『いつまでも降り止まない、雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ーいつまでも降り止まない、雨ー
雨の日に履く長靴、雨の日に着るかっぱ、
今日はいつもと違う恰好。心が晴れてゆく。
今日は、雨の日だけの特別なお出かけをする。
ルーカスが再び目を開けると、暗闇が広がっていた。
一瞬もう治ったかと思ったが、すぐに頭がキリキリ痛み出した。
昼なのか夜なのか。
今が何時かもわからない。
鬱陶しげに寝返りを打った。視界に入ったのは、閉じ切ったカーテンだった。昨日の昼はカーテンの隙間から光が漏れていたが、今は光が見えなかった。
昨日の夕方から雨が降っているらしい。その時は知らなかったが、今は部屋で寝ていても聞こえるくらいうるさい雨が降っている。
あの日も……あの時も雨だった。
ルーカスは、顔を枕に埋めてうつ伏せになった。
あの時とは違う。
雨漏りとは無縁の立派な屋敷。シミもシワもないシャツとズボン。焼きたてのパンに具だくさんのスープ。それに加えて夜は日替わりで肉か魚料理が出る。おまけにおやつまでくれる。
今寝ているベッドだって、まだ父親と母親がいた時に住んでいた家のそれと比べても、段違いだ。
本当に、医者なんか呼んでくれるのだろうか。目が覚めたらあのバラック小屋に戻されるのではないか。
もちろん、あいつらがそんなことをするはずないとわかっていても、熱が下がれば追い出されるのではないか。そんな不安が心を蝕んだ。
……雨、早くやんでくれないかな。
柔らかい枕で耳を塞ぐようにして、顔を押さえ付ける。ルーカスの意識は再び沈んでいった。
いつまでも降り止まない、雨
もうずっと、止まなければいいのに
すべて流して
何もかも
【いつまでも降り止まない、雨】
雨、そのフレーズを聞いて思い浮かぶのはなんだろうか
雨が晴れたあとの虹?
降っている最中の朝顔?
カエルがゲコゲコ鳴いている姿?
路上の上に水溜まりを作りその上で跳ねている水滴?
さまざまな風景が思い浮かぶだろう。
色とりどりの傘が並んでいるのを思い浮かべる人もいるかもしれない。
私が思い浮かべるのは、家の中から聞く雨の音。
ポツポツ聞こえる時もあれば、
ザーザー鳴っているときもある、あの雨の音。
悲しい時は代わりに泣いてるのかと思い、
楽しい時はBGM代わりになる音。
色々な受け取り方ができる自然。
だけれど、それが降り止まないとしたら?
通学は大変。
お外で遊べもしない。
憂鬱になる人も多そうだ
私?
引きこもってゲームをしてると思う
いつか冠水しそうになったら…
誰か防いでくれるのかな?
いつまでも降り止まない、雨
ざぁ、ざぁ。ざぁ、ざぁ。
雨が降っている。いつまでも降り止まない、雨が。
この国ではもう何年も太陽を見ていない。
青空を知らない子どももいる。
おかげさまで作物が育たず、生活は苦しくなる一方だ。
そう、旅人に言うと、
「さる神が祀られている祠はどこだ。」
と聞いてきた。確かにカミとやらがいると噂されている場所なら心当たりがあった。
そいつに場所を教えるとその方角へ向かっていった。
何日間かしたのちに雨が止んだ。皆、老若男女が喜んでお祭り騒ぎになった。
あの旅人はいったいなんだったのか?
作業をしながら考えていたらふと思い出した。思い出してしまった。
カミがいると噂されていた場所にいた神様とやらは確か、
かつて“干ばつを起こした得体の知れないモノ”だと。
いつまでも降り止まない、雨
いつも自転車を颯爽とこぐ君は、雨の日だけこのバス停に現れる。
降り止まない雨は嫌だけど、この時だけはいつまでも降り続けてくれと、密やかにそう願っている。
僕の心の中にはいつも雨が降っている。
いつまでも降り止まない雨。
何か失敗した時、言葉を間違えて人を傷つけてしまった時、周りに迷惑をかけてしまった時、いつも心の中で雨が降っている。
自分自身が泣いてるのは知ってるんだ。
それを正直に言うのが怖いんだ。
「自分の心を大切にしなさい」
自分に素直になればその分周りに迷惑をかけてしまう。
僕は誰の言葉を信じ歩けばいいの?
