『あなたとわたし』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私の世界だけ、終わってしまえ。
やっと許される。やっと解放される。
もう自分を責めなくていい。
もう傷つかなくていい、苦しまなくていい。
病気になってから、『普通』や『当たり前』が、崩れていく。
出来なくなっていくことを受け入れるのは、本当に苦しい。
病気だから、しょうがない、なんて簡単には思えない。
自分が自分で無くなっていくのが、辛く悲しく怖い。
毎日が戦いなんだ。孤独な戦いなんだ。
理解してほしい、と誰かに求めることは、
相手も自分も苦しめることを知っている。
だから、孤独でいることを選んだのに。
無性に寂しくて、虚しくて、どうしようもない。
納得いかないこと、落とし所のない感情、矛盾した頭と心、自分では抱えきれなくなって、押し潰されそうになる。
助けてほしいのに、具体的に、どうしてほしいかがわからない。
理解してほしいのか、寄り添ってほしいのか、受け入れてほしいのか、自分で自分がわからない。
早く抜け出したい。こんな気持ちを早く終わらせたい。もう楽になりたい。
同棲して3ヶ月、私たちはそれなりに上手くやれていたと思う。お互いがお互いを気遣い、尊重し合う生活。譲れないことはぶつけて、お互いが快適に暮らせるようになった。そう思ってた。
「別れよう。」彼から突然告げられた。
私は、追いつかない頭で辛うじて理解して、
「どうして」それだけ呟いた。彼は嫌悪感を隠す素振りもなく、日頃の不満を並べだした。彼が発する言葉に、修復不可能な溝を感じ、聞いているうちに涙が溢れてきた。彼はそんな私を見て、なんでお前が泣くんだとそう言った。
そっか。理解し合えたと思っていた。それは私だけだったんだ。あなたとわたし。どこまで行っても違う人間で、全て分かり合うことなんて不可能だったんだ。
11.7 あなたとわたし
『あなたとわたし』
あなたとわたしは、とてもよく似ている。
口に出さなくても、お互いに理解できることが嬉しかった。
笑うところや怒るところが同じで楽だった。
嫌がることは先回りして回避できた。
相手の望むことをしてあげられた。
だから今、あなたがどれだけ隠そうとしてくれても、
離れていく気持ちがわかりすぎて苦しい。
あなたとわたしが、似ていなかったらよかったのに。
『あなたとわたし』
俺は人間が好きじゃない。動物も好きじゃない。じゃあ、植物は? と聞かれたら、やっぱり好きじゃない。
でも家族や友達、バイト先の皆は好きだ。にゃあ(実家で飼ってた猫)やハムハム(実家で飼ってたハムスター)も好きだ。ホームセンターで気まぐれに購入して育ててる謎の多肉植物も好きだ。
『だれかとわたし』の関係性でなく『あなたとわたし』の関係性になると、その人や動物や植物の解像度が鮮明になって、一気に親密度があがって愛着が湧く。路傍の石ではなく、自分の大切なものに変わる。俺は単純な人間なのだ。
夏の暑さが落ち着き……いや、落ち着くどころか急激に冷え込んできた昨今。
それも余計に寒さがきつくなる深夜、俺は寝酒を買いにコンビニへ出かけた。最近、寝つきが悪くて酒を飲まないと眠れないのだ。
(だーれもいないなぁ)
歩道の真ん中をとぼとぼ歩きながら思う。すれ違う人も車も、なにもない。
信号機だけがチカチカと明かりを灯している。
この世界で生きているのは俺ひとりだけのような気分になる。
「……まるで異世界に来たみたいだぜ。テンション上がるなぁ」
誰も見ちゃいないからって変なことを言いながら歩を進め、コンビニで酒を購入して帰る。
その帰り道、近くの駐車場に立ち寄った。
「おーい、リンリン! リンちゃん? いるかー?」
4、5台、車が停めてあるだけのなんの変哲のない駐車場に向かって声をかける。
しかし応答はない。
「リン? リンリーン?」
ついに気が触れたわけでもないし、ましてや呪文を唱えているわけでもない。
(今日はいないのか……?)
