子どもの頃、夏休みは祖母の家に泊まる事が恒例だった。
小さな街で、町中は数軒の個人商店とスーパーが一軒、コンビニがひとつだけだった。
夏にはお祭りがあった。記憶を辿ってはみたが、子どもの頃の記憶は曖昧で、事実とは異なるのかもしれない。
記憶しているのは、子どもだけが参加できるイベントで、10m4方くらいの青いビニールシートの上に、凍ったニジマスが大量にぶち撒けられて、それを掴み取る催しがあった気がする。生臭いしなんか気持ち悪いので参加は断った。
夜になるとこじんまりとした花火大会があった。
終盤になると広い公園の脇に流れている川沿いに人が集まる。
おもむろに消防隊が辺りを囲む。
青々と生い茂った雑草の間近で、川沿いに設置された柵に括り付けられた花火が一斉に点火する。
勢いよく火花が散る。当然草木に引火する。
燃えているのが花火なのか雑草なのかよくわからないが手際よく消防隊が消化活動に勤しみ鎮火する。
煙った香りを嗅ぎながら帰った。
花火を見るとたまに思い出す。あれはどこまでが正しい記憶なのだろう。
7/28/2024, 12:33:58 PM