『お金より大事なもの』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
お金よりも大事なもの。
それは人それぞれ違う。
愛とか恋とか命とか信頼とか。
時間だとか希望だとか。
やっぱりお金が1番とか。
私は決めれないな。
欲張りだと思うけど全部人生の中で必要だもの。
人生の中のちょっとしたスパイスみたいなものよ。
【お金よりも大事なものは】
マネジメントされたテレビ番組
菩薩様のように微笑む老婆
『お見合いだったのだけど、
そのひとの真っ黒に汚れた爪を見てね、
働き者だと思ったの』
はて、
私は、これから迎えに来る男の
どこが好きなのだろう
かわいいっていってくれるところ?
何でも買ってくれるところ?
真っ赤なFerrari?
テレビの老婆はなおも声を上げて笑う
『そうねぇ!
生まれ変わったらまた、一緒になってあげてもいいねぇ。
またきっと、苦労ばかりだわね!』
嗚呼、なんだ。
この老婆も私も
所詮はその人に愛される自分が好きなのだ。
細塵で最大の
老婆になっても愛してもらえるかという違いはあるが
それはその時考えればいい
私はいつもどおり鏡に妖艶に微笑んで、自分に言う
「いってきます」
[愛という戦略的侵略戦争]
【お金より大事なもの】
お金より大事なものは何か、と訊かれてあなたは何と答えるのだろう。
「え?かっちゃん。」
尋ねれば、即答する自分の呼び名。
「これって、無人島に行くなら何を持って行く?みたいな質問?」
訊き返したいと書いてある表情に、苦笑いして首を横に振る。
「お金で買えないものがたくさんあって、決められなくて。で、訊きたかっただけ。」
あなたの事はもちろん大切だけれど、お金で買えないものは他にもたくさんある。
「でも、カズくんの答え聴いて、同じだなって思った。」
人との縁、思い出、命、存在、愛情、心。
自分の周りは、大切なもので溢れている。
「えへへ、お揃い、嬉しいなぁ。」
照れ笑いのあなたが愛おしくて、そっと抱き締めた。
「お金より大事な、『物』なのか『者』なのか、なんなら自然保護の観点から『藻の』もアリか」
やっぱり平仮名のお題は便利よな。漢字変換でどうとでもいじれるから。某所在住物書きは「もの」の予測変換を辿りつつ、何をどう書くか思考していた。
「喪の」では少々センシティブであろう。
「Mono」はギリシア語由来の接尾辞で「ひとつの、唯一の」といった意味を持つらしい。
「『お金より大事』って、今の時代、だいたい金額で数値化できちまうもんなぁ……」
たとえば人の命だって、乗用車と競走馬輸送車とか、精密機器輸送車とか。自然の原風景だって「そこに風力発電所建てた方が金になる」とかさ。なんかな。
物書きは首筋をガリガリ。天井を見上げる。
――――――
前々回の「絆」から続く図書館のおはなしも、ようやくそろそろ、ひと区切り。
昔々のおはなしです。都内某所、某図書館、年号がまだ平成だった頃のおはなしです。
都会と田舎の違いに揉まれて擦れて、人間嫌いと寂しがり屋と少しの不信&怖がりを併発してしまった雪国出身者が、非常勤として流れ着きまして、
かわいそうに、「脳科学」に関して付け焼き刃的に物知りな正職員に、目をつけられてしまいました。
雪の人が附子山、正職員が付烏月、ツウキです。
すべての人間が敵に見えるのは、誰が怖い人で、悪い人で、危ない人か、見分け方を知らないからだ。
附子山よ、純粋で無垢で初々しい雪の人よ、図書館で人の頭を、心を、脳科学を学ぶのだ!
良いヒマつぶしを得た付烏月は、ニヨロルンとイタズラな悪い笑顔で、附子山にアレコレ吹き込みます。
「絆」の線引きを担うオキシトシンに、
「月夜」の読書で覚えた頭のブレーキ、前頭前野。
真面目で根は優しい附子山、図書館で人の心を学び続けました。ここまでが前回のおはなしです。
で、今回です。だいたい2ヶ月3ヶ月後です。
勉強熱心な附子山だから、もう怖い人間と悪い人間と距離離すべき人間の特徴を理解しただろうと、
ニヨロルン、付烏月はバチクソに悪い笑顔で、新着図書にフィルムを貼る作業中の附子山のところへ、
「ブシヤマさ〜ん、ゴキゲンいかがん」
「フィルムコート貼りの作業中です。すいませんが話は後でお願いします」
行ってみたは良いものの、附子山、人間嫌いも少しの不信も、全然、ちっとも治っていません!
