『お祭り』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
夜の帳が下りる。
櫓から、四方に延びた提灯の列に明かりが灯る。
太鼓・三味線・笛の音、男女混声の唄。祭囃子が辺りに響き渡る。
「死者に逢える盆踊り」
そう噂される地元の盆踊りは毎年、全国各地から大勢の人が押し寄せる。みんな、逢いたい人がいるんだな…。斯く言う私も、今年に限ってはその仲間入りだ。
その知らせは4ヶ月前。陽気な春の昼下り、突然のことだった。
友人からかかってきた1本の電話。もたらされたのは、恋人の死。たちの悪い冗談かと思った。少し遅いエイプリルフールとか。笑って流そうとしたが、流させてもらえなかった。
恋人の死、それは紛れもない事実だった。
世界から色が消え、私は抜け殻となった。
しかし、抜け殻であったとしても日常は待ってはくれない。抜け殻のまま家のことをこなし、抜け殻に笑顔を貼り付けて仕事をこなした。
そうしてようやく日々を過ごしていたが、恋人のこととなると、その抜け殻さえ崩壊した。医者や警察の話であっても、上手く聞き取れない。ああ、人ってこんなにも呆気なく死んでしまうものなんだな…と薄らぼんやり思考を巡らすばかりだった。
世界の色は消えたままだ。
恋人の死から3ヶ月ほど経った頃、仕事からの帰り道、何処からともなく太鼓と三味線の音が聞こえてきた。
盆踊りの練習が始まったのか。そうだ、盆踊りだ。恋人に逢えるかもしれない。そう思った瞬間、世界に色が戻った。
地元だというのに、これまでろくに参加してこなかった盆踊り。「死者に逢える」というのがどういうことなのか、よく知らないどころか胡散臭いとさえ思っていた。でも今年は逢いたい人がいる。ちゃんと調べてみようと思い、お囃子を練習している公民館へ行ってみた。
入口に近付いたその時、中から人が出てきた。あの時、電話をくれた友人だ。驚いたような顔を向ける友人に向かって、久しぶり、と声をかけた。
そうか、と友人が言った。今年の盆踊りでどうしても亡くなった恋人に逢いたい、そう伝えたのだ。
友人は代々お囃子を担う家の生まれで、今は太鼓を担当しているらしい。渡りに船とばかりに、「死者に逢える」ことについて詳しく聞いた。
死者と逢う為の決まり事は、
一、盆踊りは必ず面をつけること。
二、もし逢えても、面を外してはならないこと。
三、もし逢えても、会話をしてはならないこと。
四、もし逢えても、踊りの輪から外れてはならないこと。
五、祭囃子が終わったら、必ず相手から離れること。
この5点を厳守すること、だった。
もし守らなかったら?と問うと、戻って来れなくなるよ。友人はそう言って、悲しそうに笑った。
詳しく聞きはしなかったが、きっとそういう話を知っているのだろう。
夜の帳が下りる。
櫓の周り、提灯の下。死者に逢いたい人たちの輪に入り、祭囃子に合わせて見様見真似で踊る。全ての人が面をつけているから、どれが誰だか解らない。異様な空気感の中、踊り続ける。
しばらくすると、輪の外にいたはずの人たちが見えなくなった。ああ、時が満ちた、そう感じた。踊っている人たちの隣にぼんやりとした輪郭が次々と浮かび上がる。そして私の隣にも。
面をつけているが解る、これは私の恋人だ。同じ空間同じ時を過ごせることの幸せを噛み締める。
