『ありがとう、ごめんね』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「切り取り線」
「ありがとう。気持ちは嬉しいけど、君のことは……その……俺、好きな子いるから。ごめん」
わかっていた。
わかっていた、のに。
先輩がそういう目で見ているのは、私ではなく、あの子。
そんなこと、見ていたから知ってる。
愛しいものを見るような表情、切なそうな苦しそうな先輩の視線の先には、いつもあの子しかいない。
私なら、先輩にあんな辛そうな顔をさせないのに。
そんな目であの子を見ないで。
あの子は、先輩の気持ちに全然気付いていない。
そのことに苛立って仕方ない。
あの子は何も悪いことをしていないのに。
自分の気持ちに区切りをつけなければ、自分がどんどん嫌な子になってしまう気がした。
先輩は私のことをなんとも思ってない。
それを先輩から聞きたかった。
そうでもしないと、諦められないほど、私は先輩のことが、すごく、すごく、好きだったのだ。自覚しているよりも遥かに。
ごめんなさい先輩、私の告白は、きっと自己満足でしかなかったんです。
ありがとう先輩、ちゃんとフってくれて。
さようなら、初めての恋。
────ありがとう、ごめんね
#ありがとう、ごめんね。
ごめんね。が文の終わりに着いているだけで何か不穏なものを感じてしまうのは私だけだろうか。いつもごめんが多い性格なのか、罪悪感が残るほどなにか大変なことをしてしまったのか。
終わりは突然やってきた。
3年間付き合って、プロポーズをして、結婚することになった彼女。一緒に住んで、幸せに暮らそうねって言ったのに。朝、目が覚めたら白い封筒が枕元に置いてあった。
『今までありがとう、ごめんね。間に合わなかったみたい。……もし、あなたがこんな私のことも愛してくれるのなら、一緒に棺に入れたらいいな。それで一緒に燃やされるのなら、私は幸せ物でしょうね』
穢のない無垢な白。美しい文字。本当に彼女そのもののようだ。
彼女は手紙へと姿を変えていた。
「あなたのことを一生大事にするよ。最後まで一緒だからね」
『だいすきよ』
書き換えられた文字を見て、まだちゃんと、ここに生きているのだと、1枚の便箋から鼓動を感じた。
新しい姿の彼女との生活が今、始まった。
12/9お題「ありがとう、ごめんね」
母は姉が久しぶりに帰省すると
ついおかずをこさえてしまう。
姉もついつい喜んでしまう。
そして私の取り皿に
いつの間にか、それらが移動している。
いいよ、気持ち…分かるんだけど
私も最近、食えなくなってきた。
ギブ…
(ありがとう、ごめんね)
ありがとう、ごめんね
この言葉を伝えるのは成長するに連れてどんどん難しくなっていく自分が成人してからは特にそう感じるいつもお世話になっている祖母に感謝を素直に伝えられ無くなっているからそんな自分に嫌気が差し始めているので今度はきちんとありがとうとごめんねが伝えられたらなと思っている。
あと卒業する日まで、明日でとうとう2桁になるそう
今日始まった面談では、みんなの安堵した顔や不安そうな顔 様々な感情を見つけられた
私は、面談が好きだ
なぜなら、空き時間に隣のクラスの担任と話せるから 。
私は隣のクラスの担任がとてもだいすきだ 。
その気持ちは恋愛とは言わず、人としてだったり尊敬してるからなどの理由 。
「推し」なんて曖昧な言葉では片付けたくはないが、大まかに 簡単に言ってしまえばそうなるのだろう 。
出会って2年と半年が経った今でも、会っただけで胸がいっぱいになって びりびりとした衝撃が加わる
授業中は平常心、なんなら先生に冷たくなる
だから良くも悪くも何も思われてない 。
なのに、今日たまたま2人で少し話したとき私の事すごい褒めてくれて 。
人たらしな先生なら誰にでも言うんだろうけど 嬉しくて 泣きそうで 頭パンクしちゃいそうだった
先生の過去の話をしてくれて 楽しそうな顔も見れてほんとに幸せだった
先生、幸せでいてくれて ありがとう
幸せにしてくれて ありがとう
そして 他の生徒とは違って、ごめんなさい
先生にとって負担でしかなくて、迷惑かけっぱなしでごめんなさい
ありがとう、そしてごめんね
この言葉を素直に使える人は、とても素敵な人が多いですよね。
子供にも言ってる言葉は、より大人が率先して使わなければ!