いつか僕の心を晴らしてくれる人と出会えますように。
朝起きた時から天気は雨で、予報も一日中雨だと言ってる。
あの小さなワンルームの窓から外をみると、世界が切り取られたようで、このまま雨が続くようにさえ感じる。少し孤独に感じて言い訳のような用事を作って外に出ていた。
降り止まない雨が無いように、この感情も雨に溶かされてなくなるのかもしれない。
『いつまでも降り止まない、雨』
ひとつっきりの傘の下
撥ねる
撥ねる
雫が撥ねる
ピンぼけの世界
心象風景
どうしたって進めない
あなたが
手を引いていてくれなくちゃ
全然止まないな、、
止まない雨はないとかいうのはどうしたのよ
困った。
急に降ってきたからしばらく建物に入ってお茶していたんだけど。
(はぁ、傘、もう買うか、、)
『もう止むと思いますよ』
「え?、、」
『ははっ笑先輩お久しぶりです!』
隣を見たら高校の時の後輩。
私が少し気になっていた。、なんてことは誰にも言ったことがないけど。もちろん恋愛で何かあったとかないし。
「久しぶり、びっくりした笑」
『僕もびっくりしました笑でも先輩だー!って思って笑
こんなところで会うとは!
雨、急でしたよね』
「声かけてくれてありがとう笑本当に急に降ってきたから建物こもったのに、全然止まない」
『じゃあ僕とご飯食べに行きませんか?』
「え、」
『何かの縁、、久しぶりに会えたんだし先輩さえ良ければ!』
「うん、良いよ!」
ちょっと嬉しいなんて思ったりして。
『何好きですか?行きましょう』
そうして2人でもう一度建物に入ってく。
雨、、、やっぱまだ止まなくて良いよ____。
いつまでも降り止まない、雨
彼女の頼りない腕は、
傘を持つのが好きじゃなくて
けど、
お気に入りの傘はあって
黒地に薔薇が一つだけ
可愛いのは
似合わないから、と
土砂降りの中、
涙を雨で隠しながら立ち尽くす
君を守りたい
君の為なら
僕の全てが
ずぶ濡れになったって
構いやしないのに
君の記憶の片隅の
思い出にさえいない
小さな存在の僕は
君のお気に入りの
あの傘のように
使われないまま
ずっと
止まない雨に
いつかを夢みながら
今も
傘立ての中
「いつまでも降り止まない、雨」
雨が降ると、じめじめするし雨音が煩い。なんとなく涙とか暗いものを連想してしまうので、
雨にあまり良い印象はないのです。
それに私は楽観主義ですので、暗いものやネガティブなこと、そういう気分が沈むようなものは見たくないので、拒絶してしまいます。
そんな私ですが、雨に関連するもので好きなものもあります。
いつまでもってそんなことないから
気長に待とう 家の中で
完
夢の中で私は砂漠の街に住む女の子だった。
日々は眩く輝く太陽に支配されている。街はそれなりに豊かで上下水道も整備されていたのだけど、それでも雨が降れば皆沸き立った。
私はしゅっとした細身の猫を抱いて、砂にしみこむ雨粒を見つめる。砂漠は不毛の地ではない。わずかな水分を吸い上げて、植物は生い育つ。雨に濡れた小さな花々は、きらきらと輝いて硝子細工のようだ。猫は私の腕から逃れて、砂の上をすばしこっく駆け回る蜥蜴を追いかけ始めた。
やがて短い雨が上がると、空はいつにも増して突き抜けるように青く、雨粒が太陽の光を乱反射させた。
夢から覚めてベッドの上で起き上がった時、まだ眩しさに痛む目から涙が一粒落ちた。
夢の中で私は硝子ドームの都市に住んでいた。
ドームの厚い硝子の向こう側は、伝い流れる雨が不思議な模様を描いている。はるか昔に壊れた機械が降らせる雨は、どこかで循環し続けて降りやむことはない。
夢の中の私は写真や映像でしか太陽を見たことがない。けれど私は雨が嫌いではなかった。きれいだから。