しかし、面を外せず会話もせず踊りもやめられず、そんな状況に耐えられなくなった私は、面を取ろうとした。その瞬間、恋人がそれを止め、斜め前を指差した。そちらに目を向けると、私と同じ様に耐えられなくなったであろう人が、面を外していた。するとどうだろう、その人は顔を苦痛に歪めながら消えてしまったのだ。
驚き恋人の方へ顔を向けると、首を横に振った。涙が止まらなかった。恋人も泣いているのが解った。
どれくらい踊っていたのか。とうとう祭囃子が止まった。恋人と抱きしめ合い、そっと離れた。
輪の外のざわめきに気付き目を向けると、いなくなっていた輪の外の人たちが戻っていた。ああ、終わったんだ。そう悟った。
振り返って見る勇気はなかった。でもそれで良いと思った。
あの時止められていなかったら。私はこちら側へは戻って来れなかった。恋人に「生きてくれ」そう言われた気がした。
―――祭の夜
#25【お祭り】
大門商店街で4年振りとなる玄蕃祭りが開催された。
13時から歩行者天国となり、浴衣や甚平、お揃いのコスチュームを身にまとった集団が車道を闊歩する。
コロナ禍前と比較しては少ない連ではあったけれど、皆楽しそうに狐を模した踊りを楽しんでいた。
普段は閑散としている商店街も活気を取り戻し、果て、塩尻にこんなに人が居ただろうか?と目を疑ってしまう程の人出であった。
的屋も幾つか出展されていたから見に行こうと思ったが、余りの人の多さに圧倒され、持ち前の「社交不安障害」を発揮してしまった。
タピオカジュース飲みたかったな、牛串食べたかったな…などと後悔してももう遅い。
踊りは終わっただろうし、歩行者天国も19時で解除されてしまう。
4年振りの玄蕃祭りは、何ら問題無く終わったに違いない。救急車の音が聞こえたような気もしたが、きっと幻聴だろう。
来年も滞りなく祭りが開催されることを願い、筆を置く。
今日のテーマ
《お祭り》
電車を降りると、微かに祭囃子の音が聞こえてきた。
そういえば駅の近くに車両の通行止めやバス停の迂回を示す立て看板が出ていたな、と思い出す。
毎年この時期になると駅前で開催されている地元の祭りだ。
駅のロータリーには屋台が並び、中央ではやぐらが建ってその周辺をぐるりと囲んで盆踊りをしたりする。
屋台は定番のもの以外にも、地元の商店が店先で自店の料理などを売っていたりもする。
駅から少し進んだ先の公園では簡易の舞台が設置されて喉自慢大会もやっていたはずだ。
今日は親が留守だから夕飯はコンビニ弁当か何かにしようと思っていたけど、屋台で何か買って食べてもいいかもしれない。
コンビニ弁当よりは高くつくかもしれないが、久しぶりに地元の祭りを楽しむのもいいだろう。
どうせ駅前のコンビニは、祭り仕様で弁当なんてあるかどうか分からないことだし。
そんなことを思いつつ、並んでいる屋台を端から物色していく。
例えば同じお好み焼きの屋台でも、店によって混み具合は大きく異なる。
味はそう変わるものでもないと思うから、立地や価格、それに具材の良し悪しなどで判断しているのだろう。
人気が高いのはやはり食べ物を扱う店だろう。
定番の粉モノや、肉系の串、やきそばなどはどこも盛況だ。
俺もまずは腹ごしらえとばかりに、焼きそばとお好み焼きを買った。
ガードレールに寄りかかりながら、まだ熱々のそれをハフハフいいながら食べる。
そう、これこれ。
冷静に味だけで判定するなら明らかに家で作ったものの方が美味しいはずなのに、祭りという非日常の場で食べると不思議と美味く感じてしまう。