唇は緊張の真一文字。視線を逸らすのは心理的不快感のあらわれ、遮断行為のひとつです。
人の見分け方、頭の覗き方を覚えても、まだ「人間は敵か、『まだ』敵ではないか」と考える。
予想外の展開に、付烏月の目が輝きました。
「俺が嫌い?仕事が怖い?給料安いのが不満?」
附子山の瞳をバチクソ熱心に観察しながら、物知り付烏月、考え得るすべてを列挙しました。
「作業中だと、言っているでしょう」
淡々。附子山は付烏月の話に知らんぷりでしたが、
「お客さんが苦手?地味な作業が、面倒……?」
付烏月の列挙が「お客さん」の札を切った途端、
附子山はまぶたを下げて視線を落とし、
札が過ぎ去ると、ようやく視線を元に戻しました。
ほほーん。そゆことね。
付烏月の悪い笑顔が、もっと悪くなりました。
「クレーマー対応が嫌。違う」
「あの、なにを、」
「特定の変な客に絡まれ、てるワケでもない」
「付烏月さん?」
「自分のストレス……そう。都会に揉まれて心に傷がいっぱいなのに、その状態で不特定多数と」
「ちがう!」
「あのね、附子山さん」
ぽふん。肩に右手を置いて、悪い笑顔のまま、付烏月がニヨロルン。言いました。
「過剰なストレスってね、ホントに、頭に悪いの」
附子山は付烏月から目が離せません。緊張とストレスで、カッチコッチに固まったままです。
「コルチゾールだよ。ストレスホルモンの一種。それの分泌に、海馬がブレーキをかけてるんだけど、ストレスが酷過ぎると、海馬が傷ついちゃうの。
コルチゾールは神経細胞を活発にさせ過ぎて過労死させちゃう。心が体を殺しちゃうんだよ。
ストレスで傷ついた脳はね、今の医療技術じゃ、どうにもならない。脳は、お金より大事なものなの」
あのね。附子山さん。
付烏月は附子山に視線を合わせました。
附子山は相変わらず、緊張に唇が真一文字。あらゆる人間を嫌って、疑って、恐れていましたが、
それでも、初めて目を合わせた日に比べれば、付烏月に絆を、少しくらいは感じてそうな気がしないでもありませんでした。
お金より大事なものは命チピチピチャパチャパルビルビラバラバパチコミルビルビブーブーブー
私のお金より大事なものは友達や家族です
お金はなんでも手に入ると思っている方もいます
ですが家族や友達の愛情はお金では買えません。
テーマ:犬の鳴き声
ワンワンワン
遠くで犬が鳴いている
ワンワンワン
だんだん近くで聞こえてくる
ワンワンワンワンワンワン
僕は振り返り周りをキョロキョロ
でも、そこには犬はいない
鳴き声だけが聴こえる
ワンワンワンワンワンワン
足元で犬の鳴き声がした
僕は足元に目を向けた
そこには犬ではなく妹がいた
ワンワンワンワンワンワン
どうやら妹が犬の真似をしていたみたいだ
それにしても良く似ている
ワンワンワンワンワンワン
きっと
外で真似をしていたらみんな勘違いするだろう
今日もまたどこかで鳴き声に振り返る
#ポエム
『お金より大事なもの』
通学中の交通事故で息子は亡くなった。突然のことにうろたえて通夜と葬式のときの記憶があまりない。
示談の場で、亡くなった息子は慰謝料分の価値なのですかと加害者側の弁護士に問いかけてみたが苦笑いが返ってくるばかり。私では埒が明かないと判断されたのか、夫が代わりに対応して事後処理は終わってしまった。通帳に記載されるであろう息子の価値はたったの一行。私の空虚を何も埋めてくれない。
葬式から数ヶ月が過ぎると仏壇に手を合わせに来てくれる人たちもずいぶんと減ったが、ある日に見知らぬ女性が線香をあげさせてほしいと家を訪ねてきた。その人は遺影となった息子の写真を長く見つめると、やがてほろほろと泣きだした。慌ててハンカチを差し出して落ち着くまで傍にいてやる。息子の同級生だったという彼女は息子に対して想いを秘めていたようだった。息子のために泣いてくれる人の存在が嬉しくて泣けてしまう。私の空虚はそのとき確かに満たされていった。
苦しくて苦しくて
もう嫌だ
そんなふうに思う時があるかもしれない
でも
希望を自ら捨てないで
いつか必ず見つかるから
命や希望
それはお金より大事なものだから
お金より大事なもの
お金より大事なもの 幼かった僕は
その言葉の意味が良く分からず大人に
なった。
僕の家は、大手のそれなりに大きい
某有名 株式会社だ
それなりの資金は、請われれば すぐに
出せるし 普通の一般家庭と比べると
それなりに潤っている家庭と言えるかも
しれない....
