『お祭り』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
おまつりっ、おまつりッ
はやく夜にならないかなあ〜!!!
*「お祭り」
夕陽の残り灯の消えゆく中。帰り道を逸る足を路地裏へと外らせたのは何故だったのか。何かが見えたわけではなく、何が聴こえたわけでもなかった。そこが近道である筈もなし。
路地裏の先からは灯火が漏れている。次第に、笑いさざめく声にお囃子が混じり合い、耳に届く。
めでたきものは、是れに。
無数の提灯。甘い飴に、香ばしい醤油や油の匂いが鼻を擽った。
はて、縁日であろうか。この近くに神社など在っただろうか。傾げた首の、その真上を何かが飛び越えて行った。ふわりと翻る艶やかな袖、転がる鈴の音。それは童女であった。
童女はこちらの視線に気付き、にこりと笑んだ。
「めでたきものは、是れに」
猫のように走り去る後ろ姿。その腰には、白銀のふさふさとした長い尾が揺れている。
「お稲荷さんは如何かね」
屋台から声がした。手持ちが無いと断ろうとして言葉に詰まったのは、店主が狐の面をしていたからだ。
「お代は要らないよ。ここの店は皆そうさ。今宵はめでたい『お祭り』さ。めでたきものは、是れに」
店主は手早く稲荷寿司の包み拵える。有無を言わさず持たせられた。
礼を述べ、ふと店主の頭の上で動いたものに目を遣ると、面の隙間から丸い狸のような耳が覗いていた。見渡せば、どの出店の店主も狐の面を着けている。
祭囃子に手拍子。行き交う者たちは唄うように挨拶を交わす。見慣れた格好をした者も居れば、そうでない者も居た。豪奢な簪を挿した者。舶来の衣を纏った者。何かしら獣の尾のようなものを着けた者も。均しく、まばゆい提灯明かりに浮かび上がる。御芝居のように。
めでたきものは、是れに。
今年こそ行けると思ったのになぁ。
声に出すのは憚られた。その言葉で一番傷つくのは自分じゃなくて兄だから。
【お祭り】
今日は彼女と夏祭りに来た。
射的に金魚すくいにとたくさん遊んで時が経つのを忘れて楽しんだ。
幸せそうに笑う彼女を見ていると、人でごった返すこの
お祭りも悪くないなと思う。
そして、一番のメインである打ち上げ花火を見るために
あまり人がいなく、かつ花火が見やすい場所へ彼女を
案内すると同時に打ち上げが始まった。
「ねえ、もうそろそろでお祭り終わっちゃうね。」
「ああ、そうだね。」
「なんだか毎年花火を見ると楽しいはずなのに、寂しくなるんだ。」
「なんとなく分かるよ、その気持ち。」
そう、楽しくて仕方がない時間もいつか終わりが来る。
切なくなるけれど、僕たちはその時間を思い出にして
また明日を過ごしていく。
彼女を元気づけるように明るく言った。
「────また、また来年も一緒にお祭り行けたらいいな。」
「……うん!」
最後の花火を見る。
夜空に咲く大輪はとても美しかった。
『お祭り』
心躍る祭の空気は
いくつになっても変わらないけれど
終わった後に残る余韻のように
遠くなっていく祭り囃子を
見送るたびに増すもの寂しさは
過ぎ去った夏の思い出が
いつか自分の元に帰らなくなる日が来るのを
思いしらさられるせいかもしれない
【お祭り】
お祭り
今日は、大好きな彼氏とお祭りデートをする日
お互いに浴衣を着ていこうねと話して近くの駅で待ち合わせをすることに
彼はいつも先に来ているから今日も先に来ているかも!
案の定、彼は先に来ていたけど浴衣がとても似合っていて見惚れてしまった
赤い提灯を揺らす生ぬるい風
少年は下駄を鳴らして人混みを駆ける
揺蕩う金魚
こちらを見つめるお面
ふわふわ甘いわたあめ
何もかもが特別な日
わたしたちの夏はあと何回やってくるだろうか
#お祭り
終わったあとにはきっとなにも残ってない。
ヨーヨーはしぼんで、金魚はしんで、
射的の景品はどっかに行っちゃった。
あの時のどうしようもない切なさだって、
今の自分には残ってない。
願わくば、来年もこの気持ちを味わえるように。
今日もまぶたを閉じる。
お祭り
大好き!
