るぞー!!!」
「全く、呑気なもんだ」
完全に同意だ。
「とにかく!!!一難は去ったね!!!」
それはそうと、そこの君、ここまでよく読んだね!!!
書き手もやりがいを感じているに違いないだろう!!!
代わりにお礼を言っておくよ、どうもありがとう!!!
実はこの文章には隠しているものがあるんだ。
もしお時間があれば、見つけてくれたまえ!!!
甥っ子の誕生日祝いに絵本を贈ろうと本屋に立ち寄ったときのこと。平積みの色とりどりの絵本のなかで、見憶えのあるタッチのイラストに目が留まった。
『ぼくはふね』
懐かしい! 『きんぎょがにげた』の五味太郎さん、新刊が出てたのか。なんでも画業50年記念作品なんだとか。
ぱらぱら読んでいく。ちいさな船が嵐で陸に乗り上げ、もうおしまいだと嘆いていると、「その気になればどこにでも行けるよ」とほかの船にアドバイスをもらう。船はその言葉を信じ、“水の上をぷかぷか浮く”という決めつけを捨てて、山や街を自由気ままに進み始める……。
一冊は絶対これにしようと決めた。
シンプルでスッと胸に飛び込んでくる文章がいい。濃いめの水彩画みたいな温かみのあるイラストも。
気に入ってくれるかな。
いいものはずっと受け継がれる。月並みな言葉だけどまさにその通りだ。素晴らしい絵本ってどれだけ時が経っても色あせない。手放して久しいのに、タイトルも内容も、どんな終わりかただったかも、まざまざと思い出せるんだから。
ぐりとぐら。「ぐり、ぐら、ぐり、ぐら」の口癖が移った。
おばけのてんぷら。めがねの天ぷらが気になる。
グリーンマントのピーマンマン。私はピーマン好きだけどな。
サンタのなつやすみ。サンタもバカンスしたいよね。
はらぺこあおむし。虫はこわいけどこれは好き。
ノンタンシリーズ。病院の待ち合い室でいつも私を慰めてくれた。
ほかにもまだまだたくさん。
あなたはどんな絵本を読んで大きくなりましたか?
(これからも、ずっと)
ぐりとぐらが森で作った黄色いたべもの。カステラだのホットケーキだの玉子焼きだのオムレツだの、人によって記憶が違うの面白い。
初めまして。
私、伝説の木をやっている木下と申します。
伝説と言いながらも、実はタダの木ですけどね。
木下と言う名前も勝手に呼ばれているだけで、名乗っているわけではありません、念のため。
それで何が伝説かと言いますと、『伝説の木の下で告白すると必ず成功する』と言うベタなモノ。
いい機会なのではっきり言いますね。
ガセです。
私がこの地に生を受けて以来、数えきれないほど多くの告白の現場を見てきました。
ですが、結構な割合で断られています。
泣いて帰っていく人を見るのも一度や二度ではありません。
だから、事実無根の根拠のない噂なんです――とも言い切れなかったりします。
コレ、植物仲間に聞いたのですが、普通に告白するより私の下で告白する方が成功する確率が高いんだそうです。
どういう事なんでしょうか。
私にそんな特別な力なんて無いのに……
私はただ見ているだけです。
私としても手伝ってあげたいのですが、私には光合成しかできません。
残念なことです。
それにしても、なぜ何もできない私が伝説扱いされているのでしょう?
昔、有力な説を聞いたことがあります。
もう枯れてしまったんですけど、当時一番長生きだった老木が言うには、『お前はなんかそれっぽいから』。
つまり私の見た目だけで、伝説扱いされていると言うのです。
失礼な話です。
たしかに私は、同世代の木よりも大きく立派だと言う自負がありますが、それだけで決めると言うのは、失礼以外の何物でもありません。
もっと中身を見て欲しいものです。
とまあ、先ほどまで『伝説の木』扱いに憤《いきどお》っていた私ですが、最近では悪くないと思っているんです。
実は私、告白の現場を見るのが好きなのです。
あまり大きな声では言えないのですが、光合成飽きてきたんですよね……
告白の現場をみるのはいい暇つぶしになるんですよ。
ただ最近は告白の仕方が似たり寄ったりなので、少し食傷気味……
もっと奇抜に告白してくれませんかね。
おや、どうやらまた誰かがやって来たようです。
あっ、何か言う前に振られた。
からの、断った側が告白!?
さらに三人目がやって来て告白!?
最後は三人で付き合う!?
カップルとは二人で成立するものでは?
コレは初めて見るパターンです
どういうことなんでしょうか?
