『この道の先に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
海岸で見つけた貝殻
そっと耳に近づけて
波音を聞いたあの日
根無草のように揺れ
わたしは居なかった
強く風が吹いていた
わたしは飛び乗った
先のことは知らない
出来る事をするだけ
合わせるという術は
わたしを消していた
もう時間だと囁く風
不協和音は自身の心
わたしは泣いていた
気付かず生きていた
それがわたしだった
人間に嫌気が差して
神様になろうとした
心にある鬼を磨けよ
わたしが呼んでいる
終わらない旅の途中
上へ上へと一段一段
『この道の先に』
それでは次のニュース。
『日差しチャレンジ』でまた悲劇が起こりました。
本日午後一時頃、住宅街の公園で『日差しチャレンジ』をしたと思われる、吸血鬼が5人見つかりました。
一人は今も意識不明の重体、他四人は完全に灰になり、現地で死亡が確認されました。
若い吸血鬼の中で流行している『日差しチャンレンジ』。
日光に弱い彼らがわざと太陽の元に身を晒すことで、自らの勇気を示す度胸試しが、この『日差しチャレンジ』。
一種のステータスなのか、SNSでは『日差しチャレンジ』の写真がずらり。
ですが吸血鬼にとって、太陽は天敵……
太陽の危険性を十分知っているはずなのに、今回のような事故が後を絶えません。
なぜ悲劇が止まらないのでしょうか?
今回、この謎に迫るため、専門家の方にお越しいただきました。
元ヴァンパイアハンターのジャックさんです。
ジャックさん、こんにちは。
「こんにちは」
ジャックさん、なぜこのような悲劇が止まらないのでしょうか?
「はい、これには吸血鬼を取り巻く事情が変わったことが挙げられます」
と、言いますと?
「まずSNSの普及ですね。
これによって簡単に自らの存在を誇示することが出来るようになったのです」
吸血鬼は目立ちたがりなのですか?
「これに関しては人間と同じ、と言っておきましょうか。
彼らも元は人間……
承認欲求が強いのです」
なるほど。
「二つ目は令和になり、吸血鬼の安全が確保されるようになったことが挙げられます」
それは関係なさそうに聞こえますが……
「いえ、関係あります。
昔、吸血鬼というものは、駆除の対象でした。
そしてそれに対するハンターがいました。
それらを返り討ちにすれば、人々の噂になります」
そして承認欲求が満たされると……
「はい。
ハンター側も、富と名誉が得られる……
ある意味でwin-winな関係でした」
そうだったんですね……
「3つ目の理由に、人間と吸血鬼、双方の価値観が変わったことが挙げられます」
価値観ですか?
「『暴力沙汰はご法度』という価値観です」
なるほど、それは分かります。
今は令和の時代。
ハンターが吸血鬼を狩っても、逆に吸血鬼が返り討ちにしても、避難の嵐でしょうからね。
「その通りです。
そして吸血鬼も目立ちたがりとはいえ、こういった避難の嵐に巻き込まれるのは本望ではありません。
そこで考え出されたのが、血を流さない『日差しチャレンジ』という事です」
なるほど。
よく分かりました。
ですが将来有望な吸血鬼が亡くなる悲劇が続いています。
悲劇を防ぐため、なにか有効な手立ては無いのでしょうか?
「残念なことに対策は難しいと言わざるを得ません」
それはなぜでしょう?
「先ほども言ったように、承認欲求を満たすには最適だからです。
天敵にあえて身を晒す……
これ以上、勇気の必要なことはありません。
それに……」
『それに』?
「私は生存者に聞き取り調査を行った事があります。
この問題に新しい切り口が無いかとね……
そして彼らは、口を揃えて言いました。
『最初は恐怖しかないが、時間が経つと最高にハイってやつになる』と……」
ハイに?