楽しみにしていた
いつもと違った特別な空間
すれ違う人みんな楽しそう
でも、だからこそちょっと苦手
終わった後が
ひとりになった瞬間が
楽しい夢から覚めたよう
「ダラダラ部屋」
はいどうも現在夏バテ進行形の僕です♪w
(クソ暑い)←暑いと口悪くなる奴(笑)
今日は全て夏のせいにしようと思います♪
ではではイッキマッスヨーー!!
最近、食欲がないのは夏のせいだ!
寝苦しい夜が続くのも夏のせいだ!
あの太陽がウザイのも夏のせいだ!
蝉が1週間しか生きれないのも夏のせいだ!
祭りが待ち遠しいのも夏のせいだ!
いつもより海がきらめいて見えるのも夏のせいだ!
空が青すぎるのも夏のせいだ!
カキ氷が恋しいのも夏のせいだ!
なんか頭にラムネが浮かんじゃうのも夏のせいだ!
ラムネのビー玉を取りたくなるのも夏のせいだ!
不意に君にドキドキしちゃうのも夏のせいだ!
君のシャンプーの香りに心揺らぐのも夏のせいだ!
コンビニに行くと最初にガリガリ君が目に入るのも夏のせいだ!
牧場のしぼりたてミルクで作ったソフトクリーム食べたいのも夏のせいだ!
急に駆け出したくなるのも夏のせいだ!
打ち上げ花火が上がると楽しい思い出が過るのも夏のせいだ!
朝起きると汗で髪がボサボサになってるのも夏のせいだ!
全部、そう!全部、夏のせいだ!
そうゆうことにしとこう(笑)
はい、今日のダラダラ部屋はここまで(^^)
またね(^_^)ノシ
お祭り
私には4つ上の姉がいる。
姉は毎年この日は友達と約束があるから、
と出掛けてしまう。
しかもしっかり浴衣まで来て昼にはもう家にいない。
友達のいない私はいつも姉が羨ましかった。
けれど夕食を終えて夜8時前には父と母は折りたたみ椅子、うちわを準備して、念入りに虫除けスプレーをかけて、私を花火の見えるいい場所まで連れて行ってくれた。これも毎年。
友達いないから寂しかったけど、嬉しかったなあ。
父と母は気づいていたかわからないけど、
毎年あの日の居場所を作ってくれてありがとう。
神体祭り。それは、年に一度、世界中の神々が人間に化けて参加するお祭りのことである。
私───美と礼儀の神である美礼も、この神体祭りを楽しみにしていた。私の大親友である灯とは、普段なかなか会うことができず、このお祭りでしかいつも遊べないからだ。
それに、今年はまた新しい神が誕生したと聞いている。どんな神なのか興味が湧いているし、あわよくば仲良くなれたらいいなとも思っているのだ。
「でもまずは、浴衣の調達っ」
日本という国ではお祭りに浴衣というものを着ると日本の神である日狐さんに聞いて、今年はそれを着ようと思っているのだ。見た限りではなんとも優雅な服装で、この私にはとても似合いそうだったというのもある。
「えーっと、日狐さんが教えてくれたお店の電話番号はっと…」
カバンからスマホを取り出し、人間が営んでいるというそのお店へ電話をかけた。
プルルルルッ!
