『ありがとう、ごめんね』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「ありがとう」「ごめんね」
二人の間に、どのくらい交わされただろう。
「ありがとう、ごめんね」
素直になれない事はある。
そしてどれだけ悔いても、言えなかった頃には戻れない。
言葉を交わす傍らに、脳裏に散らつく言葉が浮かんでも口にする事を憚った。
感情は霧に包まれ、次第に濃くなり、そして伝えずじまいで留まった。
頬を濡らしても時は戻らない。
冷え切った肌に触れても、振り向かれる事もない。
黄斑した身体に心は乱れ、慟哭した。
寝顔は安らかだった。苦しみから解かれただった。
だけど淵の底へと沈みゆく心には、あまりに強すぎた。
だからこそだ。
届かなくてもいい。返ってこなくてもいい。
二度も繰り返して悔いるなら、今この場で伝えよう。
一生触れられなくなる前に、震えた声で耳元で告げた。
【ありがとう、ごめんね】
ありがとう、ごめんね。まだ使える物を捨てる時に若干心が痛むのはこういう気持ちがあるからかもな。単にもったいない病というかケチなだけかもしれないけど。
でも日本人だから物には神が宿るから粗末にしてはいけない、そういう考えが身に付いちゃってるところあるからな。自分でもどっちなのかわからない。
だからまだ使える物だとつい買い換えるのを躊躇しちゃう。まぁ金がないのが一番の理由だけど。
ぶっちゃけ金があれば今ある物全部捨てて良いものに買い換えるな。それ考えると神がどうのは単なる貧乏人の言い訳でしかないってわかるね。
もっと昔の人なら本当に物を大切にするかもな。そんな人漫画の中にしかいなそうだけど。
こんな事を書いているのは今使っている保温ポットを買い換えたいけどまだ使えるからと買い換えを渋っているから。
今の保温ポットはお湯を入れて蓋をするとぷしゅぷしゅ音が鳴ってストレスなんだよな。だから買い換えたいけど保温機能には問題がない。
でも寝る時にぷしゅぷしゅ音が鳴るのはマジストレス。買い換えたいけど金がない。金持ちになりたいものだ。
「ありがとう、ごめんね」
私には良いところがない
あるのかもしれないけど自信がない
ある日卑屈だと言われた
納得してしまった自分も嫌だった。
怖かった。
私なら出来ると思って出来なかった時の
苦しみや辛さをもう体験したく無かった。
だから自信を無くしてこうして
自分を傷つけることによって
精神を安定させ、心を守っている。
こんな私でごめんね。
愛してくれてありがとう。
ありがとう、ごめんね。
僕の友人は
自殺未遂を繰り返す
そのたびに僕は
必死で引き止める
自分も生きるのが苦しいのに
友人に生きてほしいと言う矛盾
「生きてくれてありがとう」
「支えきれなくてごめん」
何度となく僕はいう
「いつも助けてくれてありがとう」
「いつもこんなことをしてごめんなさい」
友人は答える
こんなふうに僕たちは
いつも自分を責めて
お互いに謝っている
お互い自分を大切にして
生きていきたいね
言わなくてよかったよね
人は嫌いになる
嫌われているそう思えばいい
そんなことありえないけど
そう思えばいい
それくらいな感覚じゃないと
言われなくてよかった
分からないままで
ありがとう、ごめんね
雨が降る日は決まって頭が痛くなる。窓に打ち付ける雨の音に呼応するように頭がガンガン痛む。薬…薬、飲まなくちゃ。頭では分かっているのに、廊下を進む身体は重たくて言うことを聞いてくれない。薬って飲んでからも効くまで時間がかかるんだよな…あとどのくらいこの痛みにに耐えればいいのだろうか。あー、どこかの映画のように手を組んで強く祈ったらぱあっと晴れたりしないだろうかとロマンチックな思考の後ですぐ、そんな事があったら気圧の変化で余計頭が痛くなるだろうと現実的すぎることを考えてしまって落ち込んだ。身体が弱い時は心まで弱くなる。こんな不都合ばかりの身体にムカついた。ああ、やばい。痛みがどんどん増してきた。立っても居られなくなって、冷たい廊下にへたり込む。僕はこのままどうなるのだろうか。誰にも助けて貰えず、一人踞ったまま生涯を終えるのだろうか…。ネガティブな行き過ぎた思考が僕を襲う。視界が揺れる。酷い痛みと不安に押し潰されそうで、目の前が真っ暗になった。その時だった。僕の耳に救世の鐘の音が聞こえたのだ。