「いってきまーす」
ナオは慌ただしく部屋を出ていった。昨日も遅くに帰ってきて、ほとんど会話もできずに寝てしまった。年末は忙しいって言うもんなぁ。
かくいう私も今日は出勤。新規のお客さんと対面の打ち合わせがあるらしい。寒い中をとぼとぼ歩かないといけない。静電気は気になるけど、もふもふのダウンでがっちり防寒をして部屋を出た。
「え? これを全部年内にですか?」
「カシマ、落ち着け」
あ、思わず大きい声を出しちゃった。でも課長、それは無理ですよ。今回の案件は化粧品メーカーの新製品に関するプロダクトイメージをデザインするという大きなプロジェクトだ。話が来た時点で納期までもう1ヶ月もない。
「年始のプレスリリースに間に合わせたいんです。今年のフロマリはこれで行くというのを新春にアピールするねらいです」
そんな大事な発表をこんなやっつけでやるわけ? しかもウチみたいな小さいデザイン会社に依頼して?
「ちなみに、なんで当社をお選びに?」
課長が切り出すと、フロマリの担当者は表情を崩さずに答えた。
「正直にお話しします。当初は大手代理店にお任せしていましたが、成果物に対してCEOの許可が下りず、契約を解消いたしました」
チラッと課長を見ると隠しきれない動揺が目に表れている。担当者は続けた。
「ですので、当社としても後がない状態で来ております。時間がないのも百も承知、成果に対する報酬は弾ませていただきます」
言い終わると、担当者は表情を変えないまま頭を下げた。
「課長、課長! ナカガワさん! なんでOKしたんですか? 無理でしょう!」
フロマリさんを見送った後、私はナカガワ課長に詰め寄った。
「落ち着けって。そもそも私に決定権はないんだよ。この仕事を受けるのは会社が決めたことだ」
なにそれ。今日の打ち合わせの前から決まってたパターンか。私は天を見上げた。
「それにこれはチャンスだろう。あのフローラル&マリーの広告なんてなかなか手掛けられるもんじゃないぞ」
誰もが憧れるブランド、それはそうだけど。
「私が、急かされてやる仕事、嫌いって知ってますよね」
「カシマ、そんな仕事にぜいたくばかり言うな。サポートはするから。絶対にカシマにも良い経験になる」
くぅ〜、わかってる、逃げてる場合じゃない。でも少しは悪態もつかせてほしいっ。
「ああもう! やります! 最高のもの作りますよ!」
「よし、昼休憩終わったらプロジェクトチーム作るぞ。今日中に詰めよう」
「うー、久しぶりに残業したなー」
会社を出る頃には外は真っ暗になっていた。フレックス制度に残業の概念はないが、一日の労働時間からすればだいぶ長く働いた。年末だからとか関係ないイレギュラーな案件だもんなぁ。
「さむいよ〜」
部屋に戻ると電気がついていた。あ、ナオの方が先だったか。
「ただいま〜。え? ごはん作ってくれたの?」
食卓には料理が並んでいた。
「うん、カナデも遅くなりそうって聞いたから、作っておいた」
ナオ昨日も遅かったのに、負担かけちゃった。
「ありがとう、ごめんね」
「なんで? お互い様でしょ」
また甘えてしまう。
「私も年末まで遅くなりそうなんだ」
「大事な仕事なんでしょ? 楽しみなよ」
「うん、がんばる」
「ほら、食べな」
「へへ、いただきます。一人暮らしだったら、絶対食べられなかったなぁ」
こんな時間に帰ってきたら絶対料理なんか作れない。
「私だって一人だったら作ってなかったよ」
「ルームシェア最高! はははっ」
「あーでもたまにはお惣菜買っちゃうかも」
「それは私も! 無理はしない!」
こんなことを正直に言えるなら、きっとこれからも上手くいく。
「じゃあ明日はお惣菜デーにするか!」
「賛成!」
私にとって君はただの友達なんかじゃない。
親友とは違うほっこりとした温かいものがある。
でも、君は「お前は妹みたいな存在」だと言う。
妹から同じ目線の人になりたい。
もし、君の私を見る目を変えられたら私の勝ちかな?
