『お祭り』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
子供の頃、夏休みには家族でばあちゃん家に行ってた。
家の外でバーベキューをしたり手持ち花火をしたり。じいちゃんが手作りしたブランコでも遊んだ。
「打ち上げ花火見に行くか?」と言って、地元のお祭りにも連れて行ってくれた。大輪の花火とはいかなかったけど、色とりどりに咲いては消える花火はとてもキラキラしていた。
楽しかったな。懐かしい夏の思い出。
お祭り
今日は待ちに待ったお祭りだ。みんな楽しみだっただろうな…1年前のお祭りで死んでしまった、友達。あぁー、みんなに会いたい…僕は今日もあの日が頭から離れない…みんな、今行くよ。待っててね
妹りんご
今日はお祭り。
彼女と駅前で待ち合わせをしている。
予定より少し早く到着したから彼女はまだ来ていない。
駅にはお祭りに行く人で行き交っている。
しばらくして彼女が来て、その姿に目を奪われた。
彼女はあさがおの柄の浴衣を着ていた。
目を奪われたのは、周りにいる誰よりも
浴衣を着た彼女が可愛かったからだ。
お題「お祭り」
子どもの頃、夏休みは祖母の家に泊まる事が恒例だった。
小さな街で、町中は数軒の個人商店とスーパーが一軒、コンビニがひとつだけだった。
夏にはお祭りがあった。記憶を辿ってはみたが、子どもの頃の記憶は曖昧で、事実とは異なるのかもしれない。
記憶しているのは、子どもだけが参加できるイベントで、10m4方くらいの青いビニールシートの上に、凍ったニジマスが大量にぶち撒けられて、それを掴み取る催しがあった気がする。生臭いしなんか気持ち悪いので参加は断った。
夜になるとこじんまりとした花火大会があった。
終盤になると広い公園の脇に流れている川沿いに人が集まる。
おもむろに消防隊が辺りを囲む。
青々と生い茂った雑草の間近で、川沿いに設置された柵に括り付けられた花火が一斉に点火する。
勢いよく火花が散る。当然草木に引火する。
燃えているのが花火なのか雑草なのかよくわからないが手際よく消防隊が消化活動に勤しみ鎮火する。
煙った香りを嗅ぎながら帰った。
花火を見るとたまに思い出す。あれはどこまでが正しい記憶なのだろう。
今日はデパートに買い物へ来た。
それというのも、今度、この都市でお祭りがあり、その浴衣を探しに来たのだ。
どんなのがいいか悩みはするものの、彼女がどんな浴衣を選ぶのか楽しみだった。
「どうしようかなー」
彼女が色とりどりの浴衣を、ひとつひとつ見ていく。
「色は水色?」
「はい!」
彼女は肌色だけではなく、全体的に色素が薄い。だから白メインの浴衣よりかは、水色や藍色の浴衣の方が可愛い気がする。
青年がそんなことを考えている横で、彼女は楽しそうに浴衣を選んでいた。
彼女が見ているところとは少し別のところに、青年は足を向ける。そこは華やかな髪飾りが並んでいた。
その中に、大きな水色の花の髪飾りがあった。
一番大きな水色の花の周りに、薄い黄色やクリーム色の小さい花々。キラキラした石も付いており、照明が反射して眩い。そして結紐も使われており、かなり手の込んだものだと、アクセサリーに詳しくない青年にも分かる。
彼女の髪は短いから、垂れ下がった結紐はとても際立つ。だからこそ、この髪飾りを横に挿したら、華やかさが増しそうな気がした。
青年はその髪飾りを手に取り、彼女の元へ向かう。
「どうしましたか?」
首を傾げる彼女をよそに、青年は彼女の耳の上にその髪飾りを見立てる。
「かわいい」
自然とこぼれた青年の言葉に、ふたりで驚き頬を赤らめる。
「あ、いや、似合いそうだなって……」
慌てて言い訳をするが、今見立てた時の彼女は、自然と言葉が落ちるほど愛らしいと思った。
「ねえ。この髪飾り、俺がプレゼントするよ。だから、これに合う浴衣にしない?」
青年は甘えた声でおねだりしてみる。この髪飾りを付けた浴衣姿の彼女を見たいのだ。
彼女は、「仕方ないですね」とくすくす笑ってくれた。
「この髪飾りに合う浴衣を一緒に探してくださいね」
そう微笑んでくれる彼女に頷きながら、一緒に浴衣を探した。
お祭りの日の当日。
浴衣姿は可愛いだけではなく、とても艶やかだということを、青年は初めて知ることになる。
そして、選んだ髪飾りは、彼女の愛らしさに拍車をかけ、家から出したくないかも……という気持ちで溢れることとなった。
おわり
お題:お祭り
静かな夜に花火が咲く。
提灯が光の道を作る。
子供たちの笑い声が響く。
こんな幸せがずっと続けばいいのに。
30日目
あぁ人生が毎日お祭りだったらいいのに
いや、本来ならばお祭りであるべきだと思う
「1度きりの人生だから後悔のないように」
「やりたいことをやるべき」
とは言うけれど、実際は日々を浪費していて
代わり映えのないケの日を貪っている
いわゆる先進国に生まれて
ある程度の生活水準を担保されている僕ら
多くの人には危機感がない
「明日死んでしまうのではないか」
脳裏をよぎることはあっても真剣には取り合わない
でも知っているかい?