それは、僕の曾祖父 祖父 父と綿々と
受け継がれた 資金 会社の実績 信頼など 先代 先々代が積み上げた結果が
あるからだ。
僕はその結果の象徴がお金だと子供の
頃から思っていた。
お金 労働の対価 見返りとして
品物を売り買いできる権利を与えられる
証明書
そんな風に思っていた。
お金より大事なもの 大人になった僕は
家族を持った僕は 子供の頃は
良く分からなかったその言葉を
仲睦まじい家族の光景を見て
少しづつお金より大事なものを実感する。
でもお金は、労働の対価 その考えは
変わらない
僕を育て上げてくれた両親
会社を立ち上げて 此処まで守ってくれた
曾祖父 祖父達 その並々ならぬ努力を
忘れてはいけない
良く祖父や父は言っていた
「お金は 人に救いを与えるが 使い方を
誤ると 人に牙を向く刃にもなる
お金は、薬と同じだ 薬も使い方次第で
毒にも薬にもなる
使い方には、十分に気をつけろ」と
そうしてこうも言った
「お金が絶対に必要な時にお金が手元に
あったら出し惜しみせずに使いなさい」と
僕は その言葉を胸に刻み
祖父や父達が守ってくれた会社を継ぎ
家族とお金と上手に付き合いながら
これからも お金とお金より大事な物を
皆と一緒に幸せになる為に守って行きたい
お金よりも大事なもの____
初めて恋をして失恋をした。
大好きだったんだ。3歳の頃の初恋の相手に、10年ぶりに再会して、最初はキュンともドキともならなかったの。
でも、それから毎日のように電話して、たくさん出かけて、恋バナして恋人同士みたいなLINEして。いつの間にか好きなっちゃってたんだよね。
「あー、俺復縁するかも」
そんなふうに電話で言われた途端に涙が溢れそうになったよ。
卒業までにお互い恋人がいなかったら、復縁する約束を別れる時にしたらしい。それで最近、元カノさんは彼氏がいるのに別れたいんだよねって復縁話と同時に相談されたらしくてさ。
バカかよ。元カノさんもあいつも。なんでそんな約束してんだよ。うまくいくわけないじゃん、私の方が幸せにできるのにって負け惜しみをする。
「はとこ」という壁は案外大きくて私の行動を止める。親戚のあいつに取って私はただの妹なんだろうね。
お金より大事なもの
時を待って 砂を蹴って
塞いだ 心で 洗って
長い 時が 経って
羽は ちゃんと 広がって
銀河の 砂が 眩しい
目に入る 光景が 朝焼けを 思い出させる
長い 迷路の 中 だけど
ちゃんと 記憶は 繋がって
大空を 飛ぶ 方向は あっている だろうか?
風は 背中に 乗れるほど
揚力を ました 順風が 吹いて いるか?
お金より大事なもの
待ち続ける 夜明けを 超えて
朝が 何度も 繰り返す
知らせの チャイムが ポケットの中 きらりと 光る
あの街は まだ 残って いるかな?
通りにあった カフェの コーヒーの 匂いが
今でも 心に 湧いて
銀河の 果に 心が 揺らいで
あの街の 明かりを 探して
長い 時を 待って
砂を 蹴って 其処へ 飛ぶから 跳ぶから
羽を 広げて 其処へ 行くから
お金より大事なもの
お金より大事なものは人によって様々だと思う
中にはお金が一番大事という人がもちろんいるだろう
最大公約数の意見を言うと大事なものは命になるだろうけどそれに関しては前提条件にして考えたいと思う
私にとってお金より大事なものは生きがいだ
自分は何故生まれてきたか?
この世に生まれた以上、目的や目的を持ち挑戦をしていきたい
それが私の一つの答えだ
生きがいが無ければ人生に面白味はない
ただそれは何も大きなことでは無くていいと思う
スポーツ選手になって活躍したり、
ビジネスで大きな成功を収めたり、
世界中をくまなく旅したり、 などなど
そんな大層なものじゃ無くていい
自分と素直に向き合え、挑戦していて充実感が持てるものならなんだっていいはずだ
それはお金を沢山持っているだけでは実現できない感情だし、有限な物質には必ず限りがありそれを拠り所にしすぎるのは心許ない
じゃあ結局、私の今のやりがいはなにか?