そう思いかけたその時、
チリリン……
鈴の音が聞こえ、車の影から一匹のミケネコが姿を現した。
「リンちゃん! ほら、おいで」
その場に屈んで、ほれほれとミケネコに向かって手招きする。
「うにゃあん」
チリンチリンチリンと首輪につけられた鈴を鳴らしながら寄ってきたミケネコのリンちゃんに人差し指を差し向ける。
リンちゃんは俺の人差し指をスンスンと鼻で嗅ぎ、その後、くしくしと口元を擦りつけ始めた。
「はは、カワイイのう」
ミケネコのリンちゃんは地域ネコなのか、はたまた飼い猫だけど外飼いなのか、それは不明だけど、この駐車場によくいた。
出会ったばかりの頃はお互い警戒していたけど、何度もニアミスを繰り返すうちに、いつしか仲良しになっていた。ちなみに本名は分からない。リンちゃんという名前は、鈴の音がリンリンリンって鳴るから、俺が勝手につけているだけだ。
「リンちゃんは、なんでいっつも駐車場にいるん? よっ、と」
通じるはずもない質問をしつつ、リンちゃんを抱きあげる。
「んんんんん……」
抱っこした腕の中で暴れるリンちゃん。抱っこされるのが嫌いなのだ。分かっているのに愛らしくてついついやってしまう。
「あー、ごめん、ごめんよ」
嫌がっている人や動物を痛めつける趣味はないので、即座に地面におろしてあげる。
「にゃっ、にゃっ」
嫌われたかな、と思ったら、そんなことはなくて足元に顔を擦りつけてくるリンちゃん。そういうところがたまらなくキュートだ。
「さて、と……」
手に持っていたビニール袋の中から宝のチューハイ缶を取り出す。
「んにゃあっ!!」
「あー、違う違う、これお酒だから」
なんかくれんのか!? とハイテンションで寄ってきたリンちゃんを諭し、プシっと缶をあけて酒を飲む。
(本当は、ちゅーるやカリカリをあげたいんだけど……)
首輪と鈴をつけている以上、リンちゃんは誰かの飼い猫だ。俺が無責任に与えたものが原因でお腹をこわしたりアレルギーにでもなったりしたら、俺には責任の取り様がない。
俺が何も与えてくれないと分かると、リンちゃんは素気なく俺から遠ざかり、少し離れた位置で毛づくろいを始めてしまった。猫とは現金な生き物だ。
「リンちゃんが人間の女の子だったらなぁ……」
軽く気持ち悪いことを呟く。いや、それでも同じか。責任をとる覚悟もなく何も与えず、ちょっかいだけだして、結局なにもしてくれないやつなんて誰からも好かれるわけない。
『あなたとわたし』 『リンちゃんと俺』
対人の人間関係でも当てはまるのかと思うと、ちょっと悲しくなった。
笑えないなら
私が笑う
泣けないなら
笑が泣く
辛いなら
私が貰う
貴方の幸せ私の幸せ
私の幸せ貴方にも
悲しい辛いは
半分個
幸せ楽しは
倍にして
それが
わたしとあなた
私はあなたで
あなたは私。
あなたとわたし
母子癒着、という言葉を知ったのは25歳の時だった。
親身に話を聞いてくれたカウンセラーが、少し申し訳なさそうに言うのだった。「こんな厳しいことをね、いうのもね、なんだか申し訳ないのだけれど…」という前置きを置いて。
カウンセラーはわたしの母よりも10歳ほど下の女性だった。彼女が経験してきたことは、私とひどく似ていてとてもただの他人とは思えなかった。彼女は先ほどの前置きの後に一つ息をついて、いった。
「あなたとお母さん、『癒着』してるんですよ」
「ユチャク?って、癒着?」
途中保存
眠い。眠すぎる。
あなたが、口紅を塗る姿が好きでした。
手鏡を見ながら、唇をなぞっているあの瞬間、あなたは誰よりも可愛くて。
その塗り直した綺麗な唇を乱してしまうのが嫌で、そっと、触れるようなキスしか出来なかったのを覚えています。
塗り直すのが面倒で、ほんのり色づく程度のリップクリームしか塗っていなかったわたしに、顔色が悪そうに見えると言って、色鮮やかな赤の口紅をつけてくれたことがありましたね。それがとても嬉しくて、口紅を買わずにいました。また、つけて欲しくて。いつもの通りの顔を見るごとに、あなたは不満がっていたけれど。
でも、あなたの瞳に映るわたしは、あなたの口紅の色で血色が良くなっていたでしょう?
