さよなら、まぼろし

Open App

「まつり」

物心ついた頃から、お祭りは退屈で窮屈なものだったと思う。何時間も正座をしていないといけないし、祭儀式の作法を覚えるのに苦労した。雅楽や舞楽の練習、重い装束。

夏の夜の高揚した雰囲気。
可愛い袋に入った綿菓子。
境内で友達と会うのも妙に浮き立ったり。

あの頃経験したかったこと。


もう大人だから、ね
社務所をこっそり抜け出して、大判焼をあの子に買って戻るのもしあわせって思うよ

7/28/2024, 12:22:52 PM