それは今、書いているこのアプリを更新することに他ならない
また明日も書こう
お金は、何かへの対価として支払われるものだ。
食べ物を買う、贈り物を買う、時としてサービスのような形に無いものも、買う為にお金を支払う。
だが、私には金よりも大事なものがあった。
『時間』だ、時は金なりという言葉があるように、
私には時間が、金よりも大事なものに思えてくる。
何をするにも、時間は必要で、それは金をかけても戻って来ない。
時間を支払って、何をする?
人生の時の砂を、何で埋める?
私達の人生には、常に時間がつきまとう。
思い浮かぶのは、お金では買えないもの。
例えば時間、ひとの心、友だち、いのち、親切心、、
漠然と一般論。
もらえるものはもらった方がいい、と言われるけど、そうじゃない時もある。
安定した収入だけど微妙なストレスフルか、安いけど、ストレスフリーな環境か。今ならストレスフリーを選ぶと思う。
お金は発生しないけど、プラスαその人のためにしてあげたい、ボランティア精神的なもの。これも大事だと思う。
お金より大事なもの
わたしにはともだちがいる。
そーせきというやつだ。
そーせきはひとりで何もできない。
だから、わたしが毎日あさおこしてあげるし、ごはんもつくってあげてる。
わたしがほいくえんに行ってるあいだはいい子でまってるんだよ、とまいにちまいにち口をすっぱくしていっている。
きっとそーせきの耳にもわたしとおなじようにきっとタコが住んでる。
そーせきは、ある日さえこがひろってきた。こまった時に使いなって言ってわたしに渡してきたけど、ひろってきたのにさいごまでめんどうをみないのはよくないとおもう。
国がみとめたどれいしょー、ってお仕事らしいけどどれいしょーにもやっていいこととわるいことがあるとおもう。
けど、わたしはえらいからまいにちちゃんとめんどうをみてあげている。
ママが、お金は大事にしなさいってずっとおこってたことをわたしはしってるから、お金のひとりらしいそーせきのことをわたしはたいせつにしてあげているのだ。
けど、ある日さえこがお熱をだした。
さえこの元気がなくて。カップラーメンがいいっていってもにんじんがはいってるポテトサラダとお魚を作ってくるいじわるなさえこがいなくて、ベッドでねてくるしそうにしている。このままだとママみたいにさえこがいなくなっちゃいそうで、こわくて、ないたらママにおこられちゃうってわかっててもなみだがでちゃいそうだったとき
「私を使いなさい」
そーせきから、こえがきこえた。
「冴子のために私を使いなさい」
はじめてきいたそーせきの声は、なんだかえらそうだった。
「偉そう、ではなく偉いのだ。所謂付喪神、というものだな。美琴の真心と魔力を受け続け、些か癪ではあるがそーせきという名を与えられたA123316Bという千円札に私という人格が宿ったのだ」
そーせきの話はむずかしかった……
さえこがいつも、はなしがながいやつはぶっとばしたくなるって言ってたのをおもいだして、急いでさえこの方をみたけど、さえこは変わらずつらそうにねていた。
「冴子には聞こえんよ、というか今の時点では私の声を聞き取れるのは美琴、お前だけであろう。そんなことより、今お前は冴子のために何かをしたいと思ってるのだろう」
そーせきは、いつものばしょから動いてないけどかわらずわたしには話しかけてくる。
いままではなしかけてもかえしてくれたりしなかったのに、とか、口がうごいてないのにどこからこえがきこえるのかとか、わからないことはたくさんあったけど、でも。
「うん、さえこにげんきになってほしい」
そう言葉にして、そーせきに伝えた。
「うむ、ならば私を持って行って冴子のために薬を買ってやればよい」
さえこのおくすり。それがあれば、きっとさえこは元気になる。そうすれば、さえこはこれからもわたしのそばにいてくれる。
なやむことなんてないはずなのに、わたしがうごけないのは。
「でも、そーせきは……」
「ああ、私は美琴とはお別れ、だな。それにおそらく定着しきってないいま、美琴の側を離れた場合私に宿っている意識もまた消失することだろう」
そう、そーせきとはもう会えなくなってしまう。お金は大事にしなきゃいけないのに、わたしにとってそーせきも大事なのに、さえこのためにわたしの大事のために、わたしの大事がいなくなってしまう。
それは、そんなことは……
「それでいいのだ。美琴、お前は優しい子だ。ただの千円札である私に意識が宿るくらいにはな」
「けれど、優しさは有限なのだ。より大事なもののために、大事なものを諦めねばならぬ時もあるのだ」
「お金より大事なもの、そのために私を使うといいさ。それが私にとって大事なもののためでもある」
わたしは……わたしは……
ゆっくりと、そーせきに手を伸ばすと、そっと友達を折り畳み、ポケットにしまいこんだ。
お金より大事なもの
健康だったり愛だったり
人によって違うと思う
お金より大切なものを守るためには
お金が必要なところは同じ
お金より大事なもの
それはない
ないと言ったら語弊を生むが
それなしでは生きていけないというのも事実だ
お金か愛かと言ったらお金を選ぶのは駄目という風潮があるが意味が分からない
あくまで個人の主張だ
別にお前から金を取る気もないし擬愛をかけるつもりもない
愛とお金どちらも欠けたら生きていけないものだ
金があるならそこから愛を育めばいい
愛があるならそこから金を育めばいい
不幸せな状態でそれを言っても結果は散々で終わる
お金がないから始まる愛がいいもので終わるか?