「好き」って言ってもはぐらかされるだけだから
隠していた「好き」を遠回しに言おうかな。
「私を妹のように大切にしてくれてありがとう。
ただ、ちょっとだけ君に謝らなきゃいけない事がある
昼休憩。君が多目的教室でぐっすり寝ている時に
私たちの教室にある君の上着を勝手に持ってきて
君の背中にかけたのは私だったの。
あの時はとぼけてごめんね。
そんなこと言ったら君が怒ると思ったから」
台風の目のように一瞬だけ、好きって伝えたかった。
『ありがとう、ごめんね』というテーマについて…
天国にいってしまった人たち。
守れなくてごめんね。そしてありがとう…
空からずっと見守っててね。
愛犬…ずっとイライラしてる私でごめんね。そしてそんな私につきあってくれてありがとう…これからも元気でいてね…
いつも遊んでくれて車を出してくれている友達…
ありがとう…そしていつもごめんね。何もできなくて…
こんな私の相談に乗ってくれてありがとう。
沢山相談に乗ってくれて楽しませてくれているね…
私の愛犬にも会いにきてくれて…
また会おうね。いつもありがとう…
こんな私でも周りにはたくさんの人たちがいるし、支えてもらっている…そんな人たちに感謝の気持ち伝えて生きていかなくちゃね…
愛犬…友達…家族…どんな時でもそばにいてくれる…
ありがとう…そしてごめんね。
私が思う『ありがとう、ごめんね』っていうテーマになっていたかもね…
初めての体験はその1回しかない。
初めて行った海外、
その、初めての時しか味わえない感動。
あれほど大好きだった国なのに、
もう同じ感動を持って見る事は出来ない。
その時の恋人、
その時の自分、
あれからもう15年ほど経って、
同じ景色を見ても、
もう、あの頃のような感動はない。
思い出として、
その時の気持ちを
思い出す事くらいしか出来ない。
だから、今この瞬間、瞬間、をしっかりと
心に刻みながら生きて行かなきゃいけない。
【初めての体験】
▶38.「ありがとう、ごめんね」
37.「部屋の片隅で」36.「逆さま」
:
1.「永遠に」近い時を生きる人形✕✕✕
---
東の辺境に入った人形は今までの土地との違いに気づいた。
ただ他の地域よりも少し、
風が強く吹くだけ
雨が少ないだけ
土が痩せているだけ
昔の戦いが激しかっただけ
(それが人間にとっては、こんなにも大きな違いとなるのか)
木を隠すなら森と言われるように、この国の平均的な相貌で作られている人形でも人の多い地域にいることが多かった。
荷物、特に食物による旅程制限がない人形は、ほとぼり冷めるまで隠れているのも簡単で、のんびりと旅を続けていた。
だから、余所者が分かりやすいような、人の少ない地域に赴くことは殆ど無かったのだ。
「ありがとう、ごめんね」
幼い子どもが水汲みをしていた。量からしてかなり重たい。
手伝おうかと申し出たところ、
「あなた、余所から来たんでしょ?優しそうだもん。」
このように断られた。
幼い子どもでも自分たちが排他的な態度を取っていると知っている。
そうさせるだけの理由がある土地なのだ。
プライド高くてごめんねって言えないから
代わりにありがとうって3倍言うね
部屋に飾られた霞草のドライフラワーを抱える。
「今までありがとう。」
せめてもと紙袋に包んで捨てた。
霞草の花束は、センスのないあいつから贈られた一番嬉しかった贈り物。
かわいくて、気に入ってた。
でも、ごめんね。
見てるとあいつを思い出しちゃうから…
「ありがとう、ごめんね」
冷たい空気で喉が張りつく
つい逃げ出してしまって
君は追いかけてくれたけど
その後踵を返した
その後ろ姿が切なくて
でも、私の心も喉と同じにヒリついてる
君と歩いていく自信がなかったの
もしまた会えたら伝えるね
【ありがとう、ごめんね】
母へ
いつも家事を任せきりで手伝えなくてごめんね。
父へ
仕事を転々として良い暮らしをさせてあげられなくてごめんね。
母へ
毎日おにぎりを作ってくれて、わたしの事を一番に心配してくれて、ありがとう。
父へ
わたしがやりたい事に何も言わず挑戦させてくれて、見守ってくれて、ありがとう。
お題『ありがとう、ごめんね』