ですがこの考察で、三年は暇が潰せますね。
とまあこんな感じで、これからも告白をしに誰かがやってくることでしょう。
私が『伝説の木』と呼ばれる限り。
これからも、ずっと。
私はそれが楽しみでなりません
「お見合い…ですか?」
ティーカップを口に運ぼうとしていた小鳥は、一旦カップをソーサーに戻し、父・西園寺鷲智に尋ねた。
休日のティータイム、珍しく家族揃って団欒の時間を持てると思ったら、こんな話題を出すなんて。
メイド達が焼いてくれたスコーンを頬張りながら、鷲智はすげなく答える。
「何も卒業したらすぐに結婚しろと言ってるんじゃない。卒業後は好きな大学に入って好きな研究をしたらいい。だが、小鳥には、西園寺家の直系としての役割を忘れないでほしくてな」
いわゆる政略結婚だ。
小鳥はきゅっと唇を引き結んだ。
「さすがに時代錯誤ではありませんか?今どき血縁なんか無くたって、業務提携して面白い事を始めてる所はそこそこありますよ」
兄の鷹取がふーっと溜め息をついて、ティーカップをソーサーに置いた。
紅茶の香りに対してか、それとも父の発言に対しての溜め息なのか、判別はつかない。
そっと鷹取が小鳥に視線を送る。
"異論が有るなら、自分の言葉で言うべきだ。"
分かっている。
西園寺家の長女として生を受けたからには、恵まれた環境を享受している立場にある者は、己が役割として、ひとの見本となり、社会の礎になるべきであると。
生前、母がよく小鳥に説いていたのだ。
四歳の小鳥の小さな手を優しく握って。
小鳥は居ずまいを正すと、鷲智を真っ直ぐに見据えた。
「お父様、私は学生の身分で婚約するなんて、前向きには考えられません。私が卒業するまで、相手方の時間を奪うことにもなります。それはお互いにとって、残酷な選択に思えてなりません。添い遂げる方としこりを残すような関係にはなりたくないのです。」
それに…。
小鳥は言い終えると、鷲智の言葉を待った。
鷲智は、じっと小鳥を見つめた後、深く息を吐いた。
珍しく葉巻に手が延び、咥えたところで、はたとライターを擦ろうとする手を止めた。
「燕が、小鳥によく話してくれたことがあっただろう。覚えているか?」
西園寺燕は、小鳥が幼少期の時に亡くなった実母の名だ。
小鳥は黙って頷いた。
「まぁ、いい。少し時間を置いて考えよう。」
鷲智はそう言うと、ガラス戸を開き、外靴に履き替えたと思えば、
「少し園庭を散歩してくる」
と、すっと影が地面を滑るように、足音もなく歩を進めていった。
「自分勝手なのか、過保護なのか、よく分からないね。うちの親は。」
わずかな時間、鷲智の背中を見つめたあと、鷹取は肩をすくめて小鳥に同意を求めるように言った。
小鳥は答えず、すっかり冷めてしまったティーカップに視線を落とし、琥珀色の液体に映る寂しげな自分の顔を見つめた。
「小鳥様、いかがなされましたか?」
生徒会役員の会議が終わり、資料の片づけをしていると、他の教室に借りたホワイトボードを返してきた入江虎太郎が小声で尋ねてきた。
来た。
虎太郎は幼馴染み兼、小鳥の護衛(見習い)であるだけあって、小鳥のわずかな変化を敏感に察していた。
流石ね、虎太郎さん。
虎太郎に尊敬の念を抱きつつ、小鳥は何でもないように笑顔を向けて答えた。
「私はいつもどおりよ?」
虎太郎が怪訝そうな顔をする。
「しかし…」
虎太郎は口の中でもごもごと言うと、頭を掻いて視線を外した。
困った時の癖だ。
長い付き合いだからこそ、知り得る癖だ。
小鳥はふふっと笑うと、虎太郎を見つめて言った。
「いつも心配してくれてありがとう」
相変わらず、虎太郎の顔には?が描いてある。
これからも、ずっと、この関係を続けていけたら…。
その、もしもの願いを、小鳥は胸に仕舞って立ち上がった。
#これからも、ずっと
「ほらほら、もっと寄ってってば」
「いやそのカメラで全員収めるの無理ゲーだろ!」
「此方腕ちょうだい、前列で組めばなんとか」
「ちょっと背景になってくるな!」
「いや顔認識出来なかったらアウトだからな?!」
「膝載せろ膝」
「もー!時間無いんだよー!」
「行ける行ける誰かシャッター!!」
「……ああ、良かった」
「まだ、皆の事、思い出せるね」
「一緒に、生きられるね 」
<これからも、ずっと>
ふうわりと赤い頬
緩く細められた目元
一音目の為に開かれた唇の後ろ、
緋く朱く熟れた果実が
熔ける如く潰れていく
<沈む夕日>
『これからも、ずっと』
これからも、ずっと一緒にいようね💜
彼女は滅多に謝らない。
謝らないと言っても自分が間違ったときは必ず謝る
僕が何を言いたいかと言うと、彼女は謝るよりも感謝を伝えるほうが多いということだ。
人に迷惑や手間をかけてしまったり行為の邪魔をしてしまったら謝るのが常識と言われている。
でも彼女の考え方はちょっと違って、