店の中にある電話が鳴り、私は急いで受話器を取った。
「はい、こちら着物店〜神様に添えて〜です」
我ながらダサい名前だなと思いながら名乗ると、カタコトの日本語が聞こえてきた。
『あ、あのォ、ワタシ用のyukataを作るのお願いできますかァ?』
この様子は恐らく外国の神様だろう。浴衣の発音だけ妙にアメリカンチックでおかしくなってくる。
「あなた専用の浴衣ということですね。すみませんが、お名前と電話番号を教えてくれませんか?」
電話の向こうの神様にも聞き取れるようにゆっくりと話す。神様というと何でもできるイメージだが、人間と同じように得意不得意はあるのだ。ただ、人間から見ると全てが平均以上なだけで。
『あ、名前は美礼と言いますゥ。これはあの日本語の名前?なんですけどォ。一応FranceのGodですゥ。えと、電話番号はァ』
教えてくれた電話番号をメモし、名前も添える。フランスの美礼様は、どうやら美と礼儀の神様らしい。少しの会話でなんとなく分かってきた。
「では、サイズなどを測りたいので、なるべく早く日本に来てもらうことはできますか? あ、化けるときのお姿で来てもらえると幸いです」
そう言うと、少しの沈黙のあと声が聞こえてきた。
『全然だいじょーぶですゥ。明日はちょとムツカシイのでェ、明後日でもいいですかァ?』
すぐに店のカレンダーを確認する。明後日は誰の予約も入っていなかった。
「かしこまりました、ご予約の時間はどうなさいますか?」
『ちょと時間がかかりそうなのでェ…半日でもいいですかァ? できれば午後がいいですけどォ』
半日の午後…つまり、12時からお店が閉まる20時までということだろうか。それとも、12時から0時ということだろうか。
「あの、閉店時間が夜の8時になるのですが、お昼からそこまでということでよろしいですか?」
そう聞くと、考えるような沈黙の後、返事がきた。
『はい、そこまででだいじょーぶですゥ。それでお願いできますかァ?』
「かしこまりました。それでは、12時から20時までのご予約でよろしいですね。料金なのですが、神様なので、このお店が長く続く祝福で結構です」
神様はお金なるものを持っていない。だから、このお店ではお店が続くよう祝福してもらうことでまかなっているのだ。
「分かりましたァ。また明後日にお願いしますゥ。では失礼しますねェ」
それで電話は切れ、私はパソコンを立ち上げて美礼様について調べた。
~明後日~
美礼様がご来店されてから、私はテキパキ働いた。まず採寸をし、調べることで分かった美礼様の好きな色───黒の生地から選んでもらい、帯や下駄なども選んでもらう。
それから受け取り日に間に合うように毎日作り、後日再度ご来店してくださった美礼様にお渡しした。
「まァ、すごく綺麗ね、これ。どもありがとうですゥ」
満面の笑みで受け取ってくれた美礼様を見送り、また私は他の神様の浴衣をお作りした。
「あら、美礼さん、すごく綺麗ね、その服」
今日は朝から色んな人に褒めて貰えた。それもこれも全部この浴衣のおかげだ。
シンプルだけど美しさも引き出すこの浴衣は本当に素晴らしいと思う。でも、私は白が好きなのに、なぜ黒なのだろう。このお店は好みを生かすと聞いたはずなのに。
そういえば、同じお店を利用した黒好きの美麗さんは白い浴衣だったなぁ。
───「お祭り」
今晩は地元の祭りがある。祇園祭にも負けずと劣らない勢いのある祭りで現役世代を除いたすべての老若男女が勢揃い。地元を紹介する上で欠かせない祭りだ。今でもたまに行ってみるが、行くと決まって思い出す恐ろしい体験がある。
中学の時、祭りは圧倒的ハレだった。みんな参加してたので行けば人に会えるのだが、誰と行くかもすごく重要だった。一年時の私はイケてる女子とその好きな相手を集めたようなグループで参加することになっており、男3の女4だった。当日いつものコンビニ前に集合し、ソワソワしながら祭りを楽しんでいるのも束の間、1番綺麗で気の強いAが突然解散すると言い出した。あまりの当然さに男性陣は戸惑いを隠せない中、女性陣たちは突然の解散宣言をすんなりと受け入れ、解散の流れに。渋々帰路につき、しばらく経った後
ブルブル
スマホが鳴る。みると、Aから公園に集まるようにとのことだった。意味がわからない。意図も動機もインセンティブもわからないまま、戸惑いつつも、公園に向かう。ついてみると男3女3になっていた。
その後も壮絶ないじめや、盗撮事件、母親乱入など楽しい事件はたくさん起こったのだが、すべてこの恐ろしい出来事が発端だった。中学生の自意識は途方もないものである。
喜び 哀しみ 怒り 楽しみ
数多の想いを 練り上げて
集まり膨らむ ひと年分
