『あなたに届けたい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あなたに届けたい
あなたに、この気持ちを。
私の想いを、届けたい。
あなたは聞こえない。この声が。たとえ伝わっても、出しは友達だから、受け取られることはない。
悲しいなぁ。届かない想いを、あなたに届けたい。
受け取って、もらいたい。
自分より他人を優先するなんて
何がそうさせるのか知らないけど
自分よりも大事にしたいあなたと
私が感じる感動を
共有したいんだと思う
–あなたに届けたい–
【あなたに届けたい】
あなたが好きなものをもらったとき、あなたに届けたい
美味しいものを食べたとき、あなたに届けたい
仕事が忙しくて休めないと言ってるあなたに私の暇な時間を届けたい
ひとりで近くの温泉に浸っているとき、このまったりとした時間をあなたに届けたい
近くにいれば美味しい貰い物もあなたに届けられるし
たまにはゆっくり温泉に行こうよ!と誘えるけれど
あなたは遠くに住んでいる
電話やラインで声を聞いたり近況を知ることはできるけれど、望めば姿も見ることもできるけれど…
それでも届けたいものをすぐには届けられない
でも遠いからこそ届けたいと思うのかもね
もしかすると、いつも近くにいたらそんな気持ちにならなかったりして(笑)
あなたに届けたい
そのあなたは大切な私の子ども
「『届かぬ想い』ってネタなら、4月頃に1回書いてたわな……」
そろそろ、書きやすいお題、かもん。
某所在住物書きは「届けたい」の4字に苦戦して、書いた物語を消しては書き直し、消しては書き直し。
最終的に、次のネタ配信まで残り2時間をきったあたりで、ようやく無理矢理にこじつけた。
最初は職場の後輩に、先輩の実家から防寒着が届く物語。それから雪国出身者のアパートに、その親友から忘れ物が届くハナシ。
今朝の気温の高さに半袖を着たモンスターカスタマーがご来店な茶番も書いたが、20行で力尽きた。
「好意をあなたに届けたい」?ウチは恋愛ネタを書いてないのだ。
「……次回も書けねぇネタだったら、今度こそ、ホントにお題無視でひとつ投稿しちまおうかな」
物書きは頭をかかえ、暗い窓の外に目を向けた。
――――――
最近最近の都内某所、某アパートの一室、夜。
部屋の主を藤森といい、デスクでキーボードに指を滑らせ、翌日の仕事の準備をしている。
パタタタタ、パタタタタン。防音防振の行き届いたぼっちの室内に、打鍵の音が小さく響く。
ため息を吐いて、茶をひとくち。
後ろを振り返ると、
「おいしい。おいしい」
物言う子狐が1匹、前足で器用にマグカップを支え持って、ちうちう、ちうちう。
ジンジャーのきいたホットミルクを飲んでいる。
尻尾で床を高速ワイパーする様子は、至福の感情表現の極致。よほど好ましいのであろう。
「おかわり!」
キラキラ光る瞳で藤森を見つめ、子狐コンコン。
見つめられた方が再度、ため息を吐いている。
これで4杯目だ。何杯飲み干すつもりだろう。
物言う子狐は稲荷神社の在住。週に1〜2回、稲荷のご利益豊かな餅を作って、藤森の部屋に売りに来る。
藤森は餅売り子狐唯一のお得意様。
昨日は小さな大福餅を5個売って、テーブルの上にあったジンジャーホットミルクの匂いをかぎ、ぺろぺろ。結果、全部飲み干した。
その味をどうやら気に入ったらしい。珍しく2日連続で部屋を尋ねてきた子狐は、
部屋に入るなり開口一発、「昨日の、ちょうだい」とコンコン。目を輝かせたのである。
丁度、今月賞味期限のジンジャーパウダーの消費先に困っていた藤森。
軽い気持ちで、牛乳を火にかけ、ジンジャーを振り、シュガースティックでかき混ぜた。
はいどうぞ、いただきます、おかわり。
はいどうぞ、いただきます、おかわり。
稲荷の子狐に届けたホットミルクは計4杯。
いっそ大鍋にリットル単位で作って、それをテーブルに届けてやろうかと、思い始めたとか、さすがにそれには牛乳が足らぬとか。
タン、タン。
ノートの電源を落とし、その日の仕事を終えた藤森。