あなたは、派手な色が好きだったから。
最近、薄い口紅をよくするようになりましたね。
理由を聞いた時、その薄い肌なじみの良い口紅より、赤くなった耳にわたしは気づいていたけれど、気づかないフリをしました。
しかし、わたしの為でも自分の為でもなく、わたしの知らない誰かの為に口紅を塗る仕草が、好きだったはずのあなたの仕草が、嫌いになってしまって。
でもあなたの傷ついた顔が見たくないから、勝手に消えるわたしを許してください。
あと、1つだけ。
あなたは口紅をたくさん持っていたでしょう。なので、あの時の口紅を一本、いただいていきます。もう、あなたには必要の無いものだと思うから。
ごめんなさい。幸せに。
あなたとわたし
後日書きます!!枠だけとらせていただきますー!
あなたとわたし
よく、聞かれるけれど…
あなたとわたし、どんな関係なんだろう…幼馴染み、友達、恋人…どれも、間違いでは無いけれど、どれも、違う様な…
もう、ずっと前から、一緒に過ごしてきて、相手の気持ちが、何となく判る位の立ち位置で…空気の様に、でも、離れていると、何となく落ち着かない…
そんな、あやふやな、二人だけれど…
ただ、多分、あなたは気付いていないだろうけれど…何時からか、わたしの心に生まれた、この感情…
この、微妙な関係から、少しでも、前に進みたい…
あの頃のあなたと私にはもう戻りたくない。
戻れるんなら、「二人で食事しませんか?」と連絡をもらったあの日より前に戻りたい。
その頃のバカな私と無知なあなたに戻って、
深く関わろうともせず、
一緒に暮らしたいとも思わず、
子を生そうとも思わず、
SNSの中で互いの健康を知る程度の存在に戻れたら、
ちょうどいいのかもしれない。
『あなたとわたし』
あなたとわたしは
違っていて当然。
だけれど、
どうしてこの世界は
あなたとわたしを比べたがるのだろう。
違っていて良いのに
常識から逸脱するのは別として
違う事を否定される時がある。
何でも出来るあなたを羨んだり
疎ましく思ってしまったり
わたしの存在価値を
周りが比べる事で
わたしがわたしを見失って
それでいて、自分自身で
何も出来ないレッテルを貼っている事も
気付かないまま
「どうせわたしなんて」
を繰り返して捻くれて行く性格が嫌で仕方なかった。
思春期は、
自分が嫌いで他人も嫌いで
笑う自分も泣く自分も
全てが気持ち悪くて仕方なかった。
あなたとわたしは違っていて当然と
分かっていても
捻くれてしまった性格は中々元には戻らない。
だけれど、その言葉を吐く度に
母親に
あなたは自分の幸せだけを考えれば良いと
あなたはあなたの人生なんだからと
人の目を気にしたり
人の事を考えるよりも
自分を大切にしなさいと
何度も咎められた。
思春期を乗り越え、
大人になって、漸く
わたしとあなたは違っているのは
良い事だと思えるようになった。
それが良い事だと思えると
わたしはわたしを受け入れらるようなれた。
今では、母親のその強さに感謝しかない。
母親が呆れず何度でも、
咎めてくれたおかげで
わたしはわたしになれたのだから。
あなたとわたし
初めてあなたとお会いしたときなんとも可愛らしい人が来たと思いました。
青空の下広がるなんとも野趣あふれる将棋フリー倶楽部。公営。もとい自治体運営、地方更生プロジェクト、目指せ将棋のまち。
ここの運営の一角をわたしが担って30年程経ちますが今に至ってもあなたぐらい小さい方が突然乱入してきて突然勝ち抜くことはなかなかありませんでした。
次にお会いしたときは元気よくおじさん!と呼んでくれましたね。
わたしはお爺さんで構いませんよ、と言いました。
ぼくはたけちゃん、と名前を教えてくれましたね。
そこから数年は、たけちゃん、おじいちゃんと呼び合う仲でした。
次は先生、たけとくん、と呼ぶ仲に。
あなたが学業のためこの街を離れてからはあの子、あの少年、あの青年、と呼ぶ事が時折ありました。
あなたと過ごした時間は長くて、語ることがありすぎますね。
そして今、自治体主催のこの将棋大会において、数年ぶりにお会いすることができました。
あなたとわたし、この呼び方にまた戻ってきましたね。
さて、いざ尋常に。
「あなたとわたし」
考え方も
価値観も
全く違う
あなたとわたし
それでも
寒い夜に
お鍋を囲んで
幸せになれる
あなたとわたし (*´艸`)♡
すずとことりとそれからわたし
みんなちがってみんないい
あなたはとても冷たい。
私はあなたを暖めることが出来るの。
だから、私はあなたより暖かいわ。
あなたは小さい。
私はあなたを抱きしめることが出来るの。
だから、私はあなたより大きいわ。
あなたには冬以外は殆ど会えない。
私はあなたが冬の外で冷やしてきた心も身体も癒せるの。
だから、私はあなたより褒められる仕事をしているわ。
⸺だから、もっと感謝の心を持ちなさいな!