都市は清潔で整然として、人の作り出したあらゆる美しいものが並んでいた。私はそれらを眺めることが好きで、音楽が好きで、本を読むことが好きで、いつか自分も何かを作り出すことを夢見ていた。
朝陽が眩く射し込んで、私は目を覚ます。夢の名残か、雨の雫がひとすじ頬を伝い落ちた。
「いつまでも降り止まない雨」
飽きもせず眺めていたよ
銀の糸が切れもせず
ふるふるしゃらしゃらふるふるしゃらしゃら
いつまでも降り止まない、雨
10代 怖いもの知らず無鉄砲に飛び込んだ友達の輪
20代人環境が変わって見知りが突然始まった
30代 子供が産まれ気を使いその日が、終わればいい毎日
40代 先が見えてきて、我慢もするし気も、使うし
色々周りが見えはじめた
自分らしさってなんだろうと悩む
50代いつかは晴天なる日がくるのが楽しみ
いつまでも降り止まない、雨。
コンビニで傘を買うことも考えたけど、近くの本屋で雨宿りをすることにした。
漫画の棚を見て最新巻がないかを確かめて、知らない漫画の試し読みをしても、雨はまだ止まなかった。
仕方がないので趣味の本でも眺めてるかと思ったら、一つの平積みの本が目に入った。
星々が表紙の、柔らかい素敵な文庫本。
私はこの本に目が離せなくなって、気がついたら手に取ってレジへと足を運んでいた。
会計を済ませたら、雨は止んでいた。
月並みかもしれないけど、この雨はこの本との出会いを引き寄せてくれたのかな、と思う。
いつまでも、降り止まない雨。
外出は控え、家で過ごすことにした。
snsのタイムラインを見ていると、彼氏に高価な物をプレゼントしてもらい、その写真をアップしている女の子のアカウントが目に入った。
彼女は、彼氏と同棲中らしいく、家事もほぼしておらず、働いてもいないそうだ。
そんなに可愛くも無い、スタイルも悪い、ツイートを見る限りかなりわがままそうだ。
何で、何で私は頑張ってるのに報われないんだろう。
本当にsnsって毒だな。
何期待してるんだろう。
私の人生なんてそんなもんだよね。
処分できないままの合い鍵を差し込む前にハンドルを動かすと、がちゃりと音がしてドアが開いた。
――やっぱり、今日も来てるのか。
「……今日は寒いから風邪引くぞ」
物のほとんどないワンルームの部屋で、窓辺に座り込む彼女に声をかけるが、いつも通り反応はない。仕方なく持参した羽織りものを肩にかける。
窓の外を彩るものはなにもない。敢えて言うなら向かいの一軒家から漏れる光が見えるくらい。
「見えるもんなんか、なにもないだろ」
わかっている。彼女はもはや現実を見ていない。
兄が亡くなってからまだ一ヶ月だ。結婚の約束までしていた彼女を癒すには、時間が足りない。
『俺が死んだら、すまないけど彼女のことを守ってやってくれ』
死期を悟った兄の遺言みたいなものだった。
だけど正直、無理だと思う。
このひとは、兄を愛しすぎて、囚われたまま、動く気配がない。
かける言葉がいつも見つからなくて、できることは隣に腰掛けて、彼女の生きている証拠を少しでも感じ続けることだけ。
弱々しい、鼻をすする音が聞こえてきた。兄が亡くなった瞬間を思い出しているのか、見たくない現実に押しつぶされようとしているのか、状況はわからない。
「どうすりゃいいんだよ……オレだって、もうわかんねえよ」
兄の宝物だったこの人をなんとかしてあげたい気持ちはある。でも、気持ちだけじゃどうにもならない。
地面を叩く音に気づいて立ち上がり、外を確認する。どうやら雨が降ってきたようだ。そういえば通り雨があるかもしれないと予報があったっけ。
――ほんとうに、雨は止むのだろうか。その役目は、ほんとうにオレしかいないんだろうか。
強くなる雨足を、ただ見上げるしかできなかった。
お題:いつまでも降り止まない、雨