「人には謝ることも大事だけど、何事もミスは必ずするものだし、謝ってばかりだと相手も疲れるしうんざりしちゃうと思うの。でも人って感謝の気持ちを伝えられると、嬉しくなるでしょう。例えば私の部活のバスケではボールが飛んでいっちゃって他のメンバーが練習しようとしてるところを遮っちゃうことはよくあるんだけども、そこで、メンバーがボールを拾ってくれたりしたときには、(邪魔してごめんなさい!)の気持ちより(取ってくれてありがとう)のほうが言われて(ああ、良い事したんだな。)って気持ちになりやすいと思うんだ。」
と言う。
僕は彼女の意見もありだと思う。
人には人の意見があるし、僕はその人が思った意見をその人自身に尊重してほしいと思う。
だから彼女の考えもこれからも、ずっと続いてほしい。そうすればいつか人々の考え方もいつしか変わってくるのではないか。僕はそう期待して、彼女を教室の端から見つめている。
「これからも、ずっと、、変わるまで」
愛なんてないと思ってた。駆け引きと損得で構成される、恋愛の皮を被った欲望の押し付け合いだけが存在してるんだと思っていた。
でも違った。愛はあったんだね。あなたの中に。
駆け引きと損得で、欲望を隠していたわたしに、あなたは純粋な愛情をくれた。普通の人は生涯持たない、本当の愛情。優しさと、思いやりで出来ている。
だからこれは、私の正直な気持ち。
わがままかもしれない。こんな私が、おこがましいかもしれない。だけど、どうしても願ってしまう。
これからも、ずっと。
何を返せるかは分からない。でも、何かを返したい。
欲望ばかりの自分を、初めて恥じたんだ。
ずっと、一緒にいたい。
言い合う時間が、好きだ。
これからも、ずっと――――
簡単には信じられない言葉がある。私はその言葉に幾度と騙されてきた。良心を欺かれ、心身共に疲弊しきっている毎日だというのにも関わらず。
最近の若者は……なんて言葉じゃ収まらない範囲がある。人間関係は歳を幾つ重ねたとて、変わらないソレがある。変わらないソレというのは友達関係だとかそんなものだと認識すればいい。
「大人になっても仲良くしたいね」だとか「これからも、ずっと一緒だよ」だとか、軽々しい言葉に踊らされてきた。もう懲り懲りだ。仲良くしたいなら尚更軽い言葉等人に言わない方がいいのではないか?と私は思う。
朝目が覚めると、カーテン越しの柔らかい光が目に飛び込んできた。
時計を見ると、時刻は午前6時40分
……休日にしては早起きしてしまったみたいだ。
ふと横を見ると、幸せそうな君の寝顔。
決めた。君を抱きしめて二度寝をしよう。
柔らかい朝日の中で、そっと祈る。
こんな日々が続きますように
これからも、ずっと
《これからも、ずっと》
「物語を紡げる人で在りたい。
誰かに“自分自身”を伝えられる人で在りたい。
言葉と誰かを繋ぐ縁のような人で在りたい。
思いを言葉で言い表せるような、人で在りたい。」
それが『読者』にとっての僕で在りたい。
「これからも、ずっと一緒だよ」
夕日で赤く染まる歩道
学校の帰り道僕は君に告げた
君は空と同じ位顔が赤くなって言った
「…もちろん!」
僕は君の反応に思わず笑ってしまった
途中は恥ずかしそうにしていた君も次第に笑った
一緒になって二人で笑いあった後、君は言った
「それじゃ、また明日。」
「うん。」
先程までの賑やかさが無くなり静かな空気になる
明日は君になんの話をしよう
そう考えるうちに僕は家に着いた
中学生くらいの頃から全く人間として成長していない気がする。知識とか価値観とかには変化があったかもしれないけど、中心の部分は全く変わってない。人と接するのは苦手なままだし、すぐ嫌な事から逃げてしまう。これからもずっとこのままなのかと思うと怖い。
これからも、ずっと毎日を
いっしょに過ごしていくと思っていた
幼き わたしが惚れ込んだんだよ!
12歳の時から27歳までの…
一番キツかった25歳も超えて…
ひとりっ子のわたしの
相手をしてくれてたんだよね!
頭が良くてね…お座りに、お手もできたの!
おかわりも(笑)
歳を重ねて、腎臓と血圧、足を悪くして
うずくまることしかできなくなってたね…
便にも血が混じり…
最期は大きな声でニャーと鳴いた
みんなに お別れをしてくれたのかな?
君と離れて15年を経過して
また新たな出会いがあったんだよ
ちょっと抜けてる甘えん坊の
白キジトラくん!
これからもお空から見ていてね…、
サバトラ猫くん!ありがとう!
これからもずっと、
赤色の騎士様のために生きます
これからもずっと、
一緒に夢に向かって頑張ります
これからもずっと、
ずっと一緒です
これからもずっと、
愛しています
これからももっと
あなたに捧げたいです
これからも、ずっと、話すのが得意になるように、
文章を書くのが得意になるように、努力します
( ´꒳` )੭"