愛がないから始まるお金はいいもので終わるか?
不足感からくるものが満足感を招くだろうか
否、招かない
起承転結の転ばかりで転げ落ちていくばかりだ
転げ落ちた先には何が待っている?
結はどんな結になる?
どんな決断をする?
満足感からくるストーリーか不足感からくるストーリーか
最初は満足感だったが時が進むごとに不足感に変われこともあるだろう
安心してくれ。自己啓発セミナーや本などをやるつもりはない
金を巻き上げるつもりもない
自己啓発なんとかをやっている人もただの人だ
利益はなるべく多く貰いたいそう思うだろう
“自己“啓発なのだから自分で見つけろ
人の自己啓発など“他“啓発だ
お金より大事なもの
胡散臭くなり申し訳ない
金のなる木から始まるこういう話は中々話しづらいので
ここに書いてみたというわけです。
お金より大事なもの
私にとってお金より大事なものは、
いろいろあるけれど、
でもいちばん大事なものは、
もうとっくに決まっている。
家族だ。
娘だ。
そして娘を育てていくためには、
お金がいるんだ。
同じように、
父や母もいろんなことがあっても飲み込んで、
懸命に働いて、私を育ててくれたんだろう。
#187
「班ごとに分かれましたね。じゃあ今から紙配るのでみんなで意見出し合ってメモなりまとめなりしてください。テーマは『お金より大事なもの』です。最後発表してもらうとき理由も聞きますので、しっかり話し合ってくださいね」
先生の号令の後、教室が一瞬にして騒がしくなった。机同士くっつけあった四人班になった。席替えしたばかりであまり交流もない人たちだから少し怖い。
先生が班を回って紙を配る。B5の白紙だ。
「ありがとうございます」
隣の席で、今は向かい合わせに机を並べている坂本さんが受け取った。坂本さんは裏っ返したりしながら、何も書かれていないことを確認していた。
「誰書く?」
普段は後ろの席の吉田くんが隣から声を発した。班学習だと操作していなければ注意されないから、スマホを机の上に置いていた。
あっ。
「このまま私書くよ」
「あざーっす!」
立候補が遅れてしまった。書記を担当したら発表者候補から逃れられると思ったのに。前に出て話す、もしくはその場で立って話すなんて緊張しちゃう。絶対やりたくない。
音もなく、スッと隣から手が挙がった。
「発表者、俺で良い?」
神様は私を見捨てていなかった。全員でお礼を言ったけれど、私が一番声出ていたと思う。
吉田くんは手を下げてニカッと笑い、
「俺ありきたりなのしか思いつかないから、武藤と高倉さんで案いっぱい出してね」
と、爆弾投下して机に肘をついた。神は私を見捨てた。
「案はみんなで出し合うんだよ。ほら、私と一緒に無い頭絞ろう」
「えー、苦手なんだよな、こういう道徳的なの」
坂本さんと吉田くんだけで話が盛り上がっているが、そもそもこの班はクラス内で平均点以上の成績を収めている人しかいない。得意分野はそれぞれバラバラだけど。
英語の学内スピーチコンテスト三位の坂本千香さん。
今年数学検定二級に合格した吉田一成くん。
日本史テストの学年最高得点をキープしている私。
そして、オールラウンダーの武藤博昭くん。
ただ武藤くんは極度の人見知りらしく、私と同じで音読やスピーチ等の対話や発表が苦手なようだ。
そんな武藤くんは、私の斜向かいに座りながらじっと机を見ている。どうやら目線が上げられないらしい。最近髪を切って、隠れていた顔を初めて拝んだ。アイドルの卵にいそうなイケメンでびっくりした。多分あと眉毛整えたらすごくモテると思う。
今まで遮っていたものがなくなって、本人としては落ち着かないかもしれない。でもこちらとしては表情や目線がわかるからありがたかった。
「とりあえず、無難な案から出そう。人間関係」
「うーわ、言われた」
早い者勝ちだよこんなのって吉田くんが笑った。
「人間関係ね、理由は?」
「家族も友達も恋人も、お金じゃ買えない。あとお金が絡んで損得勘定が生まれると関係が破壌しやすいから、お金を絡ませない方がむしろ良い」
「確かに」
道徳苦手とはどの口が言っていたのだろう。
「武藤くんは何か思いついた?」
武藤くんは一瞬ビクッと肩を揺らして、ようやく顔を上げた。くっきり二重が可愛いクリクリお目目を坂本さんに向けている。「あー」とか「うー」とか言いつつ、
「愛情、とか?」
と静かに答えた。坂本さんは大きく頷いた。
「確かに、人間関係に恵まれるには、お互いに愛情を持って接する必要があるかも」.