とりあえず軽く腹が満たされたところで次は何を食おうかと視線を走らせていると、背後からポンッと肩を叩かれた。
振り返ると、そこには中学の頃の同級生の姿があった。
紺地に大きな白い花が描かれた浴衣が涼しげだ。
「久しぶりだね」
「おう、そっちも元気そうじゃん」
「うん、元気だよ」
にこにこと屈託なく笑うその顔は覚えているそのままなのに、なぜか妙に色気を感じてしまうのは浴衣のせいだろうか。
それとも、いつもは無造作に後ろに1つで縛られていた髪が、今日は可愛らしく纏められていて、白いうなじが露わになっているせいだろうか。
はたまた、中学で毎日顔を合わせていた時とは違い、薄く化粧が施されているからだろうか。
どちらかといえば大人しめで、あまり目立たないタイプの女子だった。
賑やかな友人のそばで、いつもにこにこ笑っていた印象が強い。
なのに、今、俺の目の前にいる彼女は、あの頃よりずっと大人びて見える。
最後に会ったのは卒業式だからほぼ4ヶ月ぶりだけど、たった4ヶ月で女子ってやつはこんなにも変わってしまうのかと密かに驚いてしまう。
「誰かと一緒に来たの?」
「いや、1人。来たっていうか、駅下りたら祭りやってたから、せっかくだから見てくかってノリ。そっちはいつもの連中と?」
「ううん、今日は妹と来てたの。でも、さっき妹が友達とばったり会って、そのまま一緒に回るって言うから……」
ちらりと彼女が視線を向けた先につられて目をやると、よく似た面差しの少女が同年代――俺らより2つ3つ年下っぽい――女の子達とスマホの画面を覗き込みながら笑っていた。
その様子が、何だか中学の頃の彼女を彷彿とさせて、思わず懐かしさに顔が綻んでしまう。
実を言うと、中学の頃、俺は彼女のことが好きだった。
告る勇気はなかったから、単なる同級生のまま卒業してしまったが、そのこと自体に悔いはない。
だけど、こんな風にばったり会って、隣に彼氏の姿がなかったことに安堵するくらいにはまだ未練があったらしいと思い知る。
「じゃあ……独り者同士、一緒に回る? あ、いや、もちろん無理にとは言わないけど!」
咄嗟にそんな言葉が口を突いて出てしまったのも、きっとその未練の為せる業なんだろう。
もっと気の利いた誘い文句が言えればいいんだろうけど、経験値も何もかも足りてない俺にはこれが精いっぱいで。
暑さのせいばかりでなく、一気に顔が火照ってくる。
だけど彼女はそんな風にキョドる俺に引いたりすることもなく、満面の笑みで頷いてくれた。
ほんのり頬が染まってるように見えるのは――いやいや、さすがにそれは自惚れすぎだろ。
気温はまだまだ30℃以上あるし、屋台や人の熱気で暑いだけだよな。
そうして俺達はそのまま連れ立って一緒に祭りを楽しんだ。
まるでデートしてるみたいだ、なんて浮かれてた俺が、彼女から「実は中学の時から好きだったんだ」と告白されるのは、それからもう数十分後のこと。
お祭り楽しみだな
初めて友達と浴衣を来て
行くんだっけ、
あ!あの人も来るって言ってたけ
普段は髪おろしてるから気合い入れないとな
明日が本当に楽しみ!!
お題[お祭り]
No.49
今日は祭りがある。
僕にとっては、初めての祭り。
でも、あまり楽しくない。
僕より楽しそうにしてる人たちがたくさんいる。
でも、だからって、なんで僕は楽しくないんだろう。
わかんないなぁ。
でも、楽しくないのはやだなぁ。
あ、あっちは楽しそう!