どこにこの量のホットミルクが収まっているのやら、子狐の幸福に膨れたおなかをじっと見て、小さく首を振り、3度目のため息を吐いた。
「子狐。こぎつね」
「なあに」
「作り方、教えてやろうか」
「キツネ、おうちで作った。からかった。おいしくない。おとくいさん作って。いっぱいいっぱい作って」
「多分ジンジャーの入れ過ぎだ」
「ちがうもん。おとくいさんが作らないと、おいしくないんだもん。きっとそうだやい」
「こぎつね……」
一緒に作ろう。 やだ。
お前の家にレシピ届けようか。 やだ。
子供らしいヤダヤダ問答が続いて、藤森が根負けして、仕方がないのでもう1杯だけ作ってやって。
今月賞味期限のジンジャーパウダーと冷蔵庫内の牛乳を全部使い切ったジンジャーホットミルクを、子狐はぺろり飲み干して、
満腹になったらしく、その場で電池が切れてご就寝。
最終的に、子狐は2枚合わせハーフ毛布にくるまれ、ホットミルクのレシピを書いたメモと一緒に、
子狐の実家であるところの稲荷神社、その敷地内の一軒家に、優しく届けられることとなった。
子狐のジンジャーホットミルクのトレンドは、その後3日4日続いて、パッタリ、突然終わりましたとさ。
おしまい、おしまい。
あなたに届けたい。
貸してもらった42冊の単行本。
中々まとまった時間が取れなくて、
途中まで読んでは最初から読み直しの繰り返し。
気つけばもう何年も借りたままの状態です。
今更返すのが気まずくて、郵送で送るのも失礼だし、
もう死ぬまで借りようかと考えてます。
【あなたに届けたい】
あなたに届けたい言葉を手紙にしました。
受け取ってくれるかな。
あなたに届けたい言葉を歌詞にしました。
伝わってくれるかな。
あなたに届けたい言葉をラインしました。
既読はつくのかな。
あなたに届けたい言葉を口にしました。
きっと届くかな。
あなたに届けたい。
あぁ、お空のあなたに届きますように。
END
「あなたにこれを届けてくれと頼まれましてね」
男は私に箱を手渡してからそそくさとオフィスから出ていった。まったく、何なのだろう。配達員ではないようだけど、オフィスに勝手に潜り込んで警備員に捕まらないなんてありえないから、それなりの用があってここを訪れたのだろうが……仕事場に届けるということは仕事関係だろうか。しかしまったく記憶にない。少し重ための小箱。一体何が入っているのかしら。カッターでテープを裂いて箱を上げると、中には何も入っていなかった。隅々まで見回しても紙切れ一枚さえ入っていない。
「まったく、何なのよ」
とその小箱を後輩社員に始末するよう頼んで、会議に向かった。それにしてもあの男、一体何者だったのだろう。彼の口ぶりからするに、あれは彼からの、というより誰かに頼まれたようだったが。あんな男、会社では見たことない。やっぱりタチの悪いいたずらかしら、と舌打ちしてエレベーターに乗る。すると2階で人が入ってきた。あの男だった。彼は気味の悪い笑みを浮かべて私を見ている。
「どうでしたか?贈り物は」
「な、何よ、あんた。別に何も入ってなかったじゃない」
というと、おやおやと彼は愉快そうに言って次の階で降りた。
会議中、けたたましいサイレンの音がして、それが我が社であることが分かった。話を聞くと私のデスクがあるフロアで突然倒れた人がいたようだった。三人が運ばれていき、その中には、私が小箱を託した後輩もいた。原因は不明。三人とも、その日のうちに病院で息を引き取った。
私はあの箱の中身を悟った。私は間一髪で危機を逃れたのだろう。運がいいわ、と鼻歌混じりに退社した。
翌日もまたあの男が私の元にやってきて、箱を渡してきた。私はその箱を、昨日の会議で私の案にダメ出しした部長に渡してあげた。彼はその箱の軽さに一瞬戸惑っていたが、私は微笑みを浮かべて言った。
「あなたに、届けたくって」
「あなたに届けたい」
君を想うこの気持ちが、
"愛"なんだろうか。
私の中でどんどん大きくなっていく。
いつも声に出すことが恥ずかしくて、
言えないけれど、
本当は大好きです。
この気持ちよ、
あなたに届け。
今、私
ここで歌ってるよ