「愛情を持って?」
「人類皆ライク精神的な?」
「そこまでは、いらないと思う、ます」
私は必死に笑いを堪えていた。坂本さん、ボケなのかギャグなのか。とにかく急にぶっ込まないでほしい。
「高倉さんは何か思いついた?」
坂本さんが私に話を振ってきた。そこでまともに考えてなかったことに気がついた。ヤバい、何か案出さなきゃ「人任せの女」って認識されちゃう。
私も二人を見習って、無い頭を絞り出す。お金より大事ってことは、お金じゃ買えないものか、お金にできない中で究極に大切なもの。お金と同等もしくは少し価値が低くても良いから何か、何か思いつけ!
あっ。
「時間、とか?」
周りが騒がしい中、この班だけシンとした。私の発言は不躾だったのかもしれない。三人とも私をじっと見ている。間違ったことを言ってしまったかもしれない。
だんだん恥ずかしくなってきて視線が下がる。ソワソワして落ち着かない。
「それだ」
吉田くんが私を指差した。
「時は金なり、タイムイズマネー。よく言うもんね」
何かを紙に書き込む坂本さん。
「確かに、カラオケや漫喫の三十分いくらの料金表は時間というより施設・サービス使用料に付随されるから時間のみ買っているわけではないか」
小声で呟いているけど丸聞こえの武藤くん。
私はまさか自分の意見に共感してもらえるとは思わなくて狼狽えた。このまま結論が時間になってしまうと、最初に言い出した私に全責任回ってきそうで怖い。何か他にも案を出そうと頭を捻る。
シャーペンを動かしていた坂本さんが、不意に顔を上げた。
「じゃあ空間も大事ってこと?」
パルキアか。
突っ込みたいところをグッと我慢した。坂本さんのようなキラキラ女子は、ポケモンを知らない可能性がある。たとえポケモンが一般人にも知れ渡っている偉大なコンテンツだとしても、ここでオタクみたいな発言は避けたい。
「いやパルキアじゃねぇんだから」
吉田くん! と心の中で叫んでしまった。
「時間と空間って確かニコイチじゃなかったっけ?」
「パッケージデザインの伝説ポケモンをニコイチ扱いする人がいるとは思わなかった」
あれ、もしかして坂本さん意外とポケモン知っている人なのかもしれない。
「現実世界で考えると、家とか土地とか、道だって料金払ってるから、お金が有利かな」
「道を? 高速道路以外に払ってる?」
「道路整備とか公園とかって、自治体の管理になるから。うーん、住民税とか?」
「働く世代が払ってくれて、整えてくれる人がめちゃくちゃ頑張ってくれてるから歩きやすい道ができてるってことだろ」
「あぁ、なるほど納得」
正確さは置いといて、自分たちで答えを見つけるのが、この班の私以外の人は得意なのかもしれない。
「じゃあ空中は?」
「人間が浮かない限り、物理的に無理かな」
「じゃあパルキアよりディアルガが有利か」
「そもそもパルキアとディアルガはアルセウスから生まれたんだから、アルセウスこそ大事ってことあるんじゃない?」
坂本さんのパッと出た疑問に、おそらくポケモンに詳しいだろう他三人の動きが止まった。
「神はダメだろ」
苦虫を噛み潰したような顔で、吉田くんが言う。
「神を信仰しても金は増えない。むしろ献上金として失っていく一方だ。信仰って一見心が満たされるような良いことのように聞こえるけど、実際はお金も時間も心も労力も全てすり減らすんだよ。じゃなかったら今、世間で被害者の会が発足されたりしないはずだ。それに信仰する神によっては宗教にまつわる争いごとが歴史上の付き物だろ。キリスト然り、ブッダ然り、アッラー然り。レジェンズアルセウス貸そうか?」
正論すぎて補足することも何もなかった。また、彼が宗教に関してここまで現実的なイメージを持っていたなんて、過去に何があったか聞きたかった。けれど触れられたくない事情かもしれないので、そっとすることにした。
「オッケー、神はやめよう」
あとクリア済みだから大丈夫、ありがとう、と坂本さんは続けた。紙に書いたアルセウスとパルキアとディアルガにバツがつく。その紙がチラッと見えたらしい吉田くんは呟いた。
