終わりは突然やってきた。
3年間付き合って、プロポーズをして、結婚することになった彼女。一緒に住んで、幸せに暮らそうねって言ったのに。朝、目が覚めたら白い封筒が枕元に置いてあった。
『今までありがとう、ごめんね。間に合わなかったみたい。……もし、あなたがこんな私のことも愛してくれるのなら、一緒に棺に入れたらいいな。それで一緒に燃やされるのなら、私は幸せ物でしょうね』
穢のない無垢な白。美しい文字。本当に彼女そのもののようだ。
彼女は手紙へと姿を変えていた。
「あなたのことを一生大事にするよ。最後まで一緒だからね」
『だいすきよ』
書き換えられた文字を見て、まだちゃんと、ここに生きているのだと、1枚の便箋から鼓動を感じた。
新しい姿の彼女との生活が今、始まった。
12/9お題「ありがとう、ごめんね」
12/9/2024, 7:29:16 AM