今、私
沢山のお客さんの前で夢叶えたんだよ
今、私
念願のライブ開けたんだよ
今ここで
伝えたいけど、貴方はもうここにはいない
そうやって自慢げに伝えられたらいいのにな、
と思ってたら
隣から
「届いてるよ!笑」
って聞こえたよ
気のせいだと思うけど
この声が貴方の声だと信じてみたい
あなたに届けたい
小学生の私に届けてあげたい「ガムテープ」。
出来れば声も送ってやりたい。
学校帰り、靴を隠されたら、上履き履いて帰っておいで。
上履きを外で履いてはいけないなんて守らなくていいから。
その時は上履きの底にガムテして帰ってきな。
剥がせば明日また普通に使えるから、気にしなくて済むでしょ。
靴下ダメにしたら、結構後々まで引くからさ。
笑って帰っておいで。
(あなたに届けたい)
あなたに届けたい
雪が降っても、
桜が咲き始めても、
虹を見ても、
美味しいお菓子を食べた時も、
かっこいい音楽を聴いた時だって、
いつだってあなたに届けたいと思う。
どんな時も。
#161
それは、小学校の卒業を間近に控えた、冬の終わりのことだった。
「俺、引っ越すことになったんだ」
好きな人からそう言われたのは、私にとって世界に大きな隕石が落ちるのと同じくらい強烈な衝撃だった。
彼の父は所謂「転勤族」というもので、日本各地を転々とする生活を送っていた。この辺に引っ越してきたのも1年前くらいだ。1年も住むのはかなり珍しいようで、普段は3ヶ月〜半年で引っ越してしまうようだ。と、後から母から聞いた。
薄々そうなるのではないかと、幼いながらに大人の事情を感じ取ってはいた。しかし、いざ実際に言われてみると、小学生の私は受け入れることができず、やだ、やだと言いながら泣くことしか出来なかった。困り切った彼が、「君はスマホを持ってないし、よかったら文通しない?」と彼の新しい住所が書かれた紙を私にくれた。すぐに引っ越してしまうから、友人たちと連絡を取れるようにと彼の両親は彼にスマホを与えていたが、私は両親の方向性により高校生になるまでお預けだった。そんな私に気を遣って提案してくれた、メッセージアプリの便利さを知ってしまえばわざわざやろうとは思わない文通。そういう優しいところが好きだったのだ。彼の提案に私はこくりと頷いた。
しばらく文通は続いたが、度重なる彼の引っ越しで住所が分からなくなり、いつしか文通も途絶えた。
それから数年。私は歓声に沸くステージへと足を進める。いまや知らない人はあんまりいない、国民的人気アイドル。それが私だ。
高校からの帰り道に、アイドルにならないかと声をかけられた。彼のことがずっと心に残っていた私は、恐る恐るその世界へと足を踏み入れたのだ。私が有名になれば、居場所がわからない彼も、私を見つけてくれる。そんな僅かな期待を込めて。
ライブステージから、会場を見渡す。彼のために始めたアイドル業も、今や生き甲斐だ。
「今日は、みんなに聞いて欲しい曲があるの」
ざわりと湧き立つファンに、笑みが深まる。
「新曲、聞いてください。『あなたに届けたい』」
伝えられなかった、忘れられない不変のこの想い。
テーマ『あなたに届けたい』
やりたいことをやろうとすると、罪悪感があったよね
弟たちを優先しなきゃって、自分を押し殺したよね
親を困らせちゃいけないって、自分で自分を否定したよね
辛かったよね、苦しかったよね
自分の心がわからなくて、心に従うことが悪に思えて
周囲に咎められないように、必死に息を潜めてたよね
でも、もう大丈夫だよ
これからは、私があなたを守るから
やりたいことを、やっていいんだよ
お金の心配はしないで
必要な分、私が稼いでくるからね
大切な人を、一番に考えていいんだよ
私にとって、一番大切な人はあなただよ
でも、あなたにとって大切な人も、私にとってすごく大切な人だよ
幸せになっていいんだよ
周囲の価値観に押しつぶされるのは、もう終わり!
心に耳を傾けて
あなたなりの人生を歩んでいってね
子供の頃の私へ
──もう、大丈夫だよ
あなたに届けたい‥
あなたに届けたい‥
あなたたちに届けたい‥
この怒り!