ちゃちなインターホンの音に心が踊るほど喜びを感じた。返事はできない。誰が来たのか確認も出来ない。でも、僕は彼が来たのだと確信した。僕が扉を開けに行けない状態だと察したのか、彼が合鍵を使う音が聞こえた。おじゃましまーすと間延びした声が聞こえて、彼が近付いて来るのを感じた。
「おー、大丈夫?」
「…先輩」
救世主が来た、と思った。僕のヒーローだ。
当たり前みたいに部屋に上がってくるこの彼は、大学のサークルの先輩。嫌々参加させられた飲み会で、嫌いな酒を飲まされ吐きそうになっているところを助けられ、その後いかにも自然に帰らせてくれた。その時から僕は彼を慕って彼は僕を気にかけてくれるようになった。心も身体も不安定で弱く脆い僕を理解してくれていっつも助けて欲しい時に駆けつけてくれる。ほんとうに比喩でもなんでもなくヒーローなのだ。
「薬、飲んだ?」
「……まだ、です」
「おっけ。三番目の棚だよな?」
「は、い」
悠々たる足取りで廊下を進む彼の背は逞しくて、僕はホッとしたのかちょっぴり涙ぐんだ。
「これ、はい」
大きな掌の上に乗っかったちいさな粒を二つ手に取って、同時に出された水と一緒に飲み込む。薬が喉を通る。彼が来てくれたことと、薬を飲めたことに安堵して強ばっていた肩の力が降りた。
「先輩、ごめんね」
「そこはありがとうって言うんだよ」
ありがとうとごめんはよく似てる。ありがとうと言うはずがごめんと言ってしまう弱っちいな僕を彼はいつも叱ってくれた。正しく優しいことを諦めないで僕に言ってくれた。
「…ぅん、ありがとう」
俯いたままで彼の手を見つめる。僕は彼の手が好きだ。すらりと伸びた白く長い指と骨も血管も浮き出すぎずの美しい甲。全てのバランスが良くて思わずうっとり見蕩れてしまう。僕は特段手フェチ、とやらでは無いが、もし手フェチの人が彼の手を見たら叫び出してしまうのではないかと思うほどだ。
不意に彼の白魚のような手がこちらに伸びてくるのが見えて、思わずギュッと目を瞑る。
「眉間、皺よりすぎ」
彼の指が力強くちょっと痛い強さで僕の眉間をぐりぐりと押している。僕は、ぅわっと情けない声を出した。
「頭痛いんだから、あんま考えすぎんな」
怒っているのかな、またいつものような呆れた面倒みのよさそうな顔をしているのかなあ、と、目を薄ら開けると彼は思いのほか心配そうな顔をしていた。いつもは真っ直ぐ凛とした眉を斜めに下げて、ほっぺを細かく震わせていた。彼の方がよっぽど眉間に皺を寄せているのではと思ってしまった。
「…すみません」
貴方のことを考えているんですよ。貴方のことになると僕の思考は歯止めを知らないんですよ。と、言ってしまいたくなる。でも、弱い上に意気地無しの僕はそんなこと口に出せるはずもなくてぎゅっと口を結んだ。
代わりに、彼の頬に触れた。こういう体調が良くない時だとかは、心体の不具合のせいにして彼に触れる。こういう時ばっかりは彼に触れることを神様が許してくれるような気がして。彼は、心配そうな顔をやめていつも通りの呆れた顔をしていた。もう仕方ないやつだな、俺がいないとダメなんだな、ってそんな声が聞こえてきそうな顔。そうだよ。僕、貴方がいないとダメなんだ。何にもできないの。きっと、貴方が僕から離れたときが僕の終わりなんだなって本気で思っているんだよ。こんなことを言ったらまた彼は叱って、その後ちょっと笑って許してくれるだろう。ああ、僕の隣にいてくれることを誓ってくれたりしないだろうか。そんなの夢のまた夢だって分かっているけど。でも、どうしたってそう願うことを止められない。
この雨が止むまでは彼は僕の隣にいてくれる。もう頭はちっとも痛くなかったが、彼を思うと心がズキズキ痛んでいた。あんなに晴れを望んでいたのに、彼という存在一つで雨を想ってしまうんだ。だからどうか、この雨が暫く止みませんように、と、僕はバレないようにこっそり小さく手を組んで祈っていた。
「ありがとう」 「ごめんね」
この言葉は、言われて嬉しいとき、言われてちょっと心が痛む時がある。
相手に良いことをした→「ありがとう」。
相手に嫌な事をされたが最終的に謝ってくれた
→「ごめんね」
これは嬉しいと、ほとんどの人が思うだろう。
自分の大切な身内が亡くなる瞬間→「ありがとう」
反省していない、少し煽られるような→「ごめんね」
流石に嬉しいと感じる人は少ないのかな?