心臓が原因の突然死は一日に200人
事故死は一日に10人ほど
毎日平均4000人ほど亡くなっているんだって
この日本でさ
こうは言っても自分の死は身近じゃない
それでも君もハレの日々を願わないかい?
お祭りデートってしたことないな
若い頃は人前で恋愛することが恥ずかしかったから
イベントとかの思い出がないな
もっと恋愛しておけば良かったな
学業も大事だけど青春の方がもっと大事だったよ
ヒュードンドンドン。花火の音が鳴り響く。むせ返る火薬の匂い。
「他に好きな人ができた。別れてくれないか」
大きな音と共に、私の夏は終わった。
大きくて綺麗な花が、今日だけは醜く感じた。
お題:お祭り
去年、何気ない祭囃子で目が潤んだから
激しく動揺したのを覚えている。
こうやって大人になっていくのかなって、
分かったような気がして少し怖かったんだ。
何度も甦る
夕方5時のチャイムが鳴り
少し早めの夕ご飯を済まし
半袖に短パン サンダルを履いて
車の後部座席に乗り込んで
向かうのは港近くの親戚の家
陽が沈むまでは家で涼み
辺りを照らす光が
屋台の灯りに変わる頃
微かに聞こえる
虫のざわめき 海の波音と
一帯の雰囲気が私を溶かし
流れてく時間と浜風と気温が
皆の体温とテンションを冷ます
そして静かなざわめきが
夜空を彩る大輪の花へ
昼間に見えた入道雲の
名残を感じさせる空に咲く大輪
鳴り響く音 盛り上がる歓声 光の余韻
それぞれが それぞれを
より美しく より華やかに
何度も蘇る
胸焦がす思い出だけが
今は波間に揺れている
どこもかしこもカップルまみれ
足取り速まり汗まみれ
それでも人波かきわけて
眺める花火もまた綺麗
お祭り
夜の町を照らす提灯
外灯に飛び回る蛾の群れに
下駄の尾が解けた右足
並んで買うお馴染みのグルメに
こぼさぬように食べた生地の焦げ
離れの人の減った路地裏で
ベタな告げ口囁く言葉に
赤く染まった理由を明かりのせいなんて無理な嘘
年に1度の囃子の賑わう
お祭りの日
【お祭り】
お祭りは誰と行っても楽しめるイベント
家族で行っても友達と行っても
好きな人と行っても
最高の夏の思い出
人は多くて大変なこともあるけれど
今年も花火が見れて最高だ
「まつり」
物心ついた頃から、お祭りは退屈で窮屈なものだったと思う。何時間も正座をしていないといけないし、祭儀式の作法を覚えるのに苦労した。雅楽や舞楽の練習、重い装束。
夏の夜の高揚した雰囲気。
可愛い袋に入った綿菓子。
境内で友達と会うのも妙に浮き立ったり。
あの頃経験したかったこと。
もう大人だから、ね
社務所をこっそり抜け出して、大判焼をあの子に買って戻るのもしあわせって思うよ
【お祭り】
皆さんに問いかけます。"お祭り"には誰と行きますか?家族、友達、ぼっち…ではなく1人、彼氏・彼女(カップル)などと様々な人がいると思います。私は家族と友達などと行きますかね。今年はぼっちだった人は…来年は頑張ってくださいね。
お祭りの司会の人って
遊べないし
練習大変だけど
可哀想じゃなくて
それだけ
練習してきたんだから
そんな目で見ないで
私は私なりに
楽しんでるからさ
みんなが楽しんでる姿見るのも楽しいし
一緒に司会やってるのも
案外楽しいよ
違う視点で
見てみてね
お祭りは楽しいがどこか寂しさがつきまとう
いろんな出店で楽しんで人混みをかき分けて花火を見る
花火が打ち上がり始めると最初は迫力に押される
でも終わり際になると寂しさが勝ってしまう
日本の夏には寂しさがいつも寄り添ってくる
花火が映る横顔がとても綺麗な彼女だった。あの時「誰にも、たとえ神様にも譲りたくないくらい素敵だ」と言えたなら今も彼女は僕の隣に居てくれたのだろうか?