「むしろピカチュウとか、身近な存在こそお金より大事で尊いんじゃね?」
今度はピカチュウかよ。
その発言に、武藤くんは何度も頷いた。
「わかる、ピカチュウは尊い」
「まぁ、ピカチュウは可愛いけど」
坂本さんは戸惑い気味に苦笑いした。内心まだポケモン続くのって思ってそうだ。
確かに、ポケモンというコンテンツの中でも、ピカチュウは世界中で愛されるキャラクターではあるけれど。
「ピカチュウは、経済を回してお金を生み出しているけれど、いざピカチュウと生活するには、余計な苦労をさせないためにもお金が必要なのでは?」
私が思わず声に出すと、三人は頭を抱えた。私が発言するたびに団体芸を披露しないでほしい。笑い堪えるの大変なんだから。
「そ、そうだね。ピカチュウと暮らすには、ポケモンと暮らせる住居の用意に餌代に治療代に、モンボのメンテナンス費とかゲーム世界じゃ省かれているところにもお金が必要かもしれない」
武藤くん、私はポケモンライト勢だからポケモン世界にそんな設定があるかもなんて考えたことなかったよ。
「モンボのメンテ?」
「だって、あれだけ伸び縮みしてパカパカ開くじゃん。何年も使ってたらさすがに壊れるって」
その発想、私にはなかった。
坂本さんは無言でメモし続けている。チラッと覗いたら私のピカチュウ発言がメモされていた。恥ずかしいからやめてほしいけど、言い出せない。
「ポケセンも現実にあったらお金掛かるのかな」
「それは、ほら、あの、住民税で」
大切な税金を便利道具扱いするな。
「私たちの生活って本当にお金で成り立ってるんだね」
しみじみと坂本さんが言った。その言葉に男子二人はまだ続きそうだったポケモンの話を引っ込めた。そうだね、今はグループワーク中だからね。ポケモンは終わってから話そう。
「高倉さんはさ、なんで時間だと思ったの?」
吉田くんがこちらを見た。
私は焦った。秒で突発的に言ってしまったから理由なんて考えてなかった。大慌てで頭を巡らす。
「まず、時間単品を商品・サービスとしてお金で買えないから。武藤くんも言ってたけど、施設・サービスの利用料金にプラスで時間が付くから時間のみってどう買うのかも思いつかないかな」
三人の真剣な目がこちらを向いている。狼狽えそうになるところだけど、グッと堪えて言葉を続ける。
「次に、お金を生み出すのに欠かせないから。大人になって社会に出たら、もしくは今何かしらバイトしてるなら、労働時間の対価としてお金をもらうでしょう? そこから時間って唯一お金を作れるのかなって」
坂本さんのシャーペンが走る。
「最後は、時間をかけることで解決する物事があるからかな。辛いことや苦しいことを忘れようにも、お金は支払って何かすることになる。その間は忘れられるかもしれない。でも何もしなくなったら途端に思い出しちゃう。それが、時間の経過とともに昇華されることがあるんじゃないかなって」
言い切って、我ながらよくまとめられたと思った。
三人の沈黙は続く。坂本さんの書き取りの音だけが響く。そのシャーペンの音が鳴り止んだ時、吉田くんが口を開いた。
「もう採用。それ以外思いつかない」
吉田くんの言葉の後、武藤くんは小さく拍手をしてきた。坂本さんも武藤くんに倣って手を鳴らした。
「じゃあ今の超良い感じにまとめてもらって」
「まっっって! 超待って!」
思いっきり吉田くんの話を遮った。待ったをかけられたことが意外だったのか、三人ともキョトンとしている。
「こんな理由で時間がお金よりも大事って決められちゃうと、責任重大と言いますか」
「責任って、ただの授業発表だしそんなに重く受け止めなくても……」
気まずそうに坂本さんが言った。
「人間関係と愛情と時間の三つから選ぶとは早計すぎると言いますか」
「いや候補三つ目でめちゃくちゃ良いの出たから」
吉田くんが恐る恐る呟いた。
「待ってください、もっと出します。えっと、あ! そうだ命! 命がないと生きられないです! 人間関係も愛情も時間もお金も、生きてこそ初めて価値を知ると言いますか! その尊さは我々の命があってこそです! あと空気! コイツがないと生きられないのは科学的に証明されていますよね! これこそ具体的で分かりやすいかと」