1つ目はあくまで私の考え。家族がもう現実世界にいなくなるっていうのを改めて突きつけられそうで、嫌だなって思っちゃう。
「ありがとう」「ごめんね」
この2つの言葉で自分が表現したい事、言いたい事を伝えるのは難しい。簡単な事だったら一言で伝わるのがしれないが、相手の捉え方によっては、その一言で人生がありえないぐらいに変わってしまうかもしれない。それは、自分だけではなく相手も同じ。
それだけ大事な言葉だというのを忘れないで欲しい。
たった一言で簡単に人の命を奪えるという事を忘れないで欲しい。
【ありがとう、ごめんね】
ごめんね。そう謝れば君の瞳に少しばかりの苛立ちがよぎった。早朝の駅のホームに、波の音が大きく響く。目の前に広がる海の水面を、昇ったばかりの朝日がキラキラと輝かせていた。
遠く電車の音が聞こえる。このホームに電車が訪れ、それに二人で乗り込んだら。もう僕たちは戻れない。味方なんてどこにもいない二人きりの逃避行を始めるしか、ない。
僕と出会わなければきっと、君はこの村で幸せに生きていくことができたのに。村の皆から腫れ物のように扱われ、無視という名の暴力に晒され続けた僕を助けようなんてしたから、君まで逃げ出すしかなくなった。
「謝らないで。私だって、あなたのことを傷つけ続けたこんな村で生きるのなんて、ごめんなんだから」
きっぱりと君は断言した。吹き抜ける潮風に君の髪が美しくなびく。凛と光る誇り高い眼差しで、君は僕へと微笑んだ。
「謝るくらいなら笑ってよ。私はあなたの笑顔が見たい」
ああ、君がそう言ってくれるから。僕へと手を差し伸べてくれるから。僕はまだこの世界で生きていたいって、そう願えるんだ。
「……ありがとう」
ごめんね。続けかけた言葉を飲み込んで、どうにか笑顔を浮かべてみせた。君の人生を狂わせてしまったことを、きっと僕は後悔し続ける。それでも君と、手を重ね続けたい。君と二人で、生きていきたい。
ゆっくりとホームに停まる一両編成の短い電車。ボタンを押してその扉を開き、僕たちは生まれ育った村から逃げ出した。
そんなことない
そんなこと言うな
と言われるけれど
ありがとう、ごめんねが
どうしても吐いてでる
だってあなたになんのメリットがある?
わたしに全部捧げて
これは無限の愛なのか
絶対は存在するのか
これからはなるべく
ごめんね、
ありがとうと言おう
[ありがとう、ごめんね]
生きている間は一回は、どちらか或いはどちらも聞いたり口にする
時には、人を傷付ける言葉になるときもある。
時には、云われて、気付かされる言葉でもある。
[ありがとう、ごめんね]
自然体に云えるようになりたい言葉かもしれない
それっぽいものばかり。
つらみ。
かなしみ。
すき。
あい。
ひとは賢いから解るよ。
この人のことばは、嘘なんだって。
この人のことばは、自分のためだって。
生まれ故郷よ、どうか達者で
おいて行く私を許してください
きっとこの地を踏みに来るから、
またお煙草を燻らせるから
それまで優しく見送っていて
それまで優しく見送っていて
帰り道だけ恋しくなるなら
暫く思い出しもしないでしょう
ただ訛りだけがそんなに励まして
謝ることすら憚られるのだ
きっと帰ると言わせないのだ
【 ありがとう、ごめんね 】
君とは、いわゆる幼馴染みで、ほぼクラスも同じで。
日中の大半の時間を、共に過ごしてきた。
お互いに一人っ子で、家族ぐるみの付き合いもあって、
兄弟のように育ったというのは本当だ。
だから、君の考えることなんて、お見通しなんだよ。
卒業したら、今度こそ別の道を歩き始めるけれど、
それを応援したくて、でも寂しくて。
複雑な思いは、ほら、顔に出てる。
この後、きっと言いたいことがあるって呼び止めるね。
「何?」
「ねぇ……好きだよ…」
これも、予想通りの内容だ。
両思いなのは分かっていたけど、自覚した時からそれが
叶わない、叶えるわけにはいかないと気付いていたんだ。
それを、君に知られたくなくて、でもずっと変わらない思いを抱いていてほしいと、利己的な考えを押し付けてしまう。
やり場のない思いは、やはり顔に出る。
困った哀しい笑顔を向けるしか出来ないのを、
どうか許してほしい…。
「前から思ってたんだけど出会いはいつ?入ってからだよね?」
「ん~まぁそうといえばそうなんだけどさ~」
「え、なになに!?違うの!?」
お弁当の中の卵焼きを箸でつまんで先生との出会いを思い出した。
先生と私の出会いはとても衝撃的なものだった。
「ここの道は……右だったっけ、」
自分の生活圏内とは少し離れた高校を選択した私は通学にとても困った。
なぜなら私が生粋の方向音痴だからである。
前日にあんなに道を確認したのに……!と思いつつ、無慈悲にも時間は進む。
初日に遅刻なんて本当にやばい。やばすぎる。不良?