『お祭り』
私は友人の杏花に誘われて、この地域で催される夏祭りに出かけた。
深夜の暗い林の中、神社に向かって一本の道が延びている。私たちはピンク色に光る提灯の灯を頼りに、細い一本道を進んでいった。
杏花と私は今年、短大で出会った。教室で孤立していた者同士、何となく会話をするようになったのだ。無口で友達もいない杏花は、私といる時にだけ饒舌になる。私一人にだけ心を開いてくれていることが堪らなく嬉しくて、私はいつも杏花と一緒にいた。
「こんな所に神社があったんだね。私、この辺りの人間じゃないから全然知らなかったよ」
歩きながら、私は杏花に話しかける。杏花は曖昧に微笑んで、小さな声で言った。
「ここは私にとって、隠れ家みたいな存在なんだ。だから滅多に人には話さないんだけど、結衣にだったら教えてもいいかなって思ったの。だって結衣は、初めてできた親友だもんね」
その言葉が嬉しくて、私は飛び跳ねたくなる気持ちを辛うじて抑えた。十九歳にもなって、子供みたいに飛んだり跳ねたりするのはさすがにみっともないと思ったのだ。
周りは知らない人だらけで、杏花がいてくれなければ心細くなるくらいに辺りは真っ暗だ。知らず知らずのうちに、提灯の柄を握る指に力が入った。隣に杏花の息遣いと、甘い花の香りを感じる。それだけが、幻想的な雰囲気に呑まれそうな私を現実に繋ぎ止めてくれていた。
神社の境内に入る。辺りが急に薄明るくなり、人々の陽気な笑い声が一気に押し寄せてきた。
食べ物や玩具を扱う屋台が並んでいる。小ぢんまりとした空間だが、不思議とどこまでも続いているような開放感があった。
私たちは、たこ焼きと焼きそば、ラムネを買い、少し離れた石段に座った。ソースの香りが食欲を刺激する。二人でたこ焼きをつつきながら、私たちは色々な話をした。食事が終わる頃には、私は今まで以上に杏花のことを知るようになっていた。踊りの輪にも見よう見真似で参加し、楽しい時間はあっという間に過ぎた。
夏祭りが終わり、提灯の灯を頼りにして、来た道を逆に進む。参道の出口まで来た所で突然、杏花が言った。
「私、ずっと寂しかったの。この世界から取り残されてる気がしてた。だから、結衣に出会えてよかったよ」
それが、私が杏花の口から聞いた最後の言葉だった。
夏季休暇が終わり、杏花はキャンパスから姿を消した。
勇気を出して、同じ日本文学科の同期生に杏花のことを尋ねてみたけれど、返ってくる言葉は皆同じだった。
「橋詰杏花? そんな子いたっけ?」
そして皆一様に、精神疾患の患者でも前にしたように、私から目を逸らすのだった。
それから三週間が経った頃、講義の中で私は杏花の行方に関する手がかりを得た。それは、この地域で行われている、あんず祭りの話だ。この地域には、橋詰神社という小さな神社があり、あんずの花を模した女神像が祀られているという。
橋詰杏花。
彼女の名前はこの話にぴったりと符合する。考えてみれば私は、杏花が他の人間と係わろうとする所を一度も見たことがなかった。他の人間には、杏花は見えていなかったのかもしれない。
「結衣に出会えてよかったよ」
上から杏花の声が聞こえた気がして、私は教室の天井を見上げた。
杏花は本当に女神だったのだろうか。それとも、ひたすら存在感が薄い、無口で恥ずかしがり屋な普通の女性だったのだろうか。
その答えは、短大を卒業して数年経った今でもわからない。