「はい……
つまり彼らにとって、娯楽であると同時に、宗教的な意味を持つのです。
彼らは灰になることでハイになるのです」
そうだったんですね……
問題は複雑のようです……
おや、もう時間ですね。
ジャックさん、解説ありがとうございました。
それでは次のニュース。
動物園から嬉しい知らせです。
世界で初めてチュパカブラの繁殖に成功したと――
#5『この道の先に』
この道の先には一体何があるんだろう。
道は何本かに分かれている。
道の先は白い煙でよく見えない。
私はふと気になって後ろをふりかえってみた。
後ろの道には今までたどってきた人生の記憶が見える。
私はわかった。この道は人生を表しているんだと。
この先の人生はどんなことが待っているんだろう。
気になった私はこの真っ白の煙で隠れている道を歩いてみることにした。
この道の先に
続けていけば何かを変えられるはず、と
今日も線で構成されたなにかを残す
ちりりん。
軽い音で扉についたベルが鳴る。
カウンターの奥でグラスを拭いていた店員がちらりとこちらを見た。彼は「いらっしゃいませ」とは言わずただ軽く頭を下げる。席も自分で決めていいらしい。私が奥へ進んでも何も言ってよこさない。そればかりかこちらへ目も向けなかった。私は奥の窓際の2人席に腰を掛け、向かい側の席に荷物を置いた。荷物と言っても財布とPCぐらいしか入っていない。数ヶ月前からスマートフォンの煩わしさが気になりだし、突如解約してしまった。連絡を寄越す者はもういないのに、常に世界中から情報が届くことがなんとも虚しく、煩わしく感じてしまったのだ。あまり他者と関わりを持たずに生きてきたことが功を奏し、スマートフォンを解約してから今日までなんら困ったことは起こっていない。それがいいことなのか寂しいことなのか、私にはわからない。
手元のメニューに目を落とす。くたびれているがしっかりとした作りのメニュー表である。珈琲と紅茶で迷う。甘いものも食べたい。お冷を出しに来た彼に「珈琲とガトーショコラ」と声をかけると彼は静かに「かしこまりました」とだけ呟いた。私と彼しかいない店内では静かにジャズが流れている。重厚感溢れる造りの窓からは雨が当たる音が聞こえてくる。なんとも言えない心地だ。
その時突然扉がばん。と開いた。突如崩された静寂にいささか彼も驚いたようで、目線がすっとそちらに移動する。入ってきたのは若い女で、歳は20代前半のようであった。服装は割と地味だったが右手に掴んだ大きなキャリーケースとヒールが低めの靴だけは、自己主張が強く眩しい白であった。女は大雑把な性格と見えて、明らかに柄ではない赤い汚れがキャリーケースと靴に見える。急いで来たのか少し息を切らしている。その女は迷わず彼の目の前のカウンター席についた。雨粒を払って、キャリーケースを自分の脇に寄せる。女はお冷を待たずに「冷たい紅茶をちょうだい」と言った。彼はまた「かしこまりました」と呟いた。
少しして私が珈琲を啜っていると、突如女が口を開いた。「あのね、私今から遠くに行くの。」彼は少し黙っていたが「はい」と答えた。「諦めようかと思ったんだけど、やっぱり怖くなって諦めるのをやめたの。でも後悔はしていないわ。」女の声はよく通る声で私の耳にも自然と流れ込んでくる。東北訛りが入っているのか少々イントネーションが変わっているようだ。「好きな人がいたんだけど、友達の彼だったの。でもとても魅惑的だったの。彼も彼だわ。彼女がいるのに他の女となんて同罪、いやもっと重罪よ。だって2人の女を騙しているんだもの。」彼は黙ったままでただ作業をしている。女はそれで満足なようだった。女は深く息を吐くとキャリーケースを少し横にずらして立ち上がった。そのままお金をそこに置き、「ごちそうさま」と言って出ていく。来た時とは打って変わって扉はちりりん。と静かに鳴った。
きっと彼女の話はわかる人にはわかるのだ。彼も私もわからなかったが、彼女の話は「過去」であった。それと同時に「今」でもあった。彼女のこの道の先には灰色の壁が待っているだろう。彼女の恐怖心はそれが迫っていることを切に表していた。
--------------------夕顔が揺れる。
『この道の先に』
この道の先に何があるのか、靄がかかってよく見えない。
そもそも先に道があるのかわからない。
私の道はどこまで続いているんだろう。
もう続きはないのかもしれない。
なら作るか。
僕はこの道の先にあるものが嫌いだ
別にそれは、悪いことだけではないが
ただ、なんとなく嫌いだ
「人生」
僕はそれを本当に好きになれない
私は夕方、ひとりで歩いていた
ふと思った
この道の先に君がいたら
私は今すぐにでも走っていくだろう
でもそんな夢のような話があるわけない
そう思って歩いていた
その道の先に君が見えるまでは
どうしました?お嬢さん
さっきから、お部屋と廊下を行ったり来たり
お髭をピクピク、震わせて
お口をパカパカ、開けている
ついてこい?いいでしょう
どこへ連れて行くのかな
あっち、こっち、後ろをチラリ
大丈夫。ちゃんとついていきますよ
辿り着いたのは空の器
…お水がなかったみたいです