3月上旬。兄、源星(りげる)の中学校卒業式が終わった翌日の夕方。当時小学4年生だった真珠星(すぴか)は学校から帰って来ると赤いランドセルを家の玄関に近い廊下に置いたまま遊びに行く癖があった。
真珠星と入れ違いにパートから帰って来た母親がそのランドセルを見て腹を立たせた。
母親「あの子は!何度言えばわかるの!?」
数年前から夫の転勤が多く幾度となく繰り返される引っ越し、近所からの冷めた眼差し、そしてワンオペ状態の子育てに長男の反抗期が重なり精神的に病んで泣いてばかりいた母親の姿は今、見る影もないくらい本来の活発な性格を取り戻している。
何故、精神的に病んでいた母親(彼女)が看護のパートに就けたのか。それは真珠星が小学2年生の頃、夫の転勤がようやく落ち着いた半年まで遡る。夫が彼女(妻)の姿を見かねて上司に相談したところ、会社の役員が長期在籍を承諾してくれたのだ。
上司「今まで会社の為を思って勤務に励んでくれてありがとう。そして君の家族を巻き込んでしまって申しない」
上司は部下である夫(父親)に頭を下げた。
それから半年後つまり1年経った頃今のパートに就職が決まり現在に至る。
___________________
真珠星は午後18時頃家に帰って来た。玄関を開けると腕を組んで仁王立ちで待っている母親が居る。怒られる気配を感じた真珠星は、そっと玄関のドアを閉めようとしたが、逆におもいっきりドアが開らかれ逃げ出さないよう真珠星の腕を掴み引っ張り上げて部屋の中へ押し込んだ。そして––––。
低く唸るような声で話す。
母親「何処へ行(ゆ)く」
リビングで正座させられ説教の時間が始まった。一方的に喋る言葉の数々。時折聞き慣れない四文字熟語が飛び交う。真珠星は反論したくてもその隙がないので、下を向いたままうん、うんと頷くだけである。
最後に母親は言った。
母親「廊下に置かない!!誰かが怪我をするでしょ。ランドセルは机の横に付いているフックにかける。それくらいやってから遊びに行きなさい!」
真珠星「…………。」
母親「返事は?」
真珠星「……はい」
母親「他にもいうことあるでしょ」
真珠星は部屋の隅に置かれた勉強机に目をやった。するとランドセルが机の上に置かれていた。
真珠星「ランドセル、ありがとう。そしてごめんなさい」
母親「はい。……次からはしないでよ」
と言ってキッチンに向かい夕食の調理に戻った。
End
→短編・あの日から、決めたこと。
電車で席を譲ったら、「すみません、ありがとうございます」と言われた。
僕はにこやかに言った。
「どうぞ、どうぞ、ごゆっくり」
親切は気持ちよく。感謝には笑顔で応える。ある時から僕はそれをモットーにしている。
脳裏に浮かぶ彼女の顔を戒めとして。驚きに目を見開いた彼女の顔を。
あれは中学生時代のことだ。学校の階段から落ちそうになった同級生女子を助けた。
「ありがとう、ごめんね」
「謝る意味とか意味不明」
彼女の言葉にカチンと来て、噛みつくように言い返した。思春期特有の正誤感覚は、攻撃的で妥協や白黒以外を認めない。
彼女は、もう一言「ごめんなさい」と呟いて顔を伏せた。
彼女の萎縮した様子に、背中がカッとして熱くなった。言わなくてもいい主張をした自分に気が付き、罪悪感で胸が潰れそうになる。しかし、勇気のない僕は何も言えなかった。
それ以降、彼女と話をした記憶はない。
親切に自己主張を持ち込んではいけない。
後悔は先に立って旗を振ってくれやしないのだから。
テーマ; ありがとう、ごめんね
ありがとう、ごめんね(お題)
私はごめんねより……ありがとうと言われた方が嬉しい。
ごめんねよりもずっと良い気がしたから。
【真夜中の本音】
ベランダで一服していると
真夜中の月が寄り添う金星にさよならを告げていた
ありがとう、ごめんね
「ごめんね」を付け加えられて金星は余計に途方に暮れている
でも、それでも寄り添う金星の困惑混じりの輝きは美しい…
そんなヤツは思い切り蹴飛ばしてさっさと離れてしまえばいいのにさっ!
私はタバコの煙を吐き捨てるように月に吹きかけた
時がくれば離れてしまうけど、また寄り添う彼らがうらやましくて_
#ありがとう、ごめんね