「高倉さん」
思った以上に口が回る私を、武藤くんが静かに制した。私は途端に口を閉じた。
「高倉さんが、何を気にして責任感じているか、分からないけど、そんなに怖がることない、と思う。俺は、理由を聞いて、すごく良いと思った。だから、時間がお金よりも大事って結論で、発表したい」
武藤くんの真剣な顔に気圧されてしまった。こちらも、頷き返すことしかできなかった。
「みんなまとまった? そろそろ発表始めるよ」
発表は一、二分程度の短いものだけど、自分たちの班に回ってくるまで緊張していた。他の班は、愛や家族、友達と命、もちろん時間も出た。ところどころ被ってしまって、やっぱりありきたりになっちゃったなと思っていた。
「じゃあ次、最後ね」
先生の声で、隣の吉田くんが席を立つ。手には坂本さんがまとめてくれたメモを持って、みんなの方を向いた。
「僕たちの班では、お金より大事なものは『時間』ではないか、と決まりました。候補としては、人間関係、愛情、命、空気が上がりましたが、お金で買えない商品・サービスであることと、お金が生み出せる唯一の手段であることから『時間』を選びました。また、時間の経過とともに解決へ導ける物事は、お金では解決できない事柄であるとも考えました。以上のことから、僕たちは有限の時間をお金以上に大事にしたいと思います」
以上です、と締めくくり、吉田くんは席に着いた。まばらの拍手が、余計に傷つく。教室の後方で発表を聞いていた先生が、教卓へ登った。
「タイムイズマネー、時は金なり。大人たちは労働時間の対価としてお金を貰ったり、株や投資をしてお金を増やしたりしますから、そのプラスのイメージが強いのかもしれません。今まで発表した班でも時間が挙げられましたね。
ただ、吉田くんたちの班では、『時間で物事を解決できる』と言ってくれました。
皆さんはまだ身を引き裂かれるような悲しい出来事や、呼吸をすることもままならないような苦しい出来事には遭遇したことないと思います。できれば経験しないまま人生を終えてほしいくらいですが、そうもいかない状況に陥るかもしれません。
そんな時は、時間という長期戦の味方に任せてしまうのも一つの手です。ゆっくり、じっくり、時間の経過とともに想いは昇華されるでしょう。心の奥底に留めておいてくださいね。
じゃあ、メモを回収しますので、班全員の名前を書いて提出したら終わりです。先に号令します、日直」
日直の人が号令をかける。席を立ってお辞儀をしても、なんだか心がフワフワしたままだ。
私の意見、人生で初めて否定されなかったかも。
ボーッとしてしまっていて、肩をトントンとされた時に、体が跳ねた。振り向くと、坂本さんが笑顔でメモを渡してくれた。
「良かったね、責任負わなくて」
「そ、そうだね」
「やっぱりうちの班が一番良かったよね!」
「そ、そうだね」
改めてそう言われると自分が褒められたと勘違いしてしまいそうだ。少し恥ずかしくなって、ニコニコ笑う坂本さんを避けるように急いで名前を書いた。『坂本千香』『武藤博昭』『吉田一成』『高倉亜莉寿』と四人分並んでいることを確認して、
「提出してくる!」
と、先生のところへ向かった。坂本さんが何か言いたそうにしていたのに気が付かなかった。
受け取った先生が、ザッとメモを眺めてこちらに目を向けた。
「『ピカチュウは経済を回してお金を生み出しているけれど、いざピカチュウと生活するには、余計な苦労をさせないためにもお金が必要』」
「えっ……あっ!」
「ピカチュウ推しの先生に配慮した素晴らしい言葉選びですね。メモに書いてあるってことは、どなたかの意見だったんでしょう? 先生握手したいんだけど、誰かしら?」
声色は優しいのに、目の奥から冷たさが感じられる気がする。きっと関係のない話をしていたからだ。
血の気が引いた私は、先生に向かって恐る恐る手を差し伸べるしかなかった。
『お金より大事なもの』