教えてくれて有難う。今用意するね
お水をペロペロ、ご機嫌なお嬢さん
【テーマ:この道の先に】
この道の先に。
何かがある。この狭い路地を抜ければ、這い出れさえすれば、きっと何かが。
毎日が行き止まりみたいな日々だった。ただ、そのままに、流されることすらなく、漂えずいる自分が惨めで、不幸で、可哀想で、ムカついた。
この荷を運んで、目的地に着けば、お金が貰える。そんな分かりきった報酬にすら感謝と敬意と謙遜を交えて、頭を下げる。ありがとうございます。と、何度言えば許されるのか。
貧困でもなく、寝るところもあり、食事に、学びまである。何一つ不自由なく感じる世界線も、十二分にある事は知っている。でも、それすらもどうでもいいくらい、私は疲れているのだ。
この道の先に、なんて、希望のある様な、ほのめかす様な、そんな淡い言葉遊びに涙を流すくらい、僕は疲れている。
今日はもう休もう。生きていて良かったと、いつか実感できる日まで安らかに眠ろう。
そんな自分に、満足はしたくない。
「この道の先に」
紙幣の肖像画に選ばれる人物には基準があるらしい。
きっとどの偉人も自分の道を歩んできたのだろう。
この道の先に
きみ 「この道の先にたくまくんがいる!」
あやめ 「なんかあんた、やばくない?」
きみ 「いや、いるはずだから」
あやめ 「いや、逆にるかくんがいるはずだから」
はる 「お前らうるさいな笑笑早く行くぞ」
(雑草をぬけて)
たくま 「おう!きみ、あやめ、はる!久しぶり」
るか 「あ〜!班違うけど会ったな」
はる 「いや、ガチでいて草」
あやめ 「るか...」
きみ 「たくま...」
先生 「お前らー!早く道進まんか!ごちゃごち
ゃするなー!」
たくま 「:( ;´꒳`;):ヒィィ」
この道の先に
子供の頃は…親の足跡を追いかけていれば何も考えず安心して先に進めた
大人になって自分で歩む道には重い責任と言うおもしがのしかかる
この道の先に明かりが見えるのか?暗闇だけが広がるのかは…
行ってみないと分からない
でも、どんな答えが出たとしても自分の出した答えなのだから
この道の先に
学校帰りにふらりといつもと違う道を歩いてみた。
駅に行くまでの道は何通りかある。
ふわり。
甘いような、少し焦げたような、香ばしいような、
そんな香りが鼻を通り抜けた。クロワッサンだ。
いつもとちがう道。その道の先にはいつもと違う出会いがあった。
2024/7/3
自分の人生の道の先には
いったい何があるのだろう。
まだまだ暗闇の道だけど、
か細い光を頼りに、
今日も道を探し求める、
進んでく。
この道の先に
「この道の先に何があると思う?」
そう、帰り道に幼馴染は森の奥に指を差しながらそう言った。
何処か不気味ささえ感じてしまう幼馴染の笑顔に俺は答えを考えた。
「特に何も無いんじゃないか?」
「ふふっ笑…へ〜…、何でそう思うの?」
俺の答えに対して、幼馴染の好奇心が湧いてくる。
「人がいる気配が無い気がするんだ。人が住んでるっていう。だから特に何も無い気がするんだ。」
俺がそう答えると、幼馴染は一瞬目を丸くしたように見えたが、次の瞬間には口角が上がっていた。
幼馴染は目を細め、口角をニヤリとあげ、俺にこう"答え"を言った。
「私ね、この質問、親にも言ったことがあるの。そしたら親は何故か"私が人には見えない何かが見える子"って思い始めたんだ。」
夕日に照らされながらそう、淡々とした口調で話を続ける幼馴染。
「人ってさ、必ず第一印象でその人はこうって決めてしまうと思うの。だから親は、私がそう言った時にそう感じてしまったんじゃないかな。」
最後に幼馴染は、風に髪の毛を靡かせて、俺の目を見つめながらこう言った。
「強く生きてね。世の中には第一印象だけに囚われる人が沢山居るから。」
この道の先に何があるかだってぇ
そんなもんは自分で行って確かめな
答えを聞いて気にいらなきゃ別の道にすんのかい
そもそも、そいつがホントだってどうやって確かめんだい
まあ、道を進むか
戻って別の道に変えるのか
そいつはぜんぶ自身で決めることさね
もちろん、いつまでも留まって骨を晒すのも自由だがね
お題《この道の先に》
幸せはいつだって薄氷の上
幸せはいつだって天秤の上
気づくと私は真っ暗な場所にいた。
灯りはなくどちらが前で、どうやって進めば良いのかも分からなかった。
私はとてつもない恐怖と不安に押しつぶされそうだった。
けれど、それは長くは続かず一周まわって冷静さを取り戻していた。
よく目を凝らすと微かに蛍のような光がちらほら飛び交っていた。
さらにそこをよく見ると、よく枝分かれした木のような糸のようなものが無数に広がっていた。
『これらはどこにつながっているのだろう。』
私は興味本位で1歩づつ足を踏み出していった。
「この道の先に」
この道の先には何があるのだろう。
迷いもあり自分の感覚を信じ歩んできた人生。
暗い闇に進むことも明るい暖かい場所に進むこともある。
間違いでもいい。
でもそこで、歩むのを止めてしまうのがいちばんダメなんだ。
自分の直感を信じて歩むから楽しい人生を送れる。
自分を信じてみよう。