良くない言葉が頭をぐるぐる回っていると、余程重大に見えたのか若い男の人が声をかけてくれた。
「あの……大丈夫ですか?どこか具合でも…、」
恐る恐るといった様子で声を掛けてくれた人こそ先生だ。
一目見た瞬間先生が好きだった。
一目惚れとか恋ってこういう事なんだと初めて知った日だった。
「あっ!あの!いや……迷子に、なってしまって……」
こんな年になって迷子、笑われてしまうだろう。
そう思うと恥ずかしくて最後の方は聞き取れたか分からない。
「なるほど。学校に行けばいいんだよね?」
「は、はい!」
「じゃあ連れて行ってあげる。俺の目的地もそこだし、」
「え、先生…ってことですか、え」
「まぁ、そうなるかな。……ぁ、やべ、急がないと俺も遅刻する……急ぐよ!」
そこからは全力疾走だ。
スーツから繰り出される速さと思えないほど先生は走るのが早かった。
足を懸命に動かしてなんとか先生について行く。
「ま、間に合った……!」
全力疾走のお陰か5分前には校門に着くことができた。
初日から遅刻の不良というレッテルは貼られずに済みそうだ。
「本当にすみませんでした……!迷惑をかけてしまって」
「迷惑なんて決めつけないで。どうせなら喜んでよ、ね?」
「あ、ありがとうございます…、?」
「うん、それでよし!じゃあ学校生活楽しんでね」
「はい!ありがとうございました」
これから学校生活、もう楽しみでしかない。
だって先生と過ごせるんだ。どうしよう、世界で一番幸せかもしれない。
「…ぃ、おーい!まぁた妄想の世界に行っちゃった?」
「先生やっぱり運命だ……」
「はいはい、」
2023.12.8「ありがとう、ごめんね」
僕に出会ってくれて、ありがとう
今まで本当に、ありがとう
でも、
ごめんね……、ごめんね、
君の幸せを願いたいから
夢の時間を終わりにしたいんだ
最期まで自分勝手な僕に付き合ってくれて
本当にありがとう、そして、ごめんね
「ありがとう、ごめんね」
大した能力も才能もないプライドエベレスト
自覚済みだけど絶対自認しないから
期待に応えるふりして生きて行きます
"ありがとう、ごめんね"
いつも優しかった昊空
お腹が空いているのに、起きるまで
近くでずっと待っていたね
寝返りをすると
起きたのといわんばかりに
起こしに来たね
遠慮がちに手で頭をトントンと
起きてと
いつも待たせていたね
ごめんね
沢山の優しさありがとう
昊空の優しさ忘れないよ
ありがとう、ごめんね
ありがとう、ごめんねを素直に言える方がいい。
それが正しいことだからとずっと思っていた。
でも違った。
それを言える子の方が幸せなんだ。
ありがとう、ごめんねを素直に言えないあの子は、
いつも小さな肩を精一杯怒らせている。
何度も傷ついてきたことを隠しているんだろう。
あなたが一番優しくして欲しい人達は気づいていないんだ。
繰り返される言葉の棘は、柔らかな心を固くしてしまう。
皮肉も婉曲も要らない。
それは大人に使う技術で、子ども達を幸せにしない。
愛しているなら傷つけないで。
愛してることを素直に伝えて。
それだけでいいのに。
#112
「ありがとう」だけなら「どういたしまして」と返せる。でもその後に「ごめんね」と続くと、どう返したらいいのか分からなくなる。
「謝らなくていいよ」が正解なのか
「気にしないで」と言えばいいのか
「お互い様だよ」でいいのか
ごめんね、という言葉には何となく、「これ以上迷惑かけないからね」という目に見えない線を感じる。
寄り添うことも、手を差し伸べることも、見守ることも、お互い自然に出来る関係を望んでいるのに、ごめんね、と言われると何に対しての「ごめんね」なのかを考えてしまって、そこで止まってしまう。
ごめんね、面倒臭いのは私の方だった。
聞いてくれてありがとう。
END
「ありがとう、ごめんね」