唄い 踊り 担ぎ 引き
命を込めて 天に帰す
想い弾けて 浄められ
光り煌めき 降り注ぐ
―「お祭り」―
賑やかなしゃぎりの音が、春の宵に響き渡る。
今年もそんな時期がやってきたかぁ
なんて思いながら、夏に向けて身支度を始める。
最近は、子供たちの奏でるしゃぎりの音色が、蒸し暑い風に乗せて聴こえてくる。
今日から2日間は、隣町で花火大会が催される。
地元の祭りより一足先に、大好きな彼と夏を感じに行くのだ。
好きな人との夏祭りなんて、何十年ぶりだろう。
みんなも、花火を見に出かけてるのだろうか。
かすかに聴こえるしゃぎりの音を耳にしながら
そんなことを思った。
どんな服装でいこうか。
何を食べよう。
どんな屋台が出てるかな。
花火はどこで見よう。
私の夏の本番は、明日からだ。
#お祭り
にじさんじ高校では夏祭りが流行っている
星川「夏祭り何する?いぬ!」
犬神「え~夏祭り行くのぉ?暑いじゃ~ん」
星川「行かないの!?行こうよ!お願い!」
犬神「う~んこれから守ってくれるなら浴衣着て行ってやろう」
星川「いぬの浴衣姿絶対見てやる!なにから守ればいいの?」
犬神「葛葉先輩と叶先輩」
星川「ま~たあの2人か、もう正直に言えばいいのに」
犬神「無理だよぉ、今頑張って嫌われようとしてんのにどう頑張っても会うし、陸上部に入ったのは私走るの好きだったからですし?2人に会いたかったなんて考えてもなかったし?なんかもっと好かれ始めてるし、あの2人と目が合うと死ぬ!?ってくらい鼓動が早くなるしもういい意味で悪魔だよ!(早口」
星川「あ…う、うん…まぁいいや絶対に守ってあげる!星川に任せて!」
犬神「ありがとうぅサラぁ」
ギュウ
星川「(やべぇことになった…)」
さっき
叶「あっそこの君!」
星川「私?」
叶「そうそう、君さぁ犬神ちゃんとすごい仲いいでしょ?僕とあっちにいる葛葉っていうやつが陸上部の先輩で、2人で犬神ちゃんに恋しちゃってるんだよねぇ。」
星川「(2人で?やばっカオスだ)」
叶「で、犬神ちゃんと夏祭り行きたいんだけど、どうも避けられてるらしくて…始めはあんなに嬉そーに名前呼んだら来てくれたのに今じゃ名前呼んだらすぐどっか隠れちゃうんだよ!僕でもだめ葛葉でもだめ、じゃあ犬神ちゃんの親友しかないなと思って、そんな君にお願いしたい!犬神ちゃんを夏祭りに呼んで犬神ちゃんが分からないように僕達に近づけてくれない?」
星川「いいですけど何か報酬やご褒美が欲しいですね(ムス(自分でやれよ」
叶「ん~夏祭りで使ったお金半分払うのはどう?」
星川「乗ったァ!」
叶「ありがとう~じゃあね~」
星川「(いぬからは2人と避けさせて先輩からは近づけてもーどーしよー💦1人じゃ無理ぃ!)」
放課後
LINE
星川<叶先輩すみません、夏祭りの相談で私の作戦だと私のほかにもう1人いなければ成功しないんですけど、事情を説明できる1年生います?
叶<分かった、こっちで説明しとくからりりむのLINE持ってる?
星川<あります、作戦はこっちでしますので成功させてみせます
次の日
たまたま同じクラスだった
星川「りりむちゃん叶先輩の話きいた?」
魔界丿「聞いたよ!で、どういう作戦なの?」
星川「明日に花火があがるじゃん?その日に行って、花火があがったら私達は花火に急接近するからアのちょっと後ろで待機しててLINEで合図送るからそしたらはけよう」
魔界丿「完璧じゃん!」
星川「でしょ!あ!りりむちゃん花火あがるまで好きに過ごしてていいよ2人からは離れないでね」
魔界丿「分かった!また明日ねバイバーイ」
星川「バイバーイ」
次の日 駅にて
犬神「ごめーん遅くなった💦」
星川「浴衣かぁわいいぃ♡」
犬神「サラもかわいいよ」
星川「んぐぅ…ヵヮィィ♡」
犬神「行きますか!」
数分後
犬神「(あっ先輩達…女の子…?なんだ私より仲良い女の子いるじゃんボディタッチも多いし1人で舞い上がってバカみたい)」
星川「ねぇこれおいしそうじゃない!? 」
犬神「本当だww」
アナ「まもなく虹色空間花火が始まります。今回は24340発上がります!…」
星川「いぬ!花火始まるって!絶対いこ!」
犬神「分かった分かったそんな走んなくても大丈夫だって」
星川「ハァ…ハァ一番前ゲットー♪」
犬神「一番前かぁうるさくない?」
星川「大丈夫だよ、始まるまで座って待っとこ」
犬神「りんご飴うまー」
数分後
星川「まもなくだって!!!」
ドォォン
犬神「っくりしたぁ音デカ」
パパパパパン
犬神「きゃー!!きれー!」
星川「(そろそろかな)」
LINE
星川<りりむちゃんそちそろはけて!りんご飴のとこで待ち合わせしよ
りりむ<わかった行くね!