なぁんだ。 つまんない。
もういいや。
今日は静かなお祭りです。
お囃子の代わりに、低い地の底から湧き
あがる何があります。
僕は、音も立てずに、じっと、うずくまって
その何かをひたすら聞いています。
強い日差しから遮られたこの部屋は、
黒い服で引き詰められ、鈴虫の音がよく
聞こえます。
その帰りの道端に、白い大きな百合の花。
僕たちは、感謝と幸せの鐘を鳴らします。
#49 お祭り
いろいろあって
引越したばかりの家の前
ほんの小さな公園で盆踊り
この地に慣れきった
子どもとおとなの
安心しきった賑やかな声と歌
ぱしっと揃った手拍子が鳴って
まだダンボールの残った部屋
お祭り騒ぎが染み込んだ
生温い夏の夜風が
さびしさをカーテンの外へ追い出すと
ヨーヨーが地面に落ちて
涼やかな水飛沫
涙のかわりに
ありがとうの
はなうたがこぼれた
「お祭り」
夏の夜空に咲く花は一瞬で散ってしまうけれど、心の中で今も色褪せることなく華やかに咲き誇っている。
年々賑やかになる花園を「綺麗だね」というあの人は何て名前だったか未だに思い出せない。
「貴方は、何て言うの?」
『僕?僕は、スカビオサ。君は僕のこと忘れたんだ』
スカビオサ:私は全てを失った
お祭り
一夜の空に浮かれる空上花
夏の暑さにのぼせ夢見る人達よ
見届けよ燃え尽きる花の一生
その目に焼きつけろ浮かれ人よ
お祭り
「あ、怜…ごめん、夏祭り…今年は彼女が一緒に行こうって言ってて…。」
「…あぁ。うん。わかった。」
そんなの、わざわざ言われなくたって、彼女が出来たって聞かれた時点で分かってたのに。
怜は晶の妙な誠実さに腹を立てて、目を伏せて彼の部屋を出た。
家が隣同士だし、誰より近いから大丈夫。晶が小学校を卒業した時、怜はそう思っていた。だけど現実は時間的距離が晶を遠ざけ、彼は怜が知りもしない中学校の女の子に告白されて付き合い始めた。
久しぶりに晶の部屋に泊まって布団の中で打ち明けられた夜、怜は冷水を浴びせられたような感覚を初めて味わったのだった。息の仕方も分からなくなりそうで居ても立っても居られなくなって、お腹かが痛いから帰るとベッドを出て自分の部屋に帰った夜。
結局晶のことがどうしても頭を離れず、寝付けないままカーテンの外が明るくなった。初めて見るに等しい朝焼けをぼんやりと眺めながら、怜は嫉妬を自覚した。そして、自分の欲望が恋なのだろうと理解した。
やけに喉が渇いて、一人きり、静かなキッチンでコップに水を満たした。キッチンの小窓から差し込む限られた光の中、怜は口に出来そうもない恋心を飲み下すように冷たい水を飲んだ。
私は金魚を飼っている。
大きなヒレをもった優雅な食いしん坊と泳ぐのが得意だけど怖がりな食いしん坊の2匹だ。
もう家にきて4年目になるだろうか。最初は小指ほどの大きさだったのに、今じゃ両手ですくうのも難しいほど大きくなった。小さな水槽で一緒に育てていたけど、手狭になってしまったので1匹1水槽という贅沢仕様に変わった。
この2匹はペットショップで買ってきた子たちだ。
昔、お祭りの屋台でとってきた金魚を育てたこともあった。私が幼かったのもあって世話なんてものはエサを与えていたくらいのものだった。ペットなんて飼ったこともなかったから家で何かの世話をすることがどういうことなのか知りもしなかった。
3日目くらいだったか。朝起きてバケツの中の金魚を覗き込んだとき、みんな水面に浮かんで動かなくなっていた。
親に「死んでしまったね」と言われて、庭の木の下に墓をたてた。ザックザックとシャベルで穴を掘って1匹ずつ手ですくって埋めた。花を供えてお経の真似事をして弔いは終わった。
次の日にはもう墓のことは忘れて、金魚がいたことも忘れた。
目の前でパクパクとごはんを頬張る2匹をみて、私はいつも考えてしまう。
この子たちもいつか死んでしまうのだろうか、と。
私はそのときどう思うのだろうか、と。
「ちゃんと弔えたらいいな」
ポチャン、ポチャンとそれぞれが水面を揺らした。
なんとなく慰められた気がして嬉しくなった。
でもね、この子たちはとても賢いから私が手にごはんをもっているときだけ寄ってくるんだ。
意外と、薄情なのはお互いさまなのかもしれない。
【題:お祭り】
おまつりっ、おまつりッ
はやく夜にならないかなあ〜!!!