◇◆◇◆◇
「うんうん♪ちゃんと感謝してるよ。だからこうして天気のいい日は天日干ししておひさまの匂いを込めてるんだぞぉ〜」
「……あの、なんで毛布の魔導具使ってるんですか?」
「電気毛布より早く優しく温めてくれるから」
「そのメリット以上に、デメリットになり得そうな自我が生まれてるんですが???」
「これも魔導具の醍醐味醍醐味〜♪」
「……はぁ」
【これから暫く世話になるぜ毛布!】
あなたとわたし、どこで道を違えたのだろう。
あなたのようになりたかった。前を歩くあなたに追いつきたくて、転んでも転んでも追いかけたのに。
いつの間にかあなたは私の前から居なくなっていた。
道標を失った私は、真っ直ぐになんて歩けなかった。
あなたがふと戻ってきた時に、後ろにわたしが居ないことに気付いてくれますように。
「あなたとわたし」
元気ですか?
あなたに会いたいです。
もう一度あなたと15年過ごしたいです。
わたしの上に乗ってきて暖めてほしいです。
わたしにかわいい声で話しかけてほしいです。
もし人間に生まれ変わったら、
もっともっと長く一緒にいようね。
やあこんばんは。あなたはこの場所は初めてかな?
ここは情報の海の片隅にある、書くことや読むことを好む者たちのコロニーのひとつだ。他の者たちの姿形は見えず、文字を通してしか認識することはできないが、なかなかどうして賑わっている。
ああ、わたしはここの一住人だ。好きに呼んでくれたまえ。
あなたはここで好きに過ごしてくれていい。
毎日十九時に発表される題目に沿って、自らの思いの丈をしたためてもいいし、己の中の空想を自由に描いてみるのもいい。題目は迷える者たちへの指標のようなものだ。存分に活用してくれて構わないよ。
他の人達の思いを覗いてみるのも良いだろう。たった一つの題目が、人の数だけ様々な形に成形されていくのを見るのは、なかなか楽しいものだ。あなたの気に入る書き物に出会える可能性もあるしね。
あなたはこの場所に、定期的に訪れてもいいし、時々覗きにくるだけでもいい。その辺りに特に決まりはない。自由だよ。
あとは……ああそうだ。いくつか注意点があったんだ。
ここで好きに思いを綴ることは、一日に一つしかできない。それと出来上がったものは己の内だけに留めておくことは出来ず、即放流されることになっているから、そこは気をつけてくれ。あくまでここは、書くための習慣をつけるために生まれた場所だからね。
さてと、こんなところだったかな。
それではこの辺で。あなたにとってこの場所が、有意義なものとなることを願っているよ。
よい日々を。
/『あなたとわたし』
あなたとわたし
出会いと別れ
理想と現実
紡ぎあった時間の狭間に
確かに
手を繋いだ
あたたかな ″と″ があった
あなたとわたし。
黒と白。表と裏。光と闇。夜と黄昏。
傷と狂気。近くて遠い。忌々しくて、愛おしい。
「·····どうした?」
「? 何が?」
頬に触れた指は冷たくて心地よい。
「泣いているのかと思った」
低音が鼓膜をくすぐる。
「泣いてないよ?」
泣いてない。でも、泣きたくなるような気持ちだったのは本当で。
この人と、こんな穏やかな時間を過ごせる日が来るなんて·····。
「ココア、おかわりいる?」
じわりと滲んだ涙をごまかす為に立ち上がる。
その手を強く、掴まれた。
「いい」
「でも·····」
「いいから、ここにいろ」
あなたとわたし。
――どうしてあんなに、傷付け合っていたのだろう。
END
「あなたとわたし」