星川「(いぬにバレないようにそ~と)」
犬神「きれい……」
トントン
犬神「?はい?」
叶「や!犬神ちゃん久しぶり」
犬神「せんぱ…!?なんでここに…!?サラは…!?」
葛葉「(バッグハグ)」
犬神「っ////」
叶「急で悪いんだけど…僕達と付き合ってください」
犬神「でも…た…な…い…こ…たじゃん」
叶「ん?」
犬神「でも先輩達私より仲いい子いるじゃん!」
葛葉「?……りりむのことか?」
叶「あぁwwりりむちゃんのことか」
犬神「(コクリ)」
葛葉「あんなクソガキこっちから願い下げだ」
犬神「(そうなんだ)」
叶「改めて付き合ってくれる?」
犬神「はい…!」
ギュウウ
犬神「葛葉先輩くるしぃ」
葛葉「www」
ハッピーエンド
いつか後日談かくかも
浴衣着て、髪をアレンジ。
30分も掛けて準備した、夏の一大イベント。
*お祭り*
私もこれからお祭り行ってきます✌️
【お祭り】
繋いだ手が汗ばんで君に緊張が伝わりそうで、どこか悔しくて離してしまいそう。それでも君の温もりを、君を、感じていたくて。離したらはぐれたまま消えていきそうで、君だけは離したくないと心底思う。そんな僕の気持ちを伝えたら君はどんな表情をするの?
ごったがえした屋台の匂い
空に花開く大華の音
勇気の出ない右手まで
あぁ、思い出すな。
真っ赤な金魚
#お祭り
お題『お祭り』
祭りの日ってやつは特別だ。
焼きそばが高かろうが風船がすくえなかろうが、それも楽しみのひとつになる。
祭り囃子、提灯、蚊取り線香の匂いに湿った夏の夜風。浮かれて浴衣を着て、普段買えない大きな綿菓子を片手に花火を待つ。
そんな行けば楽しい祭りだが、私の足はそちらへ向かない。苦手なものがあるからだ。
それは実に根源的なもの。祭りが盛り上がれば盛り上がるほど否が応でも発生するもの。
そう。
人混みだ。
思えば小さいころの私はすばしっこかった。人々の足元をするりと駆け抜け、自由気ままに祭りを楽しんでいた。それが原因で迷子になったこともある。
ところがどうだ、大人になった今、人混みというものはあんなにも邪魔だ。どう考えても子供より視界に入りやすいのに何故避け合えないのか。
思えば小さいころの私はせっかちだった。そしてそれはたぶん今でもそうだ。そのせっかちさが祭りの人混みののんびりした動きを許せない。
だから私は祭りに行かない。かわりに向かうのは我が城、こぢんまりとした一人暮らしの部屋だ。
コンビニの袋をぶら下げて、祭りへ向かう人々とすれ違い、道を斜めに登ってゆく。皆が祭りへ出払っているから、帰る道は静かで快適だ。
そうして辿り着いた我が家は、この祭りの日においては最高級の立地と言えた。
さっそくクーラーをつけて窓辺へ向かえば、ちょうど1発目の花火が上がったところだった。
携えたコンビニ袋から手探りで酒の缶を引っ張り出す。
自宅で、窓辺で、酒を片手に花火を見る。そんなビールのCMみたいにベタなことをしても、乙だなぁなんて思えてしまうのだから。
やはり、祭りの日ってやつは特別だ。