悪いことしたって思うなら、誤魔化さないで全て調べて、皆んなに見せて。のらりくらりやってれば、国民は忘れてくれるなんて舐めないで!
こんな政治家を私たちが選んだと思うと情けないんだけど‥。
自分たちのパワーバランスじゃなくて、もっとやるべき審議あるでしょ?災害に遭って困ってる人がたくさんいるんだし‥。
あなたに届けたい
赤いポストから手紙を回収する。
僕の仕事は手紙を届ける事
さまざまな人からの手紙をさまざまな国へと届ける仕事に僕はやり甲斐を感じている。
皆の思いが詰まった手紙を僕の手で届ける。
遠い地で別々で暮らす家族
離れた距離で愛を育む恋人
引っ越してしまって会えなく無った友達
その人達の思いを届け 縁を結ぶ
これっきりの出会いにしない為に
別れの時を再会の時に繋げる為に
僕は、今日も手紙を届ける
あなたにこの思いを届ける為に
あなたに届けたいから
僕は、今日も 相棒のカブを走らせ
どんな悪路でもひた走る
手紙を出した人の思いを届ける為
出された人の笑顔を見る為に...
だから僕はこの仕事が辞められないんだ
いつまでも.... ずっと。
【あなたに届けたい】
小さな詩ができたので
電子の波に乗せて
あなたに届けたい
1と0だけの
電気信号でしかないけれど
あなたに届けと乞い願う
『あなたに届けたい』
わたしに全能な力があるなら、地獄に光を届けたいです。
希望に満ちた明るい一筋の光を、地獄にいるであろうあなたに届けたいです。
「わたしはあなたが好きです。もう苦しまないでください。」と、添えて。
生前に伝えられていたら、母は生きていたかもしれないのですが、運命とは残酷なものです。会えるチャンスすらなかったのですから。
あなたに届けたいものがある。
言葉は時に無力だから。
何の力も持たないから。
だから、私は…
「清春ー、これ預かった〜」
「……これは?」
「お守り。峰倉さんから…」
「えっ……!紗雪からっ」
私と彼は、この2日前に些細なことで喧嘩をした。それから一切連絡をしなかったものの、どうしても今日の試合だけは最初から最後まで近くで見守っていたかったから、私は代わりにお守りを友人である森坂君に頼んだ。
彼、清春の試合とは、モーターレースの一つフォーミュラだ。
そこでの年間チャンピオン争いが拮抗していて、清春は健闘していた。
本当は近くにいたいけれど、喧嘩をしてしまった。
まだゴメンネが言えない私は、なんて情けないのだろう。
それでも清春に一言、『近くにいる』という事を伝えたかったから私はお守りを託した。
意気地無しで、意地っ張りでごめんね。
このレースが無事に終わったら必ずごめんねって謝るから、だからどうか……、
何事もありませんように。
清春の目標に、手が届きますように……。
生きている中で
知らず知らずのうちに
誰かを傷つけていることが きっとある
良かれと思ってやった行為も
その人にとっては
有難迷惑だったかもしれない
その時は気付けなかった…
全く悪気はなかった…
悪気ないって
めちゃくちゃ怖いな…
そのために
どれくらいの人の心を
傷つけてきたんだろう
ごめんなさい
今更 届かないかな…
でも 届いてほしいな…
……あの時は ごめんなさい……
そして……本当に ありがとう……
#あなたに届けたい
先走る想いは、どうしようもなく。
想いが募れば募るほど苦しくて切なくて。
愛に形とかあるのかな?ハートの形?情熱的なら薔薇の匂いとかするのかな?
未だ、"愛"という物にしっかりと触れたことはなく、あやふやでよくわからない。
世の中の恋人たちは楽しそうだけど、なんだか苦しそう。他人と分かち合おうとする。そんな大変なことをよくやってるなぁ。なんて傍観。そして他人事。
恋のひとつやふたつ。したことないわけじゃない。
女のいざこざに巻き込まれて、男にうざい、重いと言われ蹴散らされ、恋愛という物に恐怖を覚え遠ざけた。
でも、また懲りずに想いを馳せてしまった。
無償の愛に触れたい。
与えた与えられたではなく平等に。
この気持ち、届けてもいいですか?
あなたに届けたい____
2024.01.31