*「お祭り」
夕陽の残り灯の消えゆく中。帰り道を逸る足を路地裏へと外らせたのは何故だったのか。何かが見えたわけではなく、何が聴こえたわけでもなかった。そこが近道である筈もなし。
路地裏の先からは灯火が漏れている。次第に、笑いさざめく声にお囃子が混じり合い、耳に届く。
めでたきものは、是れに。
無数の提灯。甘い飴に、香ばしい醤油や油の匂いが鼻を擽った。
はて、縁日であろうか。この近くに神社など在っただろうか。傾げた首の、その真上を何かが飛び越えて行った。ふわりと翻る艶やかな袖、転がる鈴の音。それは童女であった。
童女はこちらの視線に気付き、にこりと笑んだ。
「めでたきものは、是れに」
猫のように走り去る後ろ姿。その腰には、白銀のふさふさとした長い尾が揺れている。
「お稲荷さんは如何かね」
屋台から声がした。手持ちが無いと断ろうとして言葉に詰まったのは、店主が狐の面をしていたからだ。
「お代は要らないよ。ここの店は皆そうさ。今宵はめでたい『お祭り』さ。めでたきものは、是れに」
店主は手早く稲荷寿司の包み拵える。有無を言わさず持たせられた。
礼を述べ、ふと店主の頭の上で動いたものに目を遣ると、面の隙間から丸い狸のような耳が覗いていた。見渡せば、どの出店の店主も狐の面を着けている。
祭囃子に手拍子。行き交う者たちは唄うように挨拶を交わす。見慣れた格好をした者も居れば、そうでない者も居た。豪奢な簪を挿した者。舶来の衣を纏った者。何かしら獣の尾のようなものを着けた者も。均しく、まばゆい提灯明かりに浮かび上がる。御芝居のように。
めでたきものは、是れに。
今年こそ行けると思ったのになぁ。
声に出すのは憚られた。その言葉で一番傷つくのは自分じゃなくて兄だから。
【お祭り】
今日は彼女と夏祭りに来た。
射的に金魚すくいにとたくさん遊んで時が経つのを忘れて楽しんだ。
幸せそうに笑う彼女を見ていると、人でごった返すこの
お祭りも悪くないなと思う。
そして、一番のメインである打ち上げ花火を見るために
あまり人がいなく、かつ花火が見やすい場所へ彼女を
案内すると同時に打ち上げが始まった。
「ねえ、もうそろそろでお祭り終わっちゃうね。」
「ああ、そうだね。」
「なんだか毎年花火を見ると楽しいはずなのに、寂しくなるんだ。」
「なんとなく分かるよ、その気持ち。」
そう、楽しくて仕方がない時間もいつか終わりが来る。
切なくなるけれど、僕たちはその時間を思い出にして
また明日を過ごしていく。
彼女を元気づけるように明るく言った。
「────また、また来年も一緒にお祭り行けたらいいな。」
「……うん!」
最後の花火を見る。
夜空に咲く大輪はとても美しかった。
『お祭り』
心躍る祭の空気は
いくつになっても変わらないけれど
終わった後に残る余韻のように
遠くなっていく祭り囃子を
見送るたびに増すもの寂しさは
過ぎ去った夏の思い出が
いつか自分の元に帰らなくなる日が来るのを
思いしらさられるせいかもしれない
【お祭り】
お祭り
今日は、大好きな彼氏とお祭りデートをする日
お互いに浴衣を着ていこうねと話して近くの駅で待ち合わせをすることに
彼はいつも先に来ているから今日も先に来ているかも!
案の定、彼は先に来ていたけど浴衣がとても似合っていて見惚れてしまった
赤い提灯を揺らす生ぬるい風
少年は下駄を鳴らして人混みを駆ける
揺蕩う金魚
こちらを見つめるお面
ふわふわ甘いわたあめ
何もかもが特別な日
わたしたちの夏はあと何回やってくるだろうか
#お祭り
終わったあとにはきっとなにも残ってない。
ヨーヨーはしぼんで、金魚はしんで、
射的の景品はどっかに行っちゃった。
あの時のどうしようもない切なさだって、
今の自分には残ってない。
願わくば、来年もこの気持ちを味わえるように。
今日もまぶたを閉じる。
お祭り
大好き!
楽しみにしていた
いつもと違った特別な空間
すれ違う人みんな楽しそう
でも、だからこそちょっと苦手
終わった後が
ひとりになった瞬間が
楽しい夢から覚めたよう